東葛人的視点

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CSKの評価は難しい

2004-07-23 10:06:50 | ITビジネス
 CSKは本当に評価の難しい企業だ。子会社のコンタクトセンター、ベルシステム24の反乱に直面しているが、コンタクトセンターは、CSKの戦略事業であるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の要のはず。もし、第三者割当増資を差し止めることができなければ大変なことになる。というか、ITサービスとのシナジー効果がよく分からない証券会社(コスモ証券)を得て、要のコンタクトセンターを失えば、物笑いの種にしかならない。

 CSKの業績はすばらしい。2003年度の売上高は対前年度比5.9%増、営業利益に至っては28.1%増だ。ITサービス業界では、かつての勝ち組も含め業績不振に沈む中、気を吐いた数少ない企業の1つだ。彼らの強みは、やはり運用、アウトソーシング、そして昔ながらの人海戦術。メーカーの失敗プロジェクトの尻拭い、いわゆるファイヤーマン・ビジネスもすごいらしい。

 そんなCSKにとって、証券会社がシナジー効果があるのか。いろんな説明がなされているが、どうしても納得感がない。CSKの青園会長の肝いりで出版された『インタンジブル・アセット』、とても面白い本だが、その中で事業目的を絞り込み、組織の目的を共有することの重要性が強調されているが、CSKの場合どうだろう。著者のエリック・プリニョルフソンMITスローンスクール教授は、事業を絞り込めている企業としてCSKを挙げるが、これはスポンサーへの単なるリップサービスか。