管理職も行政も教えてくれない 学校の「今のあたりまえ」 若い教師に伝えたいこと

今当たり前と思っていることも、よくよく考えてみれば、問題だらけ。若い人には、ぜひ読んで、考えてもらいたいものばかり。

2分の1成人式の賛否を考えながら

2018-01-28 11:16:54 | 行事
最近は、どこの学校でも行われている2分の1成人式。
「家族への感謝や愛情を、学校で押しつけている場面が多い」
「過去に触れてほしくない、または家族の愛情など話題にされたくない子がいたなら、その子にとっては2分の1成人式は、なんとも残酷なものとなるのではないか」
この指摘は、確かに言えることだと思う。
そこで「やると決まった」、この式を家族への愛情、感謝について、できるだけ薄めた内容のものとして取り組むことにした。(これも根本的な解決法とはとうてい言えないものであるが)

自分史はまとめるとしても、自分の成長、時代との関わりを中心にして、家族に関わるものは最小限に。

あとは定番とも言える式次第(よびかけ、合唱、合奏、運動会の再現、20秒スピーチなど)で行ったのだが、そして大半の親が目に涙を浮かべていたのだが、はたしてこれでよかったのか、については、うまく整理できないままで終始したような感を免れない。

これはいつか改めて、しっかりと総括したい。

2分の1成人式の歌をオリジナルで 「輝いていますか」

2018-01-28 11:14:31 | 行事
2分の1成人式の取り組みの際に、できるだけ手作りのものを、オリジナルなものを追求したいと思って、冬休み中に歌詞を3編作り、休み明けに音楽の先生に頼んで、その中のひとつにメロディーをつけていただいた。
自分なりには、気に入っていて、子どもたちも、普段、鼻歌を歌うくらいに歌ってくれているし、また式で披露したときには、何人ものお母さんが涙を流していたのだが・・・

こんな歌詞です。メロディー、楽譜希望の方は「コメント」してほしい。

輝いていますか? 二十歳になったわたしへの手紙
         詞 志麻 克己  曲 LATTE

1.ひさしぶりです 十年前の わたしのあなた
 今のわたしは 小学四年生 まだまだこども
 二十歳になった あなたに贈る メッセージです
 年下だけど タメ口だけど 許してください

2.健康第一 風邪などひかず 元気でいますか
 好き嫌いなく しいたけ ピーマン 食べられますか
 ゲームばかり テレビばっかり 卒業したかな
 むずかしい漢字 長い作文 書けるかな

3.コロッケが小さいと きょうだいげんか してはいませんね
 マンガもいいけど 長い小説 読んでいますか
 お風呂のシャンプー 夜中のトイレ 一人でできるね
 わかっているのに 屁理屈言うのも なくなりましたか

 そして そして 今のわたしから
 未来のわたしに
 せいいっぱいの お願いをします 

4.家族 友だちを 自分と同じに 大切にしてね 
 まがったことにも 目をそむけないで 生きてください
 ちょっとのことに へこたれないで 歩いてください
 自分のからだを 大事にしてね いたわってね

 そして そして ひとつだけの人生を
 輝かせてね
 花のように 光のように

 さあ あなたに向かって わたしに向かって さあ・・・

卒業式の抜本的な改革を

2018-01-28 11:11:52 | 行事
この時期、どこの学校でも6年生を中心に、かなりの時間をかけて、卒業式の練習をしているのだろうと思います。
別れる子ども達と、たっぷりと時間をとって、最後のまとめをしたり、またゆっくりと1人1人話し込んでいくべき、大事な時に、
やれ礼のしかたは・・・やら、証書のもらいかた、よびかけ(実は教師がほとんど考えた台本)で大声を出せ、動くな・・・
そんな「作法」中心の指導が、きっとどこでも行われているかと思うと、残念な思いがします。

私たちの若いときも似たようなものだと反省しているのですが、それでも卒業式のねらいには、「最後の授業」という言葉が入っていて、
国旗、国歌の歴史、未来に向けた子ども達の夢を語り合う、校長の授業、現代社会の到達点(ここまで人権が獲得されたこと、まだ未解決の社会の課題など)の学習など、多彩な取り組みがなされたものでした。

今は、そのほとんどが「作法」。つまり、一糸乱れぬ式の遂行のためにがんばること。別の言い方をすれば、いかに従順な態度を培うかがメインの取り組みになってしまっています。
しかも、東京では都の前代未聞の通達により、式場の椅子の配置すら定まったものとして押しつけられ、対面式ですらできない状況です。(もうそんな通達すら知らない教師がたくさんいます)

 ネット配信のニュースで、こんな記事を見つけました。読んでみてすくに分かるS新聞社の記事です。
 意図的で、偏見に満ち、レベルの非常に低い記事でも、中には「けしからん」とする方もいるのかと思うと、この新聞社の政権政党機関誌然とした取り上げ方には、腹が煮えくりかえるような憤りを覚えます。

 国歌を背にしたら非国民?
 国歌を背中に背負って・・・と考えれば、愛国者?
 言葉は、いい加減なものですね。


「大阪市立菫(すみれ)中学校(同市城東区)が11日に開いた卒業式で、卒業生が会場正面の舞台に掲げた国旗に背中を向けたまま式を行っていたことが19日、分かった。卒業生は国歌斉唱時も国旗のほうを向かず、2時間の式の大半で国旗に背を向けていた。卒業生と在校生が向かい合って座る「対面式」を採用したためで、外部からの「国旗を軽視していないか」との指摘を受け、学校側は来年度からの見直しを検討する。

 ■2時間の式のほとんど背を向ける

 卒業式は出席者が同じ方向に座る「一面式」が多いとされるが、菫中は約10年前から保護者が写真を撮りやすいなどの理由で、対面式を採用。卒業生が会場正面の舞台側に背を向けて座り、在校生と保護者が会場入り口側で卒業生と向かい合うように着席し、フロア中央に設置された演台で、卒業証書の手渡しや関係者のあいさつなどを行っていた。

 ただ、卒業生は、式にかかった約2時間の大半が国旗に背を向けたままとなり、その上、国歌斉唱時は国旗のほうを向かなかった。このため卒業式終了後に「国旗を軽視していないか」などの電話が数本寄せられたという。

 ■来年度からは国旗のほう向く

 取材に対し、菫中の山西雅人校長は「(国旗を)愚弄する意図はなく、国旗や国歌の意義について十分な教育をしている」と説明。一方で「来年度からは国歌斉唱時に国旗のほうを向いたり、対面式をやめたりすることなども検討したい」と話した。

 今回の事例について、文科省教育課程課は「あまり聞いたことがない例だ」と指摘。徹底した反復学習で基礎学力の向上を図る「陰山メソッド」や「百ます計算」の実践で知られる立命館大学教育開発推進機構の陰山英男教授は「国旗に背を向けて国歌斉唱をすることには違和感を覚える。厳しい指摘が出るのも自然なことだ。対面式で挙行するにしても、国旗に背を向ける時間を一時的にするなどの配慮を学校側はできなかったのか」と話している。

 ■各校や教委の判断任せ

 文部科学省の学習指導要領は「入学式と卒業式においては、国旗を掲揚するとともに国歌を斉唱するよう指導するものとする」と定めているが、出席者の配席についての言及はなく、「各校や各教育委員会が判断している」(同省教育課程課)という。

 同課によると、対面式の実施状況についての全国的な統計はない。対面式といっても、会場の両サイドに卒業生と在校生が座る方法を採用し、正面の舞台上の国旗に生徒が背中を向ける状態にならないよう配慮している学校もある。

 大阪府豊中市では平成27年度、市立中学全18校のうち、16校が卒業式で対面式を採用した。中央に三脚を使って国旗を掲揚し、国旗が生徒の後ろにならないよう工夫している。卒業式のスタイルは各校の判断に任されている。対面式が多い理由を、豊中市教委の担当者は「車いすのため舞台に上がることができない生徒に配慮した」などとした。

 ■東京都は「一面式」

 一方で教職員の国歌斉唱時の不起立や、出席者が確認できない場所に国旗を掲げるなどの“問題行為”が多発していた東京都では平成15年、都教委が全ての公立校に対し、入学式と卒業式では、児童生徒が式典会場の正面を向いて着席するよう通達を出した。この結果、対面式を採用する都立校は1校もなく、全ての学校で「一面式」による厳粛な式典が開かれるようになったという。

何を学習するのか 卒業式の形骸化と政治性

2018-01-08 23:34:38 | 行事
そろそろ、どこの学校でも6年生を中心に、かなりの時間をかけて、卒業式の練習をしていくのだろうと思います。
別れる子ども達と、たっぷりと時間をとって、最後のまとめをしたり、またゆっくりと1人1人話し込んでいくべき、大事な時に、
やれ礼のしかたは・・・やら、証書のもらいかた、よびかけ(実は教師がほとんど考えた台本)で大声を出せ、動くな・・・
そんな「作法」中心の指導が、きっとどこでも行われているかと思うと、残念な思いがします。

私たちの若いときも似たようなものだと反省しているのですが、それでも卒業式のねらいには、「最後の授業」という言葉が入っていて、
国旗、国歌の歴史、未来に向けた子ども達の夢を語り合う、校長の授業、現代社会の到達点(ここまで人権が獲得されたこと、まだ未解決の社会の課題など)の学習など、多彩な取り組みがなされたものでした。

今は、そのほとんどが「作法」。つまり、一糸乱れぬ式の遂行のためにがんばること。別の言い方をすれば、いかに従順な態度を培うかがメインの取り組みになってしまっています。
しかも、東京では都の前代未聞の通達により、式場の椅子の配置すら定まったものとして押しつけられ、対面式ですらできない状況です。(もうそんな通達すら知らない教師がたくさんいます)

 一昨年、ネット配信のニュースで、こんな記事を見つけました。読んでみてすくに分かるS新聞社の記事です。
 意図的で、偏見に満ち、レベルの非常に低い記事でも、中には「けしからん」とする方もいるのかと思うと、この新聞社の政権政党機関誌然とした取り上げ方には、腹が煮えくりかえるような憤りを覚えます。

 国歌を背にしたら非国民?
 国歌を背中に背負って・・・と考えれば、愛国者?
 言葉は、いい加減なものですね。


「大阪市立菫(すみれ)中学校(同市城東区)が11日に開いた卒業式で、卒業生が会場正面の舞台に掲げた国旗に背中を向けたまま式を行っていたことが19日、分かった。卒業生は国歌斉唱時も国旗のほうを向かず、2時間の式の大半で国旗に背を向けていた。卒業生と在校生が向かい合って座る「対面式」を採用したためで、外部からの「国旗を軽視していないか」との指摘を受け、学校側は来年度からの見直しを検討する。

 ■2時間の式のほとんど背を向ける

 卒業式は出席者が同じ方向に座る「一面式」が多いとされるが、菫中は約10年前から保護者が写真を撮りやすいなどの理由で、対面式を採用。卒業生が会場正面の舞台側に背を向けて座り、在校生と保護者が会場入り口側で卒業生と向かい合うように着席し、フロア中央に設置された演台で、卒業証書の手渡しや関係者のあいさつなどを行っていた。

 ただ、卒業生は、式にかかった約2時間の大半が国旗に背を向けたままとなり、その上、国歌斉唱時は国旗のほうを向かなかった。このため卒業式終了後に「国旗を軽視していないか」などの電話が数本寄せられたという。

 ■来年度からは国旗のほう向く

 取材に対し、菫中の山西雅人校長は「(国旗を)愚弄する意図はなく、国旗や国歌の意義について十分な教育をしている」と説明。一方で「来年度からは国歌斉唱時に国旗のほうを向いたり、対面式をやめたりすることなども検討したい」と話した。

 今回の事例について、文科省教育課程課は「あまり聞いたことがない例だ」と指摘。徹底した反復学習で基礎学力の向上を図る「陰山メソッド」や「百ます計算」の実践で知られる立命館大学教育開発推進機構の陰山英男教授は「国旗に背を向けて国歌斉唱をすることには違和感を覚える。厳しい指摘が出るのも自然なことだ。対面式で挙行するにしても、国旗に背を向ける時間を一時的にするなどの配慮を学校側はできなかったのか」と話している。

 ■各校や教委の判断任せ

 文部科学省の学習指導要領は「入学式と卒業式においては、国旗を掲揚するとともに国歌を斉唱するよう指導するものとする」と定めているが、出席者の配席についての言及はなく、「各校や各教育委員会が判断している」(同省教育課程課)という。

 同課によると、対面式の実施状況についての全国的な統計はない。対面式といっても、会場の両サイドに卒業生と在校生が座る方法を採用し、正面の舞台上の国旗に生徒が背中を向ける状態にならないよう配慮している学校もある。

 大阪府豊中市では平成27年度、市立中学全18校のうち、16校が卒業式で対面式を採用した。中央に三脚を使って国旗を掲揚し、国旗が生徒の後ろにならないよう工夫している。卒業式のスタイルは各校の判断に任されている。対面式が多い理由を、豊中市教委の担当者は「車いすのため舞台に上がることができない生徒に配慮した」などとした。

 ■東京都は「一面式」

 一方で教職員の国歌斉唱時の不起立や、出席者が確認できない場所に国旗を掲げるなどの“問題行為”が多発していた東京都では平成15年、都教委が全ての公立校に対し、入学式と卒業式では、児童生徒が式典会場の正面を向いて着席するよう通達を出した。この結果、対面式を採用する都立校は1校もなく、全ての学校で「一面式」による厳粛な式典が開かれるようになったという。」

 ここに出てきた陰山英男氏も、並みの評論家になりさがってしまった。もともとかもしれないが。

若い先生たちは知っていますか? 10.23通達 権力者の発想そのもの

2018-01-07 11:30:11 | 行事
 今や現場ですら話題にならない、しかし現場に「定着」している、あの通達を載せておきたい。
 先日、若い先生たちに聞いてみると、全員がその存在すら知らなかった。
 もう15年にも前に、都が私たちに対して出した通達、つまり命令だ。
 これまで、学校が独自に考え、企画していた卒業式を、そのやり方まで細部にわたって、「こうしろ」と命令をしたものだ。
 
 今、改めて読んでみても、なんともばからしく、高圧的、矛盾だらけのものだ。
知らない人は、ぜひじっくり読んでもらいたい。ここに何も感じることのない方は、憲法を、民主主義を学び直してほしい。

「○入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について  平成15年10月23日
 15教指企第569号
 都立高等学校長
 都立盲・ろう・養護学校長

東京都教育委員会は、児童・生徒に国旗及び国歌に対して一層正しい認識をもたせ、それらを尊重する態度を育てるために、学習指導要領に基づき入学式及び卒業式を適正に実施するよう各学校を指導してきた。

これにより、平成12年度卒業式から、すべての都立高等学校及び都立盲・ろう・養護学校で国旗掲揚及び国歌斉唱が実施されているが、その実施態様には様々な課題がある。このため、各学校は、国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について、より一層の改善・充実を図る必要がある。

ついては、下記により、各学校が入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱を適正に実施するよう通達する。

なお、「入学式及び卒業式における国旗掲揚及び国歌斉唱の指導について」(平成11年10月19日付11教指高第203号、平成11年10月19日付11教指心第63号)並びに「入学式及び卒業式などにおける国旗掲揚及び国歌斉唱の指導の徹底について」(平成10年11月20日付10教指高第161号)は、平成15年10月22日限り廃止する。



1 学習指導要領に基づき、入学式、卒業式等を適正に実施すること。

2 入学式、卒業式等の実施に当たっては、別紙「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱に関する実施指針」のとおり行うものとすること。

3 国旗掲揚及び国歌斉唱の実施に当たり、教職員が本通達に基づく校長の職務命令に従わない場合は、服務上の責任を問われることを、教職員に周知すること。

別紙

入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱に関する実施指針

1 国旗の掲揚について

入学式、卒業式等における国旗の取扱いは、次のとおりとする。

(1) 国旗は、式典会場の舞台壇上正面に掲揚する。

(2) 国旗とともに都旗を併せて掲揚する。この場合、国旗にあっては舞台壇上正面に向かって左、都旗にあっては右に掲揚する。

(3) 屋外における国旗の掲揚については、掲揚塔、校門、玄関等、国旗の掲揚状況が児童・生徒、保護者その他来校者が十分認知できる場所に掲揚する。

(4) 国旗を掲揚する時間は、式典当日の児童・生徒の始業時刻から終業時刻とする。

2 国歌の斉唱について

入学式、卒業式等における国歌の取扱いは、次のとおりとする。

(1) 式次第には、「国歌斉唱」と記載する。

(2) 国歌斉唱に当たっては、式典の司会者が、「国歌斉唱」と発声し、起立を促す。

(3) 式典会場において、教職員は、会場の指定された席で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する。

(4) 国歌斉唱は、ピアノ伴奏等により行う。

3 会場設営等について

入学式、卒業式等における会場設営等は、次のとおりとする。

(1) 卒業式を体育館で実施する場合には、舞台壇上に演台を置き、卒業証書を授与する。

(2) 卒業式をその他の会場で行う場合には、会場の正面に演台を置き、卒業証書を授与する。

(3) 入学式、卒業式等における式典会場は、児童・生徒が正面を向いて着席するように設営する。

(4) 入学式、卒業式等における教職員の服装は、厳粛かつ清新な雰囲気の中で行われる式典にふさわしいものとする」

興味ある方は、別紙「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱に関する実施指針」も読んでいただきたい。