管理職も行政も教えてくれない 学校の「今のあたりまえ」 若い教師に伝えたいこと

今当たり前と思っていることも、よくよく考えてみれば、問題だらけ。若い人には、ぜひ読んで、考えてもらいたいものばかり。

何を学習するのか 卒業式の形骸化と政治性

2018-01-08 23:34:38 | 行事
そろそろ、どこの学校でも6年生を中心に、かなりの時間をかけて、卒業式の練習をしていくのだろうと思います。
別れる子ども達と、たっぷりと時間をとって、最後のまとめをしたり、またゆっくりと1人1人話し込んでいくべき、大事な時に、
やれ礼のしかたは・・・やら、証書のもらいかた、よびかけ(実は教師がほとんど考えた台本)で大声を出せ、動くな・・・
そんな「作法」中心の指導が、きっとどこでも行われているかと思うと、残念な思いがします。

私たちの若いときも似たようなものだと反省しているのですが、それでも卒業式のねらいには、「最後の授業」という言葉が入っていて、
国旗、国歌の歴史、未来に向けた子ども達の夢を語り合う、校長の授業、現代社会の到達点(ここまで人権が獲得されたこと、まだ未解決の社会の課題など)の学習など、多彩な取り組みがなされたものでした。

今は、そのほとんどが「作法」。つまり、一糸乱れぬ式の遂行のためにがんばること。別の言い方をすれば、いかに従順な態度を培うかがメインの取り組みになってしまっています。
しかも、東京では都の前代未聞の通達により、式場の椅子の配置すら定まったものとして押しつけられ、対面式ですらできない状況です。(もうそんな通達すら知らない教師がたくさんいます)

 一昨年、ネット配信のニュースで、こんな記事を見つけました。読んでみてすくに分かるS新聞社の記事です。
 意図的で、偏見に満ち、レベルの非常に低い記事でも、中には「けしからん」とする方もいるのかと思うと、この新聞社の政権政党機関誌然とした取り上げ方には、腹が煮えくりかえるような憤りを覚えます。

 国歌を背にしたら非国民?
 国歌を背中に背負って・・・と考えれば、愛国者?
 言葉は、いい加減なものですね。


「大阪市立菫(すみれ)中学校(同市城東区)が11日に開いた卒業式で、卒業生が会場正面の舞台に掲げた国旗に背中を向けたまま式を行っていたことが19日、分かった。卒業生は国歌斉唱時も国旗のほうを向かず、2時間の式の大半で国旗に背を向けていた。卒業生と在校生が向かい合って座る「対面式」を採用したためで、外部からの「国旗を軽視していないか」との指摘を受け、学校側は来年度からの見直しを検討する。

 ■2時間の式のほとんど背を向ける

 卒業式は出席者が同じ方向に座る「一面式」が多いとされるが、菫中は約10年前から保護者が写真を撮りやすいなどの理由で、対面式を採用。卒業生が会場正面の舞台側に背を向けて座り、在校生と保護者が会場入り口側で卒業生と向かい合うように着席し、フロア中央に設置された演台で、卒業証書の手渡しや関係者のあいさつなどを行っていた。

 ただ、卒業生は、式にかかった約2時間の大半が国旗に背を向けたままとなり、その上、国歌斉唱時は国旗のほうを向かなかった。このため卒業式終了後に「国旗を軽視していないか」などの電話が数本寄せられたという。

 ■来年度からは国旗のほう向く

 取材に対し、菫中の山西雅人校長は「(国旗を)愚弄する意図はなく、国旗や国歌の意義について十分な教育をしている」と説明。一方で「来年度からは国歌斉唱時に国旗のほうを向いたり、対面式をやめたりすることなども検討したい」と話した。

 今回の事例について、文科省教育課程課は「あまり聞いたことがない例だ」と指摘。徹底した反復学習で基礎学力の向上を図る「陰山メソッド」や「百ます計算」の実践で知られる立命館大学教育開発推進機構の陰山英男教授は「国旗に背を向けて国歌斉唱をすることには違和感を覚える。厳しい指摘が出るのも自然なことだ。対面式で挙行するにしても、国旗に背を向ける時間を一時的にするなどの配慮を学校側はできなかったのか」と話している。

 ■各校や教委の判断任せ

 文部科学省の学習指導要領は「入学式と卒業式においては、国旗を掲揚するとともに国歌を斉唱するよう指導するものとする」と定めているが、出席者の配席についての言及はなく、「各校や各教育委員会が判断している」(同省教育課程課)という。

 同課によると、対面式の実施状況についての全国的な統計はない。対面式といっても、会場の両サイドに卒業生と在校生が座る方法を採用し、正面の舞台上の国旗に生徒が背中を向ける状態にならないよう配慮している学校もある。

 大阪府豊中市では平成27年度、市立中学全18校のうち、16校が卒業式で対面式を採用した。中央に三脚を使って国旗を掲揚し、国旗が生徒の後ろにならないよう工夫している。卒業式のスタイルは各校の判断に任されている。対面式が多い理由を、豊中市教委の担当者は「車いすのため舞台に上がることができない生徒に配慮した」などとした。

 ■東京都は「一面式」

 一方で教職員の国歌斉唱時の不起立や、出席者が確認できない場所に国旗を掲げるなどの“問題行為”が多発していた東京都では平成15年、都教委が全ての公立校に対し、入学式と卒業式では、児童生徒が式典会場の正面を向いて着席するよう通達を出した。この結果、対面式を採用する都立校は1校もなく、全ての学校で「一面式」による厳粛な式典が開かれるようになったという。」

 ここに出てきた陰山英男氏も、並みの評論家になりさがってしまった。もともとかもしれないが。

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