としおんのぺえじ

愛犬パズーとの戯れや日々の出来事などをつらつら綴ります

命の重さ

2005年09月28日 | 日々
昨日の続きって訳でもないんですが、万博最終日、先週の日曜日の昼頃、僕は所用で名古屋駅にいました。いつも以上に人がたくさんいて、僕は仕事してんのに、みんな楽しそうでいいなぁ、なんて卑屈なことを考えながら歩いていたんです。

すると、突然、警察官のみなさんがドドドーってな勢いでやってきて、なんだなんだ?ってなもんで野次馬さんなどが大集合。駅が騒然な雰囲気になってました。

そんな僕も、会社に戻らなきゃいけなかったんですが、何なのか気になってしばらく見てたんです。すると、ほどなくして黒塗りの車が数台到着。そこから小泉さんと皇太子さんらしき人が降りてきて、SPらしい黒いスーツ軍団が取り囲みました。その間、ものの数秒ってところでしょうか、SPに囲まれながらあっという間に駅の中に消え、集まった野次馬さんたちも、あっという間にばらけていったんです。

後から知ったんですが、万博の閉会式に来てたらしいっすね、おふたりさん。お忙しいだろうに、わざわざ名古屋くんだりまでご苦労さんなこった、って思いつつ、僕もその場を立ち去ろうとしたんですが、ある人が視線に入ってきたんです。

アルミ缶がたくさん入ったゴミ袋を2つ、まるでサンタクロースのような格好で持ってるおっさん。そう、いわゆるホームレスな人でした。ボロボロの服を着て、脂ぎって顔にぺたって張り付いた長い髪の毛。無気力っていうんでしょうか、力のない視線を、小泉さん&皇太子さんが入っていた駅の中に投げかけてました。

別に宗教的なことを書くつもりは、これっぽっちもないんですが、小泉さんも皇太子さんも、そしてもちろんホームレスなおっちゃんも、おんなじ人間っすよね? おんなじように母親のお腹で十月十日を過ごして、おんなじように、オギャーって泣きながらこの世に生まれたんすよね? 

でも今は、かたやSPに囲まれてバリバリ守られている。かたや風呂も入れずに、力のない視線を漂わせている。

政治家だった父親を持つ小泉さんと、天皇が父親だった皇太子。おっさんの父親はどうだったんだろう? 同じ命を持った人間なのに、たまたま親が違ったっていうだけで、これだけ違う人間になっちゃったんだろうか? それともホームレスのおっちゃんは、親が違ったっていうことだけじゃなく、生まれた後の努力が足りなかったんだろうか?

総理大臣だろうが天皇だろうが、彼らを守るSPさんだろうが、そしてホームレスのおっさんだろうが、ひとつの命っていう意味では同じはずなのに、この落差は何なんだろう? 命の重さって、みんな同じじゃないんかなぁ?

そして、かたや万博だぁ、お祭りだぁ、って言って喰っちゃ騒いでる国がある。かたや貧困に喘いで、毎日たくさんの子供たちが死んでいく国がある。その貧困の国に生まれた人たちは、そこに生まれたくて生まれたんだろうか? 万博成功万歳!ってただ浮かれてていいんだろうか?


……なんか、どんどん脱線して何書いてるのかよく分からなくなってきましたが、溜まった疲労も手伝ってか、そんなことをぼんやりと考えてしまった日曜の昼下がりでした。

でも、僕の命の重さって、どれくらいなんだろう?