Nasebanaru

アメリカで趣味と生活を綴る

バリアフリー

2006-01-31 01:37:28 | 気の向くまま
バリアフリーと言う言葉が定着して久しいが、先日、東横インと言うホテルで、自治体の検査後、障害者用の施設を撤去していたことが明るみに出て問題になった。
東横インの社長の弁、「どうせ一年に一回か二回しか使わないのだから」との言い訳も同情できないわけではないが、違反は違反である。皆さんは今回のことをどう受け止めただろうか。
ある障害を持つ人に今回のことについてどう思うか聞いてみた。すると、彼いわく、車椅子の人は容易に外出が出来ないことのほうが問題だそうだ。言われてみればそうだ。アメリカのように車社会であれば、車椅子の人でも専用の車で容易に外出が出来る。でも日本の場合は遠出をするときは交通機関に頼るのが普通だ。自宅から駅まで段差のある難所がたくさんある、駅にエレベーターがない、電車に乗りにくい、または降りにくい、などなど、折角ホテルにいい設備が整っていても、そこまでたどり着けないことのほうが問題らしい。
今回の事件がマスコミによって暴露されたことにも私は疑問を感じていた。と言うのは、東横インのこの不正は最近始められたのではなく、もうかなり前から行われていたらしいのに、障害を持つ人たちからの指摘で明るみに出たわけではなかったからだ。
今回の事件を機に、障害を持つ人も、何が優先順位で上のほうにあるのか声を大にして言って欲しい。国会で法を整備する側も、何が本当に必要なのか、実は気がついていない場合が多いのではないだろうか。
アメリカは社会生活に制約を受ける体に生まれついた人に対して確かに対応が早い。もちろんそうなるには社会が成熟するのを待たないといけなかったとは思うが、日本も今は十分成熟した社会であると感じる。国民全てに教育の機会を与え、福祉を整えてからも久しい。これからはもっと、生活に制約を受ける人たちが住みよい社会にしていく教育や、インフラの整備を進めていけるはずだ。そうすることが社会全体のレベルの底上げにななるのではないだろうか。
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