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一衣帯水を超えて

2005年04月13日 23時08分06秒 | 世情雑感(世界情勢)
 中国の反日デモについて様々な意見があるのは事実である。
 日本側に原因があるとする意見も、中国側に原因があるとする意見も何れも真実を含んでいると言う事もまた真実である。日本側の原因として指摘される歴史問題に関して言うならば、国民の多くが靖国問題を重要な国内問題として認識していないという状況において政治が先走りをしているのは事実である。中国側が反対する国連安保理常任理事国入りもこの歴史問題を背景にしているのだから、歴史問題を日本側が表面的にでも凍結してしまえば、中国側は格好の口実を失うというのは一つの真実だ。一方で、中国政府が国内不満のはけ口として反日を煽っていると言う事もまた事実である。特に一党独裁国家である中国にとって国内の不満を外国の脅威に転嫁するのはもっとも簡単な国内掌握法である。しかし、中国にとって日本を完全に敵に回すことは出来ない。日本は政治面でも経済面でも無視するには大きすぎる存在だからである。特に米国との関係強化は嫌がおうにも日本の東アジアにおける政治力を強化している。
 この現実において、日本国民の反応は驚くほど冷静だ。
 それは、この反日デモが我々が何処かで見た光景だからである。その光景が出てくるのは歴史の教科書の中の近代の中国ナショナリズムの高揚に関しての部分だ。五・四運動等での反日デモの情景は現在の光景に重なって見える。つまり、我々は過去の過ちを繰り返す意思は無いのである。例え中国政府が在留邦人を守る意思が無いと言明したとしても、日本政府が自衛隊を邦人保護の目的で派遣する事は無いだろう。このように考えるならば、中国や韓国がしばしば主張する日本は歴史の過ちを繰り返すという主張が如何に滑稽なものかが分かると言うものだ。
 右翼化と言われて久しいが、現在日本は戦前の日本とは異なった論理で動いているのである。

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