受験に落ちる子はすぐに分かる

[2020年5月30日 更新]

区立小中学校も6月1日から順次、登校が始まるようだ。

忘れ物をしないのはもちろんだが、これらを分かっているだろうか。
・登校時刻と下校時刻
・給食はいつから始まるのか
自分のことだから、自分で把握しよう。

今回は、塾講師が持っている能力について。

◆受かる生徒と落ちる生徒の区別がつく
断言してもいい。まともな塾講師なら教え子が志望校に合格するかどうかは分かっている。そしてそれはまず的中する。
デスノートの死神の目のように、生徒の頭の上に「合格」か「不合格」が書いてあるのが見えるのだよ。
何百何千の子をみてくれば、統計的に

もっとも受験によって、その的中の精度は違う。
私の感覚では以下の通りだ。

合格の的中しやすさ(＝受かると思った子が受かる割合の高さ)
 1位　都立高受験　
 2位　私立高受験
 3位　私立中受験
 4位　大学受験
 5位　都立中受検

当たりにくいものは「不確定要素」と「倍率」が多大に影響する。


都立高校入試は内申点で3割が決まる。残り7割が当日のペーパーテスト。
倍率も1.5倍程度、高くても2倍まで。受かる子のほうが圧倒的に多い。
なお2020年度都立一般入試で実倍率2倍を超えたのは田園調布高校、青山高校、国際高校のみ。
出題傾向もつかみやすいので最も予想しやすい。


合格予想が難しいのが都立中受検。
まず倍率が高い。
受検倍率(≒実倍率)はおよそ5～6倍。2020年度は両国中6.76倍で最高。武蔵中4.10倍が最低。1校しか受けられない。
また小学生なので「緊張で模試と同じようにできなかった」という子もいる。本番に弱い強いは事前に予想できるが、予想以上に緊張するケースもままある。
小学6年生にとって受験当日は、おそらく人生最大の緊張する日だろう。
この日をどう迎えさせるかも塾講師の手腕だと思っている。

私は1通の手紙を受験生に渡すだけ。

あくまで受験は自分の戦い。彼らが一人で戦うべき受験会場に我々塾講師が行ってできることなど何もない。彼らにとって邪魔なだけだ。
私が受験生なら「いないで欲しい」と思うだろうから。


都立中受検の場合、逆に「この子は厳しいな」と思う子はまず的中する。
たまたま当たるという問題はほぼないからだ。理由や考え方を記述する問題が多い。



◆大学受験は合否を当てづらい
大学受験になると年齢も上がる。すでに何度も受験を経験してきていることもあり緊張度合いは中学受験ほどではないだろう。

国公立大受験は過去問のデキを見れば、予想はまずまず立てやすい。
他方、私大受検の倍率の高さは他の比ではない。特に私立大学は本命とする受験生も、滑り止めとして受ける受験生もいる。

1点ミスで何十何百人に抜かれることになる。

明治、早稲田など人気のある大学なら、一人で複数の学部を受けるケースも少なくない。受験生が増えるわけだ。


青山学院の2019年度入試を例に見てみよう。

中等部
受験生959　合格者228　実倍率4.2倍


高等部・一般入試
受験生758　合格者214　実倍率3.5倍


大学・一般入試（理工学部）
受験生9017　合格者1975　実倍率4.6倍

大学・一般入試（文学部）
受験生6793　合格者1152　実倍率5.9倍

大学・一般入試（経営学部）
受験生7190　合格者813　実倍率8.8倍

大学・一般入試（総合文化政策学部）
受験生4265　合格者304　実倍率14.0倍

大学入試では理工学部が最低倍率だった。それでも4.6倍。
最高は総合文化政策学部で14.0倍。100人が受験して93人が落ちる計算だ。


中学部は1回しか受験チャンスがない。
高校部は推薦入試も含めば2回チャンスがある。
大学受験はカネさえ出せばセンター利用も含めて10回前後、合格のチャンスがある。

大学受験も都立中受検と同じく「不合格者」を予想するのは易しい。
そもそも不合格者の方が圧倒的に多いから。


◆塾講師はキミの不合格を知りながら指導している
残念ながら「このままなら第一志望は不合格だろう」と思う子はいる。もちろんそれを私が口に出すことはまずない。
口に出したからと言って結果が変わるわけではないからだ。
むろん志望校を下げるなら話は別だ。

ただし都立高校を受ける中学3年生なら、まだ予想は変わる可能性はある。
夏休みからは全員が勉強する。差をつけるのは難しい。

でも今ならスタートを切っている方が少ない。

勉強ではフライングスタートがいくらでも許されている。

キミの頭上についた「不合格」は勘違いだったと、私たちに思わせてほしい。

最後に一つだけ。

「合格」が見える生徒の多くには共通点がある。それは素直だということ。

自分はどうなのか。考えてみてほしい。

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