取次営業orz

取次の営業とは何か

Coffee Break

2010-10-20 | Weblog
【Q1】

以下は、小学館ビッグコミックスペシャル『うずまき』(ISBN9784091832429)より、佐藤優(作家・元外交官)の解説の一部抜粋である。
1~13のカッコ内に適切な語句を、ア~スから選択し、文章を完成させよ。

( 1 )では、思いやり、いつくしみ、信頼など、数値にすることができない価値を測ることができない。( 2 )のような( 3 )が多い環境で、( 4 )を( 5 )年くらい続けていると「他人の身になって考えること」が苦手か、まったくできない人間が生まれてくる。そして、普通の( 6 )を見下すようになる。
―中略―
( 7 )は大きな勘違いをしている。( 7 )は、( 6 )を無知蒙昧な有象無象と考えている。そして、( 8 )で有象無象によって( 9 )れた( 10 )は、「無知蒙昧のエキス」であるので、そういう( 11 )に( 12 )をゆだねると( 13 )が崩壊すると思って本気で心配している。

■選択肢
ア.競争  イ.10  ウ.司法試験  エ.国会議員  オ.官僚
カ.偏差値秀才  キ.政治家  ク.選挙  ケ.国民  コ.外務省
サ.日本  シ.選ば ス.国家


【Q2】

以下は、小学館ビッグコミックスペシャル『うずまき』(ISBN9784091832429)より、佐藤優(作家・元外交官)の解説の一部抜粋である。
1~13のカッコ内に適切な語句を、ア~スから選択し、取次の現状を表す文章を完成させよ。

( 1 )では、思いやり、いつくしみ、信頼など、数値にすることができない価値を測ることができない。( 2 )のような( 3 )が多い環境で、( 4 )を( 5 )年くらい続けていると「他人の身になって考えること」が苦手か、まったくできない人間が生まれてくる。そして、普通の( 6 )を見下すようになる。
―中略―
( 7 )は大きな勘違いをしている。( 7 )は、( 6 )を無知蒙昧な有象無象と考えている。そして、( 8 )で有象無象によって( 9 )れた( 10 )は、「無知蒙昧のエキス」であるので、そういう( 11 )に( 12 )をゆだねると( 13 )が崩壊すると思って本気で心配している。

■選択肢
ア.仕事  イ.2  ウ.人事  エ.書店員  オ.バラモン
カ.慢心者  キ.書店  ク.営業活動  ケ.営業  コ.仕入
サ.品揃え  シ.指導さ ス.出版業界

※バラモンって何? という方はコチラ







【答え】

Q1、Q2ともに

1.ウ 2.コ 3.カ 4.ア 5.イ
6.ケ 7.オ 8.ク 9.シ 10.エ
11.キ 12.サ 13.ス

責任(計画)販売制の動機を巡って3

2010-10-17 | Weblog
では、責任(計画)販売の動機はどこにあるのか。
残るは――。

■出版社の利益創出が目的である場合

・「低正味・買切」制の場合

A(通常条件):「本体価格1,000円/部数1,000冊/原価30%/取次卸正味70/返本率40%」
B(責任条件):「本体価格1,000円/部数1,000冊/原価30%/取次卸正味50/返本率0%」
を比較してみましょう。

Aの利益=(1000×1000×70%)-(1000×1000×30%)-(1000×400×70%)=120,000円
Bの利益=(1000×1000×50%)-(1000×1000×30%)-(1000×0×50%)=200,000円


ハイ、B(責任条件)の方が儲かります。


・「低正味・部安入帳」の場合

A(通常条件):「本体価格1,000円/部数1,000冊/原価30%/取次卸正味70/返本率40%」
B(責任条件):「本体価格1,000円/部数1,000冊/原価30%/取次卸正味50/返本率20%/3掛入帳」
を比較してみましょう。

Aの利益=(1000×1000×70%)-(1000×1000×30%)-(1000×400×70%)=120,000円
Bの利益=(1000×1000×50%)-(1000×1000×30%)-(1000×200×30%)=140,000円

ハイ、B(責任条件)の方が儲かります。しかしこの場合は、返本率が30%を超えると逆にAの方が儲かることになります。ただ、書店にとって返品は不利な条件なので、そこまで返本率が上がることはないでしょう。

つまり、「責任(計画)販売制の動機は出版社の利益創出である」と結論付けられます。

・・・・・・いやいや、そうじゃないでしょう。

委託条件と根本的に違う点があるんです。それは作り部数(流通させる部数)を出版社は決められない、ということなんです。 書店受注があって初めて成立する条件ですから、作り部数が100冊なのか、10,000冊になるのかは書店次第です。

書店が仕入数を決めるという原則が守られている限り、書店利益の創出のために責任(計画)販売は存在すると考えて間違いないのです。

『あ、あれ、なんか同じようなこと書いた気がするぞ。でもってこれって、出版社が作り部数(流通部数)を決めて、取次がそれを在庫する意思なく仕入れて、書店に条件を崩して送品するということだったよな。てことは結局・・・。』

もとい、やはり「責任(計画)販売制の動機は出版社の利益創出である」と結論付けられます。

書店や取次の利益が(たまたま)発生したとしてもそれは副次的な効果にすぎないということは認識しておく必要があるでしょう。

また、それが認識できている人かどうかを見極めることも、大切です。

■蛇足

そもそも、出版社は書店への販売正味を決めることができるのか。
書店への販売正味を、商取引契約を結んでいる取次以外が設定していいのか。
ボクワカンナイ。

責任(計画)販売制の動機を巡って2

2010-10-10 | Weblog
では、責任(計画)販売制が取次の利益創出を目的としていると仮定した場合は、どんなことが考えられるでしょうか。

■取次の利益創出が目的である場合

企画商品を作るのは出版社なので、それが取次の利益創出を目的としているとは、そもそも考えにくいですね。しかし、出版社に商品を作らせて、それを取次が買取るようなケースがあります。これについて考えてみましょう。

買取ったわけですから、取次への卸正味は通常正味より安いはずです。でも返品はできない。
したがって書店への条件は「低正味・買切」となります。(取次に更にリスクを負う覚悟あるなら返条付もありえますが。ありえませんね。)
つまり責任(計画)販売制と同じような条件が設定されるわけです。

ここからの流れは前回の記事と一緒で、書店の仕入れたい数と取次の送りたい数が一致するまで条件を崩していくことになり、そのリスクはやはり取次(営業)が負うことになるわけです。

出版社的には、作って取次に入れてしまえば、あとは知らんぷりでいいわけですから低コスト、低リスクで利益を創出できると考えられます。広告を打つ必要もありませんし、改装しながら市場に循環させることも必要ありません。

翻って、その役割を取次が担えるのかというところが問題で、答えは当然「否」なわけです。当社専売のような形で取次が商品を買取った場合には、本来出版社が負っていたコストの一部を取次が負担する必要性が出てきます。またコスト面ばかりでなくそのノウハウも必要となるでしょう。
これからそのノウハウを蓄積し、コストについても負担していく考えがあるのであればいいんDEATHけど。

現状は、ただ単に出版社に有利な条件制度といえるでしょう。

じゃあ、なんで取次はこんなことやってるの?

ド━━━(゜ロ゜;)━━ン!!

(つづく)

責任(計画)販売制の動機を巡って1

2010-10-03 | Weblog
責任販売とか計画販売とか、あるいはそれ以外でも、
正味を下げる代わりに、買切とか部安入帳といった条件の企画が最近増えているように思います。

企画の意図を訊ねれば、口を揃えて「書店様の利益を創出するため」という答えが返ってきます。
これは本当でしょうか?
「計画販売制」については一度書いておりますが、その動機、目的という観点から再考してみたいと思います。
※過去記事:計画販売制

■書店の利益創出が目的である場合

通常返品できない条件なので(てゆうか委託条件ではないので)、仕入数を決めるは書店です。まさに計画販売ですね。
ですから、書店が決めた仕入数の総数を取次は仕入れればいいわけです。

リスクヘッジを考えますと、初回は少部数から始めて販売状況を見ながら追加していく。商品によっては、初回はゼロで、客注があれば注文し、問合せが多いようなら店頭展開も検討する、という選択はあって当然でしょう。
もちろん追加できるかどうかはメーカー次第ですし、初回限定品であれば、スモールスタートというわけにはいかないかもしれません。

しかしながら、書店が仕入数を決め、その総数が取次の仕入数(取次に在庫を持つ意思がある場合は「+在庫数」)であるという原則は変わりません。
つまり、この原則が守られている限りにおいては、書店利益の創出のために責任(計画)販売は存在すると考えて間違いないということになります。

・・・・・・。

どうやら責任(計画)販売は書店の利益創出のために存在しているわけではないようです。何故でしょうか?

実際には出版社が作り部数を予め決定し、取次ごとに割り振りを決めます。取次は在庫する意思がないにも関わらず仕入部数を(勝手に)決めます。仕入部数はノルマとなって営業に割り振られます。そして営業は書店に受注促進をするわけです。

しかし、書店が仕入れたい数と取次が送りたい数は大抵の場合一致しません。結局は当初の条件を崩して、返品取るから置いてくれとかいう話になり、取次側が納得できる数になるまで書店に譲歩していくわけです。当然ながら出版社からの譲歩を引き出しているわけではありませんので、書店に譲歩した分のリスクは取次(営業)が負うことになります。そのリスクは営業各部署が部として負う場合もあれば、個人で負わなくてはならない場合もあるでしょう。


これらのことから、責任(計画)販売が書店の利益創出のためにあるのではない、ということがわかってきます。書店が仕入数を決めているとは言い難いからです。

「でも、書店の利益が出ることだってあるだろ!」

これは動機の話なのです。結果的に書店に利益が出た場合でも、それは動機ではなく、副次的な効果にすぎないということです。

ではその動機は一体どこにあるのか?(つづく)

■蛇足

てゆうか私の感覚で言えば、「低正味買切・低正味部安入帳」という条件を書店が歓迎しているとは全然思えないんDEATHけど。
頭が硬いのかしら。

鬱病

2010-08-16 | Weblog
取次営業は絵に描いたような板挟みに苦悶しています。書店と社内(スタッフ)です。
例えば、バラモン(仕入配本系スタッフ)は出版社と取次営業の板挟みになっているように想像できますが、そうではありませんね。シュードラ(奴隷=取次営業)を蹴ればいいだけの話ですから。蹴られた取次営業は書店を蹴ることができるしょうか。逆に蹴られますよね。つまり、袋叩きDEATH。

また、常態化した物流事故・遅延による書店クレーム対応は、非常に強い精神的苦痛を伴います。「あるのかないのかわからない。なかったらどうしよう。」という不安を、商品が"あるまで"持ち続けなくてはならないからです。

取次営業という職種における鬱病の発症リスクは決して低くないと考えています。
そこで今回は、一緒に鬱病の自己診断テストをしてみましょう。
使用するのは、講談社現代新書「うつ病をなおす」より野村氏の作成した診断テストです。
私も一時期オカシナ状態になってしまったことがあるので、【私の場合】として、自分の体験を付記いたします。

①次のうち最近2週間のあなたに当てはまるものに○をつけてください。

・ほとんど毎日、一日中ひどくゆううつを感じる(悲しい、むなしい、空虚)
【私の場合】特に朝です。朝の鬱は筆舌に尽くしがたいものがありました。ただ、悲しい空しいというより、ひたすら"嫌だ"という気持ちでした。

・ほとんど毎日、一日中何をやっても、つまらないし、喜びというものを感じない
【私の場合】これは今もそうです。

○が一つもつかなければ、あなたは鬱病ではありません。
○が一つでもついた方は、次の診断に進みます。

②次のうち、いつもと違って最近2週間のほとんど毎日、あなたに認められるものに○をつけてください。

・ひどく食欲がないか、逆にひどく食欲がありすぎる
【私の場合】2週間で4キロ体重が落ちたことがあります。辛いものを食べることが特に困難でした。また、アルコールを摂取することもできませんでした。

・ひどく眠れないか、逆にひどく眠りすぎる
【私の場合】早朝覚醒が酷かったです。眠りが浅い上に、朝5時前に目が覚めてしまいます。

・イライラして仕方ないか、動きがひどく低下している
【私の場合】正直何もしたくない(袋叩きに遭いたくない)ので、ノロノロ人間になってしまいます。

・ひどく疲れやすい、だるさが極端
【私の場合】眠ることができないため、疲れやだるさは抜けません。休日は布団から出られませんでした。(でも眠ることはできなかったです)

・「自分はどうしようもない人間だ」「悪い人間だ」と自分を責める
【私の場合】これは今でもそう思います。

・考えが進まず、集中力、決断力が落ちた状態が続く
【私の場合】不安や心配事で思考回路がオーバーフローしてるような感覚で、感情や反射が鈍磨していたように思います。

・自殺を繰り返し考える
【私の場合】「死にたい」という言葉を一日100回以上吐いていたと思います。無意識に呟いてしまっていたので、同僚に聞かれないかとても心配でした。ただ、これは自殺願望とか希死念慮というよりも、とにかくこの苦痛から逃れたいという感覚だったと思います。自死の具体的方法についてある程度調べたりもしましたが、本気でそれを考えていたとは思えません。

○が3つ以下の場合(①で2つに○がついていた場合が2つ以下)、あなたは鬱病ではありません。
4つ以上に○がついた場合(①で2つに○がついていた場合は3つでも)、次の診断に進みます。

③以上の症状のために、ひどく苦しみ、仕事や家事、学業に著しい支障が出ていますか

出ていなければ、あなたは鬱病ではありません。
出ていれば、鬱病の可能性が高い。

ということです。私の場合、一時的にオカシクなったのですが休職には至らず、徐々に回復していきました。不思議DEATH。


次に、血腥い話ですが、自殺ついても危険因子を確認しておきたいと思います。
以下は、講談社+α新書「あなたの「死にたい、でも生きたい」を助けたい」第3章、働き盛りの自殺予防からの抜粋です。

自殺が迫る状況/「職場」における危険

●常軌を逸した長時間労働が続き、ほとんど休養がとれない。
→これはないですね。残業なんてたいした時間じゃありません。書店イベントとか、販売応援とかで一時的に休日出勤が重なることはありますね。

●仕事に意義が見出せない。
→まあ、そうでしょうね。でも、それでいいんじゃないですか。仕事なんですから。

●努力しても評価されない
→どう評価されているのか尻ません。ただ、言えるのは努力項目が不明だということDEATH。

●長期的な目標が示されない
→数字の目標はありますね。具体性はありませんね。

●仕事の裁量権がない。
→取次営業には、全ての権限が蟻ません。

●能力を生かせる仕事を与えられない。
→仕事がいただけるだけでありがたいと思います。

●意見を言っても取り上げられない
→現状を否定する意見は取り上げられない、ということじゃないかと思います。体制批判になりますから。北の将軍様と同じDEATH。

●情報が不足している
→圧倒的に不足しています。取次営業に目隠しをすることで利益を得ている人間が必ずいます。

●扱い(業績評価、人事)に不公平感を覚える。
→どう評価されているのか尻ません。ただ、昇格人事に偏りがあることは否めないでしょう。そして、社内カースト制度は厳然として存在します。
※過去記事:取次会社のカースト制度

はじめから達成することができないことが明らかな目標を立てさせられ、目標が達成できないことに対して責任を問われる。
→それ以前の問題です。取次営業の売上目標はコントロール不能です。
※過去記事:取次営業の売上目標

●仕事上の大失敗をする。
→大失敗をしたスタッフの尻を拭うのが、取次営業の仕事です。

●適性に合わない配置換えを命じられる。
→取次営業に適性なんてあるんですか。

●心理的な虐待(いじめ)を繰り返し受ける。
→スタッフ、書店のモンスター化によって、凄惨な状況が現出することもあります。

●上司に能力がない。
→部下を守る自己犠牲タイプなのか、部下のせいにする保身タイプなのか、運命の別れ道DEATH。

●上司と部下の板挟みになる
→ヒラの取次営業には関係ありません。

●職場での権力闘争に巻き込まれる。
→ないです。権力そのものが。

●不本意な転勤を命じられる。
→希望退職に応じない取次営業は地方行きでしたよね。

●会社の将来に強い不安を感じる
→ε=(・д・`*)ハァ…

●職を失う
→リストラなう


取次営業の皆さん、ご自愛を。

※参考文献
高橋祥友「あなたの「死にたい、でも生きたい」を助けたい」講談社+α新書
笠原嘉「軽症うつ病」講談社現代新書
野村総一郎「うつ病をなおす」講談社現代新書
野村総一郎「うつ病の真実」日本評論社
下園壮太「うつからの脱出」日本評論社

貧困を引き受ける

2010-08-12 | Weblog
『貧困家庭に育つということは、 よほどの体力・精神力を持ち、 運までをも引き寄せなければ渡っていけないような荒波の中に、 無防備な姿のまま子どもが放られるようなものであろう。 そしてひとたび、 まっとうとされる教育課程からふるい落とされると、 就労の機会は激減。 低収入となり、 その子どももまた貧困になる、 という貧困の世代間連鎖が生じる。』財団法人・神奈川県高等学校教育会館 教育研究所HP「貧困の連鎖」より

このレポートでは、年収200万円以下の家庭と年収1,000万円以上の家庭の子育て環境を調査したデータが紹介されています。

つまり、年収200万円以下の世帯を貧困層、1000万円以上の世帯を富裕層と見做しているということでしょう。地方公務員の平均年収が700万位だったと思いますので、まぁ、妥当かもしれませんね。

さぁ、取次営業の年収は「200万円以下」と「1,000万円以上」、どちらに近いでしょうか。残念ながら前者に近いDEATHね。取次営業は貧困層ではないが、貧困層に近い、と言えると思います。

さて、レポートに戻ります。

『親の収入が低いほど、 子育ての相談相手もいない、 困った時に助けてくれる人もいない、 といった孤立状態に陥りやすく、 子どもとゆっくり過ごす余裕が持てない、 といった傾向が見られる。 貧困によって、 余裕を失った家庭では、 虐待も起きやすい。』同HPより

そして、その子どももまた貧困になってゆくという貧困の連鎖が発生するわけです。

はっきり言ってしまうと、取次営業は既に「家庭を築く資格」を喪失しているのではないかと思うのです。手当ては無くなり、賞与もカット。市場の縮小に歯止めはかからず・・・。人員整理の対象に・・・。

貧困の連鎖を断つ、現実的に有効な方法は「低所得者は子どもを持たない」ということしかないと思います。
自分の世代で貧困を終わらせる。「貧困を引き受ける」ということです。

人が生きる上で、家族の価値、家庭を築く意味というものはとてつもなく大きいと私は思っています。だからこそ、勇気を持って「貧困を引き受ける」という選択も必要なのではないかと考えてしまうのです。

出版流通業のパラダイムが大きく変わろうとしています。貧困の連鎖を醸成する環境因子は確実に整いつつあります。

あなたは貧困を引き受けられますか?


■蛇足

このレポートの結びに、当ブログのコンセプトに通じる文言がありましたのでご紹介いたします。

『なにより重要なのは、 多くの人が実態を知り、 それが許されざる不公平であるという認識を社会が共有することだろう。』同HPより

営業力強化案

2010-08-08 | Weblog
「営業力を強化せよ」という掛声は、会社からよく聞かれます。

営業力強化とはつまり、営業が会社のイニシアチブを取るべきだというニュアンスだと認識していますが、合ってますか?
これが間違っていると話の前提が崩れてしまうので、合っていることにして先に進みます。

営業力強化のために会社は何もしていない、とは思っていません。しかしながら、営業の"力"というものはまだまだ微弱であると私は思います。過去記事で書いて来た通りです。

そこで・・・。

■私の考える「営業力強化」案

営業は1人につき、「1点」と「-1点」を持ちます。
これは、社内スタッフを評価する点数です。

四半期に一回、もしくは半期に一回、営業はこの点数を使ってスタッフの評価を行います。
最も対応がよいと思うスタッフに1点、もっとも対応が悪いと思うスタッフに-1点を付けます。
該当者がいないと思う場合は、持ち点を使用せず失効させることも可能です。

5人の営業が1点を付け、2人の営業がー1点をつけたスタッフAの評価は、
5-2=3点となります。

こうして、評価されたスタッフの点数を社内に公表するのです。

この点数を、人事考課や賞与評価に反映させる必要はありません。
むしろ反映させてしまうと社内に公表できる性質のものではなくなってしまうので趣旨が変わってしまいます。

ただ、公表すればよいのです。

ほとんどのスタッフは0点になるでしょう。そもそも仕事内容によって営業との接触頻度が大きく違いますから当然です。
それに次いで、1~5点、-5点~-1点のスタッフ。これでスタッフ全体の8割くらいになってしまうかもしれませんね。

そして、露わになるのが6点以上、-6点以下のスタッフDEATH。

このブログではあまり触れていませんが、仏様のようなスタッフもいるものです。
そういったスタッフの情報を共有できれば、営業力は強化できます。少なくともそのスタッフと関わりのある業務においては、後ろから刺される、ということが無いと考えられるからです。書店に堂々と話ができます。

そして、その逆のパターン。
マイナス評価の高いスタッフの情報を共有することはさらに有益です。

マイナス点が高い程、そのスタッフはモンスター化しているか、業務がオーバーフローしていると考えられますので注意が必要です。
突然話が変わったり、勝手なルールを作ったりして自分を守ろうとしますので、営業は常に背後を警戒しながら、書店促進を行う必要があります。
そうすべきか否か、コレによって事前にある程度知ることができるのです。

また、定期的な評価・公表を実施することで、問題が業務にあるのか、人にあるのかも見えてきます。(スタッフも担当変更がありますしね)

この制度により営業力は強化され、うまくいけばスタッフの意識改革も可能になるかもしれないと考えています。


やります?

本のソムリエ

2010-08-05 | Weblog
【ソムリエ】レストランで客の要望に応えてワインを選ぶ手助けをする、ワイン専門の給仕人。フランスでは国家資格である。

【コンシェルジュ】ホテルの宿泊客のあらゆる要望、案内に対応する「総合世話係」というような職務を担う人の職名として使われている。宿泊客のあらゆる要望に応える事をそのモットーとしていることもあり、「(宿泊客の要望に対して)決してNOとは言わない」と言われている。

※ウィキペディアよりざっくりと抜粋


"本のソムリエ"になれとか、"本のコンシェルジュ"になれとか、経営が言っていた時期があります。まあ、なんとなくニュアンス伝わりますよね。
読者が読みたい本を見つけてあげる、本との出逢いをサポートする的なことだと思います。往来堂の文脈棚というのも、意味合いとしては近いんじゃないでしょうか。(行ったことないですけど・・・)

考え方は間違ってないでしょう。
取次なのですから、あらゆる出版社の商品情報が集まっています。バラバラのコンテンツをコンテキストにまとめ上げていくことは、不可能ではないと思います。

では、経営はそれを実現するために何をしたのでしょうか?
何もしていませんね。

まずはデータベース。
取次は書誌情報のデータベースを持っています。それが伝票発行機や、Webシステム、また各種分析等に活用されています。書誌情報の中には分類が存在します。アンパンマンなら「児童書/絵本」、勝間なら「ビジネス/自己啓発」といった感じです。

「児童書」で検索すれば児童書の商品リストを作れます。しかしこれではソムリエとはいえません。金太郎(飴)です。
例えば絵本でも、20代の母親に人気の本、孫への買い与えに選ばれる本、ビジネス街の書店で売れる本、○○が推薦する本、別の物語・小説の中に登場する本、表紙が赤い本、etc・・・、様々な切り口があり、これによってコンテキストを作ることができるです。

往来堂だったか記憶が定かでないのですが、"表紙が赤い本"だけでコーナーを作ったという話を聞いたことがあります。これが果たして良いのかどうかはわかりませんが、これは書店員の頭に"赤い本"のデータベースが無ければできないことです。

アナロジーによって、同じ本でも置かれる場所が変わります。文庫なんかは特に版元別管理が一般的なので、適宜メディア化だとか著者のコーナーとか、関連本とかで別の場所にお出かけすることがありますよね。

だから、それをデータベース化すればいいんです。でもしなかった。しようという発想があったのかさえ疑問DEATH。

次に、取次営業は日々どんな本が書店に送り出されているのか知りません。
バラモン「そんなの伝票見りゃわかるだろ!」
伝票に記載されている、版元、書名、価格の情報だけどうやったらソムリエになれるのでしょうか?
バラモン「書店行ってんだろ!モノ見れるだろうが!」
毎日書店に立ち読み行けばいいのでしょうか?今日の新刊はどれですか?って書店に聞いたらいいですか?
書店に着く前に商品情報を知りたいんDEATHけど。

私が1Q84(1)の現物を初めて見たのは、発売から1週間ほど経ってからでした。

取次営業は商品情報に疎いんです。
取次営業にソムリエとしての知識、コンシェルジュとしての技能を身につけさせるには、スタッフの仕事を変えるしかないんですヨ。


・・・・・・白痴の方がコントロールしやすいんだよねぇ。

ガ━━(;゜Д゜)━━ン!!

みんな!どこにいるの!?

2010-07-31 | Weblog
当社には、組織表がありません。
あるのかもしれませんが、すくなくとも営業には公開されていません。

組織表が無い、とは一体どういうことでしょうか。

社内にどんな部署があるのはかろうじてわかります。内線番号の一覧があるからです(これはこれで何故か外線番号が掲載されておらず、出先からは電話できないという営業泣かせのシロモノDEATH)。

しかし、その部署に誰がいるのかがわかりません。
そして問題なのは、その部署が何を担当業務としているのかがわからない、ということなのです。

営業は日々、書店からの問い合わせ、クレームを受けています。その内容な極めて雑多であり、担当部署の担当職員に照会しなくてはならないケースが多くあります。

でも、わからないんです。
「これって、○○部かなぁ、△△課かなぁ」
「どうだろ?部署の名前的にはそうっぽいけど・・・」
「もしもし、××の件なんDEATHけどぉ・・・」
「それ、ウチじゃないです」
(;゜Д゜)・・・。

これって、普通のことなんですかね。井の中の蛙にはわかりません。

こんなこともあります。

「そういえばアイツって、どこに異動になったんだっけ」
「・・・さぁ?」
(;゜Д゜)

私が経営なら、組織表は絶対に作ります。
どの部署が何を担当しているのかを明確にし、末端の担当者の業務、照会先までを明らかにします。

これは人事の仕事です。何故やらないのでしょうか。
部署の業務を明らかにする、担当者を明らかにすることは、責任の所在を明らかにすることと同義だからです。


おーい!みんなぁ!ドコにいるんだーい?
死~ん・・・。

取次会社は何を売るのか3 情報

2010-07-26 | Weblog
[POSなどの販売情報、発注などの物流情報、新刊などの商品情報をオンライン等で流通させる。また市場動向に関する調査、報告を行う]


書店にとって、商品の情報収集は売上を左右する重要な仕事ですね。

商品情報は、様々な手段で書店に提供されています。

・出版社による営業。
版元(またはセレクター)が書店を回って、情報提供し受注を取るというスタンダードなやり方です。デメリットとしては、書店によって来たり来なかったり、思いっきりムラが出てしまうことです。

・取次による情報誌の発行。
"速報"とか"週報"とかいう名前がついた情報誌を毎週書店に提供しています。デメリットとしては、あくまで情報に過ぎず、どうすればそれを仕入れることができるのかわからないということがあるでしょう。
(この情報誌の決まり文句に「お問い合わせは弊社営業担当まで」という文言がありますが、営業は社内の誰に問い合わせればいいのか、ほとんどの場合わかりません。)

・FAX注文書
書店には殺人的な量のFAXが、版元・取次から送られているのではないでしょうか。デメリットはその量の多さと通信エラーが比較的発生しやすいことにあるでしょう。

・Web
版元のWebもありますし、取次のWebシステムもあります。デメリットとしては取次のWebシステムは有料だということです。また注文書データをプリントアウトして、番線を押してFAXして下さい、みたいな馬鹿らしい仕組みになっていることも問題DEATHね。

そして一番の問題は、全てが一つの場所に集約されない、ということにあるのではないでしょうか。これは取次の仕事です。
新刊情報、企画情報を一箇所に集め、それを仕入れる為ににはどういう注文方法をとればいいのか(注文できないのであれば配本のやり方)。それを書店に公開すべきでしょう。

仕入系スタッフは情報を出したがりません。情報を出して"客注なんとかしろ"とか営業が騒ぎだしたら鬱陶しいからです。でもそれは、注文ルールを開示していないからでしょう。そこを曖昧にしたまま、版元は「取次に言え」と言い、取次スタッフは「一応短冊預かります」とか「とりあえず自分で短冊持っててください」とか言ってしまう。

大事なのは、公明正大であることです。委託販売制度なのですから、書店に仕入れの自由はありません。客注がなんとかできなくてもいいのです。配本が0でもいいのです。
でも、どういう商品がどういう根拠に基づいて書店に届けられるかは情報開示すべきじゃないでしょうか。


キレイゴトばかり書いてしまいましたが、今、取次会社(あるいは業界?)を蝕んでいる最大の要因は、この"アンフェアさ"にあるのではないかと私は考えています。
社内カースト制度により、取次営業は多くの矛盾や理不尽に晒され、やがてそれに慣れ、呆けていきます。
"アホでカス"になってしまうのです。

脱線気味DEATHね。
さぁ、取次会社はこれから何を売っていくのでしょうか。
私は今日も媚を売っています。
はぁ・・・。

取次会社は何を売るのか2 物流

2010-07-23 | Weblog
[新刊、注文商品を全国の書店に出荷する。また多種多様な商品を在庫し注文に対応する]

物流のポイントは3つです。
1.安さ
2.速さ
3.正確さ

1.安さ
安いですよね、取次の物流は。書店への送料は無料ではなかったでしょうか。
でも、書店にはあまり満足していただけていないようです。
他の2つのポイントがあまりにも杜撰だからです。

2.速さ
ダメDEATH。でも昔よりよくなったと言われますね。取次在庫商品であれば、SA発注から中2日位で届くこともあるようです。特に棚卸月は、納品が早く。「やればできるじゃないか」と書店に言われます。
問題は版元取寄の場合DEATH。1週間の時もあれば、2週間、それ以上の時もあります。書店からは「どーなってんだ!」とクレームを受けますが、どーなってんのかわかりません!わかるのは、大きな書店ほど頻繁に商品を出荷しているので、早く届きやすいということぐらいです。

3.正確さ
ダメー!行方不明と破損の嵐DEATH。
だいだい、出版社から搬入になったのかどうかすらわからないのです。
以前、私の経験した事故では、版元は「間違いなく搬入した」と言い張りました。
結局、納品書まで遡って確認した結果、確かに取次に搬入されていました。
版元は鬼の首を取ったかの様に難詰を始め、私は脂汗をかきながら謝るしかありませんでした。
しかし後日、物流センターから事故品としてその本が私の元に届きました。
版元は、その書店の番線コードを豪快に間違えていました。書店に届くわけがありません。
私は抗議のFAXを版元に送りましたが、黙殺されてしまいました。

事故を水際で喰い止めることが、まずできていません。
そして今度は取次による手違いが多数発生します。
※過去記事:取次営業の仕事 物流事故処理1

物流システムで他取次との競争に勝つには、"納期を約束する"しかないでしょう。
私が書店なら、納期を約束してくれる取次と契約を結びたいものです。
破損は起こるでしょう。紙の商品を裸で流通させているわけですから、破損の発生はある程度止むを得ないと思います。大事なのは、事故が発生した場合の補償をどう行うのかを明示することにあります。
事故を減らす、無くすためにどうこうするという話は聞きますが、事故が起きた時はこう対応しますという物流、乃至会社の声は聞いたことがありません。

ただ、何もしていないわけではありません。
当社では、10年程前から客注専用の物流サービスを運営しております。

これを利用すれば、納期もわかりますし納品も速いです。しかし無料というわけにはいきません。手数料をいただきます。「正確さ」と「速さ」は有料なのです。もしこれを無料にできれば、当社の大きなアドバンテージになることでしょう。
経営側の皆さんいかがですか。

この手数料に納得できず、あくま通常物流で客注品を注文して、事故って取次営業に文句を言ってくる書店もありますね。まあ、書店の言い分が正しいんですけど、私に言わせれば「あーたホントにオキャクサマのコト考えてるノ?」って感じDEATH。

たとえ有料サービスでも選択肢があるのです。
それを利用している書店にこそ、それを利用せざるを得ない現状の物流に抗議する権利があるのではないかと私は思います。

次回は、"情報"についてです

取次会社は何を売るのか1 商流

2010-07-21 | Weblog
[出版社にとっての販売代行、書店にとっての仕入代行、書店からの代金回収と出版社への支払い。]

"書店にとっての仕入代行"ですから、いいモノを安く仕入れてあげればいいわけです。

まずは、「正味の話、どないやっちゅうねん!怒るでしかし!(横山やすし1944-1996)」ということがありますね。
正味を下げれば、帳合は増えるでしょう。また実際そうして取引書店を増やしてきた(減らしてきた)とも言えるでしょう。
次に、配本ですね。宝島の美顔ローラーなんかをイッパイ付けてあげればいいでしょう。

いいモノを安く供給するのは、取次にとって儲からない仕事DEATH。
薄利ですから。これは大手ナショナルチェーン等に当てはまりますね。
反対に、わるいモノを高く供給することも、取次にとって儲からない仕事です。
返品フリーなんですから。無意味です。これは、一般の中小書店に当てはまりますね。

取次にとって儲かるのは、いいモノを高く供給することです。書店側の言葉に直せば、「正味は安くないけど、配本には満足している」ということです。
だから、パターン配本、実績配本だけではダメなのですヨ。
一方で、わるいモノを安く供給しようというやり方もあります。返品できない条件で。
ほら、あれとかアレとか。

返品に関する問題もあります。いらない本は返品すればいいわけですが、入帳〆日が不明、または早いので、書店は月々の支払額をコントロールすることができません。
入帳〆後の数日間を狙った過剰配本は、決算月などに特に多く見られる現象です。
新刊の発行自体は版元が決めることですから、取次はギリギリまで返品入帳してやるしかないのです。これによって月末送り込みのバイアスは緩み、自然と総量規制が掛かることでしょう。
書店にとっては帳合変更の決め手にもなりうるでしょう。

"出版社にとっての販売代行"という面はどうでしょうか。
私は営業ですから版元取引には詳しくありません。ネット上で黒い噂を見たりする程度です。
自社商品を安価に全国へバラ撒けるという取次のシステムは、版元にとっては今も魅力的なものでしょう。版元は取次と取引せざるを得ない状況なのではないでしょうか。ですから取次は、特に中小版元には厳しい条件を提示しているようDEATH。

しかし、ディスカバー21の躍進、電子書籍の普及などによって僅かばかりですが、取次を介さない出版流通ビジネスの可能性が見えてきました。

いつか、中小版元に頭を下げる取次仕入の姿が見れるかもしれませんね。

取次会社は何を売るのか 前置

2010-07-19 | Weblog
取次は何を売っているのでしょう。

「本だ!本田!HONDA!」

違います。
取次はシステム(仕組み)を売っているのです。

取次の機能は大きく分けて3つあると思います。

1.商流機能
[出版社にとっての販売代行、書店にとっての仕入代行、書店からの代金回収と出版社への支払い]
一つの書店が、4,000社もある出版社と個々に販売契約を結ぶのは大変すぎます。また、1つの出版社が15,000軒もある書店と個々に販売契約を結ぶのは大変すぎます。(ディスカバー21スゴイね)
金融面でも、送返物流の制度下では双方に、回収リスクが生じてしまいます。「払え!払って!待って!逃げた!?」もう大変です。

2.物流機能
[新刊、注文商品を全国の書店に出荷する。また多種多様な商品を在庫し注文に対応する]
書店は、一日に4,000回もクロネコが来たらたまりません。また、出版社は、1日に15,000匹もヤマトを発射できません。

3.情報機能
[POSなどの販売情報、発注などの物流情報、新刊などの商品情報をオンライン等で流通させる。また市場動向に関する調査、報告を行う]
商品情報を掴むこと、書店の販売情報を把握するには、取次のような集約システムがあったほうが便利ですよね。

つまり、
この3つの機能において、より使いやすいシステムを提供した取次が、
帳合切替というゲームの勝者となります。

それでは、これらのシステムについて、個別に検証してまいりましょう。
(つづく)

敢えて書く 営業不要論

2010-07-17 | Weblog
当社も不況の折、リストラが断行されております。
リストラの対象になるのは、営業職です。スタッフ職にその手が及ぶことはありません。以前行われたリストラは、それに応じない営業が地の利のない地方支店に異動させられるという屈辱極まりないものでした。一定の年齢層の営業マンばかりが対象の、グロテスクな辞令が発令されたのです。

普段、"営業力"だ何だと言っておきながら、真っ先に切られるのが営業です。
つまり営業は、要・不要の優先順位の一番下に位置しているということです。

でも、それはそうなのかもしれません。

当社の取引書店は、1000坪のナショナルチェーンから10坪のパパママストアまで、その形態は多岐に渡ります。それぞれに営業担当がついており、臨店なり電話なりでコミュニケーションをとっているわけです。

毎日行く、行かなくてはならない書店もあるでしょう。毎日電話が掛かってくる書店もあるでしょう。月1回ぐらい行く書店もあるでしょう。ほとんど電話しない書店もあるでしょう。行かない書店もあるでしょう。

はっきりいって、営業が何もしなくても書店は回るのです。臨店頻度だって、勿論売上規模は考慮されますが、「定期的に行かないとうるさいから」みたいな理由も多分にあることでしょう。

営業は結局、クレームを受けて、それを処理して、あとは物流補助をやってるだけです。ただその数、業量が尋常ではありません。
書店も、取次営業に求めているのはクレーム案件の迅速な処理と、物流補助でしょう。

クレームのない状況で、補助する必要のない物流が配備されれば、もはや営業は不要なのです。

我々は、どうしても現状のスタッフ系や物流系に不満を漏らしてしまいます。
しかし、それらの問題が解消したら、我々は即死なのです。

取次営業の仕事は尻拭いです。謝ることです。
彼らが私たちに仕事をくださるのです。

さぁ、ウ○コしてちょーだい!

はじめまして

2010-06-16 | Weblog
取次営業です。取次会社(出版販売会社)に勤務しております。
先日、出版社に勤務するお友達に「取次の営業って何やってるんですか?」と聞かれました。
答えに窮しました。
自分自身「何やってんだ俺は?」と思う毎日です。
書店様、出版社様、社内スタッフの皆様におかれましては、取次営業アホでカスと憤っておられることでしょう。
そうなのです。アホでカスなのです(私がですよ)。
でも、なりたくてなったワケじゃないんです。理由があると思うんです。
私がアホカスに至った過程を探っていきながら、取次の営業とは何なのかということについて考えいきたいと思っています。