少年トッパ

そして僕らは卓治のギターで歌った。<その7>

 会場の外に出て、知り合いたちと合流。甲斐ファン仲間でもあるSKDさんやNonたんとお話ししながら開場を待つ。緊張で何も喋ることはできない……ということはない。かなり冷静である。というよりも、「プロのミュージシャンのライブで自分たちが歌う」ということへの実感が湧かないのだ。

 開場時間になった。中に入り、SKDさん、Nonたん、おこちゃまと並んでカウンターの席に座る。顔見知りの卓治ファンの方々に挨拶したり、入場時にもらったプレミアムチケット(一枚ずつに違うメッセージが書かれている)を見せ合ったりしながら開演を待つ。緊張感はない。未だに実感が湧いていないのだ。無意識に現実逃避しているのかも。

 ちなみに、こちらが今回のチケット。



 せっかくなので、ご一緒した方々のと並べて撮ってみた。



 ここに写っていないものも含め、書かれているメッセージはほとんどが1行または2行である。しかし僕のは3行! やっぱり選ばれた男は違うぜ。いや、完全に偶然だけど。

「やるべきことは発信し続けること
 荒海の中に浮かぶ大きな島であること
 漂流者を迎える美しい浜辺を持つこと」

 うんうん、良い言葉である。自分が考えたことにして周囲に言い触らしちゃおかな。

 ここで、今回のライブ「Naked “eyes”」の説明を。

 簡単に言えば、アンプラグド・ライブである。電気楽器を使わないコンサート、というわけだ。しかし、実際には世の大多数のアンプラグド・ライブでは、電気楽器は使われないがマイクやアンプは使われる。楽器はアコースティックギターでも、音声は機械で増幅されているものだ。いや、もちろんそれが悪いってわけじゃないけどね。
 今回の小山卓治のライブでは、マイクもアンプも一切使われない。ギターの音も卓治の歌声も、すべて素のままで観客の耳に届けられるのだ。加工を施されない剥き出しの歌を僕らは楽しむわけである。
 それは素晴らしい試みであろうが、心配な点も多い。何よりも、声がギターの音でかき消されてしまわないか、と不安になってしまう。今は路上ミュージシャンでさえ、ギターをかき鳴らしながらマイクを使って歌うことが多い。もともと卓治はさほど声量が豊かなわけではないし……なんてことを言うのは失礼だけど、デビュー当時からのファンとしてはついつい心配してしまうのである。
 とはいえ、同様の試みのライブはすでに東京と大阪でも行われている。きっと大丈夫だろう。っつーか、卓治のことよりも自分の出番の方が遙かに心配じゃねえか。

                              <つづく>
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