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種々

世界の片隅でキラへの愛をこっそりと囁くブログ

種リマスタ38話・39話 暁の空へ ゆれる世界

2012-09-19 00:59:33 | SEED DESTINY
相変わらずけっこううろ覚えなので箇条書きでorz

連合3機つっよいなぁ・・・。キラの敵、というくくりでは、作内最強なんじゃないか?
(展開上の都合もありつつ)

シーゲル、ウズミ、ラクスは、同じくくりにいそうな感じだな、キラはまだ入り切っていないけれど、という印象。
「そんなものでいいのか、君達の世界は」
「そんなものかね我々は」
ある意味での問いかけ者であり、それゆえに道半ばに倒れる。
ラクスは同志であり、引き継ぎ手でもあり、そこにキラが入る感じというか。
敵にフォーカスするのではなくて、自分自身で自分はどうありたいか、あるべきか見定めなければならないという意志。

アスランが苦悩中、アスランはザフトにいない時の方がカッコイイと思うよ正直。
ただ、思惑がキラ達とはズレてるとは思う。
ある意味、オーブのあり方というのは、諸悪の根源を探さない思想であるので、
アスラン的には、パトリック・ザラが問題である、にキラ達の思想がすり替わってしまっていくのを、
キラ達はフォローしきれなかった印象でもあるかな・・・
しかし、ブルーコスモスの盟主と自分の父親が並び称させる現状はアスランにとっては堪らないだろう。
ただ、パトリック・ザラを指示し、必要とするアスラン自身も含めた人々の意思を軽視するべきではなかったかな、と。
運命時の、ユニウスセブン墜落は一部の者達、というくくり、
明らかにキャラの違うラクス・クラインを掲げあげる様子、
一部切り捨てに、象徴化、
アスランもプラントも器用で強かだと思うよ。自分達の問題と向き合わずにすむ作用に易々と乗れて。
これで運命でプラントを守れていればまだしもよかったんだけど。
プラントのラクスへの視線と、アスラン・ザラという男のラクスへの視線はほぼ同一である気がしてる。
侮りも含めた、可愛がりの視線から、今度は、過剰な期待を示す虚像へ。
ラクス自身が仕掛けたことでもあるし、ある意味でのラクスというキャラへのショックから、現状への疑問を持ってほしかったものを、デュランダル議長が、ラクス自身を問いかけ者から、肯定者・答えを持つ者へのすり替えてしまった印象。
ウズミの言葉は、アスランには、パトリック・ザラを糾弾する言葉に聞こえてしまっただろうしな。
あくまで世界が二部する状況への抵抗を示しているだけで、個人を糾弾する場ではなかったのだろうけれど。


ウズミという人はよくわからないな、しかし。
理想の体現者なのか。あるいは、ただの夢想家なのか。
とりあえず、オーブの理念についてはわりと語っているので(私はそちらは支持なので)
やはり気になるのは、キラをどう思っていたのか。

最高のコーディネイター、そしてカガリの実の兄弟と言う存在が、
まだカガリが理解しきれていないオーブの理念に共感を示してくれたことは心強かったと思うし、
血のつながった兄弟だからカガリを助けてくれる、ではなくて、
オーブの理念に賛同するからこそ、オーブを背負うカガリの力になってくれるだろう、ということはなんとなくわかるけれど、
ヤマト夫妻の、どんなことがあってもキラに真実を話す気はない、というカリダの想いをどう思っていたのか。
このあたりは、もしかしたらあれだけキラが戦争に関わってしまっていたら、パイロットとして、MSソフト開発者として規定外の才能をしめしてしまったいたら、遅かれ早かれ、真実には触れる。
カリダの想いは太平楽に聞こえたのかもしれない。
ただ、「最高のコーディネイター」ということを知りながら、なぜかつて、地球軍本部に渡る航海にキラを送り出したのか。
そこで素性がばれたらどんな目にあわされるか、どんなふうに利用されるか考えなかったのか、
そういった面での疑惑はあるけれど・・・
そもそも、キラ達ヘリオポリス組が戦争に参加していく過程に無理がありすぎたから、
ウズミだけ責めるわけにも、というのもあるけれど。
カガリに真実がわかった時に、キラを兄弟として支えてやってくれ、という意図もあったかもしれない。
実際は、ラクスがその知性と真心で支え切ったわけだから、カガリが支える場面はなかったわけだけえれども、
キラが真実を知った時に「ナチュラルであり真っ当に母の母胎から生まれた双子の姉」の存在が、
キラにとってどう心情的に影響を与えるかは、ほとんど賭けの領域だったとは思いつつ、
このあたりは、キラ・ヤマトという人間の人となりを買った上だったかもしれない。

アスランとディアッカの決意回。
といっても、方向性が決まったわけではなくて、ある意味での保留と棚上げ。
現状では、敵は連合はわけだし。
とりあえず、死なせたくない人がいる、という人間として極めてシンプルな立ち位置から、オーブ解放戦線に参戦。
この辺りは、初期キラに近しいな。
しかし、監督自身も突っ込みまくっているように、ディアッカのスル―されっぷりが凄い・・・のだけれども、
そんなのどこ吹く風で、なんだか凄くディアッカが頼もしいな。
キラにせよムウにせよ、虎にせよ、ディアッカにせよ、
どこか「惚れた女の為に」という立ち位置に半分足をかけている人達は強い感じがする。
(そのあたり、アスランやイザークやシンは優等生だな、という感じもするかも)
いや、この時のアスランも強いのよ。
アスランはキラの為(もう誰もこれ否定しないよね)
ディアッカはミリアリアの為。
わりと、この2人の状況を、監督が、軍のマインドコントロールが解けてきた、といっていたのは印象的だった。
いや、わりと、ザフトを理想の組織のひとつとして描いてんのかな、とも思っていたから。

そのザフト、フレイの新規がな・・・正直にいうと凄い嫌な感じ。
文脈がエグいんだよね。捕虜になっているという状態で。
絵的にはきわどいけれど、あまり事後って感じじゃないかな、とは思う。
髪がほどけていないからっていうのを根拠にあげてる方幾人か見たけれど、
庇護者を求めて、という意味だとしても、キラとの後に、自暴自棄になったような哄笑や、涙を流している様子を見ていれば、
そう割り切れないんじゃないかな、とも思うし、寝てるだけだと思うけれど。
それはそれで。
自分の家じゃないわけで。ドアの向こうに、守ってくれる家族がいる状況じゃないわけで。
裸で寝るか?
例え仮にクルーゼには体を許していたとしても、誰が踏み込んでくるかわからない状態じゃん。いくらザフトが理知的な軍でも。
あるもの全部着て寝る方が自然じゃないのかと。いくら寝苦しくても。
女性キャラの色っぽいシーンは見たいけれど、それはあくまでストーリー上の展開や(←キラフレ的にはいいらしい)恋人との関わりの中でしてほしいことで、
そういう中で、
敵軍の捕虜にあった状態で、というのが、無意味に煽ってるようでなんか嫌だ。15歳の女の子なわけだし。
なんだか色っぽくしたいだけだった感じが嫌だ。いや、大袈裟なんだろうけどね。

キラの「話せて嬉しかった」は素なのか、実のところ(対アスラン用の)計算はいっているのかが気になる。
なんだかんだで、アスランの転がし方についてはラクスよりキラの方が上だと思っていたり。
いや、100%本心を言っているのはわかっているんだけど。言葉的には。
このあたりは、「諦めちゃったらダメでしょう」というあたりと同一かな。
キラの思想心情的には、このあたりでだいぶ固まっている印象。
どちらかといえば、キラの以後の課題は「僕はなんだったんだろう、生まれてきちゃ、いけなかったのかな」の方が主かもな。あと「誰も死なせたくなかったから」双方のベースたるキーパーソンがラクスになってくわけだけど。

キラないしオーブは「戦うべき時には、戦わないと」とう思想で、
このあたりは、シンとそれほど相反するものではない。
民間人を犠牲にすべきじゃないという主題は、果たしてキラ対シンにしてよかったのか。
キラ自身が、平穏に暮らすことを否定された民間人だったわけだし、
そのあたりの運命の舞台設定の整え方は練り込み不足だったんじゃないかと。
キラ対シンの初期演出が絵的に強烈過ぎて、逆にアスランの立場も宙に浮いた気がするけどな。
アスランはオーブという国への関わりについても当事者意識に乏しかったわけだし、
オーブは連合についてザフトと戦うべき(それでオーブの民間人を守れ)だったという主張を「ザフトレッドのシンが」ザフトで主張する状況についても、なんらかの描写が必要だったんじゃないか、と。
アスランが仲介として機能してなんだよね、
他のキャラは自分の責任を問われているのに、アスランは、序盤で「パトリック・ザラの息子」という状況を押しだしすぎて、
逆に、アスラン個人の責任が宙に浮いちゃって、先の戦争のアスランの当事者性が奪われているから、
無印キャラ(運命AA陣営)と、ミネルヴァサイドが有機的にリンクしなかった気も。
アスランが無印時代、民間人の子供だったとか、あるいはザフトで最後まで戦い抜いた、
あるいは、運命で、アスランがパトリック・ザラの息子を背負い続けたのなら(10話で解消されちゃったし、それはいいと思うkけれど。あれは背負いきれないアスランが壊れちゃう>ユニウスセブン落し)もう少し軸が通ったと思うけれど。
この辺アスランはむしろ割食った気がしてる・・・陣営移動繰替えすのは無茶だ。


今回で、そのパトリックに、シーゲルが殺されたわけだけれども、
どうもこれもパトリック一人の罪にするのは違和感がある、
撃った人間は別だし、パトリックとその人間の間に何人もの人間がいたわけで、
自分は命令に従っただけだ、というのは、それでいいのか、というのがこの作品のテーマなはずで、
プラントはラクスに向き合う時に、自分達が彼女の父を殺したという意識はないとかと。
ラクスは可能性として(自分自身のことについても)覚悟はしていたんだろうけれど、
どこかで信じたかった思いもあったんじゃないかと。
今までプラントを導いてきたシーゲル・クラインに対する人々の想いを。


キラファンとカガリファンで温度差がありそうなのは、
カガリの出生暴露かな。
じつは、宇宙にあがったその足で、暴露した印象だったんだけど、そうでもなかった。
もちっと迷っていたかな。
このあたりのキラに話したカガリの心情は正直トレースできない。
正直なこといえば、シンの糾弾に対して、「お父様だって苦しんでお決めになったことなのに」と近しい文脈で、
「お父様が兄弟がいるっていっていたらしから」に近しい部分があるかもしれないとも思う。
キラもカガリも、記憶にあるよりもショック受けてたなぁ、
このあたり、母親がキラに似ているということが、キラのショック大きいかもしれない。
キラは冷静で優しかったわけだけど「カガリのお父さんはウズミさんだよ」「一緒にいると考えちゃうだろうから」
監督によれば、実感のないところもある、というところもあるらしい。
カガリは、身近な人への依存心はあっただろうけれど、
それは、アスランがザフトや帰属に依存した心境も同じだろうな、と。
ただ、彼女は組織には頼れない。なぜならカガリ自身が組織そのものだから。


アスランの婚約者だ。
この時のキラの心情ってか、キラがどんな表情をしていたかは不明かな。
「私あの方好きですわ」のラクスも、顔見せない演出になっていたけれど。
ラクスも心情にも気付いているだろうし(ただ、キラ側からすれば、核エネルギー搭載の機体を渡すにあたって、気持ちと共に託されたという部分が主で(貴方は一人じゃないのだからという激励とともに、釘さしでもあるかもしれない)
ラクスが自分に恋してるとまでは思えない段階かもしれない)
キラ自身も、ラクスに惹かれている自分にはとっくに気付いているだろうし。

ここは、マリュー達に、かつて人質にとった少女は、このアスランの婚約者だった、ということで、
繋がりを説明してるのかもしれない。
キラがずっと戦ってきたのは、幼馴染だったというような。


さて以下脱線。
この「婚約者」という付きまとい方が、キララク好きとしてはウザイ。
キャラ紹介にも、運命段階ですら、婚約者だった的表記はいったりするし。
そもそも、アスラン自身が早々に積極的にカガリに接近したこと棚上げで、なぜラクスが乗り換えたことばかりが強調されるのか、
アスラン可哀想という雰囲気が強いのか、
設定部分にも、なんだか例えばいつまでたっても、キラが元連合兵士みたいに書かれるみたいな不自然さすら感じるわけだけど、
そこに対する外部の執着ってなんなのかな、とおもった時に、
なんとなく思ったのは、キラとラクスとアスランには、通例的な「譲渡の儀式」がないからかな、と。
まぁ、例えば、他の男性(それも婚約者の親友)に惚れてしまった、罪悪感に項垂れるラクスの背中を押すアスランとか、
逆に、アスランがキラにあいつなら任せられる的なこといったり、
あるいはアスランがキラにラクスを頼むというシーンがあったりとか、そういうのが一切ない。
このあたり、子供の時は父に、結婚したら夫に、老いては息子に従え(女3界に家なしってやつね)
的に、女性は男性の所有物的な価値観っていうか感覚(多分私にもあるだろうな)の問題なのではないかと。
でいうと、状況によって婚約関係が消滅した以上、
あとは、当人達の気持ちのみ。
そうなった以上、ラクスの心情のみが200%考慮されるべきで、
アスランがラクスを好きでも、ラクスの気持ちがアスランにない以上、そこには自分が好きな相手が自分が好きじゃなかったという凡百の失恋があるだけであり、(これは序盤でキラが味わったものと同一)
アスランは黙って退場するしかないわけで、実際本編はそうなっているけれど、
戦争という状況や(父同士の抗争もね)対の遺伝子という設定の道具仕立てが本編にはないドラマを作ってしまったり、
そして、婚約者と言う肩書に伴って、アスランにはまだラクスへの所有権を残しているという「錯覚」(アスランの許可が必要なはず)が、あるのではないかと疑っていたり・・・
本編は真っ当なんだけど、(ラクスは物じゃないんだし)ラクスの気持ちがキラにあるなら、キラ自身が過剰な負い目を感じるのはラクスに対して失礼だし。
そのあたりが、キララクは恋愛じぁないんじゃないか、と見る人が出てくるところでもあるんじゃないかな、と・・・
いやまぁ、与太話しだけど・・・

種リマスタ39話―アスラン

2012-09-01 19:03:45 | SEED DESTINY
※夕焼けキラ可愛い可愛い可愛い゜ヽ(o`・∀・´)ノ.+゜という感想に満ちていますが、
あまりその想いは伝わらない状況になっているかもですが・・orz



ところで前回感想時に書かなかったのですが、
元38話のカガリとキラのフリーダム前の会話は、
「コーディネイターなのに」「コーディネイターだから」というあたり、
キラとカガリでコーディネイターであるという同じことから違う認識になっているのが楽しいというか、
この辺は組織と個人との対比もあるかもなぁ、とも。
ところで運命の方は、個人と組織というよりは、自己と他人というイメージです゜(・∀・)

アスラン介入からスタート、ジャスティス最大の見せ場!(言い切った)
守るという意識でずっといたキラを庇えるのはなんだかんだでアスランだけな感じだな。
共闘でも、ただ一緒に戦っているというよりは、アスランがいること前提の動きを見せてる感じが゜ヽ(o・∀・)ノ
この介入は俺個人の意思だ、あまりオーブどうこうの背景を考えてよりは、
キラの苦境を見かねてというところですね、このあたりの心情は、今までのキラもそうだし、
ディアッカもそう。
ただ、アスランをこういう形で介入させた以上、運命のシンとの関わらせ方というか・・・
シンとキラ、2人が日常を失った戦場に、軍人としてMSのパイロットとして参加していたアスランを、
ふたりの仲介者として置くというキャラ配置は正直狂ってると思うんだけど、
気になるの私だけかな・・・たしかにアスカ一家が亡くなったの、アスラン介入前といえば前だけど・・・


夕暮れシーンは、理屈というよりは、絵で見せるというシーン、
共通の敵、というわかりやすい場面を超えて、
今度は柵なしで近づいて行って、2人とも心情的にはまだどう接しようか決めかねているところ、
このあたりは、姿を見せるのも、歩きだすのもアスランが先、
立ち止って、きっかけになったのはトリィで、キラがトリィを肩に迎えてから顔を笑顔になっての
「やぁ、アスラン」
トリィをきっかけにキラがふっ切った感じかな。
どちらかといえば、僕達は大丈夫とか、一緒に戦ったんだから、ではなくて、
アスランがどうでようとも、自分の気持ちのままにアスランと接しようという感じかな、
この後の「僕達もまた戦うのかな」という通り、アスランと再度敵対することも、可能性としては考えていた気がする

アスランとしては、そこまで決めれてなくて
(アスランの回想シーンの多さから、アスランはまだ自分の中では 気付き を経ていないだと思う。
「今の自分を否定してもらった」=カガリやラクス
「今の自分の所属への懸念」=父の言動
「キラと敵対したくない」「キラを殺した後悔」そういった「周囲」から、
今の自分を形作っている印象、キラもそうだけど、アスランはより。
キラとアスランの最大の違いって、「相手を殺したという強烈な感覚」の有無という部分もけっこうある気がしてて、
友達を殺された、殺そうとした、という場面までは一緒だけど、その結末が。
アスランの場合、その恐れと後悔に引きずれる形で、行動を決めた部分、
自分自身でコアを作り切れなかった印象も。

トリィは、ラクス経由で、キラがトリィを大事にしてたことを聞いたいたこと、
28話でも一度2人を結ぶきっかけになっている積み上げがあるかな、と。

カガリの乱入は、賛否両論といった感じで、私もはどちらかといえば否よりではありつつ
(カガリでは明らかに役者不足な感じがするから、ふたりの仲介としては)
「この時は」これでよかったかな、と。
ようは棚上げなんだよね、まだ。
これで、この後の展開がもう少し優しければ、このまま昇華できたかもしれないけれど。
ただ、逆に、事情をある程度知っていて、だけど難しく考えすぎないカガリのいわば強引な仲介が必要だったのかな、と。
ラクスの言葉と、カガリの行動。
ただ、奇しくも、そのラクスとカガリが、運命でアスランとキラの対立軸になるんだけど・・・
いずれにせよ、わだかまりはどこか宙吊りにして、どこか諦めて、どこか許せない部分も2人とも持ちながら、
一緒に生きていくという感じにはどこかならざるをえないだろうし。
2人が一緒に微笑み会うことを、心から望み喜んでくれる存在が、
現状では一番のキーパーソンになりえたのかもしれないな、と。
(運命以降はカガリには肯定的な私・・・←)


アスランとの会話は、キラ側の視点として面白い・・・というか、
運命から通してみると、キラ・・・ないしは作品のブレなさ、というかですかね。
「知る」「知らない」「したい」「したくない」
「僕は君の仲間・・・友達を殺した」「君もトールを殺した」
「でも僕は彼を知らない、殺したかったわけでもない」
「俺はお前を殺そうとした」「僕もさ」

その条件。
殺したくなくても、知らなければ殺せる。キラ→ニコル アスラン→トール
知っていても、殺したければ、殺せる アスラン⇔キラ

「こんなことにならない」為には、
相手を知ること。と。
自らの意思と感情に向き合うこと。

「相手のことなんて知らない方がいい」
ムウのアドバイスをここでひっくり返した雰囲気も。

このあたりは、デュランダル議長の「われわれ自身の無知と欲望こそが戦争の原因」というところに通じる部分かな、と。
キラが自分自身の実感として、たどり着いた認識かな、と。

いや、やっぱりあいつだよ、というのは、
キラの言葉の意味とかよりは、もっと雰囲気とか温度とか笑顔とか、そういうベース的な部分かもしれないなぁ、とは思うかな。


「話せて嬉しかった」「僕達はまた話せる、いつでも」
対アスランへの意識は、2年後も変わらない印象・・・

監督は、変化を書くのがドラマであり、運命は変化しないキラの物語ではないというあたり、

ラクスのドラマは、本編よりずっと前にたどり着いているし、
キラのドラマは、ここでたどり着いている、
アスランは運命まで待たなきゃならないし、
カガリのドラマは、まだ始まってすらいないというイメージかな。
フレイはまっただ中。
人としての気持ちの変化というのはまだまだあるけど、
ラクスはキラに恋をしたわけだし、キラは運命で自分が生きることを望んだわけだし。
この変化(ドラマ)というのは、「自分がどういう人間か知ること」「自分の優先順位を知ること」「自分がなんの為にいるか知ること」「自分の欲しいものをしること」「自分の幸せがどこにあるかを知ること」
そんな感じがするかな。
そしてそれは「明日を望むこと」に繋がっている気もするんだ、変化を受け入れながらの。


種リマスタ―35・36話 神のいかずち・決意の砲火

2012-08-29 23:44:54 | SEED DESTINY
記憶から薄れがちなので、箇条書きで←

この辺りの話数は、オーブ回というか、キラが、意に添わずながら、銃を撃ってきた、
その自分の戦ってきた意味を、帰属させる場として、
自分自身を結果的に売った祖国の意味を再構築というか・・・

オーブというのは、作品テーマ的に個人主義と結びつきやすい半減、
コーディネイターであるから、それが地球に生きる者として、正義だから
という理由で、国家の枠組みを超えて他者を取り込む為にせよ、撃つことにせよ、
外部に際限なく触手を伸ばす、連合やプラントに対して、
「法と理念」という「自己」の「境界」を「宣言」し、それを守る国という意味では、
その組織の枠組みにたいする執着というのは、作内では一番強いというか・・・

今まで、個人対個人として、同じコーディネイターだから、俺達の仲間だと「他国の民間人(いやまぁ、連合軍人になっちゃったけど)」であるところのキラに、自分達への恭順を迫り続けたアスラン、
国家組織として、同じ地球に住むものとして、というくくりを、ひとつの主権国家であるところのオーブに迫ったアズラエル
運命まで裾野を広げれば、運命プランに賛同しないものは、人類の敵であるという論法を使ったデュランダル等、
オーブ的あり方と対比的な部分かな、と。

オーブは私の国よ、私はアークエンジェルのCIC担当よ、
でも、正しいと思うよ、オーブのとった道。一番大変だと思うけど。
僕も守るから、オーブって国を。
まさに新規がきたところだけど、こうやってみると、ミリアリアがヘリオポリス組で、唯一運命参戦したのは、
必然だったかもしれないな。

その国の一員、であるということは、その意志をもつこと。その国の法と理念を理解し、共感すること。

「剣を飾っておける状態ではなくなった」という状態に、我が意を得たり、という表情をするキラは、
そう言ったウズミは、戦うべき時には戦わないと、というシンの言葉に沿っているので、
この考え方は、必ずしもシンとキラは対比ではないかな、とも。


オーブ的あり方に対比させるように、
連合とプラントの近似化が進む。
今まで善玉のプラントと、悪玉の連合という対比(ハルバートン等、一面的には書いてないけど)
をしがちだったのが、どっちもどっちという演出が重なる。
連合のサイクロプスから、ザフト側の投降兵虐殺。
双方陣営で行われるプロパガンダ。
双方共に口にする「戦争の早期解決の為」という言葉。
「プラントも同じだ」というキラの言葉の通り、
より正しい方を選ぶという選択の仕方は無意味、
そこに現れる、第三の価値観としてのオーブの再登場。

(この後のプラントが、パトリック・ザラ一人を悪役にして切り捨て、
自分達の合意形成のシステムの不備や、ひとりひとりの復讐心や被害者意識、遺伝子を操作した自分達は優秀であるという優越感に全く向き合っていなかったのは運命で露呈したけれど、プラントは何度ラクスに面倒みてもらう気だろう・・・)


37話の段階では、アークエンジェルクルーも覚悟決めてなかった様子、
最初に腹くくったのが、ムウさんで、それの表明が、ラミアス艦長を「マリューさん」と呼ぶという演出。
今まで艦長として立ててきた彼女を一人の女性として扱うというところがリスタートなのは彼らしいかもしれないけれど、
大切な人を守りたい、と動機から、翻意が続いた2回。
ムウとマリュー、ディアッカとミリアリア、アスランとキラ。
特に、ムウとアスランは、両2回のエンディングの引きに決意場面が重なって
「同じ夢を叫んだ」というところで、歌詞がハマっている感じに。
双方とも、フリーダムとストライク、フリーダムとジャスティスという機体同士だったのもハマった演出だよな、と。

戦士としての信念の置きどころをオーブにおいて、
キラの立場はひとつ固定されたけれど、
フリーダム搭乗以降、一人の人間として、男としてのキラ・ヤマトを、どっか棚上げにしている様子もあって、
キラは無印終盤、誰も好きじゃなかったというのは、
惹かれれいなかったというよりは、自分のそういう感情、個人の幸せについて、考えないようにしてたという雰囲気も・・・
フレイの意図に気づいたときに、キラが思ったのは、騙されたとか利用されたじゃなくて、
もう縋れない=彼女の包容力は演技であり、彼女は傷ついた子供だった、ということに気づいたからで、
それ以後「女性」として見ることなくなった面もあるかもな・・・と。
ラクスについては、少なからず惹かれていたとは思うんだけど、
アスランの婚約者だからというのや、彼女自身の未来を考えて、ラクスが好きとか、ラクスを好きかも知れないとか、
そういうのを考えないようにしていた感じかな・・・
そのあたりを取り戻すのは、「天空のキラ」かな、と思っているんだけど。

これらの選択の中で、カズイが下りたわけだけど、
自らの選択としてという意味では、
キラと、アスランと、ムウと、ディアッカと、ミリアリアと、サイと、彼らの選択をまったく等価であるというのが、
この作品のひとつの姿勢でもあるかな、とは思う。

種リマスタ34話―正義の名のもとに

2012-08-21 02:33:15 | SEED DESTINY
そういえば、フリーダム搭乗回―フリーダム撃沈回=34話の話数的リンクが崩れたのだよな、と。
36話でアスラン転機回もそうなんかな。

まずはアスランサイド、
どうも当時から、私の受けてたニュアンスと世間一般のそれとの差異を感じる部分が多いシーン、

逆転してる部分だな、という印象、
ひとつは、ラクスの立ち位置、
分かたれた道では、アスラン+ラクス→キラという感じが、
キラ+ラクス→アスランというスタンスに、
これはラクスが意図的に演出した場面もあったんじゃないかな、とも思うけれど、
ラクスの言葉選びも、分かたれた道、の時のアスランの言動を意識してるイメージも。

キラが34話で一人になれる強さを持ったというけれど、
大切な人と敵対しながらも、自分の望みを貫けるか、という部分で、
今度は、アスランがそれを問われる場面になったというか、
「ならば仕方ない、次会う時は、俺がお前を撃つ」「・・・僕もだ」
「もしそうなら、キラはまた貴方の敵になるかもしれませんよ」「そして私も」
アスランは、「僕達」コーディネイターというくくりを信じ込んでいたし、
俺達(自分とラクス)と、それに敵対してるキラ、という図式=キラさえこちらにこればいい、それがあるべき姿、
という思いこみも強かったと思うけれど、
それに、ラクスが意図的にキラを支持し、肩を持つのみならず、
自分はキラについてアスランに敵対する意志があるというのを突きつけたというか・・・

あと、戦争という状況に際して、戦前から関係を築いてきた間柄の人間を、
さあ敵になったからと眼前で見殺しにできるか?
という、キラが背負ってきた矛盾、背負わせてきたアスランという状態があるので、
今回ラクスを守ったアスランを、ラクスを守ったアスランかっこいい!とは思わない。
むしろこれで、アスランに今までの自分を省みてほしい以外の感想は個人的にはないのが正直なところ
(恋愛対象でもあった婚約者と、クラスメートの域をそれほどでていない友達と比べるなと言う感じなんだろうけれど、
明確な国家反逆罪の相手と、罪もない民間人の学生という差もあるし、
トータル的には個人的には差はない感覚なので)

アスランの苦しみを理解し、そしてアスランの置かれている現状、
今後より確実な動機で(フリーダムの奪取及び破壊というプラントの対キラ排除の絶対的必然性)キラと敵対しなければならないアスランと、ザフトとの 一体感 に罅をいれておかなければならない、という感覚、
キラは生きているから、やり直せるかは、話ができるから、
そういう部分は純粋な労りの気持ちからでてるかな、と。

監督のツイッターあたりから窺える恋愛・婚約絡みの状況をみるに、

ラクス→無印当初 アスランを好きになろうとしている
    無印中盤 「私あの方好きですわ」は言葉の通り
         ただ、アスランに向ける感情とあまり差はないかもね。34で運命が分かれている
    まなざしの先 (キラに恋を)しちゃいましたかね
    ホワイトシンフォニー どうでもよければ会おうともしない。危険を犯してまで会ったのだから意図がある
               元婚約者に対するけじめもあるかもしれない
アスラン→山ほどハロを贈った経緯を考えると好きだったのでは

実のところ、監督の認識は、思っていた以上に、ラクス→アスランに否定的だな、という感触。
中盤はともかく、無印当初は、ラクス→アスランはもう少し恋愛的に好きだったんじゃないかとぶっちゃければ諦めてる部分もあったんだけど・・
ドラマCDであれだけ幸先良くスタートした関係が、結局3年近く好きになろうと努力してダメだったというのも、
人によっては不自然に感じるんじゃないかと・・・
アスランには婚約者として落ち度があったわけではなく、ハロを贈るというわかりやすい好意も示していたし、
なんだか、ラクスもアスランが好きだったけれど、諦めなきゃならない部分もあったんじゃないの?
という疑惑(というのもあれだけど)も残るよな、という感じ。
ドラマCD,アイテムとしては楽しいけれど、ラクスやザラ隊とのくだりは、どうも本編のアスランの人間関係に繋がらない気がして、不自然にアスラン側の(キラとの敵対前の)人間関係を美化してるみたいで手放しで本編に入れていいのか個人的にはとまどうんだけど。
ただ、アスランを見るに、今回まで、カテゴリ依存というよりは、弱くて幼い、という印象が強く(自分に都合の悪いものは見ないし見れない)
親しい人間と利害関係が対立すると、本来的な気質である優しさ誠実さが目も当てられない状態になるというか、
優しい人ではあるけれど、自分に余裕がないと周囲に八つ当たりするタイプ、にも見えるので
(現状は、血のバレンタインとそこからくる世界に対する不信感みたいので頑なになっているので、
運命終盤あたりではだいぶ克服できているとは思っているけれど)
無印前半、ラクスやザラ隊と上手くいってない様子は、そのあたりもあるかもだけど。

個人的には、アスランとラクスの破局は、状況のせいとかキラのせいとかじゃなくて、
アスランの態度が悪かったからだろ・・と思っているんだけど
(巷で言われているラクスの父をアスランの父が殺した、というのも、すくなくともアスランが気にしてる様子なさげだし)

ラクスは本編では、アスランを揺さぶるにキラの名前を使いまくるけれど、
これはキラに対する親愛が強かったからだと思いたいところだな・・・
私あの方好きですわ、も。煮え切れない婚約者に対するゆさぶりとして利用してるんじゃなくて、
後から考えて、あの時もう本気だった、とわかるラクスなりの仕掛け(誠意というには傲慢だろうけれど)
だったと思いたんだけど・・

一応キラ、ラクスそれぞれ、不十分ながら、再会前に今の相手への意思表示はしているのかな、という印象でもあるけど
(「間違ったよね、僕達」「私あの方好きですわ」)この時点で再会できる見込みもないから結果としていう感じで


アスランが、理不尽に対する秩序回復への希求への態度として現れてんのが
上には従順で、下には威圧的(ただし、面倒見はいいし気にかけている)だったのが、
上だと思っていた父の様子はおかしいし、世俗的なことには疎いと思っていたキラやラクスが自分を先行している感じだし、
今まで信じてきた基盤が揺らいだのは確実かも、と。
ただ、これは現状ザフトへの(というか父への)疑惑にはなりけたけれど、最終的な価値観の変容には至らなかった印象。
なまじ、パトリックが悪かった、に結実しやすい状況になっちゃったし・・・
ここでラクスにまともに反論できなかったアスランが、二年後、まともに対立した時の第一声が「君も俺はただ戦士でしかないとそういいたいのか?」なあたりそうとうどうしようもないと思うけれど、
(心変わりした婚約者を見送る、キラやラクスの平穏な生活を守るというところでポジションとろうとしつつ、
向き合っていなかったもの、納得していなかったものが、敵対時に露呈した印象)
フレイやシンの描写を見るに、戦争の傷を軽く扱いたくなかったんだろうなと思う反面、
運命のアスランをもう少し、大人、軍人扱いしてもよかったんじゃないのかとは思うんだけどな・・・
(ちなみにジエッジは個人的に論外、あれこそ最後までアスランを子供扱いしたと思う)
もっと深く自分を疑うようになるのは、セイバー八つ裂き以降な印象
「君がまたザフトというならこれからどうするの?僕達を探していたのはなぜ?」「仕方がないって、皆カガリとオーブのせいだってそう言って君は撃つのか?今カガリが守ろうとしているものを」「なら僕は、君を撃つ」
は今回のラクスの言動からオブラートをはぎ取った言葉勢な印象。
逆にあそこまで言われてされて、ようやくアスランは自分を疑うようになったかな、と。

アスランがクライン邸でのラクスとの思い出思いだすシーンがはいるにつけ、
ラクスが自らの意思でそれを捨て去ったことが強調される気がする。
「大丈夫・・・ここはまだ・・・平和です」
というあたり、遅かれ早かれ、見ることになる風景だとラクスはわかっていたと思うけれど、
これは、ラクスが 戦わないと守れないものがあるということを、幼い頃から感じていたというか・・・
キラ・アスラン・シン(フレイやヘリオポリス組も)
平和であることが当たり前、という状況から、戦争状態の当事者になっていったわけだけど、
(こんなのはおかしい、かつてに戻りたい、という動機と共に)
幼いころから公私共に父を支え、迫害されその中で自分たちの居場所を勝ち取るプラントの為に歌ってきたラクスは、
クライン邸の暖かな風景というのは「誰かが戦って勝ち取ったものであり、当たり前にあるものではない」ということを知っていたんじゃないかな、という印象。
だから、眼前の幸せが当たり前だとも思わないし、より大きな目的の為には一時的は捨てなければならないことも知っている
「強いんじゃない、強くなければならなかった、強くならなくてはならなかった」
キラが無印前半アークエンジェルに置かれていた状況に、
ラクスはもっとずっと幼い頃から長い間置かれていた印象、超えてきたものが似ているからこそ、
キラとラクスは運命で通じ合っている部分あるかもな、とも。
それは、僕がやんなくちゃ、皆死んじゃうと思ったから、に近い部分があるかもな、と。
(なんで、キラやラクスを、力あるくせにとか、人間味がないみたいな言説には本気で腹が立つ)

ところでキラ側の恋愛感情には監督あまり言質をとらせなくてわかりにくいけど個人的には、
私は直接見てないけれど、監督夫妻どちらかのインタで、フレイはキラが初めて好きになった女の子、みたいなこといってらしたと思うんだけど、
無印当初はやはりフレイに憧れていたのは事実で、
ただ、1クールの、サイに抱きつくフレイを見た+フレイの言動、で気持ち的にはそうとう後退していたんじゃないかな、と。
ラクスに対しては、逆に1クールで恋愛的にもそうとう惹かれていたんじゃないかなと実は思っていて、
ただ、自分がラクスに対して不利益な行動をした(=ラクスを探していた人間を殺してしまった、人質にするような場所に連れてきてしまった)とアスランの婚約者というのが決定的で、諦めたんだな、と。(もともといきじるの他人みたいなものだし)分かたれた道のラスト涙ぐんでいるのも、アスランとの敵対決定打と共に、ラクスともう二度と会えないだろう、というのもあったかもな・・とも・・・
再会してからも、好きにならないように気持ちを抑えてた部分が強そう。
話が前後するけれど、フレイへの気持ちも、フレイの(偽り)の謝罪から、また持ち直した印象だけど、
フレイの分も戦うから、あたりは、フレイに対する憧れ(照れもあるだろうけど)も思い出してき感じも・・・
(ただ、砂漠の情事については恋愛がモチベーションになってない気がする。
フレイを好きだという気持ちを自分で尊重できる精神状態なら、フレイを大切にした=勢いで抱くようなことはしなかったと思う、ほんと本能的な生存欲求というか・・・。「敵!?」って起きた後一瞥もしてないし「もう誰も死なせない、死なせるもんか」)
ただ、その後、サイのことで相当めげたのは事実で、
サイに追いかけられてたフレイが、キラを見つけて腕組んだ時に、微笑みあった様子には信頼があったと思うけれど、
その後のやりとりで(やめてよね、で)そうとう崩れたんだと。
(これは自分がフレイに慰めてもらいたっただけ(=フレイは優しかったんだ)で自分はフレイを好きなのか?的な懐疑も自分自身で持っちゃった部分もあるかもな、と)
ちなみにキラは一貫してフレイとサイの婚約関係を知らないし、
フレイ→サイの感情も長いこと知らなかったと思う。手紙をもらったから、サイ→フレイは知っていたけれど。
それを知ったのが20話。
「サイ、馬鹿よね。貴方に適うはずないのに」
ここでキスされた時、キラ頬染めてるので、多分フレイへの想いはけっこうあったんだろうな、と。
だから、なおさら可哀想だな、と。

力があるから「選ばれた」=「愛されたわけじゃない」
それを踏まえての、今回かな、と。
キラなりに、葛藤と屈辱を超えてきた上での「君も僕なんかとは違うだろ」というのは、
キラなりの実感込めて言っているんだろうな、と。
サイの方では「君はキラのこと好きだっただろう?」「あいつ、優しくて・・・だから・・そういう奴だから」
って、わかっているので、フレイをベースにした時、キラの方でも認識不足(フレイがキラのことを好きだと知らない)があるんだろうな、とは思うかな。

種リマスタ33話―舞い降りる剣

2012-08-16 21:12:21 | SEED DESTINY
何日遅れorz
というか、フリーダムカッコイイよフリーダム!!で終わりそうな今回、わぁい新規新規!

あのフリーダムの羽ばーんと広げる絵だけじゃなくて、
ブリッジからフリーダムの背中を見せる絵がいいよね、と思う、

守るというか、アークエンジェルを守るというのが、ムウのいわば脅迫に近い形で始まって、
アスランへの宣言や、フレイの嘆きや、ニコルの攻撃からアークエンジェルを守るという形で「切れた」(種割れ)
したりという経緯が、
こういう形で昇華されたのかなーと思う。それがキラの望みという形で一本化することで。

気になるのは、「キラ」というタイトルで、フレイとアスラン(と両親やカガリやムウもそうだけど)
との個人としてのやり取りに転機があった後、
この以降のキラは「剣」「翼」という無機物ないし力で表現されている印象で、
「銃をとってしまった僕だから」「僕達はまだ死ねない」
という意識がこの時のキラにはもうある気がするので、
その間、支えてきてラクスは、アスランやカガリという”家族”との新しい関係で、
「天空のキラ」で、キラ・ヤマトという個人の物語に至るイメージもあるかなーと。

キラの心情的転機は前回にある感じで、
今回は、アークエンジェルクルーかな、というか、マリューさん。
今回、失ったと思ったムウとキラがそれぞれ自分の意思で戻ってきてくれたというのは大きかったのではないかな、とか
(フレイも戻ろうとしていたんだけど)
軍人として、というなら、ナタルとかムウさんの方がそれっぽかったんだろうけれど、
アークエンジェルという艦の意味を、ハルバートンの遺志を、継いで、という意識が一番強かったのはマリューさんで、
子供の人生すら(結果として)利用しながら、
齎したものが、自分たちごと「いらない」と切り捨てられて、
艦と自分を撃とうとするザフトを、最後の瞬間睨みつけた彼女が、
知らなかったのよ!と悲鳴じみた声をあげた瞬間が、
ずっと気を張っていた彼女が 折れた 瞬間を「わかりました」で一言で掬いあげた感じもするかな、と。
マリューとキラとの信頼というのも、築かれていってるなぁ、という感じですかね・・・










種リマスタ32話―まなざしの先

2012-08-03 00:12:08 | SEED DESTINY
今話は色々言うのも野暮な気がするので一言。
キララク万歳ヾ(〃^∇^)ノフリーダム万歳ヾ(〃^∇^)ノ





































だけなのもあれなので、ここのガーデンテラスのやり取りは上手くまとまらないorz

キラの決意回。選択肢がある上での選択。キラにとって不可逆なところだったと思うし、
なにか自分の中で、自分自身の変化、変質を受け入れるというところからくる軋みのような涙なのかな、と。
もう戻れない戻らない。
これは「キラ」の時のフレイや(キラという他者(もともとは厭うていた他者)のことを語りながら流した涙や、
ラクスが、ミーアの亡骸を抱きながら流した涙もそんな感じかな、と)

この時点のキラの決意の形、戻るという覚悟はともかく、ビジョン的なものはまだ漠然としてたかもしれない。
わりと、無印後半~運命にかけてはオーブの在り方に立脚点を置いている印象だし、
前回オーブをでた時の「僕はもう大丈夫」からも、オーブのあり方がどこか頭にあったかもしれないけれど・・・
オーブの在り方に共感をおぼるのは、ウズミの話しに頷いていてからかな、しかし。


この時点でのキラの想いは「守りたい」というその一事だな。
アークエンジェルクルー、ヘリオポリス組、最後にフレイ。
ただ、そのモチベーションはただ、自分の望みだから、と。
誰かに命令されたからじゃない、という。
ラクスは、イージスからストライクを見送った時と、変わってないな、と思ったかもな、と。
あの時のキラはまだ殺される傷みを知らなかった、(戦う苦痛や差別の苦痛はラクス眼前にして知ってはいたけれど)
エルのことはラクスは知らないとはいえ、友達を殺され、友達に殺されかけた。
その経験を経て、ラクスが「とても優しくてとても強い」「あの方好きですわ」と言ったキラの姿は全く損なわれておらず、
より重みを増したその場所に戻ると、
ラクスは「一人で戦える、戦おうとする人間」を望んでいたかもだし、
その辛さを知っているからこその「私の力も共に」だったのかもな、とも。
このあたりはほんと、キラの守りたいという姿勢は一切ブレず、
「自分が」戦っても戦争は終わらない。ザフトとも連合とも戦わない。
なにと戦わなくちゃならないのか、なにと戦ってはいけないのか。
この辺りのラクスのキラへの想いは、理屈じゃない部分もあったのかもなぁ、とも。

ただ、キラの台詞に合わせて、フレイの決意を書いているのが演出的な仕掛けになってもいるかな、と。
キラほど明確ではないけれど、フレイもまた自分の意思をもって戻ろうとしていた。
アークエンジェルという場所へ。
これは自分たちの居場所だからというよりは、なにかしらの決着をつけたい、という思いもあったかも2人とも。
キラとフレイとムウ。三人がアークエンジェルに戻ろうとしていて、
この三人は、それぞれの意味で、アークエンジェルで戦うこと、を決めた三人だったのかもな、とも。
民間人のコーディネイターの子供を戦わせるということを強いたムウ、
「このままにはしないわ・・・」「あの艦には守りたい人が、友達がいるんだ」
なにかビジョンがあったわけではなくとも、
その落し前をつけなければ先に進めないという心地はあったかもな、とも。
離れた場所ながら、キラとフレイがシンクロした場面でもあるのだけれども、
しかし、キラの決意の音楽の裏でフレイは攫われ、それと対照に
キラとラクスの距離が一気に近寄っている後半でもあるのかな、と。

最後の頬にキスをした段階で、ラクスはキラの導き手(というよりは促し手かな)から外れて、
キラに対してのみは、パートナーになったかもな、とも。
このやり取りの中で、危険を分け合う、という大きなこともしている感じも。
「君はだれ?」「私はラクス・クラインです。キラ・ヤマト」「ありがとう」
キラは自分が、キラ・ヤマトであることと、相手がラクス・クラインであることを受け入れたんだろうな、と。
僕達ではなく、君と僕。どこまでも他人で、だからこそ出会える。とそんな感じもあるんだろうか・・・

種リマスタ30・31話

2012-07-23 00:40:48 | SEED DESTINY
すでにけっこう忘れているのでいくつか箇条書きで・・・orz(わりとツイッターの内容そのまま)

①キラ、クライン邸で療養中
キラの回想中心に、キラなりに今までを顧みている感じ、
ラクスの言葉が刺激になっている模様、
この時点の2人のお互いへのモチベーションは正直見えにくいかな。
ラクス→キラにも監督いわく「嫌味」を言っていて容赦ない反面、
キラの両肩に後ろから回り込んで抱くようにして手を添えている様子や、腕組んでいる様子見るに、
対キラ感情にはラクスの方には積極的な感じもしつつ、
この時点でラクスがキラになにを望んでいたのかは不明。
「お二人が戦わなくてすむようになればいいですわね」
ラクスのこの言葉が結局適わなかったことに(ラクスがそれぞれ認めていた2人が結局のところお互いの意思で殺し合ったことに)失望や悲しみもあったことも事実な反面、ラクスがキラに何を望んでいたのか、が見えてこなかも気がする。

なんとなく思ったのが、ラクスがキラにフリーダムを渡す、から逆算しすぎているかもしれないな、と思ったりも。
現状、キラは寄る辺がなく。
自分は裏切り者のコーディネイターだという意識、プラント社会に敵対してきて、これからどこに行けるか、
ナチュラルとはけして(種族の違いから)同胞になりえない意識を抱えたままでは、
ただ友と殺し合った、アスランに恨まれている、アスランに友を殺されたという意識のままでは、
キラはどこにも行く場所がない。
ここに避難的にいることはできるし、
ラクスにもそれを望む気持ちがあったんだだろうけれど、
例えばキラとアスランが再会したら、その「続き」をせざるをえない。
一時の激情は去っているから、物理的に殺し合うことはなくても、
その意識のままでは。
キラが、自分のしてきたこと、そしてされてきたことに対して、なんらかの「決着」を付けさせて、送り出したいという
気持ちが強かったし、その先が戦場じゃなくても、キラが自分なりに整理付けて進めればラクスはそれを手助けしたかもれず・・・。


キラの回想は丁寧だなあぁ、と思う。
アスランはわりと自分にとってインパクトが強いところというか、
わりと「点(場面)」で思いだしている気配なんだけど、
「キラがニコルを殺した」「自分がキラを殺した」「そのアスランをカガリが糾弾した」
その事実に囚われているという感じ、、原因と結果というか、
キラが裏切ったから、ニコルを殺したから、自分はキラを殺さざるを得なかった、と・・・
キラはもう少し公平というか、お互い様な感じというか、
アスランとキラの戦闘の様子を思い出しながら、
自分がこう思いながら戦っているから、アスランも同じように思いながら戦っているのだろう、という
推測を交えて、それぞれの「殺そうとした」事を思い出している感じ。どうしようもなかった。
事実関係よりは、「自分の意志・感情」を思い出してないし見据えている感じ。
この辺り、キラとアスランのこの自体への認識の仕方にはズレがあって、
そのズレを、運命後半まで持ち越してしまった印象もあるかな・・・


②フレイとミリアリアの対比、

キラとトールをロストした瞬間のモニターを見てたミリアリア、
キラが帰ってこない→艦の中をキラを探しに行く、「まさかヤマトがやられるとはな」と整備士がしゃべっているのを聞く→どういうことだということで(この時点では希望がまだあったんだと思う、負傷して医務室にいるとか)カズイに「戦闘中行方不明」「多分死んだんだよ」と聞く。フレイからキラ以外の誰かに話しかけたのってこれが久しぶりなんじゃないかと。
瞳から零れない程度の量滲んだ涙から見えるその衝撃。
キラに依存してきたミリィをはじめとしたAAクルーと、
一人の人間としてのキラを悼むフレイ。
遺品を横に置いてただひたすら泣くミリアリア。
遺品の置かれたベッドの向かい側で沈みこむフレイ。
フレイは、一度サイに近づくことで、「リセット」しようとしたんじゃないかと。
キラとのことはなかったことに、というよりは、自分の「キラへの感情」をなかったことにしようと。
だけど、逆にサイに「指摘されて」「君はキラのことが好きだっただろう」「あいつ優しくて・・・だから・・・そういうやつだから」
捨てようとした「キラとの記憶」「キラが優しくしてくれた記憶」溢れてきてしまったんだろうかと。
貴方気付いていたじゃない、サイに言ったこと、自分自身の欺瞞を暴く言葉、
きっとキラもまたフレイの思惑に気付いていた。
キラのいないまま、キラへの想いを抱えて生きていくのは辛い、
それを否定する為に。
「コーディネイターなんてみんな死んじゃえばいいのよ」
キラもまたそう。私にとって必要な人じゃなかった。その為にキラに近づいていたのだから。
キラにさせてきたことを(銃をもって人を殺す)今度は自分で。今度こそ自分で。
だけどそれもミリアリアに止められて。
フレイはキラとの思い出、キラへの想いを捨てることを諦めて、
だからこそ、医務室の前は、ベッドに座っていたものが、
今度は床に滑りおちるように、座り込んで、トリィに触れながら、涙を滲ませていたのかもしれない。
過去には戻れない。なかったことにはできない。キラはもういない。その喪失を喪失のまま抱える重みを抱えつつ。
ミリィは、自身の刃に触れ、自覚したことで、すこし気持ちが整理できた気がする。

形になり目の当たりにしてこそ、その狂気の刃の形を認識できる側面があるのかな、と・・・

恋か野心か

2012-07-22 23:08:56 | SEED DESTINY
種シリーズのメイン少年少女キャラには大雑把に分けて2パターンにわかれるんじゃないかと思っているんですが、 

戦争参加の動機が肉親を殺された等の恨みやトラウマ、理不尽への抵抗として力を望むパターンと、
戦争そのものに固有の立場はないものの、状況や使命感・義務感で参加していくパターンと。

前者の代表が、アスランとフレイとシンかな、と。
気性的にはフレイとシンが似てる気がするし、(いい子ではある反面、周囲への攻撃的な対応とか)
ただ喪失感のみならず、世界に対する自分の立ち位置を見失い放浪するという意味では、
アスランとフレイは似てる気がするし。

彼らは、ただ大切な人を失った痛みだけではなくて、
理不尽さに対する「世界への不信感」が根強かった気がする。
そのあたり、身近な人の労りを信じることができずに
アスランがラクスに対して拒絶的であったことは、フレイがサイの切り捨ててキラに近づいたのもそのあたりかもだし、
なによりも、力と、それに付随する力への執着は強そうにも感じる。

フレイ、砂漠編のわりと最初の方から(カガリへの敵愾心という形で)キラへの執着は見せていたし、
アスランが二度ザフトへ戻ったのは力(と承認)への欲求、二度の脱走が自分が正しくないかもしれないことに耐えられないからという感じで、そのあたりのふたつのせめぎ合いがあったかな、と。
シンの場合、デスティニーを受領した時の笑顔がストレートかな、と。

世界を変える力、世界に干渉する力、世界からの干渉をはねのける力。

「コントロール願望」が強いと思うんですよね。
それを特殊なルートで表したのが、ミーアだったかなと思っているんですが。

けっこう、キラにとってのフレイ、アスランにとってのミーアだと思ったいたんですが、
むしろ、キラにとってのフレイ、ラクスにとってのミーア、フレイにとってのサイ、ミーアにとってのアスラン
だったんじゃないかな、と思っていたり。

フレイ―キラ ラクス―ミーアというのうは、フレイとミーアにとって、
自分にはない力を行使する為の一種の手段だったわけで、
そのベースにある感情はまるで逆だけどフレイ→キラは嫌悪、ミーア→ラクスは好意。
ただ、それが自分の感情というだけで、相手への想像力が欠如してたという点では同じ、
推移も逆。ことが進みにつれ、フレイはキラに罪悪感と好意を持っていき、
ミーアは、自分を脅かす”本物”に疎ましさと拒否観を持っていく。
そして結末については同じで、大切な相手に謝りながら亡くなっていくという形に。

そしてミーアとアスラン、フレイとサイ。
アスランとサイは、彼女達に触発される形で、軍に入り、
自身の進路に囚われていたゆえに、彼女達の立ち位置の危うさ(軍に残るというフレイ、他者の名前を騙り国策に協力)
をあえて見過ごしてしまい、結果彼女達の死に至る道に踏み込めずただ背中を見送り、最後その死を看取ることになる。
キラとラクスも、(文字通り命がけで)救おうとして救いきれず(2人とも心は救っているとおもうけれど)
そもそものきっかけになったことと合わせて、魂をえぐられるに等しい傷を負うことになったのも。


アスランやミーアが、キラやラクスと比べて、世界の為に役立ちたいということで、
持ちあげる傾向もあるし、
それはキラとラクスに対する「批判」という形になりがちだけど、
アスランやミーアにあった、世界ないし周囲に対するのもは、承認欲求と、表裏一体のコントロール願望だし、
それは力が目的化する危険もはらんでいて、
それに執着した故に、アスランやミーアや見据えるべき議長の目的や危険性から目を背け、
大切な人を傷つけることになったかな、と・・・

サイやアスランの手を取っていれば、平凡な世界に戻れたかもしれなくて、
でもそれはできなくて、
ただ、力としての手段として利用した相手の優しさ、一人の人間の人格・個体制に触れたことが救いになっていったのかな、と。









種リマスタ―29話 慟哭の空

2012-07-11 22:25:18 | SEED DESTINY
冒頭、先週のおさらいシーン、ミリィの、ストライクロストの「え?」のみ今話追加でOP。
OP、トールの居場所にカガリが。
ここ、最後までトールでよかった気がするんだけどなぁ、カガリがアークエンジェルクルーになったわけでもないし・・・
ということに気を取られて気付かなかったけれど、カガリ今回は軍服だったんですね。
この辺りも、為政者としてのカガリ、という監督のこだわりがでているのかな。

冒頭アークエンジェルブリッジ。
ミリィがキラとトールを呼ぶ声。
最初キラを呼んでいたのは、まだロストして間もないから、
ディン接近以降は、キラのみ。「聞こえる?」「ディンが!」
この辺り、監督のツイッターでも話題になっていたけれど。
以下に、アークエンジェルクルーがキラの能力に依存していたか。
私達を守って戦って。けっこう初期から、それは疑問を挟むものではなくなっていたんだろうな、と。
それをナタルがやめさせた後には、トールのみを求めている。恋人なんだから当然なんだけど。
そして、それと対照的なのがフレイ。
アークエンジェルでは、トールを思う代表がミリィ。キラを思う代表がフレイになっているかな。

ナタルの「クルー全員に死ねというのですか?」
ナタルとフラガというのはこのあたり立ち位置似てるというか、
けっこう「生き残る」ということを(そして生き残らせる)主題においてる印象も・・・
軍全体の利益の為ストライクとアークエンジェルをアラスカに届ける、という意識はマリューが何気に一番強い気も。

今回は、両軍とも、大人組の冷静さが印象的だった気も。
アークエンジェルクルーの、対コーディネイター意識ってよくわかんないところある気も。
コーディネイターの存在が許せないというのはおそらく一部で、
軍人やってても、大抵は生活の為とかそういう事情が大方なのかな、と思いつつ。
ザフトの意識(血のバレンタインと、そこに至るまでの迫害)はわかりやすいけど、
連合側ってどうも見えてこない気も・・・マリューさんとかノイマンさんとか過去とか気になるかも。

トールは本当にいつもシミュレーションに励んでいたんだな、と。
キラの役に立ちたい。という一心だったことは本当で、先週調子に乗っている描写されたけれど、
必死にやったことに結果がでたんだから、嬉しいのは事実だろうなぁ、と。
ナチュラルの学生なんてこの艦では役に立たないという状況に一矢報いたわけだし。
ただ、ここでクルーがその様子を咎めていればと思いつつ、
アークエンジェル首脳部の意思として、よほど事前の準備をしていた場面じゃないとトールは使わないつもりだったのかな、とも。
こうなっては、ムウにとっては、アークエンジェル搭乗後最大級の後悔だろうな、と。
子供を死なせたんだから。このあたりは、今回マリューとナタルの方が冷静だった気も。

ミリィの嘆きに対して、自分の嘆きにすら正直になれないのがフレイ。
そもそも、フレイにキラについて話にくる人間すらいない。
戦闘が終わったのに帰ってこないキラ。
どの時点で可能性がもたげたのか。フレイもまた、キラが生きて帰ってこない可能性なんてきっと考えてなかった。
キラの部屋をでて、整備士たちの「まさかヤマトがやられるとはね」という軽口を聞く。
(この台詞上手いなぁ、と思う。自分より上の階級を呼び捨ているあたりの意識とか、逆に、ヤマトと一応個人として認識されていたんだ、とか、やはりキラが負けるだなんて思っていなかった意識、やっぱりそれでも大切な仲間というほどの絆はない冷めた認識、諸々)
それでもやられた、というだけなら、負傷して収容されただけなのかもしれない。
戦闘には負けたけど、本人は無事で艦に戻っているかもしれない。
たまたま通りかかったカズイを捕まえて聞く。フレイから、キラ以外の人間に話しかけたのは、本当に久しぶりなんじゃないかな、と。
知らないのは耐えられない、そのあたりフレイの勝気な性格の一端かもだし、
逆に縋る気持ちもあったのかも。貴方もキラの友達でしょう?そんな心地もあったかもな、と。

キラが?
え?

その意味を自分で図りかねている・・・というか、気付きたくない、というか・・・




さて今回の山場な、アスランとカガリの対立。
ただ、個人的には違和感の方が強い場面。
なぜ、アスランは「キラを殺してなお」キラに対する被害者意識に懲りかたまっているのか。
もういいだろう、と思うんですよ。
プラントを守るため、ニコルの無念を晴らすため、キラを殺さざるを得なかったというなら否定はしない。
だけど、「ニコルを殺した、何度もこいと言った、あいつは聞かなくて、仲間を傷つけて」
アスランの認識ってここまで一方的だったのか、と。
そこは正直慄然とした。キラの「守りたい人が、友達がいるんだ」がここまで響かなかったかと。
もう死んだキラに、日常を奪って、友人達を危険にさらして、友達を殺して、お前を殺して、
申し訳なかった、と思わないのかな、と。
もう少し「わかって」言っていると思っていたからかな、キラにひどいことを言っているという(=ナチュラルの友人なんて見殺しにしろ)という自覚と覚悟があって言ってるんだと思っていたから。
本当に、キラがこちらにこないのは理解不能な不当な行為だったのか?とアスランにとって。
カガリもね、そのアスランがとるにたらないどうでもいい人間、扱い(=キラの友人)した人間の一人じゃないのかな?と
思うと、このあたりというか、今後も含めて、アスランの認識は正直わからない。
ただ、自分側に妥協点を設けることそのものが、母と多くの同胞の死の意味に妥協点を求めることと同義なんだろうな、と。
この頑なさは不器用なんて個人の資質に還元されるものじゃない。そんな言葉で友人の友人を否定するのは酷い。
ただ、このカガリとの場面は、アスランが、キラを殺したことだけでなく、血のバレンタイン以降、初めて感情と吐露した場面ではあるのだろう。
言っていることの是非ではなく、
この場面に、誰かと痛みを分かち合うこと、おそらく”同胞”とはできなかったそれに(共に武器を取って戦うことはできても)
アスランは救われたんだと思う。一生レベルの恩。どう返していくかはわからないけれど。

ただ、アスランはザフト軍人として、カガリはオーブの姫として(ヘリオポリスで連合の兵器を作りザフト侵攻の招き多数の民の生活を失わせ、まだ子供の学生の未来を曲げた国の)、そしてキラを戦場に避難ルートから外す直接原因になったカガリなんだから、あまり2人で完結されてもなぁ、ともおもう・・・
なんだか狭量ですみません・・・・




そしてキララク再会。今回は目覚めただけなので、語りたくとも語れないが・・・
なんとなくハロがキラの目覚めにラクスを導いた雰囲気も。

種リマスタ28話―閃光の刻

2012-07-01 17:08:50 | SEED DESTINY
26話キラがある意味前半最終回なら、前回と今回は転機な感じがするなぁ。
キラが一度アスランに殺される回。

(ここの管理人はザラ隊に思い入れがない人ですので。個々のキャラはそれなりに好きなのですが、このあたりの流れをザラ隊に共感的にみてる方は避けた方がよいかと思います)

ストライクの動き、むしろ引こうとするストライクにブリッツが突っ込んだような演出になっている感じなのかな。
ここでキラがむしろソード振り切って両断しちゃっていたらニコルの苦しみは短かかったかもしれない。
ここで、キラとアスランの浮かべている表情がほとんど同じなのが・・・
いわば殺した側と殺された側になるんだけど、意味合いはほとんど同じだったという。
以下アスランに厳しいです。ニコル絡みではキラがあまりに一方的に悪者にされているので、イラついてるので容赦ないです。
茫然自失のアスランに、キラにはアークエンジェルが、アスランにはディアッカとイザークが加勢。
ディアッカが終始冷静。おそらく一貫してこうなんだろうな、とも思う。
ムウが今回、俺たちは軍人だ、人殺しじゃない、とキラを窘めていたけれど、
おそらくこの視点も内在化しつつ、アスランやイザークの怒りに同調しているようでもある。
捕虜になったあとも、ニコルに対しての怒りをキラやAAにぶつけようという発想もなかったし。捕虜になるという選択そのものね。
アスランやイザークは、Jr杯みたいな、同年代の子供集団の中でトップ、というのが、
大人の社会でもそのまま通用すると思っていた粋がったガキ、の部分が残っていた気がする。
それでも、ラスティやミゲルの戦死に対しては、もうすこし割り切っていたから、
アカデミーで身に着けてきたはずの軍人としての意識みたいなものが、
トップだったアスランの不調(キラのことを割り切れなかったこと)からくる不協和音で、
ザラ隊の面々はその意識が空中分解されちゃってた感じがする。まだしも軍意識にコミットしてたニコルやディアッカも、
現状の隊のまずさみたいなものに対して危機感が足りてなかったわけだし。その皺が寄りに寄って今回部隊最年少者を死に追いやった印象なんだ。キラには殺意はなかったわけだし。
ザラ隊のロッカーでの様子、もっとも先に着替え終わっていたアスラン、着替え中のディアッカ、着替えようともせずに、ニコルのロッカーを蹴り飛ばしているイザーク。
情感を呼ぶ演出だけど・・・私もちょっときたし。
ただ、素人が軽い気持ちで軍人であることに対して手を出したヘリオポリスと対比させる意味合いからも、
たとえば、悲しみや怒りを押し殺しながら、ストライクを撃つための作戦会議とかでもよかった気がするんだけどな、
アスランの、今までキラを撃てなかった俺の甘さがニコルを殺した。
っていうのにも、今までアスランがとりえた手段(アスランは二度プラントに戻っているし、トップ(シーゲルやパトリック)に直結する立場であり、ましてはキラはラクスの恩人で、ラクスはキラに好意と感謝を感じていたのだから、その辺で相談交渉するとか、あるいは隊の仲間に素直に打ち明けて、たとえばあくまで救助とするか、それとも撃破とするかいずれにせよ協力体制を作るとか、先の戦場にせよ、あのパイロット勢の中で(キラも含めて)自分自身と仲間の身の振りを決定・指揮することができるのはアスランだけだったんだから。敗戦とみなした時点で撤退するべきという判断もある。アスランが個人的で稚拙な意地で戦場に固執したわけだし、隊の仲間の動きも把握してなかった。
全体の状況を見ても、ヘリオポリス崩壊以降、自分達の日常を壊され、一緒に巻き込まれた友人たちの命を背負わされた。キラが抱えていたものをまともに検討もせず、さもわがままを許容してやってきたみたいなのは正直どうなのか、と。アスランがとりえた手段、すこし考えればわかったはずのキラの立場や想い。こういった一連を、「キラを殺せなかった自分の甘さ」にのみ集約というのは、
私の価値観からすればかなりしっくりこないんだけど。何様?自分にはキラを殺す権利があると?自分を疑わない人だなと正直思う。
可哀想とばかりは思えない。痛ましいと思う、たしかに気の毒なんだけど。同胞を守るために軍に入り、アカデミートップという結果もだした。その結果、本来は肯定・賞賛してくれるはずの「家族」であるところのキラやラクスと対立することになったんだから、ただもう少しでいいから考えて欲しかったと思えて仕方ない。相手の立場とか、いろいろな可能性とか。
聞かぬなら撃つしかないと、そういうシーンなんだろうなと思いつつ・・・
多分、ここでのアスランを、制作サイドは肯定的なものとして描いていなくて、だからこそ、カガリとラクスに糾弾されていく展開になっているのだとも思うけれど。
ものすごい正直に言えば、自分の指揮下で部下を死なせた原因を、敵が敵であること、なんかに求めてどうするんだと思ってる。

ここでアスランが思い出すのが、トリィを渡す場面のコペルニクスでの別れと。
友達がいるんだ、の場面のキラ。
アスランが振り返って、キラが友達で言われて場面がここなんだろう。
これはのちのキラの回想が、同コペルニクスの場面と、キラの場合は、オーブでのフェンス越しの再会。
キラにとっては、アスランがまだ友達だと、「君の?」このトリィは君のものだという意志と、「また」「まだ」「受け取ってくれる?」というアスランの思い、アスランの想いを確認できたからこそ、前回迷いなく戦えた。殺さなように退けながら、アラスカというゴールは近く、両親とカガリと、すこしその内情に触れられたオーブという国と、帰ってくる場所を思えたから。
だけど、逆に、あのやり取りで、アスランに迷いを生じさせてしまって(昔、友達に~)
それによって生じた迷いから、アスランの刃から鋭さを奪い、結果、アスランの友人を殺してしまった、

アークエンジェルに戻った時のキラの表情が印象的(まだストライクに乗っている時の)
悲しい、悲痛な。だけどどこか苛立ったような、諦めたような。
殺しちゃったどうしよう、ではなんだよな、と。
それでストライク収艦後。
整備士たちが、集まってキラを賞賛。
キラは切れるわけで「やめてください、人を殺してきたのに、よくやったなんて」
なんだよ、今まで散々やってきたくせに。と。
整備士も、ヘリオポリスからアークエンジェルに乗ってきた面々だとすると、
G開発に関わってきた人達かもしれない。
自分達が仲間のために作ってきたものが奪われた挙句、自分達を脅かすものになっている。
撃破されたのは嬉しいけれど、そこにやりきれなさもあって、それを昇華するために、いつもより過剰にキラを歓迎したのかもしれない。
キラの心情もわかる。ついにアスランの友達(こう思っていたのはのちのキラとアスランとの会話から明白)を殺してしまった。
自他への苛立ち。「今までと違う」「今までと同じ」自分が「誰と」戦ってきたか知らない整備士たち。知らない人と、友人の友人という相手と命に区別をつけていた自分に気づかされてきたこと。ナチュラルとコーディネイターという違いを、都合よく解釈する周囲。結果それに乗っている自分。
整備士が鼻白むのも分かる。
今回は、ムウがいち早くキラを庇っていたのも印象的。「キラ」のときからそうだけど。今から思うと、キラとフレイの泥沼になぜ放置したんだと思いつつ・・・パイロットとしてのキラには干渉するけれど、キラ個人の人間関係の「大人の理屈」「軍人の理屈」で干渉しない方がいいという判断かな。
キラの「適応ぶり」の方こそ心配なのかもしれない。
「大丈夫だな?キラ」
と出撃前に、キラに聞いていたのが印象的。
大丈夫じゃないといっても、替えのパイロットなんていない。
結果、多分大丈夫じゃなかった。前回のキレがなかったし。
ザラ隊の気概も違う。今まではただ落されて終わりだったイザークも、執念でストライクに一矢報いているし。
今回アークエンジェルが守られたのは、ムウの奮戦によるかなと。
キラの失調に気づいていた彼の奮戦が、一角のバスターを落とすことに。

今回さりげに大きかったのは、フレイかな。
フレイ、本編での扱いはほんと丁寧。
キラとフレイ、事実上の今生の別れ。お互いの姿を見たり、声を聴いたりはあったけれど、会話はこれで最後。
「また」後で、と言った時の、フレイのはっとした感じがね。
実のところ、フレイの言いたい言葉はなんだったのか、というのはフレイ本人にもわからないんじゃなかな、というか。
キラに言いたい言葉は多分もうなかったと思う。
ただ、自分に言いたいことは全部聞かせて欲しかったとは思っている感じ。
今回、行く場所を失くした二人の要素が。
アークエンジェル内を彷徨うフレイ。
自室に戻らず、ストライクの前に蹲っていたキラ。
フレイはサイ達が話しているところに入っていけなかった。
今更戻れないという部分もあると思うけれど、
彼らの様子に違和感を感じた部分もあったんじゃないかな、とか。
キラはあんなに苦しんできたのに、的な。キラと一緒にいたフレイもまた、ヘリオ組とは断絶していたわけだし。
フレイ自身、私が本当に好きなのはサイってところがあったんじゃないかな、とか。
フレイが縋ってでもキラのところにとどまらなかったのは、そう私の本当に好きなのは、
というのがあったからじゃなかなとか・・・
「なんであんたなんかに同情されなきゃいけないの」という部分もたぶん、本当にあって。
私は本当にサイの所に戻りたいか。キラをどう思っているのか。
そういう過渡期にいる感じで、むしろ「可愛そうなキラ、一人ぼっちのキラ~」の自分の言葉の意味を、彼女自身内在化しきっていなくて、
アスランに対峙したカガリのように、自分の言葉に引きずられていくことになる理解というか・・・
まともに話した最後の言葉、その言葉を追認するように、自身の境遇がキラと重なっていき、
それが最後の最後で、「私の本当の想い」という言葉に収集されていくのではないかな、とも。
キラはもう自分の居場所はアークエンジェルですらなく、ストライクという場所。この時のキラの心情の悲痛は、
(フレイから逃げる形で)ストライクに籠って寝ていた時より多分ひどい。
フレイはフレイで行ける場所もいたい場所がなくて、
戦闘が始まったら、「キラのいないキラの部屋」にしか居場所がなくて。
でもここで、キラの部屋に行けた、のは。
キラがまた話を聞くと、フレイを許してくれたから、というのもあったんじゃないかな、とか。
今回フレイ、「キラ」と「私」としか言葉を発せられてない気がする。
キラと私、やり直そう、それは自分自身の想いとか立場も込みで、そんな意志の先で、キラはもう戻ってこなかった。
フレイが、ザラ隊の強襲前に声をかけていたら、短い間でも話ができていたら、キラフレになっていた気もする・・・。

キラ対アスラン。
キラを殺す、それのみを見るアスラン。その先なんて考えていない。
「僕は君の敵?」
「そうだね、アスラン」
それは、けしてアスランに殺される、なんて覚悟じゃないけれど。
そのキラを迷いを断ち切ったのが、トールの死で。
フレイとトールの死については、その死に際を、盾に体を潰され首が飛ぶ様子や、シャトルの中で体を炎に飲まれていく様子を、
キラは直に見ている可能性があるんだよな・・・
キラの短い嗚咽が保志さん上手いと思う。
ここのミリィの「え?」が・・・
ここはもう、がしがし動くストライクとイージスに感激というかですね(をい)
アスランの場合の種割れは、目的が定まった故にそれに向けて力を集中させる為な雰囲気で、
キラもそうなんだけど、キラの場合、場面場面では、自分の思考や感情の一部を麻痺させているイメージも。

第二話でジンが相手側の機体に絡まり自爆。同じパターン。
あの時を体験することよって、キラは「この行動の意味」が理解できた。
機体ごと自分を殺そうとする。その壮絶な意思を感じたまま、それも避けたコクピットから、直にアスランが離脱する様相を見てるわけで。
機体が爆発するまでに、静止画のままで数秒。キラを映していないのが逆に凄いかもしれない。
その心境を、しかし次に発するのが「僕は死んだ はず」というのが切ないなぁ、と・・・