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種々

世界の片隅でキラへの愛をこっそりと囁くブログ

フィクションの為に生きるということ。生きてもいいということ。

2016-11-21 22:51:05 | SEED DESTINY
運命でキラがなんの為に戦っていたのか、というのは、選ぶことのできる世界。決めることができる世界。守ることができる世界。

先天的なものではなく、後天的なものの為に。

それは、例えば、国のあり方。
オーブ→ オーブの法と理念を守るならば、誰でも受け入れる国。

コーディネイターとかナチュラルだからではなく、その国の法を、理念を、選ぶ。

オーブというのは、「今また2色に分かれようとする世界」

コーディネイターか、ナチュラルか。
ロゴスか、そうでないか。

そういったカテゴリーの分類に抵抗するための、ひとつの「モデルケース」だったんだとおもう。

キラと、そしてラクスが守りたかった”オーブ”は、そのモデルケースとしてのオーブ。

シンとカガリが執着したオーブは、自分の故郷、生まれ育った、生きる場所としてのオーブ。

そこを分けて考えたうえで、オーブについての(そしてキラとラクス、カガリ、シンそれぞれの行動の)是非を見ないと、多分ごっちゃになると思う。


キラが貫きたかった信念というのは、そしてラクスの想いとは、
人が決めたことの為に生きることなのだと想う。

一番ベースになるのは、その人の「想い」「願い」

そして、次にベースになるのは、人が作り出したもの。人と人との約束。それは、一番大きなものとしては、オーブの在り方のように、

「法と理念」

ということになるのではないかなと。

フィクション。約束。ルール。

それはキラとラクスの関係もそうなのかもと思う。約束。
なんとなくキラとラクスは、愛し合っているから一緒にいます、という感じにはしたくない感じがするんだけど、
それは個々の感情(=恋愛感情)が相手を向いているから一緒にいるというより、もう少し意識的なものにしたがっているというか。
そのあたりのニュアンスとか、さじ加減とかで、ファン、アンチともども監督の言動に一喜一憂してるイメージもあるんだけど。

キラとラクスには、今まで歩んできた道のりや背負ってきたものがそれぞれにあって、
そしてそれぞれの相手への感情、それは双方共通のものはたくさんあるのだと思う。
だけど、完全に同じというわけではない。監督自身、キラとラクスはお互い好きで信頼してる、というと同時に、
キラのトラウマや、ラクスの罪悪感を指摘してもいる。

だけど、パズルのピースのように、それぞれの感情が一致するから、一緒にいる、という以上に、
ふたりの間にある約束。 貴方にいてほしい、私のところに帰ってきてください。僕が貴方を守ります。貴方のところに帰ってきます。

言葉にされる約束。
そして、言葉にされない(するまでもない)思い。自分たちが望む世界はどんなものなのか。

そして、それぞれの気持ちのいちばん根っこには、アークエンジェルでであったときの、
まだ、まだぎりぎり子供でいられた時の、そして絶対に惹かれてはいけない相手として出会ったときの、
ごく素朴な好意が、あるんだと思うし、彼らはその時の気持ちに繋がっているから、どれだけのものを目の当たりにし、背負うことになろうと、
変わらないもの、続いているもの、途切れないもの、ひとつの指標になる、ベースになっているのではないかなとも。


何が間違っていたのか

2015-11-03 17:51:09 | SEED DESTINY
無印と運命の、1クールでの強い印象を残す、対立(というか詰りというか非難というか、批判というか)



フレイ→キラの、あんた、自分もコーディネイターだからって、本気で戦っていなんでしょ!?

シン→カガリへの、さすが綺麗事はアスハのお家芸だな。  オーブの理念を守るって、その言葉で誰が死ぬことになるのか本当に考えたのかよ!?



フレイ、シンの言葉は事実ではある。

キラは本気で戦ってないし(そもそも、技術的意識的訓練を一切受けていないキラが、かつ同胞(友人含)相手に本気で戦えるわけがないのだけれども)

オーブの選択が、シンの家族の死を招いたのは事実。



ただ、フレイやシンの言葉が事実だったとして、

それが、キラはカガリへのこの咎が正しいか、あるいは、フレイやシンの家族の死の責任が、キラやカガリにあるかというのは、全く話が別。



キラは、協力を要請された民間人でしかなく、たとえキラが本気で戦っていたとして、フレイの父を助けられていたかは疑わしい。

カガリも、先のオーブ戦の時には、将官の地位にはあったとしても、決定そのものへの権限をもっていたわけではないし、

オーブの理念を曲げて、連合に協力することは、ただ片方に与するというばかりでなく、

コーディネイターというひとつの種を根こそぎ殲滅しようとする連合側に物量及び技術双方でもって協力する多分に同義的倫理的な問題に踏み込まざるを得なく、

フレイやシンの言い分(に含まれる)正しさは、そのまま、キラやカガリの間違いを意味するわけではない。



キラとカガリ、フレイとシン。

この場面移行、それぞれの課題とはなにかといえば、ここをターニングポイントとして、

彼らが”ここから”抱えていくことになる罪、間違いとは何か?



フレイとシンについては、自分の無力さを埋め合わせようとするかのように、力を求め(シンは自分が軍に入り(これ自体は別に間違いではないんだけど)

フレイは、力を持つ者(=キラ)を自分の支配下に置こうとした。)

そして、けして埋め合わせることのできないものを、けして取り返すことのできないものを取り返そうとする、”足掻き”は、世界を正しいものにしようとする、足掻きは、

動機は例え純粋でまっとうなものだったとしても、それを、野心持つ大人に利用され、この世界の多くの人の人生に、死に、直接間接関わっていくことになる。



そして、キラとカガリ。

彼らの間違いは、

「本気で戦っていなかったこと」ではなく「オーブの理念に固執して、地球の国国(連合)を敵にまわした」ことではなく、



「その後、本気で戦うようになった」ことであり、「その後、オーブの理念を捨てて、かつて国を焼いた者達に屈した」ことだと思う。



キラもカガリも、友人が艦に残るという愚かな選択をした、カガリは議会が孤立していた、という実情があり、

彼らが受けた非難だけで、彼らの意思だけで、事を決定したわけではないにせよ。



厳密にいえば、本気で戦うことや、同盟を結ぶことが、間違いなのではなく、

「本来自分とは関係のない戦いにコミットした」ことが、キラやカガリの間違いだったのだと思う。



結論からいえば、キラやカガリは、受けた非難を心に留めるにせよ、それに影響されるべきではなかった。

しかし、その”八つ当たり”に囚われたキラとカガリは、自分に、自国に直接関係のない戦いに、参加していくことになる。



そしてそこからのリカバリーこそが、無印ではキラの、運命ではカガリの物語そのものになり、

その”贖罪”を、彼らはこれからの人生をかけて行い、背負っていくことになる。



キラやカガリの決断に、フレイやシンの批判が多かれ少なかれ、関わっていたのだとしても、

彼ら自身がした選択は、彼ら自身の責任になる。



だから、1クールで強烈な印象を残した、キラとフレイ、カガリとシンのその”結末としての和解”が、

物語の終盤では描かれなかった。

彼らがすでにそれぞれに選択し、その選択の結果をそれぞれで背負っていた以上、

それは彼ら個人個人の問題になり、「キラとフレイの問題」「カガリとシンの問題」ではなかったから。

未来への転写

2015-08-08 01:34:27 | SEED DESTINY
初見時に、私はキララクがあまり恋人っぽくないな、と思ったんだけど、
そこが自分の中からどっからくるのかなと。

ただ、キラとラクスそれぞれの中に別の相手がいるとかそういう感じはまるで受けなくて
(当時はCPとかに関してほっとんど興味がなく、公式の扱いからキララクでアスカガなんだろうなという感じ)

あのふたりの躊躇っていうのはどこからくるんだろうと・・・
多分、そのあたりは、キラのトラウマとラクスの罪悪感なんだと思う。

キラのトラウマは深いってのと、ラクスが感じてる罪悪感とか責任とかは監督が言及してる部分でもあるし、
言われてみればストレートな心証。
(ただ、そっちにひきずられすぎなのも否定するように、愛とか恋愛とかも肯定しているけれど)


キラとラクスは、未来への希望で結びついているカップルというよりも、
今まで生きてきた、考えてきた道筋とか生き筋が重なって、そこがお互いへの信頼に結びついてる部分があるかなと。


そこが色濃くでたのが、スペエディ補完された「昔母に言われました」
キラの葛藤を受けてのラクスのこの言葉、この”文脈”の中で、そう切り出すラクスの意図も合わせて考えると、ここからは

かつてラクスも同じ問いを持ったことがある=僕はなんだったんだろう、生まれてきちゃ、いけなかったのかな
そしてそれに応えてくれた人がいた=昔母に言われました
そのかつてそういって”私”を肯定してくれた人(=ラクスの母)と同じ想いを貴方に託します、というメッセージがある。

ここで行われているのは、肯定の連鎖ともいうべきもので、ラクスの母からラクスへ、ラクスからキラへ。

すこし穿ちすぎ、かもしれないこと前提でいえば、
ここで、ラクスとキラの会話の中に、ラクスの母、という存在を入れ込むことで、
キラがラクスの想い=自分を肯定し、この世界に立つ根拠=世界はあなたのもので、あなたもまた世界のもの その根拠を否定することになる。
その工程の連鎖を、キラが断ち切ることになる。

キラの肩に手を置きながらの創りたいと思いますわね、そんな世界を
あなたにここにいてほしいという想い、
指輪を託して、私のもとに帰ってきてほしい、という想い

ラクスがキラを繋ぎ止めようとするその理由には、キラはもともと、未来の希望の為に戦ってきたのではなく、
ただ、身近な人間の為、目の前の人の為。

それはナチュラルの艦を、そこにいる(決してコーディネイターの自分には慈悲深くない)友人を守る、
そして人質にされたラクスを逃がす、という行為に表れていて、
遠くの大きな目的の為、というわけではく・・
個人的な身近な理由。

ラクスが歌うことも、もともとは身近な人の、目の前の人の為だった気がする。

目の前の”責任”を果たしているうちに、自分の力や影響力や、自分の行動の結果起こってきたその結果の蓄積。
大きくなっていた部分があるのではないかと。


自分の存在への疑問(自分を疑うことへの信頼)
人として目の前の行動を選択できることへの信頼
価値観を共有できることへの信頼。

目の前の仕事を果たしたあとのその先は。
戦争がおわった後の世界を夢みて戦う者たちのなかで、
その終わった後の世界に、必ずしも自分の居場所を求めていない人間がいて、

自分をただ闇雲に罰したいわけでもなく、自分をただ闇雲に否定するつまりもなく。
自負もある。望みもある。

だけど、どこか、自分を、今となっては自分達、をえいっと、未来に送り出すことにすこし躊躇がある、
無印中から運命中までのキララクはそんなイメージかなと。

過去と、今まで。
2人の過去や、たどった思考(自己否定と他者肯定)それが寄り合わさりきったその先に、天空のキラの、
今の肯定と、すこし先の未来への約束かなと。














決断することの意味の違い

2015-02-15 12:42:00 | SEED DESTINY
キラとアスランの違いというのは、性格や価値観の違いよりは、
もっと個々の”意味合い”の違いによる部分も大きいのではないかと。


選択する時に、キラの場合は、両立できない2つのうち、一つを選ぶというイメージが強く、
それは
「友(同胞)の手」と「種族の違う者達の艦」
「除隊届」と「感謝の折り紙」
「戦場」と「暖かな庭」
といったふうな感じで、どちらを選ぶか、同時にどちらを選ばないか、というイメージなものが多いと思う。
フレイの選択とかもそうで、キラを選ぶ以上、サイとは別れざるをえない、という判断をしてて、
それは可能か不可能か、という部分が大きいとはいえ、自身の選択に対するけじめ的な部分もあるかと思う。

ただ、選択、というものを他のキャラにも当てはめて考えてると、
果たしてどちらを選んだのか、というフィルターが掛かりすぎると思う。

というのも、アスランの選択というのは、どちらかというと、
キラみたいに他方をきっぱり捨てて(諦めて)もう一方を取る、というよりは、
今持っているものにプラスして、なにかを得よう、という認識が強い気がする。
感覚的には「もっと頑張ろう」という感じで。

無印38話、もしくは、40話、キラを助けた時、キラに一緒に行こうといわれた時、
アスランは、ザフトやプラントでの自分の立場を完全に失うことを完全に理解していたとは言い難いのではないかと、
それは、宇宙にあがってすぐに、単独ザフトに戻るという行動にも窺えて、
どこかにまだ、この選択がプラントやザフトとの決別になる、とは思っていなかったイメージがある。
それが不可逆な選択だと思い知ったのは、42話。
ダコスタに助けられた飛行機からプラントを見下ろす視線、
父との決別、
そして、抱き合うキラとラクスを見たことによる、戦争が始まる前の関係にはもう戻れないという実感。
(これは運命39話から42話で、ラクスを仲介にしたキラとアスランの和解が行われるまで、
引きずっていってる感じかと思う。「キラ、行け」「それが一番辛くない?」あたり)
運命においてもそうで、私はアスランが8話の段階でカガリ(オーブ)よりもプラントを選んだと思っていたし(運命始まってからの展開ではそれも当然な流れだし)本人もそれを自覚しているもんだと思っていたから、
その後のアスランがどうゆうつもりなのかやや不可解だったんだけど、
本人的には、本当に自分のザフト復帰とオーブとの共存が両立可能な選択だと思ってた、というのを承諾するのに正直私は時間がかかった。アスランの言動素直に聞いてればよかったんだけど、まさかそこまで虫のいいこと考えるとは思っていなかったから。(自分がザフトで実力を発揮し、カガリがオーブの中立を守りつつアスランの帰る場所になるってのは理屈としちゃ間違ってないにせよ、2年や現状なにを見てたんだ?それがカガリに可能か?ってのが)

なんで、無意識のうちにでも、アスランがこれを選んだ=アスランが他方を諦めた、っていう見方をすると、
運命アスランの都度都度の意図がわかりにくくなるってことはあると思うし、
ある意味アスランは「全取り」しようとしてて、そこには無意識下の微調整が加わってる。
ラクスに自分と婚姻統制に従う気はないことがわかり(それも目の前に突きつけれられてようやくだったけれど)
そして、キラの傷を思って、キラやラクスの生活を守る=彼らは大人しくしているべき、
カガリではどうしようもできない現実→カガリの力になれない自分→自分が力を発揮できる場所=ザフト
世界に問題はある、ではなにが問題なのか=連合やロゴス
といった感じで、アスランの中に、ある意味、自分が了解しやすい物語をつくちゃってる。

キラが傷ついてて、傷ついたキラを守ってやろう、ラクスの望みがキラとの人生ならそれを見守ろう、
という意識は、
しかし、キラに裏切られて選ばれず、ニコルを殺された憎しみ等々、
アスラン側で封じ込めた問題はその中に内包されてるし、
そして逆から見たときの、ヘリオポリスのザフト強襲により日常を奪われ、自分の言い分に聞く耳もたず、トールを殺意を持ってキラの眼前で殺したことに対するキラが飲み込んだ想いについては、アスランの物語、の中には内包すらされておらず、
それはラクスにしても、プラントや同胞という言い方で、自分のナチュラル憎悪・蔑視や、友人と敵対し殺し合ってる現状の自己正当化していることをラクスがどう見ていたか、というのも内包されていない。
カガリの力になれないことを、カガリが置かれてる現状を客観的に見るのではなく、なにかしたい自分のプライドの問題にすり替わってしまっている。
アスランなりに現状を了解しようとしたものに対する、現状認識への少しずつの、すり替えや蓋をしたもの、
その差異が、運命の敵対に出てきている部分はあるかな、と。
現状や自分の立場をある程度正しく理解したうえで、自分が選べる範囲、選ぶものは何か、という意識のキラと、
現状への理解が甘く、認識へのすり替えを繰り返し、その中で自分の居場所を定めてしまうアスラン。
キラが曲がりなりにも結果をだしてきた(AAを守り抜く、カガリの再生を導く)のに対して(もちろん、エル、トール、フレイ等、キラの手から零れてしまったものもあるし、他方にはキラによって殺されてきた命も多くある反面)
アスランの場合、現状認識自体に問題があるし、なによりも、アスランの目算というのは、
多分に本質的に他力本願=キラが友人を見捨てる、カガリが政治的困難をねじ伏せ中立を守る、デュランダル議長は正しい、連合は悪、
な為に、結果を出せない部分はある気がする。

現状認識と、現状の物語化というのは、
運命で見せた、キラとアスランの死者への想いも違って、
これは深さと大きさの問題ではなく、
アスランにとって死者というのは、「今自分が戦う理由」であり、
理不尽に殺された母、自分を庇おうとして殺されたニコル、自分が止められなかった父、
彼らの死があるからこそ、アスランは戦う。
そしてそこには、自分自身の感情を、彼らに委託する心理もある気がする。
母を殺された自分の感情、ニコルを殺された自分の心情、父に対する心情、
それは”アスランのもの”であり、ナチュラルや連合に対する憎しみや、キラに対する憎しみ、
しかし、アスランはそれを自分で処理しなければならないものとは考えず、
すでに物言えない死者の想いとして、自分の戦いの意味を強化しようとする部分はある気がする。

キラの場合は、トールやフレイなどは、
「かつての自分が戦う理由」であり「戦っても守れなかった者」=今の自分の戦いを否定する存在。
じゃあ、キラが戦う動機づけはなにかといえば、「今生きている人間」の為、であり、
それは主に、ラクスとカガリの為、ということになる。
アスランにも、カガリとキラを守りたい、という気持ちはあり、そっちがメインでもある反面、
キラのように、すでに自分が守れなかった人間、自分がその咎と業を背負っていかなければならない存在として、
だからこそ過去の存在である彼らは、トラウマとしてキラを縛りつつも、
目的は、極端なまでに、ラクスとカガリの為、に絞られてるけれど、
アスランの場合は、
今の戦いは、すでに亡くなった人間(と整理できない=守れなかった認識のキラと違い、殺された認識のアスランにとっては、自分の中だけで完結できない問題として)に動機づけられらる部分と、
今生きている人間、とくにカガリとキラを守りたい、という部分に動機づけれれるため、
双方の統合ができずに、傍から見てると、なにが目的かわかりにくく、
見てる側が自分の好みで、アスランの戦う理由を設定してる気がする・・・













最近のフレイ観

2015-02-09 21:51:11 | SEED DESTINY
キラとフレイのカップルは、コーディネイターとナチュラルだから、
ナチュラルとコーディネイターの融和という決着点から逆算して関係を見られたりすることが多いのではないかなという
感じがあって、
キラについては、その決着点に持っていく為に、キラからナチュラルの隔意みたいなのが
過度に前提にされてる部分あるかもだけど、
フレイについても、キラとの関係(キラへの気持ち)を通じて、ナチュラルへの差別意識を克服した、人として成長したというのもまた少し本質からズレる気がする。

フレイの本質というのは、実は無印1クールと最終話でそんな変わってないのではなかろうかと。
ラクス、カガリ、フレイのメインヒロイン3人というのは、それぞれに女性性を持っていて、
フレイはわりと献身性が強かったイメージ。

フレイが序盤、コーディネイターという存在に嫌悪を抱いていたのは事実で、
キラやラクスも色々酷いこと言われたりしていたけれど、
フレイの行動、言動というのは2種類あって、
本当に恐怖心混じりの嫌悪感からの無神経発言と「コーディネイターのくせに慣れ慣れしくしないで」
と、
フレイにとって大切な人、父親やサイを守ろうとしての行動、言動の場合がある。
アルテミスで、「キラが言っていることは本当よ。だってその子、コーディネイターだもの」
ラクスを人質にとった「この子を殺すわ、パパの船を撃ったら、この子を殺すって、そう言って!」
というのは、コーディネイターだから憎いキラやラクスを傷つけようとしてした行動ではなく、
なりふり構わず、フレイにとって大切な人を助けようとしてでた行動であり、
対象が自分であれ、父や恋人であれ、守ろうとしている態度であって、
彼女の主観でもって誰かを傷つけよう、という場面はほぼないんだと思う。

父親との再会に備えてパックしてたりするもの、フレイのそういう意識にある部分で、
彼女が思い定めた男性、に対しての、献身性。

敵軍の女性よりも、父親。
恋人の友達よりも、恋人。
ラクスより父親、キラよりサイ。
他人より身内、というごくごく当たり前の判断基準で動いているにすぎず、
”徒手空拳”の彼女が、戦場という異常な空間の中で、大切な人を守るためには、
なりふり構っていられなかった、というごく自然な一面がフレイにはあったのではないかと。

そのあと、フレイが艦に残ったのは、
「このままにはしないわ」
という言葉があるけど、わりと感情的には複合的で、
二度と戻らない欠損(=父の不在)を伴う日常、に戻りたくない気持ち、
嘘をついて、本気で戦ってくれなかったキラに対して、許せない気持ち、
なりふり構わず父親を救おうとしたのに、それを叶えれなかった自分の無力感、
色々あるんだと思うんだけれども、


キラの近くにいたことで、
その苦しみに直接触れたことで、
自分の思惑に気付きながら、キラが優しくしたことで、

シンプルに、キラは他人でなくなった、のだと思う。
その苦しみを知っている。その優しさを知っている。その存在を愛しく思う。

好きとか恋とかというよりは、他人でない。という感じかな。
だけど、負い目という隔意もあって、無印段階では、キラ、フレイ、双方ともに、
恋といえるような気持ちではない反面、生き残っていればその可能性もあった、
という心情の距離はそのあたりかなと。

フレイも、色々見て知って考えて苦しんで、自分自身のつたない差別意識の改変もあれど、
わりと、他方では冷たく身勝手に見える人が、
彼女の内にある人には、驚くほどの愛情と温かさと一途さを持っている、
フレイの変化には、フレイ自身の思考の変化だけではなく、
フレイにとっての、キラの立場が変わったことで、
フレイという女性の見えてくるものが違ってくる、という面もあるのではなかろうかと。



キラにとっては、フレイとの関係は、自身の変化にはあまり関係してなくて、
ベースになっているのは後悔かなと。
迂闊なことを言ってしまった後悔。
フレイの真意に気付けなかった後悔。
フレイと関係を持ってしまった後悔。
フレイを守れなかった後悔。
最後はわかりやすいけど、その前のって、フレイが好きな(執着する)キラみたいな図式から全部同一で見てしまって、
その個別での文脈無視されがちな気もするし、
もろもろを、フレイを守り切って、戦後の世界に送り出すことで全て昇華しようとしたのも失敗し
(序盤に言われたことも、気持ちを利用されたことも、わりとフレイに対して負い目だけではなく
複雑な心情もあると思うし)
愛する女を守れなかった悲恋としてのキラフレとみるのも、キラのプライド的なところも、逆にそれでなお、なぜキラがフレイに優しくしたのか(=サイの言うとおり、あいつ優しくて、だからそういう奴だから)そして、その優しさの意味合いにこそ、フレイのキラに対する気持ちの変化があったことも、もろもろわからなくなるのではないかなとも思ったりも。

三隻同盟

2015-02-02 21:46:11 | SEED DESTINY
三隻同盟、
フリーダム搭乗以降の、キラの戦いの”意味(意図)”とは何か。

実は、多分、無印と運命で同じなんだと思う。

無印はラクス、運命はカガリ。

為政者として、トップにありながらも、政敵や世論に圧されて孤立し、
自身を換骨奪胎された象徴的な存在として、政敵に”とりこまれそうに”なった所を、
武力によって、強制的に突破。
”2色”に分かれた世界の中で、その戦場ごとの意味を果たしながら、
国を追われた少女が、今度は外から働きかける。


無印
①シーゲル・クラインが議会で孤立していく様子が描かれる(穏健派であるはずのアマルフィ議員も、ニコル戦死前にすでにパトリック・ザラに賛同する言を漏らしている)
②反逆者として追われながら、ラクスがラジオ放送で呼び掛けるも、
世論を揺るがすことはできない。そのうちに、ジュール議員が「ラクスは利用されている」という言い方で、
ラクスの言葉を”無効化”し、自分達に都合のいい存在としてしたけあげようとする。
その流れを見て、ラクス、プラント脱出を決意(そこにアスランの脱出が合わさるから、そのあたりの意図はわかりにくくなってるとは思う)
③核の応酬(と討たれた結果としての憎しみの連鎖)を止めるために武力を行使しながら、
外から呼び掛ける。

運命
①ブレイクザワールド後、カガリが議会で孤立していく。
結婚によって、政敵に取り込まれそうになったところで、キラが奪取。
②セイラン派の人間に囲われていて、仲間を築けなかったカガリが、自分の言葉で、外から言葉を掛けて、
自分の言葉で仲間を得て行く。
③さらにプラントでは、議長によって、ラクスの存在を、為政者(と為政者に丸投げしたい民衆)の為の象徴的存在としてしたてあげようという露骨な動き。

というあたりの流れが、”三隻同盟”の流れの骨格かなと。

その中に、キラやラクスやカガリの個人としての想い。
オーブの理念、三隻同盟の戦いの意味を理解できない(だからこそ居場所も感じられない)アスランといった要素がついてる感じかなと

自分ではどうにもならないもの

2015-02-02 21:14:40 | SEED DESTINY
あるいは、ラクスとミーアの対比という語られ方への違和感。

種では選ぶ人間の物語、運命は選ばれなかった人間の物語という見方ができるかもと思ったという感じで、

どうも運命では、
ラクスとミーアが対として描かれる感じにどうしても違和感があって、
その違和感の目というのは、

①騙られた人間と騙った人間という非対称性。
②先の戦争の、現政権の暴走を止める為に、非公式な暴力を用いざるをえなかった
ラクスが、オーブに亡命するというその政治的決着に対して、
ラクスが役割を放棄したという見せ方をしたその非整合性。
③ミーアの仕事が、自身の野心の為に国家を私物化したい議長と、権力者に判断を丸投げしたい民衆の
悪夢の共犯関係の仲介をしたというその実態
等々色々あるけれど、

偽ラクス、という”茶番劇”がスタートした時に、
その起点にいたのは、三人。

画策した議長。乗ったミーア。黙認したアスラン。

彼らには、選ばれなかった人間という側面があって
(同時にそれは彼らもまた選んだものにあり、他方には彼らに選ばれなかった多くの人間(命)があるわけだけれども)

婚姻統制に即しながら、ラクスに選ばれなかったアスラン。
婚姻統制によって、タリアに選ばれなかった議長。
アイドルとして選ばれなかったミーア。

それがその起点、今ここにいる、理由の一端を占めている。
そして、選ばれなかった、というその過去の事実の象徴的存在が、三人ともラクスになる、と。

まさに、アスランを選ばなかったラクス。
同じ立場(政治的意味合いでより強い意味を持ちながら)でありながら、タリアとは逆の選択をしたラクス。
自分がなりたい理想の具現化としてのラクス。


自分ではどうしようもないもの、という意味では、
キラやラクスも背負っていて、
キラは、原初的な(原罪的な)自分が生まれてくる為に、自分が生きていくために、犠牲になっている者がいる。
それは直接間接、自覚無自覚双方なそれとして。
「兄弟の犠牲の上に」「銃を撃ってしまった僕だから」


運命で、なぜ実態以上に、強者対弱者という図式に見えたのか。
そこに選ばれなかった者達としての彼らの決着の付け方にあったような気もする。

アスランの帰結は42話。ラクスとキラとのわだかまりの解消。
ミーアは46話。ラクスとの邂逅。
議長は51話。タリアに選ばれること。

そこには”選ばなかった者は、選ばれなかった者に対して、落とし前をつけなければならない”
という形になっている感じがする。
そこで、選ばれなかった者の物語は、選ばなかった者の物語に、場を譲ったのではないかと。

タリアに選ばれなかったからこそ、議長がとった道。
自前でアイドルになれなかったからこそ、ミーアがとった道。
キラやラクスが、アスランの手をとらなかったからこそ、アスランがとった道。

その道に決着をつけたのは、しかし、選ばなかった人間であるところの、
キラやラクスやタリア。
(新しい道で見つけた別の可能性であるカガリ、運命において、アスランを選ばなかったカガリについては、
運命内では、決着をあえてつけなかった感じかなと。運命には過去の受領、清算の側面があるし)

ドラマとしての正解などはわからないし、
作り手が描いたものこそが、正解なんだとは思う。

だけど、彼らのドラマが、彼らの決着の付け方にこそ、
選ばれなかった彼らが、選ばれなかったからこそ選び進んだ道の帰結を、
選ばなかった人間に付けさせる、という描写そのものが、
物語の主役を反転させ、その意味合いすら、選ばなかった人間(運命”演出”では、キラやラクス)を
一方的な、選ぶ側、望むものが手に入る側、強い側、という風に見せてしまったのではないかな、と


仲間と殺人

2014-10-27 21:53:00 | SEED DESTINY
自由と運命、個人と組織の対比を具体化したときのひとつの命題は、
「お前が自分たちの仲間であるならあいつを殺せ」
というものではないだろうかと思った話。

古来から人類において、「人を殺すな」という「タブーは」「なく」
それは「仲間を殺すな」「仲間を殺した相手を殺せ」
ということが実際にあったことだというのを見たことがあるんだけど、
それは規模を変えつつ、連綿と続いているのではなかろうかと。

その仲間の範囲は、小は家族、大は国家、昔の規模だと邑とか集落とか民族とか色々あるんだろうけれど。

そのあたりは、前半はキラ。後半はオーブあたりが担っていた気がする。
仲間であることの義務が殺人。
そのあたりは、徴兵制的なものと同一の価値基準で、
受益者の負担分担という意味合いのものでもあるんだろうけれど。

ただ、正確にいえば、キラの戦いの中で、一番メンタル的にキツカッタのが、
無印前半のアスランと戦っていたときなのは間違いないだろうけれど、
逆に、敵がアスランだからこそ、キラだけが助かる道は常に開かれていたわけで。
目の前のアスランの手をとればよかっただけなんだから。
だから、同調圧力に屈してキラが人を殺してきた、という構造で無印ができていたとしたら(仮定)
描いてるつもりのものと実際出てきてるものが違うことになる。
キラは、自分だけ助かることを良しとしなかったから、という話になっていたはずだから。

ただ、そうゆう同調圧力を描いてる、という前提でみると、何年か前の画集の両澤さんのインタビューと整合性はつくと思う。
「クラスでいじめが起こっていたときに、いじめたくなくても、一緒になって特定の誰かをいじめる」
というのは、その構造でおこることそのものであり、
それは、仲間であることの契りでもあり、利益の共有でもある。
戦時において、母親が防空壕の中で赤子の口を塞ぐことや、出征するわが子を万歳三唱で送り出すこと
そういった、個人の感情を殺した行動への要求と地続きであり、
現代でも、学校でも会社でも家庭でも、全員が対等な人間であるよりも、序列があること、そこに人身御供的な弱者がいること、
差別や暴力があることは、組織運営において潤滑油として機能してるだろうし、
平時でも戦時でもそのあたりは地続きだと。

そのあたり、キラでみると、いろいろ事情が複雑だから、そのテーマ性がそのまま現れていたとは言い難い。んだけど、
オーブで見たほうがわかりやすい。
オーブが言われていたことは、かなりストレートにそれがでてる。
「しかしまた、なんだって皆様この期に及んでそんな理屈を振り回しているような国を優しく認めてやってるんですか?
もう中立だのなんだのといってる場合じゃないでしょう?」
「地球の一国家であるのなら、オーブだって連合に協力すべきですよ?違いますか?」
「それにこれは大西洋連邦とのことではありません。呼びかけは確かに大西洋連邦から行われておりますが、それは地球上のあらゆる国家に対してです」
「我ら、つまり地球に住む者たちは皆、既にこれを知っております」
「理念も大事ですが、我らは今、誰と痛みを分かち合わねばならぬものなのか、代表にもそのことを十分お考えいただけねば」
「この同盟をはねのけ、地球の国国とは手を取り合わず、つまり遠く離れたプラントを友と呼び、この星の上でまた一国孤立しようとでも言うのですか?」

ルールとして、言葉としてとして筋が通っているかなどは問題ではなく。
ただ、そこには、オーブが地球の国であるというならば、われわれと共に戦うべきだ、共にプラントを撃つべきだ、という、
翻しがたい前提と条件がある。

仲間でない、ことはただ孤立を意味しない。

「ならまた国を焼くのですか?ウズミ様のように?」

それはそのまま、自身が攻撃を受けることを意味する。
いじめ問題において、個人の心情や良心的には組したくなくとも、一緒になっていじめないと、今度は自分が標的になるという実情そのままに。
拒否する者を認めれば、連鎖的に拒否が広がる。
拒否したものは、自分の敵に与するかもしれない。
なら、拒否を認めるわけにはいない。だから、撃つしかない。

だから、良心だけでなく、決意だけでなく、見識だけでなく、想いだけでなく、力が必要になる。
オーブというのは武装中立の国であり、決して力を放棄した国ではなく。
アストレイの開発、巻き込まれた自国の子供であるところのキラにOS開発という技術協力と求め、愛娘にMSを残すという
ある意味外聞もないまでに武力の必要性を知っている国でもある。
けして平和主義の甘い国とは描いていない。
ただ、そう誤解してる他国の人間や子供はいるということはあるけれど。

そしてそのあたりを逆側から見てたのがアスランで、
アスランは
「仲間を殺した相手許すな」「仲間を守るために殺せ」という命題の申し子だった。
コーディネイターであり、コーディネイターである故に母を殺され、その復讐と新たな名前への犠牲者をださぬ為に、軍に入る。

仲間=既成組織において、アスランはエリートの立場にあり、
国防委員長の息子、ラクス・クライン(議長令嬢にして国家的象徴)の婚約者、アカデミー成績はトップ。
という肩書きは、アスラン・ザラという男のステータスを少なからず上げ底していた(アスランと父やラクスとの関係や気持ちとはまた別次元の社会的なところで)
アカデミーや幼年学校での優秀ぶりというのも、同年代毎輪切りにされた、またあくまでその組織が求める能力の育成や評価の為のカリキュラムであり、
まるきりのアスラン・ザラという男の価値をフリーの状態で担保するものではない。
ただ、自分の立場や能力への自信は、アスランから自分を疑わせること、自分の所属組織の中の上層部を疑わせることのハードルをあげていると。

仲間の為、という命題は、しかしキラとカガリが、自分の敵対勢力(連合)の尖兵として立ちふさがることで、挫折を余儀なくされる。
アスランは、自分の立場を疑っていなかったから、最初はとにかくキラやカガリを「どかそう」とやっきになった。
説得や脅迫を匂わせることで。
そこには、キラやカガリの立場を理解する、という頭はなく。
最終的には、アスランの方が軍を抜ける、という形で、その命題を抜けることになる。

アスラン、とあとサイもだけど、性格や価値観やキラとはけっこう違うけど、もっと根本の人間性において、そう違いがあるとも(それこと180度の対比的に)思えない。
アスランとサイは、戦場において、むしろ相対的に恵まれた環境と、本人達が人一倍勤勉であったことも大きな要因だけど、
そうして幼い頃から積み立ててきた「成功体験」が彼らの現状認識を遅らせ、
結局は周囲の人間を死に追いやるような(子供世界の優等生の立場がそのままシフトして、彼らに戦場において小規模ながらも決定権のある影響力を残した)判断をしてしまう。
(対キラに対して勝敗が決した段階で撤退判断をしていれば、ニコルが死ぬことはなかったし、
父を失った直後のフレイの言動を真摯に考えていれば、俺もフレイと同じ気持ちだなどといって、フレイやトールやキラを戦場に残すことにならなかった)
優秀さとも誠実さとも関係ないところで、(現状認識=危機感という意味では、彼らより能力的にははるかに劣るカズイの方がはるかに上等だったわけで)
自身の立ち位置を、周囲の状況を、相手の立場や心情を理解することが手遅れなまでに遅れた。
自分の立ち位置を疑うこと、自分の周囲の枠組みを疑うこと、自分を評価してきた物差しを疑うこと。


周囲の期待にこたえる、与えられた課題をこなす、そうしていけば結果がだせると。
子供社会の中で役割を振り分けるように、
サイはキラに、MSのパイロットを頼むな、と気軽に頼み、
アスランは、カガリに同盟をなんとかしろと叱責した。
それが相手を「壊すこと」になる可能性すら思い至らずに。
頑張って解決できない課題を世界は自分(達)には与えないはずという、子供が学校のテストにおける信頼をそのまま適用させるかのように。

そういう意味では、彼らの不遇は、価値観や性格、力の差というよりも、時間差においても理由があり、
それをもうすこし待っててあげても、と思うか、
その理解への差の中にある、対人への態度や思慮が決定だと見るかは、また評価分かれるかもだけど。


キラは命令だからと人を殺すことをやめたといい、
カガリはオーブの民に、オーブの敵でないものを撃ってはならないと訴えた。
アスランは軍を抜けた。

世界はお前が俺の仲間ならあいつを殺せと要求してくる。そうしないとお前やお前の大切なものを殺すと。
その命令は、軍の命令から発せられることもあるし、友達からのプレッシャーなこともあるかもしれない。
それに抗うためには、戦わないといけない。
正しくあろうとすることも、優しくあろうとすることも、決めることも、考えることも、想う事も、知ることも、足りない。
殺さないためには、戦わないといけない。そんな命題あるかなと思った話



守られなかった女の子

2014-09-21 23:09:28 | SEED DESTINY
2月のイベントでの、石田さんセレクトのキラのカガリ誘拐シーンと、鈴村さんセレクトのステラの最期ののシーンの
語られ方と、
そして監督がリマスタ以降さかんに言うようになった、物語は変化をいうので、運命では変化しないキラではなく、
アスランとシンのドラマである部分から、
わりと考えてることを。
なぜ、キラが主役に見える、という言われ方ないし見られ方をするのか、
監督がそこが不満そうでもあるようなので、
そこがどうしてなのかを、いちキラファンの視点からといった感じで。

個人的な印象では無印では成功していた「守ろうとした男の子と守られなかった女の子」の物語が、
運命では機能不全を起こしていたのではなかろうかという印象。


個人的感触では、守れなかった少女という意味合いでは、
キラにとってはフレイ、
シンにとってはステラ、
アスランにとってはカガリだと思う。
アスランはわりと最近までミーアかなって思っていたけれど、
アスランは、別にミーアを守るとか救うって意識だったことはないし(助けようというのはあるけど)
どちらかというと彼女はニコルと同じ戦友カテゴリにいるポジションの子かなと。


どのCPも、コーディネイターとナチュラルの組み合わせなので、
コーディネイターとナチュラル和解の象徴ないし可能性といった言われ方をされることもあるけど、(キラフレとアスカガあたりは)
それほど大仰なものでもなく、素朴なところで、背伸びした男の子の挫折体験といった側面あるかな。


キラ―フレイ
アスラン―カガリ
シン―ステラ

彼女らとの出会いないし関係というのは、
”彼らにとっての戦争”という一面を確立してる。
いわば戦争の側面を具体化するための少女。

キラ‐フレイ フレイから向けられる差別意識からくる無神経な扱いと、目の当たりにしたフレイの傷と葛藤。
アスラン‐敵であった存在との出会いと理解、そして運命では戦争という状況の中で、どう戦うべきかという視点での為政者としてのカガリ
シン‐戦争という状況の中、守るべき、守られるべき女の子であり(それは男の子としてのシンが、というばかりでなく、人の世のありべき姿として。 
   強化人間という形で示された戦争の非人道性。

キラにとっては、
「本気で戦ってないんでしょ?」という言葉をきっかけに本気で戦うようになる転機であり、
そしてフレイの「賭け」により(自身が残ることでキラを戦場に残す)の結果として、戦い続けるほうに舵を切られ、
そして自分の傷や負い目とどう向き合うか、そして他人の傷や負い目とどう向き合うか、
というあたりでドラマの重要な側面になっていたけれど
脱線→ちなみに、言われがちなナチュコディ和解の象徴という意味合いはキラフレにはないと思う。
ナチュラルの両親をもつキラは、ナチュラルへの差別意識がもともとないし(その差について自覚的ではあるだろうけど)
サイへのあれ(本気で喧嘩してサイが僕に適うはずないだろ)も、キラのナチュ差別の発露というよりは、
①キラがコーディネイターだからこそ、キラの心身の苦痛を軽視し
②キラがコーディネイターであることを知りつつ、キラが”仲間=コーディネイター”と殺し合いをさせられてることに無頓着だった
という今までの経過に対するキラの恨みの発露に近い。
1対1で向かい合ってる場合は、確かにキラの方が”強者”ではあるんだけど、
集団の中では、唯一のコーディネイターというキラの立場は、AAという集団で圧倒的な弱者であり、
(そのあたりプラントと地球(理事国)の関係の縮図に近いもんがあると思うけど)
良心や責任感に漬け込まれて、事実上一方的に「守る」という形で戦わされ搾取されてたようなものだから、
そこにキレた(男女関係の修羅場からの地すべり的発露で筋的にはすっごい悪いし、だからこそあまり文脈が伝わってないけど)場面を、
集団(AA内へリオ組代表的サイ)対個人(キラ)で搾取されてきた人間が、個人対個人になったときに、個人対個人の彼我の生来暦力の差で、
キラの強者の面ばかりが押し出され、んでキラのナチュラル差別意識として認識されて、
フレイのコーディネイター嫌悪と”どっちもどっちお互い様”扱いになり、キラフレの関係が、愛情による双方の差別意識の解消・昇華という誤読を盛大に齎してる感じがする。
そのあたり自分は読解力あると思い込んでる人ほど、SEED設定的にありそうな構図ありきでのテーマ描写を当てはめちゃう的な感じもしないでも・・・。
種スタッフは、むしろ恋愛による関係性昇華にはかなり否定的
)


彼らの物語としての、
アスランにとってのカガリ、
シンにとってのステラ、

アスランとシンは、無印のオーブ戦で運命がクロスした。
アスランは、プラント(の代表者としてのパトリック)を見限り、オーブ側に。
シンは、オーブ(の代表者としてのウズミ)を見限り、プラント側に。

枝葉を切り捨てた見方ではあるけど、そんなイメージ。
いわば、自分が属していた社会の”大人”にたいする反発心という意味で、
自分はもっと正しいことができる、という自負心があり、
それができないのは、力が不足してるから、という認識はあった気がする。

そうして選んだ場所で、壁にぶつかった。

それは、カガリの力になれないアスラン。
保護したステラを守れないシン、という局面になる。

彼女らを本当の意味で、守る、力になるためにはどうすればいいかという意味合いで見たときに、
必要なのは「政治力」だったわけで。

それは、言い換えれば、周囲との関係性構築への努力であり、
自分の思い、正しいことをしようとすることへの、周囲の協力を得られるようにする”働きかけ”の努力であり、
正しいこととはなにか、ということを追い求めつづける真摯さの姿勢であり、
自分がそれを成すために、そして自分の求める正しさを一緒に担ってくれる相手への敬意と尊敬であり・・・。

アスランとシンは、
家族を亡くしたという体験をきっかけにして”力”を求めたけれど、
その力、というのは軍人になる、という形でいわば武力に偏っていた。
(そして、彼らは力というのを、なんでも自分の思い通りになる・・・とまではいかなくても、
理不尽なことは起こらないようにするなにか象徴的なものだと看做してた部分があった気がする)

そしてその単純な”力”ではどうにもならない問題に直面したわけだけど、
シンは、ステラの処遇について、ミネルヴァクルーは力になってくれないと早々に見限り、
地球軍に返すという行動に、
アスランは、地球側の感情とオーブの立場との間で板ばさみになっていたカガリの力になれない無力感から、
ザフトに戻る、という行動をした。

そこには
①力に対して、武力という力以外のイメージをもてなかった
②のでもっと込み入った問題に対して、その場で踏ん張り続けるという発想がもてなかった。
③正しいことをできる、という自負心のもの、既存の権力社会に対して懐疑の視線をもって接していたはずの彼らが、
きっと正しいことが行われるはず、という根拠のない楽観をベースにした判断を行い、
同時に、既存の権力者に肯定されることで、満足を得ていた。

もともと、カガリの苦悩を生み出していたのは、反アスハ派ともいうべきものに占領されてた首長会であり、
ステラを強化人間として作り出し扱っていたのは、連合であり、
そこに彼女らを置くことは、彼女たちにとっては元の状態に戻ることに他ならず、
アスランやシンの行動が、彼女らの行動を救うことになるのは、それこそ”奇跡”でも起こらないと無理なことだった。
唐突に、セイランの人間や連合首脳部(と背後にいるブルーコスモス)が”改心”して、
カガリやステラを大事にし、我をすて差別意識をすて世界平和に邁進するようになるくらいの。
無理に決まってるし、
実際、ちょっと考えればわかるだろ・・・という方向に一直線に自体は進んだ。
セイランに傀儡にさせられたカガリ。
戦場に戻されたステラ。


カガリの結婚。
アスランのザフト復帰。
シンのステラ返却。

”先の戦争”に対して、彼らは批判する立場だった。
どちらかというと子供の立場から”大人”に対して。

「お父様の裏切り者!」「これが中立国オーブという国の本当の姿だ」「国の最高責任者が知らなかったといってそれも罪だ!」
「そうして力と力でただぶりかりあって、それで本当にこの戦争が終わると、父上はほんきで お考えなのですか!?」
「さすが綺麗事はアスハのお家芸だな」「誰が死ぬことになるのか、本当に考えたのかよ!?」

そして彼らは運命の戦争では、当事者として問題に直面することになる。

カガリもまた、セイランの思惑を見抜けず、暴走を許し、それどこか彼女自身がそれに屈してセイランの傀儡になり果て、
アスランは、先の三隻同盟の戦いの意味を理解できないまま、ザフトに戻り、悪い連合を倒す、という図式に固執し、
シンは、ステラを返したことで、ステラに大勢の罪なき人々を殺させる場所に戻してしまった。

アスランとシンは、自分の行動を”議長という正しく大きく立派な大人”に認められる
(=ザフト復帰+新型機体とフェイス授与。銃殺刑相応の罪を無罪放免。それは認められたというよりも、特別扱い、に夢中になった部分もあるうんじゃなかろうかと)
ことで、
自分の居場所、正しさを感じていたと思う。
そして、その直後に“現実”を知ることになるんだけど。
カガリの結婚、ステラのデストロイでの出撃。

彼らは「正しいことはできる」と思っていたと思う。
彼らは「正しいことは行われる」と思っていたと思う。

『自分は見てきた。自分は聞いてる。だから自分は知っている。
だが何を。』

シンもアスランも理不尽な形で家族を殺されてるし、
「そんなことがおこわなれていいわけない」という意識でいたと思うし、
そして、自分自身の行動や選択の結果も「そんなことになるはずがない」という意識だった気がする。
アスランやシンにとっては、挫折ではなく、ある意味では、世界への贖罪のチャンスを与えたつもりだったかもしれない。
今度こそ、正しい姿を見せてみろ、結果を見せてみろ、という。
”大人や社会に対する、なんだかんだで根っこの部分への期待と信頼”がでてたかな、と。

問題を分け合うべき”仲間”にろくすっぽ相談もせずに
自分にとっては、敵方、にあたる相手を丸のみ的に信頼して
→アスラン→議長 脱走兵として法的にアスランを裁ける立場の議長。
→シン→ネオ 敵側の中間管理職
俺はやるべきことをやったと。

アスランがカガリに渡した指輪。
シンが、ステラに別れ際に渡した貝殻。
それは純粋な想いと誓いを汲んだ贈り物だったし、彼らなりの覚悟の表れだったんだけど、
むりやり相手の手の中に押し込めたそれは、
自分の無力さと限界を突きつけられて、手放そうという相手に対する、自分は君を大切に思ってるという言い訳じみた証拠品でもあり、
自分の無力さと限界を知って、神に祈るしかない、その祈りの媒体としてのイコンだった気がする。

正直個人的には、アスランのザフト復帰やシンのステラ返却は、手に負えなくなったから放り出さざるを得なかったが実相だと思ってる。
かなり酷な言いようではあるけど。
彼らが彼女らの傍で踏ん張っていればいい方向に行った可能性もまた低いし。

そこでキラの登場であり、
キラがやったことというのは要は、
カガリとアスランのシンの行動の結果、自体が最悪の着地点に落ちようとするところを、
その寸前で横槍突っ込んで、落ちところをズラす、という所だから、
時系列の違うアスラン・シン・カガリとキラの行動を、理想対現実の対比構造で語るのは正直どうかと・・・。
アスラン、シン、カガリが、現実に対して挫折していく過程なら、キラはその挫折から起こったことに対しての強引なアプローチを仕掛けてるわけで。意味合いが違う。
(キラが無印直後からなにかしら表舞台で動いていればという仮定はなりたつにせよ、
MSの腕が人並み外れて優れている以外は、戦争に巻き込まれた学生、でしかないし、なんらかの役職についていたわけでもオーブ政府に人脈があったわけでもない以上、
キラが動いていればなにか変っていたとは思いにくい。
カガリの傍にアスランよりキラがいた方が2年の経過はよかったとは思うけど(アスランはオーブの理念を理解してないしそもそも)
出生のこと考えれば無印後のキラがカガリを支えるは心情的に無理だったかと。だからこその、今までなにもできなくてごめんねもあるだろうし)


正直、キラが海辺でラクスとの新婚生活(イメージ)に徹して一切関わり持たなければわっかりやすいストーリーになったと思うよ運命。

アスラン→ザフトに戻った後、カガリの結婚を知る。どうしようもないのでそのままミネルバで戦っていたら、
オーブ軍を引き連れた、ユウナの花嫁たるカガリないし、カガリの婿のユウナと戦場で直接対立することになる。
許せるか、討てるか、討たずに済むか。
シン→デストロイに乗るステラと対立。少なくとも、破壊と虐殺をおこなうステラに対峙するのはシンひとりになるし、
確かに、キラがいなければ、ステラの暴走を止められて、再度ステラを保護できた可能性はある。
ただ、それでステラの命を助ける公算は低い。ステラをどう死なせるかの判断自体をシンが下さなければならなくなる・・、連合に返せばまた同じことになるし、
繰り返せるほどの体力はすでにステラには残ってなかっただろうし。
というよりは、ステラの身柄がシンに委ねられることはないだろうし、シンは看取ることも弔うこともできなくなる可能性のが高い。

自分の選択と望み→その結果、という道筋はぐっとわかりやすくなると思うし、
少なくとも、キラが介入する”正史”よりも良くなっていた、と思える要素はむしろ低いと思う。

ただ、その結果、
アスラン、カガリ、シンの力の物語。
力を過度に恐れたカガリ。力を求めながら、その力とはなんなのか、というのが曖昧だったシン。
力がなければ、怖いことはなにも起こらないと思ったカガリ。
力があれば、怖いことはなにもないと思ったアスランとシン。

その力の物語が、
しかし、キラの介入によって、
力への過度の期待や恐れ、武力以外の力の必要(=政治力)に対して、
”キラという理不尽な力”との対比、という方向に視聴者側の認識がいっちゃったイメージ。

アスランやシンやカガリは決して無力だったわけではなくて、
彼らの選択で動いたものや、とどめることができたはずのものは確かにある。

ただ、キラの行動が実態以上に”異常”と看做されたことで、

キラの理不尽な力に振り回されたアスランやカガリやシンという見方をされてると。
因果関係が逆転してて、アスランやカガリやシンの行動の結果起こったことにたいするリアクションがキラの行動だったと思うんだけど・・・。

”相手"が”理不尽な力”ならば、うまくいかなくてもそれは”不可抗力”になる。
そこに自分の行動と選択を経た物語の積み立ては成立しない


作り手側は、キラの行動は、もう少し局所的に捉えてくれると思っていたのかもしれないし
公式周辺の人々(声優陣のインタビュー、公式非公式関わらず書籍として出版された大勢のムック本、補完と言われる他媒体外伝)
がよってたかってその図式にのった結果、
物語上の、アスラン・シン・カガリの主体性が見えなくなったのもあると思う。
アスランは悪くない、
シンは悪くない。

イタいのは、アスラン、シンについては、キラのせいって図式を意図的に作り手側が見せたけど、
カガリファンまでそれにのって、キラのせいでカガリが苦労したという文脈に乗った人間が少なからずいたところかなと思う。
キラファンも、シンファンやアスランファンの批難にはある程度甘んじつつ、カガリファンの言い様には完全に怒ってるし。



キラには最高のコーディネイターという立ち位置的に特殊だから、
余計キラの力が特異なもの、そこからもたらされる行動が特異なものとして認識されただろうし、

キラはわりと運命で「感情の仮置き場としての憎まれ役」を本人知らずのうちに引き受けてる場合が多かった。
アスランにせよ、カガリにせよ、シンにせよ(監督もコメンタリで確か、シンがキラを撃つのは八つ当たりみたいなものって言ってたと思う。ただ、キラがザフトを舐めていたことはツッこんでたけど)
ただ、冷静になって考えれば、キラが悪いわけではない(キラの対応に問題はあったとしても、諸悪の根源というわけではない)ことはわかるわけで、
だから、物語終盤や終了後ではアスランやシンはキラに対して非難めいたことは言わないし、
むしろ仲良くやってる様子があるけど、(そう割り切れるかってのは残るけどそれはお互い様だし)
そのあたりも、アスランやシンが自分の行動の結果起こったことにたいする、最悪の状況回避の為のキラの強引な介入を、
キラがいなければ上手くいってたかもしれないのに!!という八つ当たり的にキラに怒っていたので、
冷静になってみれば(議長が期待したような都合のいい理想の為政者ではなかったこともわかった後だし)特にキラに悪感情ひきづってないのは
了解できないほど不自然ではないはずだけど、
キラのせいでと思いこんでる視聴者側の方が、アスランやシンがキラに屈した、とゆうふうに見ちゃうのかなと。




無印は、戦争の悲劇性を描くために、すくなくとも生き残ったキャラには、希望(可能性)は示しても、
背負っていきていくという形での決着をつけた。
フレイを守れず、フレイの最後の言葉を聞けなかったキラ。
ナタルにムウを殺され(マリューの主観)ナタルの最期の姿も言葉も想いも知ることもなくナタルを撃ったマリュー。
父を止めれず救えず、その死を看取ったアスラン。
(そのあたり、視聴者側の状況とキャラ側の情報に差があり、いろいろな感想や歯がゆさ、悲劇性ゆえの執着を生んでるかもと)
キラとフレイあたりは、最初から最後は死なせるプロット組んで組み立てているから、思い切り舵きってる印象あるけど、
運命は、救いこそを決着点においてるから、そのあたり、甘さがでてる印象。
作り手自身も、心情的にキラのせいにする、という逃げ道をアスランやシンに残してるし、キラのせいといわずとも、彼らを最初から許してる。

アスランに守られなかったカガリは、キラに守られ、そしてアスランは、カガリから許しと(というかアスカガはお互い様だよねで済んじゃってるが)解放を得た。(指輪をはずすことでアスランを一度フリーにした)
シンもステラの言葉が届くことで救われた。のかなと・・・

サンライズフェスのSEEDオールナイトに行ってきました

2014-09-07 16:51:41 | SEED DESTINY
福田監督と保志さんと石田さんのトークショーがありましたのでその覚書を

①記憶だけが頼りなのできわめてあいまいです。
文章の行間を埋める為にねつ造してる箇所もあります。
話題丸ごとレベルで丸ごと忘れている部分もあります。
②経過無視の箇条書きです。話題の順番についてはでたらめです。
(ツイッター探した方がずっと精度の高い情報が得られるかと)


監督、保志さん、石田さんの順番で登場。

最初の挨拶あたり
監督・俺も大きな画面でリマスターを見たことはない。
保志さん・僕も見たことなので、リマスターをプレミアムシートで見られる皆さんが羨ましいです
石田さん・プレミアムシート?
保志さん・「・・普通のシートですね」
石田さん(あまり覚えておらず) 朝までの視聴頑張ってくださいとエール

いいですね、この夜の雰囲気が、という保志さんに、
いや、劇場の中なんだから昼間でもこんな雰囲気でしょ、と石田さん

サンライズフェスティバルの湧昇においでいただきありがとござます。
監督・それゆうしょうって読むんだ。俺読めなかった。
保志さん・僕も読めなかったです
監督・お金取るってこと?
保志さん・・・あぁ、有償無償の
監督・だいぶ苦しくなってきたね
石田さん・俺も読めませんでした


サンライズの方が、話題をふる。
最初の方は、わりと初代についての話がおおい。

q・皆さんの最初のガンダムってなんですか?
監督・俺が会社入ったころにやってたよ。○○(忘れた)のあたりで、冨野さんがバンクをひっぱりだしてた
石田さん・俺それ聞きたかったんですけど、バンクってガンダムからですか?
監督・違う。その時はすでにやってた。勇者ライディーンからなんだけど、伝説があって、
サンライズに出入りしてた女の子がいて、その子にバンクだしておいて、みたいなことやってた。サンライズの伝説の女の子
その子はサンライズに入社した
保志さん・石田さん・入れるんですねと驚いた様子
石田さん・俺が意識的にアニメーションを見るようになったのがその頃ってことですね。石田さんのガンダム歴は小5からでファースト
保志さん・僕は小1のときで○○(作品名・忘れた)と一緒にやってた。再放送ってことですよね。○○のが後だし。
石田さん・いや、○○のが先だよ
保志さん・ガンダムと○○とどっちが面白いか周囲で話題になっていた。ガンダムは劇場版まででてた
石田さん・あぁ劇場版まででてる時なんだ。・・・同じ年代だと思っていたけれど・・・
監督・ガンダムは再放送で火がついた。最初はガンダムも敷居が低かったんだよね。
最初にでてくる機体の名前とか、デニムとか○○とか○○とか(忘れた)ジーンズの名前じゃん
だんだん敷居高くなっていくんだよね。リアル戦争とかって・・・

q・ファーストガンダムで印象に残っている台詞はありますか?
監督・ガンダムの台詞を覚えるのがトレンドだから台詞はけっこう覚えてる。
それを時と場合で使い分けるのが難しい
保志さんも石田さんも記憶にある台詞はある模様だか、どっか戸惑ってる様子
(個人的な印象だけど、台詞に関わる質問には、どう「言えば(読めば)」いいのか(声優さんとして)空気を読みながら窺ってる印象があった全体的に
石田さん・俺は、牢屋の中で、「俺は・・・あの人に勝ちたい・・」という台詞を言う
ややあった後で、こうゆう時にくすってしてくれるのが1,2人なあたり世代の差を感じますね。
(客席から一人の方がわかりますと声を出す)
保志さん・石田さん・わかってくださる方が一人はいるようで・・
保志さん・今日のお客さんだと、最初のガンダムはWとかでしょ?
監督・いやSEEDでしょ。・・・・・そうゆうことにしておこうよ


○監督の冨野さんの思い出話。
①SEEDの話をもっていったときに、冨野さんが社長に切れた「おれがターンエーで終わらせたものをどうしてまたやるんだ?」
一週間後に挨拶にいった時に、俺がなに言われたかいおうか?これは今まででたことがない。
バンダイを信じるな、バンダイのいうことを聞いていたらろくな作品にならない
q監督とバンダイの関係は?
バンダイとは非常にいい関係を作らせてもらっています。バンダイのいうことは聞いて、僕もたくさんプラモ貰って。
②リマスターはファーストガンダムを作ってた由緒正しいスタジオでやらせてもらっていた。
(※いこう、時系列が上手く追えなくてかなりあやふやな話です。全然別の時期の話かもです)
一階で冨野監督が○○(作品名・忘れた)を作っていて三階で○○さんが(人名・忘れた)が作品を作っていた。
音声入っていないラッシュフィルム(?)があがってきて、そこに自分で台詞を合わせていたら(大きな声かつ感情こめて)
上下の人たちで「ああゆう作品は作らないようにしよう」という話がでたらしい。


○保志さんと石田さんのSEED決まり時の思い出
石田さん・俺はガンダムに縁がないとおもっていたんですよ。いくつか受けたんだけど、落ちてて。
だから、ガンダムきたぜ、という。
(石田さんは監督指定でアスラン決まっていた。キラは決まっていなかったということで、結果的に僕はラッキーボーイでしたねと保志さん)
保志さん・僕もガンダム縁ないなと思った居たんですよ、なんどか受けて落ちてて
監督・いやお前主人公いくつもやっているだろう
保志さん・・・いやいや・・・
監督・お前にだってEVAがあるし(場内軽く悲鳴)
石田さん・でもゲストキャラですよ
保志さん・いやいや、美味しいですよ、人気キャラですよ。
監督・昨日見た?(場内に漂う一体感) けっこう切ってたみたいだね。駄目だよね切っちゃ
保志さん・テレビ局の人との打ち合わせが~(うろ覚え)
このあたりでエヴァ話題は司会の人が打ち切る

石田さんには、SEED決まった時に、2つの緊張があって、
ひとつはガンダムということと、もうひとつは今まで年1,2回にしかいかないような縁のないと思ってたスタジオだったということ。
監督には、石田さんが緊張してるようには見えなかったとのこと。
保志さんも僕も緊張してましてアピールしていたけれど、そこも監督否定

○SEED時の飲み会の話。
保志さんは明け方まで飲んでは絡んでいたらしい。
ただし、監督には「お前俺に絡んだら主役下ろすからな」と脅されていたらしい。
保志さん・僕はサイバーフォーミュラが大好きでしたら、尊敬する監督の前ではおとなしくしてた的な話。
監督帰った後で、残ったメンバーに絡んでいたらしい。
監督は4,5時まで飲んでたことを把握していたけど、石田さん知らなかったらしく
石田さん・「SEEDのときってそんな飲んでたっけ?あっても終電までには帰ってたじゃん」
石田さん完全に「俺の知らない話」トーンで話してた感じ
石田さんが帰った後の話で、石田さん飲まないですからね、と「俺飲まないね」と石田さんそこは首肯

監督・ほらあの・・・カズイ?
保志さん・監督なんかまざってません?
監督・サイやってた
石田さん・白鳥さん
監督・保志、白鳥によく絡んでたみたいじゃん。
トール役の井上さんがよく飲み会の世話をしていた。
よくやってくれてたけれど、おれトールがあと何話で死ぬって言えなくてさ、
前日に脚本見てショック受けてた。
おれMS乗りたい乗りたいっていってたけど、内心やめとけやめとけと。
保志さん・トールの役はムラケン受けてた(場内悲鳴)
監督・ムラケンは・・・いや、やめておこう。
保志さん・・・いや、みんな知ってると思いますよ。
監督・保志さん・トールは井上でよかったと思いますよ、あってた。
監督・でもトールがああゆう演技をあててくれちゃったから、俺はキラが一番ダメージ受けるのはこいつだと。


○ドラマCDの話
保志さん・久しぶりにキャラやれてうれしいのと、なつかしいのと、あとキャラの意外な性格が
(マイク持った手を上げ下げする監督に)監督なにかいいたげですね?
監督・お前キャラの性格把握してなかったのか?
石田さん・僕もアスランやって、やっぱり駄目だしもらって、俺はアスランを把握できてないんだなと
監督・そりゃそうだろ。石田さんはリアルアスランだし。
アスランは自分のことがわかってなから、リアルアスランの石田さんがわからないのは当然だし、ちょいちょい言わないとダメ。
「アスランはすぐ間違える」から

ところで保志さんてきには、当時はキラの声はわりと素でできたけど、
今は遡ってやらないと的な話も

視聴者の質問コーナー
それはハロの中(大きさと色からするとOOの緑ハロ)そこからクジみたいに紙を引いて

(※・順番ないし質問内容覚えてないのがあるので覚えてる範囲で)

q・モビルスーツにエアコンはついていますか?操縦桿もってあちちとか?
監督・もともとパイロットスーツにエアコン機能があるから
保志さん・エアコン機能ないと、あれ一度寝たら二度と起きれなくなりますよね。
あんなに狭いんだから熱いですよね、こんなに広い会場でも暑いのに
石田さん・保志君たしかにすごい汗だね
監督・タオルあるけど使うか?
保志さん・いえ、こちらにもありますので
Gのデザインの手ぬぐい
こうゆうのがあるんですね、な話に。

q・石田さんが好きなキラの台詞・保志さんが好きなアスランの台詞はありますか?
(ゆのさんという方からの質問、石田さんが読み上げ。紙みた保志さんが長文ですよ、と。
12年間ずっとSEEDが好きで、今回のイベントにテンションあがった。この質問は今まででてことなかったですが、と前ふりの上)
会場は悲鳴だったが、二人の間に走る困惑(たぶんそういわれて相手キャラの台詞がでてこない模様)
石田さん・「これはあれだよね、僕が覚えてるキラの台詞と、保志君が覚えているアスランの台詞から出すしかないよね」
監督・じゃあ時間がかかりそうだから、次の質問に。
~イザークの話~
石田さん・「僕は、あの金網越しの、大事なものなんだ(曖昧・石田さんも原文の台詞はでてこなかった模様)」
保志さん・「僕は、・・・キラ・お前は俺の永遠の友達だ」
場内に満ちるねーよ雰囲気、監督もねつ造ねつ造という。
石田さん「それあれだよね、SEED63話あたりの」
保志さん「SEEDと運命の間にあったんだよ。キラとアスランの一日っていう話が。そこで言ってた」
監督「保志、お前がシナリオ書くのか?」
保志さん「ハードルあがりましたね」

q・私はイザークが大好きです。お三方のイザークに対する印象を一言ずつ。
監督・イザークはずっと同じところにいるキャラ(指を横に線を引くような動作をされていた気がします)
アスランがあっちいってこっちいって、キラもあっちいってこっちいって。
それで一本筋が通ってるように見えるし、そう描いてる
(場内拍手)
監督・賛同をいただけたということで。

○保志さんイザークの話。
関さんがイザークをやたらとかっこよくやっている。保志さんいわく、イザークは声ですよ。
子安さんも当時、「お前なにおかっぱキャラのくせにかっこよくやってるんだ」と突っ込んでいたらしい。
おかっぱキャラの声ってなに?というところに場内から
「石田さんみたいな声だと思います、と」
石田さん、「アスラン、貴様~」的な?と(地声に近いかな?)言う。
保志さん・おかまっぽい声の意味だと思ってました。「アスラン」と保志さんが女声でいう。
保志さんいわく、最近デブキャラに声をあてる機会があって、普通やっていたら、
「おまえなんでデブキャラの声出さないんだよ」と怒られた経験から、この話題に固執したらしく

q・SEEDから10年たちますが、当時と仕事の仕方等変わったところありますか?もしくはSEEDがきっかけになって。
監督・ない。ただ付き合う人のランクが変わった。課長が社長に。社長がバンダイの社長だったりする。
石田さん・僕もない。俺はもとからちゃんとしてるから。
監督・石田は確かにポリシーもってやってるね
保志さん・僕は・・・
監督・お前はなにも考えてない。
保志さん・いや、考えてないように見えて
監督・そういうやつは考えてない。
保志さん・・・・僕は無我の境地にむかっているというか、真っ白いキャンパスを皆さんに染め上げて欲しい。
石田さん(少し笑いながら)保志君が自分でそうゆうことをそれ以上言うのは、やめておいた方がいいと思うけど、
でも保志君はそれでいいと思うよ。
感覚でできるのはすごい的な話に。
保志さん・石田さんからお墨付きをいただきました。
監督・保志は石田が大好きだよね
保志さん・それは大先輩ですから。いつもあとをついていって
石田さん・ついてこないくてもいいだろう
保志さん・では同じ電車に乗って
石田さん・なにやらストーカー宣言が
(※この流れだったかは実はあいまいです)

○ところで、質問者の中に、ノイズさんという方がいて、保志さん読み上げるときに、ノイズっぽい声をだす
石田さん、無言で体丸めて笑っていたので、多分マジ受けしてたと思う。

q当時最終話あたりは友達と電話で泣きながら実況しながら見てました~
〆にふさわしい質問だと。
監督・俺も最終話あたりはムウとかナタルの死でうるうるくる
保志さん・キラ視点でみれば、フレイのところで号泣ですよ。
石田さん・戦争ものだから、どうしても人は死ぬ。
だけど残された人が、それを受けてどうするか。だからそれをわかっていたらキラも自分勝手なことばかりしてるわけにはいかない。
監督・監督がまとめてくれました。監督石田さんで、シナリオ保志さんでキラとアスランの一日、作るんだろう?
保志さん・いや皆さんに作ってもらおうかと
石田さん・皆さんの中にもいるでしょ同人やってる人
保志さん・僕の言った台詞もそこからとってるんですね


○最後の挨拶。
監督・製作者として作品を見てもらうことはこの上ない喜び。
最近の仕事として、リマスターをやっている。終わったはずなのに終わってなかった。
あとクロスアンジュ、しかし、この場に女性におすすめするわけにはいかないかな、
かなりハードにえろくさい。萌えじゃなくてハード。
保志さん・ゲームとかでキラをずっとやってる。僕の中にはまだキラがいることを皆さんにお知らせしたい。
監督・最近の仕事についてはいいのか?
保志さん・もろもろやらせてもらってますが。
監督・ツイッターで言ってたじゃないか、自主ライブやるって
保志さん・ああ・・それは
監督・石田さんが見に来てくれるよ
保志さん・見に来てくれますか?
石田さん・・・・めんどくさいなぁ。
石田さん・最後までみたら自然に涙が流れてくると思います。僕の声を思い出していただいて
監督・思い出さなくても流れてくるだろう
石田さん・キャストがすり替わっていなければ、

的なやりとりがあったんだけど、このあたりかなり曖昧・・・orz

では、「半分くらい見てきたように嘘をいい」になってることをご承諾ください