種々

世界の片隅でキラへの愛をこっそりと囁くブログ

議長の動機付け

2008-03-30 14:18:37 | SEED DESTINY
何故、議長が運命プランを、というのには、作中で三つの動機付けが準備されているとおもいます。

ひとつは、彼の「職業」遺伝子学の権威、という立場。
ひとつは、ラウやレイとの関係、彼らの存在。
そして、タリアとの別離。

タリアとの関係は、「そんなにタリアが好きだったのか」というのとはすこし違うと思うのです。
もし、あの二人が別れたきっかけが、例えばお互い忙しくてすれ違いが続いたから、といった理由だったら、議長はそれほどタリアとのことを引きづらかったのではないでしょうか。
でも、彼らは遺伝子的に適性がなく、子供が作れなかったから別れたのです。
それは、本人の努力ではどうしようもないもの、ということの象徴だったのかな、と思います。
「どうしても得られない」
そんなものが存在する世界。
それでも、消せない願い。「悪く言っちゃうと欲望?」
だったら、全員が身の丈にあった願いしか持たない世界なら・・・

そういったあたりが、議長というキァラクターを作っている要素なのかな、と思います。

二年間

2008-03-22 19:22:10 | SEED DESTINY
「不思議だよね。なんで僕はこうして生きて食べたり眠ったりしているのかな」

前回の記事でテロリストというキラ評に対して語りましたが、今回の記事はニートというキラ評について個人的におもうところを・・・

「君も、僕も、まだ死ねないんだ」
「例え守るためでも、もう銃を撃ってしまった僕だから」

無印のときの、キラの行動には、死んで清算をつけよう、というのがキラの意識だったと思います。
でも、死に損なってしまった。
きっと、「つい」生き残ってしまったのだと思います。
フレイの死が、キラの頭に血を上らせ、自分の罪を忘れてしまったのではないでしょうか。
「復讐」にはしってしまった。
そして、キラには当時、決意をきめたときにはない要素がありました。
「最高のコーディネイター」という置き土産。
フリーダムを受け取ったとき、ラクスにその決意を告げたときとは
様相がかわってしまった。
「最高のコーディネイター」
「生まれてきちゃいけなかったのかな」
自分はいったいなんなんだろう。
撃ってしまった僕、「まだ死ねない」死んで清算をつけよう。
そうした決意がぐちゃぐちゃになってしまったのだとおもいます。
自分はいったいなんなのか?
自分はいったいなにを背負っているのか?
わからない。

どう折り合いを付けたら、というのがキラの悩みどころだったのではないでしょうか。
「食べたり、眠ったり」
それをこなすことすら不思議。
もちろん、人を殺してきた自分がまだなんの罰も受けずに生きていることへの違和感があったのでしょうが、アスランの知らない側面。
「最高のコーディネイター」
食べること、眠ること、そんな基本的な人としての動作にすら、
誰かの、自分を作り出した人物の「意思」を感じざるをえなかった二年間だったのではないでしょうか。
このあたりは完全に私個人の想像(妄想かな?)なのですが、
人口子宮、コーディネイトされた通りの「設計」「出生」
指先にいたるまで、不確定要素のない、誰か(ユーレン)の意図通りに生まれてきた自分。彼が自分の嗜好や喜怒哀楽の感情を「過小評価」するようになったとしても不思議ではありません。
キラの運命でのある種の落ち着きの一因がこのあたりにあったのではないかな、と勝手に思っているのですが・・・

キラの悩みを複雑にしていたのが、その出自がクルーゼから教えられた、ということも大きいと思います。
もし、例えばカリダから教えられたとしたら、彼は悩み苦しんだでしょうが、
被害者になることができた。
「なんで僕をコーディネイターにしたの?」
でも、キラはクルーゼから伝えられた。
実験的要素の強いキラの出自、さらにその「踏み台」にされたクルーゼから。
キラは「被害者」の地位を永遠に剥奪されてしまった。
では加害者なのだろか?
自分が生まれたこと、生まれる前のこと、望んだわけでも選んだわけでもないのに?

貴方は人より優秀だ、恵まれている、なぜなら貴方は人工子宮から生まれたのだから。
嬉しくはないでしょう。
でも、それによってキラが(ラウやレイのように)なんらかのデメリットを背負わされたわけではない。
問題などない、なぜなら彼は「唯一の成功体」
感謝するべきなのか?懺悔するべきなのか?
彼はどう決着をつけたか?

客観的評価は、世界のために働いていたアスランやカガリの方が高いのでしょう。
でも、私は、キラがこの二年「なにもしていなかった」ことに「くる」ものがあるのです。
考え、怯え続けた二年間だったのではないか。
自分のようなものが「世界」と関わって「よいのか?」と思っていたのではないでしょうか。

それでも、「世界の終る時」ユニウスセブン落下の中、世界と向き合い
「あきらめちゃったらだめでしょう?」
もう一度、フリーダムに乗ることを決めた。
落とされたあと、もう一度
「ありがとう。これで僕はまた、ちゃんと戦える。僕の戦いを」
フリーダムに乗ることきめた。

そして、デュランダル、「遺伝子」の専門家である彼に宣言した言葉。
「僕はただの一人の人間だ!どこもみんなと変わらない」
彼がだした、まっとうで健全な「答え」
キラがしたことは、成長というより選別だったのだと思います。
MSパイロットして世界を関わることを選び、
「皆と同じ人間として」自らを位置づけることを選んだ。
そんな彼が無性に愛しいのは、ファンの欲目なのかな

私は運命でますますキラが好きになったのですが、
無印でキラが好きだった人がやはり運命で嫌いになる、ということも少なくないようで、すこし悲しいのですが・・・
私はなんだかんだで運命本編は面白かったと思っている人間ですので・・・

主観-テロ-

2008-03-21 22:54:30 | SEED DESTINY
「主観」とタイトルにある記事はいつもにもましてバイアスかかっている記事になります。このブログは、客観性や公平性を目指しているブログではなく、
すべての記事にキラ贔屓の偏向がありますが、タイトルに主観と入っているのはさらに注意してください。

テロリスト、という面罵はキラ好きにとって避けてはとおれない道ですが、
キラファンの方々はどう処理しているのでしょうか。
この記事は、「私が」どう処理しているかの記事です。

某書に、テロを定義つける「過程」で(結論ではない)「テロリズムの本質は、武装した者による非武装の者への暴力の行使である」という一文があるのですが、
私はテロをこう了解しているわけです。
つまり、撃つ側の属性(正規軍か否か)ではなく、撃たれる側の属性(非武装の民間人か否か)で見てるので、正直、キラ達がテロリスト、と言われてもいまいちぴんとこない、というのが正直なところなのです。
もちろん、正規の軍事行動ではありませんので、批判されるのはしごくもっともなのですが、相手が武装した相手であるかぎり、「私にとっては」許容範囲の暴力、ということになります。
もちろん、これはアニメなんだから、という保留がつきますけれど。
実在世界では、法の統治下にない暴力、というものに強い恐怖を感じます。
ただ、アニメとしてみれば、
批判派の人たちが感じるほど、キラ達の暴力に怒りや嫌悪は感じません。
エンターテイメントとして「楽しめる」内容ということで、「私個人は」感じています。

そして、私は、一度武装して戦場にでた以上、あとは「同じ穴の狢」であり、(あえて言葉は悪く言っています)そこには「実力」の差があるのみ、と思っています。
そして、「実力」を持って「目的」を果たすべきだと思っています。

ハイネがステラとキラに落とされたのも、
アスランがキラに落とされたのも、
キラがシン(とレイ)に落とされたのも、
すべて、「自業自得」だと思っております。
「実力」(かならずしも、MSの技量とはイコールではないです)によって折衝された結果は、自分と自軍に返るのみであり、
その「覚悟」をもって、武器をもち、戦場にでているのだろう、と了解しています。一度武力を持って目的を果たすことを選んだ以上、多少(戦場乱入などで)「勝手が違」おうと、
泣き言はなしだ、というのが、私が戦場にでた人間に対する「期待」なのです。
私はキラも同じなんじゃないかなぁ、と勝手に思っているのですが。
その理由は、キラのそもそもの、MSにのることになった状況にあります。
キラは、ただの学生でした。
でも、自分と友達を守るために、戦場にでざるをえなかった。
覚悟をきめるしかなかった。
「殺す覚悟」「殺されるかもしれない覚悟」「自分が殺されることによって、友人もまた殺されるかもしれない覚悟」
それは、ほんとうに、MSの技量、
ビームが相手に当たるか、それとも自分に当たるか、自分が押したスイッチで敵(同胞たるコーディネイター)を死なせるか、自分がよけそこなえば、自分が死ぬそんな世界にいきなりほうりこまれたキラが、
「ただの学生」であるキラが要求された覚悟を、
キラが「正規の軍人」に「期待」するのは自然じゃないかな、と思うのです。
案外、そんな世界への「軍人」への恨みをどこかで引きずっているのかもしれないかな、とも思います。

キラの意識を鑑みるにヒントになる台詞があります。
無印48話「怒りの日」の台詞です。
「止めろ!戦闘する意志の無い者を!」です。
意外にこの一言に、キラの意識が集約されているとおもうのです。
戦う「意思」があるかどうか。
それが、判断基準だとすれば、
キラが「戦場にでてきたもの」「軍人たち」に「期待」するものがわかるような気がするのです。
キラは、自分が戦場に乱入して混乱させた状況でも、
彼らに「期待」していたんだとおもいます。
それぞれが己の仕事をしてくれることを「期待」していたんじゃないかな、と思うのです。
自らの「意思」によって戦場にでてきた以上・・・

誰が・・・

2008-03-20 22:37:15 | SEED DESTINY
MS戦で最強なのでしょうね
一応、公式設定ではキラだということになっているようですが・・・
キラ贔屓でキラには大甘な私でも、果たしてキラが最強と言っていいものか迷います。
というか、どうも話の展開の都合でころころと強さが変わっている気がするんですよね、キラって・・・
インパルス戦でも、シン凄いと思う反面、あれで負けちゃうか・・・
と23話などで見せた圧倒振りからすると微妙に釈然としなかったり・・・
ストライクでぼこぼこにされ、ストフリで圧倒するのも、
機体性能のみとアンチ派に人に言われる隙を作っているような・・・(微妙に愚痴)

私は、アスラン>シン>キラじゃないかなーと思っているのですが・・・
実はキラって、一対一の勝負に弱かったりするのかなー、とも思います。
一体多数の、それもあしらう戦法に慣れすぎてたりして・・・
それとも気迫の差かな・・・

主観―アンチ「ザフトのアスラン・ザラ」

2008-03-19 19:11:32 | SEED DESTINY
今回の記事は、個人的な2、3クールへのアスランの愚痴でしかないので、アスラン好きの人は回避してください。はっきりいっていい記事ではありません。

私は、2、3クールのアスランにたいしてアンチなのですが、その理由は、
アスランは古巣の居心地のよさに初心を忘れたように見えるし、
連合の非道さの中に自分の居場所を見出しているように見えるからです。
それについてまとめてみたいと思います。


アスランは、戦争をどう解体しようとしていたのか。

アスランは、オーブではなく、プラント(ザフト)で働くことを選びました。
それは、オーブで、ナチュラルの中で(ナチュラルと共に)働くことに挫折したともいえます。
アスランが、ナチュラルはナチュラルと、コーディネイターはコーディネイターと、
という結論をだしたならそれもひとつの答えです。
ただ、アスランは、「連合の非道を放っておくことはできない」と言っています。
ナチュラルと対等の立場で、共に在ることは無理でも、
困っているナチュラルをコーディネイターが助けて「あげる」というアクセスに
両者の共存への「説得力」を見出していたのでしょうか。
オーブの理念への問題定義でもあり、挑発でもあるでしょう。
ナチュラルの中ではコーディネイタは居心地が悪いが、
コーディネイターの中ではコーディネイターは居心地は良い、というのは問題の根幹です。
アスランは、ナチュラル対コーディネイターという対立軸において、どう答えをだしていたのか。
「オーブが今までどうりの国であってくれれば」と彼は言いますが、
そのいままでどうりのオーブのなかで弾かれたのは、アスラン自身です。
このあたりが、アスランの立ち位置の自覚のなさにみえて、私は違和感を覚えます。
それとも「とりあえず」悪い連合を撃っていけば、結果(理想の世界、平和な世界)はあとからついてくる、と思っていたのでしょうか。
とりあえずは、連合の非道を放ってはおけない、というのは正論ではあるのです。
でも、アスランにはその先を考えて欲しかった、と思うのです。

そして、もうひとつ。
私が、アスランの台詞で一番違和感を覚えたのは、
「ユニウスセブンのことはわかっているが、その後の混乱はどうみたって連合が悪い」です。
アスランが、ユニウスセブンのことを一言で片付けたのは、個人的に許容しかねました。
そもそも、アスランがザフトに戻るきっかけになって事件のはずです。
私は、アスランが、ザフトで「アスラン・ザラ」にしかできないことをやる、というなら
オーブを見捨てようとどうしようと、かまわないと思います。
自分の役割を果たす、というのはこの作品へのテーマでもありますし。
それは、「ザフトの正義」に溺れるプラント勢への牽制をすることや、
パトリック・ザラの負の遺産へ向き合い、それを否定することだとおもうのです。
かうて、一度はザフトを否定したアスランにこそ、できることだったはずです。
でも、この台詞で、アスランは、父の罪と向き合うつもりないのかな、と思えたのです。
ユニウスセブン落下時の、ミネルバサイドの努力に対して「それでも」「おちた」
「ゆるしてもらえるのかな、俺達は・・・」
というのは、一時の感傷だったのか。
ゆるしてもらえなかったときのことは考えてなかったんだ、と思ったのです。
シンが、悪いのは全部連合、と言い切るのは全くかまいません。
ただ、アスランがそれにのっかるのはどうでしょう。
なんのために、苦境にあるカガリを残してまで、ザフトにもどったのでしょうか。
アスランにしかできないことがある、と思えばこそ、だったのではないでしょうか。
正直、この一言で、個人的なアスラン株が落ちました。
アスラン自身、無差別大量テロで母を失い、軍に身を投じたという過去があればこそ、
この事件を一言で片付けてほしくなかったです。
まぁ、この時は、アスランはキラ達のやり方への反発とハイネの死への悼みから頭に血が上っていたでしょうから、あまり言葉尻をとるべきではないでしょうけれど・・・
客観的にみて正論を言っているのはアスランの方ですし、
この会談については、また別項で少しずつ語りたいと想います。


ナチュラルとコーディネイターという対立軸、
そして、そもそもの開戦のきっかけであるユニウスセブン落下への態度、
このふたつへのアスランの立ち位置への自覚のなさが、
私がこの当時のアスランに苛ついた理由です。
私が主観的にトレースすると、アスランの心情は「自分のような優秀な人材を塩漬けにしておくような上司にはつきたくない」というふうに見えてしまいます。
アスランがそう自覚して行動しているならともかく、
彼は自分は世界のためにおおきな決断をしたとおもっているでしょうが、
前述の状況から、彼は仕事に「充実感」を得たかっただけではないかと見えてしまいます。
だったら、世界のためとか平和のためとかコーティングせずに、
素直に自分は自分の力を最大限活かしたいと言えばいいのに・・・
キラたちの乱入がなければ、アスランの当時の状況はさぞ居心地がよかったとおもいます。
コーディネイターという同胞の中で自分の力を存分に活用でき、
そして敵対している連合は、議論の余地なく「悪」だったのですから。
でも、その居心地のよさはアスランが自ら勝ち取ったものではなく、
議長の思惑とお膳立てにのっているだけの状態で、
俺は正しいことしているのにお前はなんだ、という非難には私は迎合しかねました。


そもそも、アスランは、連合を撃つ、為にザフトに戻ったわけではないはずです。
元々アスランが、連合の非道を見かねてなんとかする手段を探してザフトに戻った、
ということなら、かまわないのです。
でも、むしろ、ザフトを監視するための力として、セイバーをうけとったはずです。
このあたりが、私が、アスランは古巣の居心地の良さに初心を忘れたように見える、という理由です。


ただ、これは作品的な仕込みだったと思います。
議長の「言葉」は「正しく心地よく聞こえる」ということの演出だったのでしょう。アスランに対して、議長は「嘘」は言っていなかったとおもいます。騙された、というのではないと思います。
ちょっとさかのぼり、アスランが、議長サイドについた経緯を遡ってみます。

「またその発せられた言葉がそれを聞く人にそのまま届くとも限らない。受け取る側もまた自分なりに勝手に受け取るものだからね」
「父の呪縛」での議長の言葉です。
これは、議長のやり方の「種明かし」そのものです。
アスランは、議長の言葉を「聞きたいように聞いて」「信じたいように信じた」んだと思います。
そして、ラクスの一件。
議長が「言葉」と「人」を「どう使う」か、アスランが「選ぶ前」に手の内はさらしていたようなものです。
いわば、種の割れてる手品にひっかかったようなもの。
これは、言う側の問題ではなく聞く側の問題である、というのが作品としての問題提起だとおもいます。
議長は一国の国家元首であり、その言葉に様々な思惑があるのは当然のこと。
本当にその言葉が自分の意に添うか、各々が考え決めることは社会の構成員としての義務でもあるでしょう。
そして、アスランはいつしか(あるいは最初から)それを怠っていた。
あの脱走はそんな自分に気づいた故だったのではないでしょうか。
自分の能力を役立てたい。
誰かの役にたちたい。
世界の為に働きたい。
その飢えをみたしてくれる居場所がザフトには確かにありました。

撃てば喜んでくれる人がいる「敵」=連合
果たせば充実感を得ることができる「役割」=軍人としての職務
それをあたえられて、もともと真面目なアスランは、自分の居場所を見出した。
世界のためになにかをしないではいられなかったのでしょう。
キラよりも、よほど世界のため、社会のために働こうという気概はあるのでしょう。
しかし、AA討伐から、議長と自分の理想の「差異」に気づいたのだとおもいます。
「でも、だからはっきりわかったのかもな。これはおかしいって」
議長は自分のこと、AAのことをわかってくれているという「甘え」があったのだとおもいます。
AAのような働きをミネルバに期待しているという言葉から、
かつての自分の行動(ザフト(プラント)を離脱して第3勢力として戦う)を肯定されるとともに、
たとえAAがザフトに損害をあたえても、あの戦闘乱入のあとでも、AAとザフトはその目指すところは一緒であり、
「議長は解かってくれる」「自分と議長の望みは一緒」
という一種の依存 に陥っていたとおもうのです。
その依存に罅が入り、
無批判に議長に自分の存在基盤を委ねていたということを自覚し、
ザフトからというよりもむしろ、その自分の「甘え」から「脱走」する、というのが話の流れだったのかな。
この「脱走」で一度アスランはリセットをかけ、
「焦ったのかな、俺は。なにかしたかった」
「守りたかった、カガリ、キラも」と
自分の想いを再任するくだりで、私のアスラン株はちゃんと回復しました。
だけど、だったらどうするか、という再構築は、
結局アスランは作中ではできなかったのだと思います。
すくなくとも、仲間の命を惜しむという個人的な心情でキラ達と行動を供にしていましたが、
平和への道という点で、ラクスと議長を天秤にかけて、
どっちが正しいという確信はなかったと思います。
議長にも未練があり、向こうのアプローチにも一定の理解を示していたと思います。

というわけで、私はアスラン「脱走」大歓迎なのです。
アスランファンは、アスランに「ザフトのアスラン・ザラ」を期待してるのかな・・・
種デスを真面目に戦争ものとしてみれば、軍人として仕事をしてくれる方がまともですしね・・・
結局私は種デスにたいしてミーハーなライトユーザーなんでしょうね(^^;)

憎しみの行方

2008-03-08 21:05:46 | SEED DESTINY
今回はシンのお話。
なぜ、ステラを失ったとき、フリーダムに憎しみを向けたのか。
もちろん、ステラを殺したのがフリーダム(キラ)だったわけで
「とめようとしたのに」キラがステラを救うチャンスを潰したのは事実ですので、
シンの怒りは至って真っ当ですが、
シンは、フリーダムがステラを殺したから憎んだのとはちょっと違うとおもうのです。
「なにも知らないくせに」
この一言こそが、シンの心情を表していたのではないかと思います。

シンは、ステラの死の責任をフリーダムひとり(ひとりというかな?(^^;))に押し付けるには、優しく賢すぎるのではないでしょうか。
以前の記事で、シンは被害者と加害者の仲介者を任じていたのではないか、と書きましたが、彼は、自分自身が被害者だとは思っていなかったのだと思います。
家族の死に対しても、だから自分は被害者、とは思わずに、
自分だけが生き残ったことにたいして、負い目を感じていたとおもうのです。
だからこそ、すでに無い家族の恐怖と苦痛と無念を、
自分が伝えなければならない、という意識があったのと同時に、
生き残った、彼らを救えなかった自分というのは、
死んだ人に対しての「加害者」だというふうにとっていたのではないか。

そんなシンにとって、フリーダムがステラを殺した、ということが
そのまま「仇!」という意識にはいかないんじゃないかな、と思います。
ステラを救えなかった、という点では、シンもまた同じです。

結果論からいえば、シンはステラが戦場から抜けれる最後の機会を奪ったともいえる。戦場から離れたさきが、それは薬が切れたことによる、苦痛に満ちた死であったとしても・・・

シンは、ステラの命に対して、どこか覚悟を決めていたのではないかな、と思います。
ネオとの約束。アスランに指摘されるまでもなく、守られる可能性は低いことをシンが全くわかってなかったとは思えません。
それでも、そこに希望をつなぐしかなく、そして、やはり希望は届きませんでした。

でも、だからこそ、なにも知らない人間(キラ)が、
彼女の立場も苦しみもしらない人間が、ステラを大量殺戮の加害者として、
死なせることが我慢ならなかったのではないかと思います。

そして、それはオーブ(カガリ)に対しても同じで、
シンはオーブが家族を死なせたことそれ以上に、
カガリがそれをまるでわかっていない、知らないような言動をとっていたこと、
その無反省ぶりに怒ったのであって、
家族の死、というもののすべての責任をオーブに背負わせる気はなかったのではないか。
連合の無茶な要求もわかっていたし、オーブの理念への共感もあったとおもいます。
ただ、自覚をもってほしい。知っていてほしい。知ろうとしてほしい。
自分達の選択の、行動の結果のうちにあるものを。
シンは、そういう意識を他人、特に力のある者に期待していてんじゃないかな、と思います。

ステラの死に対して、自分にも責任がある、という意識を持っていたからこそ、
シンは、キラに対面したときに、
「ステラの仇」と思わずに、「自分が殺した人」という視点で、キラと対面したと思います。
以前も書きましたが、キラに対してステラを殺したという他責より、
自分が殺したという自責をもって、対面したシンはいい子だなーと思うのです。

ラクスの仕事

2008-03-07 23:42:58 | SEED DESTINY
「ラクス・クライン」ってなんだったんだろう。
ミーアの言葉です。
ミーアの仕事もひとつの答えではあるとおもいます。

ミーアがラクスのやるべきことをやった、というのはすこし違うとおもいます。
彼女のやったのは「平和」のため、という言葉を多用することにより、
「平和のため」というレッテル張りを行い、それにともなう思考停止が議長の目的
だったとおもいます。
これがラクスのやるべきことだった、とはおもいません。

ラクスの仕事とはなんでしょうか。
私は、ラクスがやるべきことを放棄したとはあまりおもってないんですよね。
無印後、ラクスがプラントを捨てたんじゃなくて、プラントがラクスを捨てたと思っているのですが・・・
プラントがラクスを必要としたなら、
プラントが頭をさげてラクスに頼むのが筋だとおもいます。
本人がいないから、と偽者を準備するプラントはなんなんでしょう。
本人がいないから、と偽者を準備していただくプラントの人間とはなんなんでしょう。

ラクスは、プラントの要請をうけて、プラントに戻りました。
キラとミーアの覚悟が彼女を動かしたのだとおもいます。
どう働くのでしょうか。
ラクスの仕事をどうかくか、映画に期待しています。


違和感

2008-03-07 21:37:24 | SEED DESTINY
ジエッジほぼ全面否定です。
久織先生の仕事を評価していらっしゃる方の閲覧は全面的に禁止です。



連載当初はチェックしてませんでした。
エースのSEED関連商品の記事や写真欲しさに雑誌を買うようになり、
おそらく一番の目当てになっていったと思います。
アスラン視点という観点からは、デストロイ戦、フリーダム戦のアスランの心境のみに絞った演出はうまいなーと思っておりました。

気になる個所はありました。

例えば、あの有名なアスランの言葉「お前の手だって」の前後
本編にはなかった
「ユニウスセブン破壊に尽力したミネルバクルーをお前は殺した!」(意訳)
「一日もはやく平和を取り戻そうとしていた人間の想いと命さえ奪った」(うろ覚え)
とアスランの言動のキツさUP
ついでにセイバーバラバラ事件(?)のときも
「そんなこと俺だってわかっている」
というアスランの内心
落とされた後のシャワーを浴びながらの述懐
「大切な人をこの手で守る、それだけで望む世界が手に入れられたらどれほどいいか」
つまり、身内にしか興味のないキラに比べていかに自分が大きな視野を持っているか、ということですかね・・・

キラに対してではないですが
会談破談後セイバーで戻りながら
「議長がロゴスという存在も視野にいれていること」
そしてラボ発見後シンの憤激をききながら、こちらは同意しつつ
「この非道を世に知らしめることができるのはザフトだ」
と自分がザフトにいる意味を確認。



ただ、ここまでなら、アスラン視点ということでいいのですよ。
かなりムカつきますが・・・・


(あと、シンに向かっての「お前がエースだ」とか
嘆願の報告書とか、ステラ拘束後、タリアの尋問から解放されたシンをまってステラの容体は追いついたと教えるアスラン、とか。
アスラン単品にはさして興味がない私でもいいなと思わざるをえなかったのだから、
アスランファンなら「死んでもいい!」って思うだろうな・・・
うぅ、だからこそ羨ましい)


問題は脱走後・・・このクオリティをAAでやってくれるのでは、という期待は見事にスルー、展開がはやくなり、結局なんとなくAAクルーに対してアスランがどうおもっているかとかよくわからず・・・
シンとミーアの心配しっぱなしということだけはわかりましたが。
というかそんなに心配なら脱走なんかせずにそばにいてやれよ


ところで上記追加によって、アスランがザフトにいる意味を強化しつつも・・・
アスランが一度脱走を決めれば理路整然と議長の問題点を指摘
「議長の言葉は手段」「そこに誠意や信頼はない」
写真を見せられるまでは、アスランとしても議長思想(運命プランにかなり違和感をもちつつも、従う方が利かとおもっていたようですが)

しかし、上記オリジナル演出で強化した件は一切解決してないのですが
①連合の非道
②ロゴスの問題点
③AA側のやり方のまずさ

果たして脱走した後に、アスランがこれらを引き受けたかは微妙・・・


ついでにフリーダム戦
「なにをやってるんだ」
いえ、うまい演出だとは思いますが・・・
「守りたいものがあるんだろう」
って、キラにかまけて母艦護衛を放棄し、預かった部下二人を負傷させ(レイは機体だけか)、あげく自機まで失ったアスランに言われなくない・・・
セイバー損壊時、アスランが明確にキラに反論しつつ一方的に負けてるのは
完全に「実力で負けた」という感じになっていましたがそれはいいのでしょうかね・・・


さて脱走後。
今度は議長反意が明確化。
アスラン脳内ではシンとミーアは被害者らしい。
脱走兵の分際で、世界に貢献するエースとアイドルを可哀そうな被害者として
責任感全開でしたね。

ただ、この件には、私は公平性を欠いて言っていると思います・・・
シンやミーアとの「絆」でもって、AA組からアスラン「だけ」を「救い上げ」ようとしているようにみえて、キラ好きとしては、キラ共々置いていかれた・・・という印象をうけるのです。

「なぜあんなやり方で、プランを」「力ではなく言葉で人々を動かしてきた貴方が」
議長の「言葉」の使い方を理由に脱走した、アスランが、
「言葉」より「力」を使ったと銃を向ける。
もちろん矛盾している、ということをいいたいわけじゃなく、
まだしも言葉を使っているうちは自分の脱走だけですんだけど、
言葉を使う努力した放棄した今、自分が止めざるとえない、ということでしょうけど、
理由を外へ外へ求めているように見えるのです。


なんていうか、一見悩み苦しみながらやっていることはとことん自己正当化、自己の立ち位置の正当化に汲汲としているようにみえる。



本編アスランは、まだしも議長のやり方にたいして検討余地を残しているけど、
ジエッジは、「脱走したアスランがいかに正しかったか」を前面に押し出すあまり、両方抱え込んで、とりあえずはAAに参入したアスラン、という両とり本編に比べて、なんで脱走したのか、にかえって説得力が薄くなっている感じがする。




おそらく、久織先生は、本編でのアスランに納得いっていなかったのではないでしょうか。一アスランファンとして耐えがたいものを感じていたのではないか。
それを必死で補正(補完ではなく)したのが、ジ・エッジだったのではないかな、と思います。
久織先生にもうちょっと度胸があれば、アスランを脱走させずに、話を構築したのではないかな・・・


デザイア
当初予定では、タリアやステラやネオ、ラクスやキラの話をやる予定だったけど
単純に自分に思い入れのないキャラは描けなかったのかな、と思ってます。
ラストシンアカデミー過去話は、その代わりに描ける話を描いたのかな、と邪推しておりますが・・・なんとなく・・・
キラの誕生日の月じゃなかったけ、あれ。
それでも、キラが嫌いに違いない、とおもっていた私には思っていたよりマシだった、という感じ、ラストの笑顔にはめちゃめちゃ萌えました
しかしあの話のコンセプトは、
自分が憎しみの連鎖を作りだしている愚かさを気づかせてくれたのも、そんな自分の背を押してくれたのも、アスランでした、という、アスラン賛美漫画になっていた感じがしないでもない・・・邪推にすぎるか・・・
キラやるならもっといろいろ切り口あるだろうに、
なんの訓練もなく武器を持つ恐怖とか、殺した重み守れなかった悔い、異常な出自、生まれ流れにして背負わされた業(あまたの実験台+資金集めのためのクローン)自由という信念、そのへん全部スルー・・・・
いっそラクスをやらないでいてくれてよかったと思うべきなのかもしれない・・・


これだけ書いてますが、SEED補完系でひとつ選べといわれたら間違いなくジエッジ選びます。
愛憎籠っているんですよね。
SEEDの中の一番の棘です、私にとって。

しかしハイネを切ったときのキラの表情の意図不明なんですけど・・・

※一切読み返しをせずに書いてます(封印している)
言い回しの違いなどはご容赦ください



※はじめてコメントもらった記事です、記事は8割書き換えてますが・・・
むしろかえってひどくなってますが。
ありがとうございました。
私の「久織先生がキラを描いていると申し訳なくなる、仕事だからと嫌いなキラを書かせて申し訳ない」という初回記事の暴言に対してのコメントだったのですが・・・
コメントいただいて、見てくれている人いるって実感なければとっくにブログやめてたかもしれません、おそらくもう見ていないでしょうが、本当にありがとうございました。
・・・認識改めてなくてすいません・・・