種々

世界の片隅でキラへの愛をこっそりと囁くブログ

抗うことの出来ぬ流れの中、自ら選んだというものならば、せめて、その意味を。

2012-02-29 22:48:04 | SEED DESTINY
分かたれた道。果たしてキラに「選択肢」なんてあったのかな、というのが・・・
「友達」だから守るんじゃなくて、
守らなくちゃいけないから「友達」って言ったんじゃないかな、と。

キラってムウに「君は違う」「君は力がある」って、
皆から「切り離された」印象があります、あの4話で。
なぜ、キラにパイロットとして働くよう、皆の前でって、ちょっと思ったんですが。

友達と友達じゃなかったんじゃないかって。
力ある者と、力ない者。
「君の責任だ」って、ぽいっとばかりに、手の中に押し込まれた無力な命。
しかも、この艦に乗っている多くの民間人って、キラが(良かれと思って)連れ込んじゃった人達だし。
退けるわけがない。
ここでキラが退いたら、もうキラはキラではいられなくなる、そんな感じもします。
友達として好きっていったらアスラン、国とため同胞の為に戦っているのもアスラン、
そして自分に優しくしてくれたラクス、一緒に行けたら。
でもそれをしたら。

そんなものを背負って生きられるか。「友人」を見殺しにして。
これは、好き嫌いの問題じゃなくて、限りなく人間らしい、良心の問題なんだと
(なので、アスラン脱走のメイリンの行動も、恋心ってよりは、
大きなもの(=軍)に殺されそうになっているアスランへの庇護意識がベースだったかな、と。元々憧れていて、助かってほしい、力になりたい、役に立ちたいと、短い間で行動がエスカレート(シャワー、回路侵入、車を調達等)

(監督のツイッタで、守るというのは理屈じゃなくて本能のようなものって意見もあったかな、と。)


個人的にちょっと思っているんですが、
キラは責任感を、アスランは使命感をベースに動いている印象があって・・・

キラの場合、確かにアスランほどには大きなビジョンはないですが・・・
キラの場合、ただ、眼前の、「自分がこれをした場合」「自分がこれをしなかった(できなかった)場合」
方法の、極めて「具体的なビジョン」を見比べて「よりマシ」な方を選んでいるイメージがありまして。
自分したしたこと、しなかったことで「必ず起きる現実」を比べて。
フリーダム搭乗後、そしてオーブの理念を再評価した以降は、また軸が一本できたイメージもありますが・・・。

アスランの場合、「そうあるべき状況(世界)」平たくいえば、「青写真」と現実を引き比べて、
後者を前者に引き寄せようとするイメージがあります・・・
今目の前に見えている現実、あるいは対面している個人の、個々の状況はいまいち見えてないのかなぁ、と・・・
以下ちょっとアスランdisりっぽくなるので苦手は人はお避け下さい。



アスランを語るに、悩みぬく、考え抜くというのはほとんど常套句ですが、
個人的にはもやっとします、どうもアスランの悩み(思考)のトレースができない。
状況認識に対する楽観が垣間見える・・・というか。

特に運命のアスカガにおいては、アスカガが熱心に好きか嫌いかという層はおくとしても、
けっこう見方(感触)が分かれるなぁ、と思います。
運命後も、結局アスカガじゃない?って層と、あれはどう見ても破局してるって層と。
あと、アスランに同情的な層と、カガリに同情的な層と。
私は正直、運命ではカガリに同情した層です。

アスランがザフトに戻った時、オーブが連盟に加盟することも、他の男と結婚することも、予測できるものとして、なおそれでも、最悪オーブと敵対しても、極端なこといえば、カガリを見殺しにするくらい覚悟でザフトに戻ったものだと思っていたので、
以降、結婚や連盟に驚いている様子に正直驚きました・・・というか、この時点ではそうでもなかったけれど、
ダーダネルスにおいて、それがほんとに寝耳に水の裏切りだと思っていることに正直驚いた・・・というか、
想定してなかったの?ほんとにカガリがなんとかできると思っていたのか?と。カガリの置かれている状況全然見てなかったんじゃないかって。


おりしもリマスタで、アスランがラクス捜索時に見せた、宇宙で行方知らずになったラクスの置かれている状況への緊張感のなさや、
キラが置かれている状況を、本当に「わからなかった」のか?と。(©慟哭の空)
そして、ドラマCDでの、キラとアスランの思考の対比・・・・戦争なんておこるはずない、人はそんな愚かなはずがないというアスランの述懐と、(のほほんとした口調で)本当に戦争が起きたら、プラントだって危ないと思うけど、月には連合の基地があるからね、と言っていたキラ。
そのあたり、思考の在り方っていうか、
アスランはどうも大切な人の状況を、「危機感をもって考えられない」
正直、優しくて誠実なんだろうけれど、共感力と想像力の欠如がある気がして、(これは、キラやカガリやラクスやシンそれぞれに対して)それは性格や思考の問題じゃなくて、ただなまじ対外的な「鎧」(家名や赤服、彼自身の優秀な成績)な立派な分、隠れてしまっている、幼さなんだと思っているのですが・・・・
確かに、優しさや誠実さの質は、キラより上かもしれないけれど、それを支える気性が実はけっこう幼いというか・・・

なんだか、自分が「認めさえしなければ」その悪い状況は「固定」されない。というある種頑なな・・・・
そして、「悪い自体」が固定してしまった時の、激烈なまでのとりつくしまのない、怒りと拒絶。まるで信じたのに裏切られた、とでもいうような。
当初の楽観と、深刻な事態。それに対する暴力的な対応。

「戦争なんておこるはずがない」→軍属になって、その意識は、キラや巻き込まれた友人(民間人)の立場への想像も拒絶
「・・・民間船ですし・・・」→人質→「卑怯な」
キラの敵対、俺が撃つといいつつも、キラに仲間を殺される事態をほとんど想定しておらず→俺がお前を撃つ
あと、前述の、カガリはなんとかできる→なんとかできない→呼び出して怒りの発露
等々


どうも、「こうであるべきの社会」のイメージが強すぎて、そっちに引きずれている気がします・・・
そういう意味で、どっか「こうである社会」を力ずくで作ろうとした議長と似た部分があるような気もします・・・









リマスタ10話ー分かたれた道

2012-02-29 21:00:02 | SEED DESTINY
あまり重要があるかどうか定かではないリマスタ感想遅くなりました~
以下某キャラを(ry


・・・あっ、やばいあまり覚えてないorz


「卑怯な!
救助した民間人を人質にとる、そんな卑怯者と一緒に戦うのがお前の正義か!?キラ!!」

10年前当時から違和感ばりばりの台詞。
こういうの聞くとアスランってあんま頭良くないのかな?と思う
キラが「正義の為」に戦っていると思っているのかな?
ストライクの上で再会した時、キラは私服姿だった。「僕は地球軍じゃない」「あの船には友達が乗っている」ついでに相手(AA首脳部)は民間人を人質にとる卑怯者。 アスランにはこの程度の情報はあるのなら、
ヘリオポリス崩壊(というか連合機体奪取=自分たちの軍事行動)に巻き込まれる形で身柄を拘束された上、民間人の学生の友人を人質に取られている、くらいの憶測ができてもいいのではないかな?と。(それが事実かどうかはというよりは、キラ側の事情を察しするための、想像しえる状況のひとつとして)
そうして戦わされている相手に卑怯だの正義に悖るって指摘が通るって思ってるのかな?と。
事実を指摘すればその意見が通るって思っているなら、アスランはやっぱ幼いのかな、と思う・・・


「俺達が弱いからだろう」
「あんた、自分がコーディネイターだからって、本気で戦ってないんでしょう」

そんなこと言われる筋合いないとしか思えないのですが・・・
アスランの台詞と合わせて、事実っていえば事実なんですが・・・
どうでしょう。
ここでキラへのフレイの言葉が図星って指摘はよく受けますし(監督さんのツイッターでもそんな話題が最近でてたかな)
でも図星だからどうなんだ?って話じゃないのかと・・・
フレイと・・・あと、作内外への運命あたりから強くなったキラやラクスへの批難に感じる違和感なんですが。
なんで他人が自分のために命がけで尽くしてくれて当たり前って、感覚で物言う人が多いんだろうと。自分より強い恵まれた優れた相手だとしても・・・。


1クールを見るに、キラがどれだけ「酷い」言葉を受けてきたかといことが改めて。
というか、まっとうに生きてきた人間の価値観的に「これを言われたら人間として男としてどうよ」的な言葉が多い。
裏切り者、嘘吐き、卑怯者(間接的だけど)


といいつつ。
おりしも最近ガンカフェで並びながらぺらぺらと見てみた本にあった文章。
引用の引用の引用みたいなことになっちゃうのですが
斎藤誠と言う方の言葉で「人々が絶望するのは、人から『大丈夫だ』と言われていたのに、大丈夫でなくなった瞬間ではないか」
そう見れば、キラの言動は迂闊だったんだろうし、
もしかしたら、父を撃ったザフト兵に対する以上の憎悪をキラに感じていたのかもしれない・・・・

閑話①善意からでた言葉でも、それが裏付けのない言葉だったなら、結果が相手を裏切れば、それは容易に絶望を与える。
これを骨身にしみて感じていたからこそ、運命のキラは偽ラクスに対して「皆を騙している」と嫌悪感を覚えたのかもなぁ、と思えるかな、とも思ったのですが・・・
閑話②ところで、無印戦後以降、キラとラクスの間って、フレイの話というのはどのくらい了解されているのかな、と。
この流れをみるに、ただキラ経由でラクスとフレイの関係があったわけでもないですし、
当然ラクスも(キラとの関係抜きで、キラとフレイが今後ああゆうこのになっていくなんて想像もつかないでしょうし)フレイのことは気にかけていたはず・・・と思うのですが・・・
お互い意図的に話していないというパターンも、キラが洗いざらいしゃべっている可能性もある・・・
逆にだとしてら、よみがえる翼での大丈夫、と約束での大丈夫、が重い言葉だったということになると思うのですが・・・



ところで、ラクスってどの時点でキラがストライクパイロットだって知ったんですかねそういえば。
前回の、マリュー達と話していた時点では知らなくて、
ここのキラ様も戦われるんですか?あたりでうすうす察して~という流れなんですかね・・・

キラの慟哭。
なんだか泣いているというよりは、なにかを吐きだしているような・・
そしてラクスとの会話。
ここでカズイがキラとアスランの関係を知り、早々にヘリオポリス組にその情報が渡る。
キラにとっては、ラクスがアスランの婚約者だということを知る。
ラクスにとっては、少年らしい衒いを見せつつも、ラクスの手を拒絶しなかったことと・・・
あと、アスランの話題になった時に、キラが嬉しそうに笑ったことが大きかったのではないかな、と。

カズイの暴露。
それぞれキラに隔意を持ちだしているヘリオポリス組で、
それでもキラに(主観的に)好意的なのが、サイ、トール、ミリアリア、
そして主観的に否定的なのが、カズイとフレイ、けっこうただコーディネイターへの隔意ってだけでなくて、キラのせいでって被害者意識も抱えてそう・・・根拠は乏しいですが。
ただ、あっさりしゃべったのは、キラへの悪意ってわけじゃなくて、
自分ひとりで抱えられないので、主にサイへっていう意味で、仲間内に判断を任せたって感覚が強そう。
そのあたり、フレイに罵倒されたキラを直接慰めずに、サイに任せたトールとミリィの判断と五十歩百歩の部分もありそう・・・


そしてラクス返却。
この辺りは、ただ少年らしい正義感というだけでなくて、ラクスとアスランへの負い目って部分もありそう。
母を失って、そしてさらに幼馴染(キラ)に(相手から見れば理不尽に)敵対されているアスランの、婚約者。
自分を癒してくれたように、アスランを癒してくれるだろう人(アスラン自身がその手を避けちゃったのですが)
そして、彼女を探し守ろうとしていたザフトの人間を殺して、彼女を、彼女と敵対する陣営(しかも人質にしちゃうし)に連れてきてしまったこと
AAに乗ってから、キラがマリュー達の意に反して、行った行動が、故障した救命艇とポットを回収すること。
そのこと(=自分の行動)に対して責任を取る、という意識が、
ラクスを返し、自分は残るという行動に影響してるのかもなーとも。

サイとミリィとキラ、
軍人だとしたら銃殺刑相応って認識はないにせよ、
AA拘束当時からの理不尽への抵抗って部分もあるのかな、と。
サイも正しくあろう、全うであろう、優しくあろうという意識は人並み以上にある人で、
でも相手を無意識に傷つけてしまうこともあるという、そんな根の深さ。

しかし、ムウとマリューも心情的には協力者って感じかな。
そしてクルーゼにせよ、パトリックにせよ、なんだかまだまだアスランの事を子供扱いしてるなぁ、とも思う・・・


「いろいろありがとう、キラ、アスラン貴方も」

祝・ラクスのキラ呼び捨て開始。(ところで現状キララクスの名前まだ一度も読んでないのかな)
これ見ると、ラクスって、対相手というか、認める人の境界はすげぇきっぱりしてそう。
だけど、この状況見るに、この時点ではラクス、キラ(とAAクルー)の命は諦めていたんだろうな、と。
(自分を返す行為そのものがそうとうヤバいんだし、キラもまた民間人だってことは察しているかもだけど)
そしてアスキラ決別。ここはちょっと別記事で。
ラクスが、別の側面を見せつつ、(多分察した人はこれで察したんだろうな~)
泣きながら、自分が守ると選んだ場所へ。













夢物語

2012-02-24 02:44:01 | SEED DESTINY
無印の初期見てると、やっぱ私は運命の方が好きだなーと思うのですが、
なぜかっていえば、運命ってのはファンタジーだからかな、と思ったのですが・・・
ドラマとして安心して見ていられる(ストーリーの展開の仕方が)ってのは無印の方ですし、
実のところ運命の方がリマスターで今みたいに毎週放送されたらちゃんと見られないかもしれないなって思いもするんですが。

無印ってのは、作品全体が落しパートな感じがします・・・
けっこう、キラがフリーダムに搭乗後は、キラ自身もストーリーも飛翔モードに入ったと見せかけて、
結局その高揚は40話までだったんじゃないかなーとか・・・
オーブとウズミを失い、アスランとパトリックが決別し、ラクスもまた父を失い、ラクス参入するも、
キラが出自を知り、両者殲滅戦に至る破壊兵器を持ちだし、ラクスの言葉はほとんど届かず、
キラはフレイを守れずクルーゼを否定できず、アスランは父を失い。

希望は残したんだと思います。
最後のキラとアスランとカガリの笑顔。キラが身に着けていたラクスの指環。

もしここで終わっていたら。

キラは実はジェネシスに焼かれていたのかもしれない。
生き残ったとして、心身の傷を超えて日常に戻れるか?火種になりえる出自と傷を持つキラと、大きな名を持つラクスとは一時的な繋がりを超えて一緒に生きていけるか。アスランとカガリ、ナチュラルとコーディネイター、巨大な、それぞれが歴史に良くも悪くも名を残す父をもつ2人が、本当に一緒になれるのか。ナチュラルとコーディネイターは本当に共存できるのか。人は変われるか。

運命ってのは、無印キャラにとっては救いパートなのかな、とも思ったりします。
可能性として示した希望。それを具体的に描いたのが、運命だったのかな、とか。

その為に、SEEDシリーズは、運命において、世界観(リアリティ)の閾値を変えている印象を受けます。

アスランとカガリについては、個人的には無印後より運命後の方が可能性があるかな、という感じも受けます。(根拠は乏しいですが)無印時に抱えていた危うさ(ほんとにお互い好きなのか?ナチュラルとコーディネイターの差異を、一時の共感を超えて、寄り合わせられるか。お互いの政治的な立場は)が、概ね運命において全部露呈して、ある程度お互い認識できた気配があるので。

そしてアスラン。
アスランにとって、運命というのは名前を取り戻す物語でもあったのだと思ったり。
アスランのみならず、自らの名前を失うのはほとんどすべての人間にとって耐えがたい苦痛であったはず。
アスランには、デュランダルが必要だったのだと思います。
かつて、キラにフレイが必要だったように。
認めて欲しい相手。に認めてもらうことが。
キラは自分が守っている相手に。アスランは、自分の望む所属の長に。父と同じ立場に立つ者に。
(たとえ、相手に思惑があったとしても)
カガリやラクスやキラでは多分できなかった。キラ達がアスランの苦しみに築いていないわけではなくて(インジャスを渡した時、キラとラクスの行動と言葉は、議長のものと概ね同一だから)アスランにとって彼らは庇護対象だから。
アスラン自身が、自らを、理想や想いを託せる大人の男性(それはアスラン自身の幼い価値観もベースにしつつ)でないと多分だめだった。
エリートとか、それに連なるものではなく。ただ自分の名。父の汚名と、自分自身の罪、汚れて纏えなくなったそれを、
デュランダルはどんな思惑であれ、一度浄化し、アスランに返してくれた。
この過程は、アスランの人生において、必要なことだったんだと。
それでも取り返したつもりが、所詮それは借り物で。
しかし、迷走の果て、かつての仲間、戦争が起こる前、大切な時間を過ごした2人の後押しを受けつつ、
自分自身の望みをベースに、その名を取り戻すのが、アスランにとっての救い。



キラにとっては守ること。キラは自分自身の名前とか属性については、
人殺し、という、愛情深い両親に大切に育てられた人間にとって、タブー中のタブーであるそれを、
覚悟も自覚も、それを正当化する所属もなく、理由も乏しいまま、犯してしまった上に、
生まれる前からの自分の在り方も否定されて、
自分ひとりの名前や存在への執着はすでにないだろうけれど。
この世に生きる縁。誰かを大切に思う気持ち、求める気持ち。一人だけ。
物語の作り手は、もう一度だけ、キラを立ちあがらせた。
今度こそ守れれば。最後の正直、次はない。
キラの意思という形で与えられたその希望を、キラは果たせたのかな、と。
「本当に嬉しい。」
守れないことが辛い。もう誰も死なせたくない。守るという誓いであるというよりは、最後通告。
ようやく果たされたそこで、義務と脅迫から始まったキラの戦いが、やっと願いと望みに昇華されたのかな、と。天空のキラ。


無印キャラが、運命で死ななかったのは、彼らの落しパートが、無印で終わっていたからかな、と。
(カガリ除く、おそらくカガリの落しと救い(決意は)両方運命で行われている父の死とそれを乗り越えるという意味では彼女自身自力に近い形で無印でやってる感じもしますが)
運命キャラにとっては、無印キャラが100話かけてやっている落しと救いを、50話でやっている上、
半分以上尺を持ってかれているわけだから、密度はやや薄くならざるをえないだろうけれど・・・・


世界観の閾値を変えているからこそ、
死者だって生き返るし死んでなかったし→ムウさん・・・まぁ、やりすぎはやりすぎだけど、私的には肯定派。
キラとフレイで果たせなかった魂の邂逅は、シンとステラではなせて、
キラに謝りたいと命をかけたフレイの言葉は届かなかったけれど、
ミーアは、利用してしまったラクスを守って謝ることができた。
そして、アスランにとっての名前が、彼女にとって、一人の女性にとっては、自分の顔。
名前もそうだけど、それを、ラクスに知ってもらい託せたことで、取り戻すことができたのかもしれない・・・。

クルーゼは、自分であり自分でなく、自分と違う友を得て自分と違う道を選んだことで救われたのかな、と。

と、ここ数週間はこんな風に考えていました・・・・

個人的な違和感

2012-02-20 23:28:35 | SEED DESTINY
今回はアスランdisり記事になると思われますので、
そういう記事が苦手な方は回避お願いします
あくまで個人的な感想の話なので読まれた方いても流し見でお願いします・・・




言葉の使い方の話なんですが・・・
どうもアスランの言葉というものの認識というか使い方に(・ω・`)?
と思っている部分があるので、なんとなく、私の違和感はどこにあるのかなーと思ってるあたりをですね・・・

例えば、キラとラクスは言葉を使用してるイメージがあります
議長は言葉を利用してるイメージがありまして、
じゃあ、アスランは言葉を武器にしようとして(失敗)してるイメージがあるのです・・・

アスランは一見言葉による説得をしようとする場面は多いかと思うのですが・・・
対キラ、対パトリック、対カガリ・・・シンもそうなのですが、シンはちょっと前者3人とはまた違ってきているとおもうので別項目で。

身近な人と対立した時ですね・・・実のところ、この3人の対談に対しては、私はアスランの説得を受けた方に同情的でして・・・
アスランは説得できるというある程度の気概を持って望んでいると思われるのですが、
基本的な前提が甘いというか、
目標設定が不当に高いと思うのです・・・
要は、「自分の言っていることは正しいのだから、自分の言い分が全面的に通るはずだ」と思って望んでいる気配を感じるのです・・・「全面的に」

武器を持って相手を退ける、つまり撃墜・・・ストレートにいえば、対立者を殺す、消す。
真面目なアスランは、武器ではなく言葉で事態を改善すべき、という提言には耳を貸すのですが、
アスランの場合、武器を言葉に置き換えただけ、に感じることがあるのですが・・・
言葉によって、相手を「排除」しようとする。
それは、「相手の間違いを指摘する」「相手を否定する」
という形で、相手を退けようとするのです。
相手との和解に対して、武器をとって殺し合っている時と、自分側の目的設定を一切変えていない。
とにかく、敵対者を排除する。
ただ、武器ならこちらの力が大きければ、強ければそれが叶いますが、
言葉による指摘は、相手に無視されたり、あるいは相手が我慢してしまえばそれで終わり。
「仕方ない」撃つしかない。
聞かないなら撃つしかない。
聞くというのは、こちらの言うことを聞くということなのかと?


相手を間違いを指摘する、相手が間違っていると否定する。「そうしてあげれば」相手は聞くはずだ。自分は相手にとって大切な人のはずだから、それが正しいのだから。

私が相手側(キラとカガリとパトリック)に同情したくなるのは、
上官ないし仲間(キラはクルーゼ、カガリはタリア、パトリックはキラ(達))に機会を欲しいと頼む時には、
殊勝げなんですが、
いざ相手を目の前にしゃべりだすと、なんかこう上から目線の説教モードで、
ダーダネルスの会談も、キラはおそらく最初の方の段階で、これは話し合いじゃなくて文句言いに来たな・・・
と感じたんじゃないかなーと思っていたりするのですが・・・・

キラやラクスが、言葉で、と言った時に、
相手(敵対者や自分の立場の違う他者)に対して、まったく違う方向に思考を変えさせたり、翻意させようという気はないかと思っています。
言葉でできることは、自分の望みを伝えること。
相手の望みを知ること。相手の立場を知ること。
対立部分について、(目的を見失わないレベルでの)武力行使も覚悟してるかと思います。
1対1で、共通点と差異点を探ること、それは譲歩点や妥協点を探る作業になるのではないかな、と思っているのですが、

アスランの場合、100対0で、自分の言い分を通そうとする気配を感じます、
自分の方が正しいから。(確かに正しいといえば正しいのですが・・・軍属でもなくコーディネイターのキラが、連合にいることがおかしいことも、パトリックがナチュラルを皆殺しにしようとすることが常軌を逸していることも、カガリのやり方が上手くないことも、事実なんですが・・・)
そしてその態度やもの言いで、相手の立場や想いに対する理解と思いやりのなさを露呈してる感じすらします・・・
確かにアスランの言っていることは正しい。
だけど、その正しさを通せない事情が、彼はにはそれぞれあって(友人を見殺しにできないキラ。同胞に安寧を齎したいパトリック、単純に力不足だったカガリ)
それを明らかに汲めてない。
むしろ現状、アスランは、現在進行形で、彼らにとって深刻な脅威であることに自覚すらない。
(現状、キラとキラの友人たちを武器を持って追いかけ回しているのはアスラン達だし、パトリックは、核情報を持ってアスランが脱走したことに深刻な脅威にされされていた(=自分の息子のせいで、同胞が核の脅威にさらされるかもしれない。アスランはまずはここを踏まえて話をすべきだったと)、そしてキラが言った通り、全部カガリとオーブのせいにして、カガリの守ろうとするものを撃っていた(是非の問題じゃないです、アスランの方が正しいのでしょう、彼の立ち位置が齎してるに過ぎない正義だとしても)

相手がなにを思って自分と敵対しているか、その彼らの方に自分ができることはなにか、
それを探ることをせずに、
とにかく、言葉で解決(=相手の翻意)を齎そうとして、それが通らないと。
ただ、言葉を強くする(より相手を否定し罵る言葉を選ぶ)ことにのみ注力してしまい
「俺がお前を撃つ」とまで言ってしまったり、
「俺もです」と切り捨ててしまったり、
「綺麗事を言うな」と切り捨ててしまったり、と。
結果自体を悪化させるだけの結果になってしまっている気がするのです・・・


ナポレオンの言葉で、人はその制服どおりの人間になる、
という言葉があるみたいなのですが、
アスランは、赤服を着ている時、その正当性と優越性に、本来の気質を呑まれている気配を感じるので、
私はアスランは赤服着てない時の方が好きだなーと思っていたりします・・・

リマスタ9話―消えていく光

2012-02-18 00:48:30 | SEED DESTINY
つらつらと。


ifの多い回だったなぁ、というのが素直な感想。

もし、フレイがキラを呼びとめてなければ。大丈夫という言葉のやり取りをしなければ。
ラクスがあの時歌っていなければ。
マリューが当初指示通り反転離脱していれば。
サイがフレイを止められていれば。あるいはブリッジから出たあとに艦の撃墜が起こっていれば。

キラが生涯最悪レベルに迂闊な発言をしちゃった回というか・・・・
キラとしては、まだ守るのも戦うのも、義理で努力目標くらいなものなんでしょうが・・・
次回あたりから、義務で結果至上な感じにシフトしていく気がする・・・
しかもその意識の変化の後で、唯一と言っていいほど純粋な感謝を捧げてくれた子を守れなかったという・・・

ところで正直に言うと、この辺りリアルで見てないのもあり、(なので総集編とスペエディの印象の方が強く・・・先週、キララクの貴方が優しいのは~イメージ違ったのはそっちの印象が先行していたからかな)
こんなシーンあったっけ?がけっこうあるorz


先週に引き続き、静かな夜に合わせて、キララク回想シーン(出会いと、貴方が優しいのは~)
キララク押しを感じつつ。

先週あれだけアスラク(アスラン)をけなしましたが、
この子は多分、決まっていた予定が覆されることに反射的に抵抗感感じてるだけで、
現状認識やら自分の心情やら軍人意識が色々ごっちゃになっているのかなぁ、と感じた。


フレイの価値観、娘として女として。もともと与えれっぱなしで当たり前って価値観ではないんだな、と。

ところで、誰かのレビューでそれぞれ。
→マリュー→通信中に飲み物のストロー咥えてていいのか?という突っ込みと、
→ザフト兵→隊長の勘はあたるぜ→勘で駆り出されることに疑問はないのかこいつら?という突っ込みを
かつて読んだことを思い出しました・・・


コクピットで調整してるキラも印象に残っていますー
念の為、なのか、自分の役目というのには自覚的。
あと手合わせるサイとミリィとか、ヘリオポリス組はなんだかんだでよくやってたんだと思います・・・
まだ自分達の選択への楽観がベースにあるのもあるんでしょうが・・・


戦闘配備時、それぞれラクスとフレイに呼び止められていたんだなぁ、と。
先週から、意図的に、対キラ的に、フレイとラクスを書いてる気もしつつ。
このあたりのラクスの意図はわからないなー・・・韜晦なのか、それにしても過剰演出な気もしますが・・・
なぜ歌っていたのだろう、あの歌にはレクイエムの意義がありそうだから、ほんとに死にゆく魂に、ということなのか、
それとも自分が死ぬかもしれない時に歌っていたいなのかな、とも思ったのですが、さすがにそれはないかな、と。
よくわからないのは、フレイとのやり取り、殺すといわれたこと、その彼女の半狂乱の嘆き。
それがラクスにとってどういう体験・・・ある意味経験値になってるのかが見えないな、と。
このシーンで、天然お嬢様が以後開眼した・・・って感じでもないと思いますが、
このシーンが後のラクスに影響与えた幅ってあるのかな、とも・・・

マリューの判断が結局どうだったのか、わからないな。
逃げ切れていたのなら、マリューの判断ミスってことになるのかな・・・

そしてナタルの人質声明。
これはこうせざるを得ないだろうなぁ、と。
ザフト側にとっても、知らず撃っちゃえばラクスを死なせていた場面でもあるし。
むしろフレイが言いだすまで誰も考えなかったのかと思えば、AAクルーもお人好しな気がしないでもない・・・
ラクスがこの艦にいるだけでいいような気もしますが、責任放棄とか自由意思でとかモロ脅迫じみているのがいっそ潔ぎいいな。
(先週は変な形でヘリオポリス組引き合いにだしてマリュー黙らせていた感じがして違和感があったんですが)

来週あたりからかな、リアルに見だしたの。

歌詞のリンク?

2012-02-17 00:36:12 | SEED DESTINY
ちょっと(かなり)こじつけな感じがしますがあしからず~~

無印のOPの、キララク場面の歌詞を拾ってみたら意外と面白かった。

INVOKE→繋がる瞬間  出会ったクール、一時の邂逅。キラがラクスに安らぎを感じ、ラクスがキラに感謝を思う
moment→あの時が(止まればいいのに←この部分はアスカガとキラ&マリュー)
   →2人まだ彷徨いながら
      それぞれの現在の場所で。キラはフレイと、ラクスはアスランと接している2クール。
Belibe→そんな悲しい顔は見たくない
   →この胸輝いて(いて)
      ラクスの元で、戦火を離れつつ、問いかけを受け、そしてフリーダムを受け取る3クール
Realize→生まれてきた意味を探していた
    →願いが光抱きしめる
      生まれ出てこの世界にある限りは  貴方にここにいてほしい、私は(本編シーンじゃないけど)
   この願いがラクスでヒカリがキラなら萌えだなーと思った。

リマスタ8話―敵軍の歌姫

2012-02-11 01:29:01 | SEED DESTINY
監督のキララク押しは疑問もたなくていいかなぁ、と思った。
ラクスの歌聞いたキラの表情の新規が印象的だったから。
ヘリオポリス崩壊からこっち、唯一っていいほど癒された、
幼子が子守唄耳にしたみたいな安らぎな感じでしたし。

しかし、すっかり忘れているシーンがちらほら。
キラが、先週殺した相手(それもキラが意図して初めて)が「あの子」を守ろうとしたザフト兵だということに気付いていたんですねー
「彼女を」守ろうとした相手を殺したしまった/ラクス
「彼女が」守ってと願った相手を殺せなかったゆえに守れなかった/フレイ

この相反する「負い目」を、この2人にこの時点から持ってくのかな、とか・・・けっこう無意識部分だけど。


・・・しかし、監督自ら(ツイッタで)微妙作画という通り、本当に微妙作画な回だった・・・・
スペエディとのギャップ凄いな、というか、スペエディ時の平井さんマジで神!!
えーと、描いているのがアスランシャワーシーンと、女の子達かな(変なくくりをすな)
フレイとラクスの激突を中心にスペエディ書き下ろしてたんだなぁ、とあらわれて。
ミリィもいくつかあったかな。
(そして同じ画面にいるのに直されてない方がこう・・・・)
(スペエディでの、「お出かけしてもいいですかー」はカットされてたなぁ、まぁ、短い時間とはいえ元の時間に入れ込むわけにはいかないか・・・場面削んなきゃいけなくなるし)


だけど、キラ。ラクスと出会った時の、頬の染めっぷりが凄い。この時点で一目惚れしてないか?ってレベル。
正直、7話まで見返していて、運命キラとギャップを感じるところはあまりなかったんですが、
今回は感じた。なんというかアスランのことが完全に頭から飛んでそうなときめきぶり
のわりに、食堂(?)に現れた時の引きっぷりを見るに、どうも対ラクスへの感情振れ幅大きそうだなー


すっかり忘れていたといえば、ラクス名台詞としてあげられることも多い、
「貴方が優しいのは貴方だからでしょう?」
もああゆう演出だったんだ。もっと会話の流れでさらっと言ってる印象があったんですが、
ラクスの歌声に合わせて、キラの回想に合わせて、という演出になっていたんですねー
静かな夜に、作内では、はおそらくアスランを筆頭にした血のバレインタインに対するレクイエムソング及び遺族への癒しを願った歌だと思うけど、
作品的には、キララクな使いかなだなぁ、と。
わざわざキラの回想として出したのは、キラの記憶に刻まれた会話だったってことを強調してるっぽいし、
さらにダメ押しみたいに、ラクスの歌声で安らぐ様子を一緒にやっていたり、
この回では、ほんと、キラ→ラクスだなぁ、と。


さてこのシーンなんですが・・・
サイはいいです。ちょっと前にも記事にしたと思うし。
むしろ気になったのが、ミリィとトール。

フレイの暴言を聞いて、ショック受けた演出になっていたのが、キラとミリィ(カズイはおそらくフレイに同調してたんだろうな、と)
そのミリィから、→トール、→サイ。と伝言ゲームが起こっていた気配がある。
フレイが酷いこと言ったから、サイがたしなめる。
この「グループのまとめ役」がサイだから、サイがキラを慰める。
これはもう「処理」じゃないかな、と。
生身の言葉じゃない。グループ内の諍いの機械的な処理。
ミリィやトールは、自分でキラに声をかけるべきじゃなかったんじゃないのか、と。
ミリィやトールにも、状況からの逃げがあるかな、と。
彼らなりに、上手く状況まとめようと思って、サイに託したんだとは思う。
ただ、コーディネイターとナチュラルの違いと、彼らは既に軍の中で、特にキラは、人殺しをしているという事実。
その平時の学生グループのやり方をそのまま踏襲しつつ、
なおかつ、コーディネイターであるキラへの、「皆の」隔離を、
フレイの考えなしの言動という問題に矮小化して、自分を枠外に置いている気配がある。
キラを気にかけているのは疑う余地がない。心配してるのも、フレイの言葉に酷いと思う心地も事実。
だけど、それを突きつめ、個々が自分で引き受けていない。
その、グループのリーダーとしてのサイとキラが、2クールフレイのことで断絶しちゃって以降、
ミリィやトールとの接点も弱くなっちゃったのかな、と。



以下気になったところ。
パトリック・ザラという人はベタな演出が好きだなぁ、と。
一貫して、プロパガンダ的なことに注力してますね~

しかし、アスラン、なんで捜索にやる気ないんだ?これは当時から思ってたことだけど。
むしろ自分の部隊が探しに行くってわかれば安堵するか喜んでもいい場面じゃないの?
やる気がないどころか行きたくなさげだし・・・
私がアスラク嫌いなのって・・・というか、当初からアスラクというのがインプットされなかったのって、このやり取りの印象が強い。(理知的な軍人の仮面を必死で被ってるシーンくらいに見るべきとは思うけれど)
これ見て、ほんとはアスランってラクスのこと好きだったんだ、と言われても、はぁ?レベルに違和感。


ナタルのは詭弁に感じた。
キラ達を協力させたのは、彼ら自身が生き残るためでもあるけれど、
ラクスは違うんじゃないかな、と。
どうもヘリオポリス組の引き合いの出し方に違和感がある。
月にたどりつけば、彼らはとりあえず解放されるけど、ラクスは生涯虜囚の身、見せしめ的に殺される可能性もある。
権力者の娘だからただの民間人じゃないとかもそれで通るか?と。
ラクスがただの民間人でないなら、という理屈が通るなら、
ただの民間人である学生たちを巻きこんだことをどう思うのか、とくか・・・
ラクスとヘリオポリス組との、共通点と差異点の使い分けが恣意的で、そこが気になるのかもしれない。正論というには・・・
これは連合の益の為、死んでいった兵士の為にも今戦ってる兵士が一人でも多く生き残るためにも、使えるカードは使うべき、みたいな話だったらまだ納得できた気がするんですが・・・・

換骨奪胎

2012-02-10 01:08:52 | SEED DESTINY
どうもラクスの影響力とか強さというのがピンとこないです、ずっと。
なぜミーアが支持されたのかといえば、

その刃が誰に向けられていたか?

という話の駆け引きの話になる気がする。

ラクスは、無印で、→プラント市民に対して訴えかけた。と思うし、
あまりパトリックとかクルーゼといった個人を問題にしてなかったと思うんですよね、
彼らは権力者であり、その権力を委託しているのはプラント市民ですし、
ラクスの問いかけ(糾弾)は、あくまでプラントの市民一人一人に向けられていた。

それを刃と見做せば、ラクスの刃はプラント市民に向けられていた。

デュランダルがやったのはなにか、といえば、
その刃の矛先を、「悪いもの」に反らしてみせて、ラクスの意図を無効にしつつ、
その「悪しきものを糾弾する刃」を自分のものにしてしまった。


なぜ(偽の)ラクスが必要だったのか。

プラントというのは、ラクスに喉元に突きつけられた状態だった、
目を覚ましなさい、
もっと自分で考えなさい、
今プラントが行おうとしていることの責任は「貴方に」あります。

「敵」(=ナチュラル、連合)によって突きつけれたものだったら、振り払い、こちらも剣をとって応戦すればいい。
しかし、ラクスは敵ではない「我らが歌姫」「可愛らしい妖精」
それは、ラクスを敵と見做すか、
あるいはどうすれば、彼女がこの剣を引くか。
その答えは、キラがやったように、自らの力で現状に疑問を持ち、一歩を踏み出すこと。

だけどプラントの市民の多くは、その剣の存在すら認識したくないし、認識できない状態だった。
ただ、漠然とその緊張感(消化不良)に耐えていた。

そこに現れたのが、ラクス(ミーア)
議長の意図は、民衆に突きつけられた問いという刃を腹をそっと押して、
その向きを変えてしまうこと。
それは「敵」に。
「少なくとも、自分(達)ではないもの」に。

ナチュラル、連合、ロゴス。

その「構造」を支持すればするほど、かつての彼女の問いは無効になり、
むしろ自分達を守り肯定するものとして作用する。
自分達の喉元に突きつけられていた切っ先が逸れて、多大なる緊張感からの開放感も加わって、
彼女の、どう処理したらいいかわからなかった意義は、
「我らの敵を」指示し、撃ち滅ぼすことを肯定する女神に転化する。

かつての彼女の言葉は、結局、我らを欺く、パトリック・ザラとその周囲の者達を糾弾するものだった、自分達の為に。
そして彼女はまた、自分達の為に、悪い奴を決めて、糾弾してくれる。
そしてその彼女が支持する現政権は正しい。

転化された歌姫のイメージへの拒否反応、かつての糾弾の無効、そして現在団結するための「敵」の指摘。

ラクスの名の栄光は、ラクスの特殊な力や存在にではなく、民衆の願望(怠惰な類の)に基盤を置くのかなーというイメージがあったり・・・

リマスタ7話―宇宙の傷跡

2012-02-05 01:34:15 | SEED DESTINY
キララク出会いの回。
見事な偶然でリアルと作品が2月3日にリンクしてるという回だったのですが、
この回しんどい回でもあるんですよねーはてさて。
気になったところつらつらと。

○サイの言動ひっかかった、言うだけ言っとけとか気まずいからとか。
お互い自覚ないレベルで、トールとサイにも、対キラで温度差あるな、とも思えるし。
正直、無印1クールでは、ヘリオポリス組ではサイの心証が一番悪いな、個人的には。無自覚という意味で。

そのサイとフレイの水をめぐる場面でのやり取り、
カップルっぽいやり取りの最中、キラはいなくて、結果ちょっと席が離れたところにキラ登場。
視聴者→サイとフレイ、キラ→サイとフレイの認識のズレを作っていってるかな、と。
キラもその手の場面にまったく立ち会ってないわけじゃないけれど。
そして前回気になってた、フレイが、その子コーディネイターだもの、にショックを受けている様子がなかったのは、
本気で気にしてなかったからなんだな、と。
そのあたりはどうなんだろう・・・意外とキラが大物なのか、
アルテミス側の横暴に対する反発という意味では、キラの方でシンパシーを感じていたのか。
ところで、ここでコップの水が少ししか入っていないことに全然気づいていなかった・・・(^^;)

○プラントでのアスラン。
キラのことが引っかかっているとはいえ、自分の立場への疑問はなし、というか・・・
プラントの権力者集団の中で、一番若年かつ立場は下とはいえ、
この場に対する、堂々たる優秀な次期後継者という立ち位置のアスランといった感じだなー
心証的な好ましさはあれど、ラクスもその自分の立場に連なる者といった感じがする・・・
(私的には、この時点ですでに、ドラマCDでできかけていた関係とは断絶がある気がする)
アスランが、テレビ越しに、慰霊団代表という公的な立場ないし、アイドルのラクスを見ている反面、
キラがそのラクスと生身の初体面を果たすというのも意識的な演出なのかな・・・
なんとなくアスランのカテゴリ依存というのは、クルーゼにしろパトリックにせよ、
年上の男性というカテゴリにある人に無批判に従う、という側面もある気がするな・・・。

○最高評議会

>ナチュラル共め
>地球に住む者の言葉など、あてになるものか。

評議会議員をしてこのレベルかよ。カテゴリ依存なんてレベルじゃないだろこれ
これが私的な領域の本心ならともかく。プラントの最高意志決定機関で・・・どこまで一緒くた・・・
パトリックやデュランダルの暴走は彼ら個人の問題だけじゃない気がする・・・・

キラ厨の妄言レベルですが、
なんだかこのあたり聞いてて、ラクスがあそこまで(=ホワイトシンフォニーしかり、国家反逆罪の罪を背負い戦艦から訴えかける行動しかり)の演出過剰な行動をとらなければならなかったのか、といえば、
そのくらいしなければ届かない、という諦観があったからな気がする。
シーゲルの訴えがどんどん行き場をなくさなければ、ラクスのラジオ放送の段階で、世論の流れを押しとどめ流れを変えられれば、
キラが、綺麗な庭で、軽やかなワンピースを纏った少女の言葉を真摯に聞いて、
それに「答えなければならないと」察せられたレベルで伝われば、
ラクスは綺麗な庭で、優しい歌を歌って居られた気すらした。
結局プラントはラクスのいうこと信じていたわけじゃなくて、ラクスに自分(達)にとって都合のいいこと言ってほしかっただけなんだな、と思う。ラクスに力があるという見方は正直ぴんとこない(非合法な大きな武力を動かせる立場にはいるけど、それはラクスのものというわけじゃない気がする。)


○ユニウスセブン

といいつつ、血のヴァレンタインの悲劇はやはり痛々しい。
それに嘆き憤るプラント側と、そこから補給を奪取せざるを得ないAA側が交互に描かれる様子。
プラントの現実と、AAの現実。

キラがユニウスセブンの名前を出したこと、あそこは何十万もの人が亡くなった場所だとナタルに抗議する様子が印象深くもあり、
やはり脳内には、血のバヴァレンタインで母も死んだ、といアスランの言葉を思い出していたのだろうな、と。
アスランのお墓参り、スペエディではレノアさんの回想シーンがあったけれど、今回はなかったかな。
キラの方の回想シーンとしていれてもよかった気がするけれど・・・。

しかし、設定上のNジャマーによるエネルギー不足で10億人ほど死んでいるとういう設定は一貫して本編にリンクしてないな、と。
一種のコズミック・イラのパラレル世界なんだろうか・・・
まぁ、この設定自体が後付なんだろうな・・・


○フラガ大尉とナタルさん

なんだかキラとナタルが話してるのが新鮮だった~~
そして呼称の違い。キラがまだ軍という組織になじんでない(というかただの協力してる民間人なんで当然ですが)
感じも受けますが、キラにとって、ムウとほかのクルーの違いというのも感じたり・・・
戦えるのは俺達だけ、というくくりの中で。唯一の仲間っていうか。
キラにとって、一番考え方に影響受けてるのって、ムウな気がする。
ムウとキラの距離間ってのも不思議なものがあるなーとも。


○キラの普通の少年らしさと、それに収まらない強さ。意識下に行った初めての人殺し。

パーツ洗浄も~という、しっかり仕事してる様子や、
ユニウスセブンの犠牲者から目を反らそうとしない(特に強い嫌悪や恐怖に怒りに瞳を歪ませる様子もなく)
そして、ザフトに見つかった時の、銃を向けたときの判断力
撃たないことの結果(仲間の死)撃つことの結果(相手の死)
後者を選び、そのことに嘆く。

キラが泣き虫ってのはちょっとイメージ違って。すぐ泣くとかじゃなくて。
むしろこの(特に無印1クール)の状況や立場を、「泣くだけで」耐えたキラは強すぎるとすら思うし、
運命のときのキラと気質は変わらないなと思う・・


しかし、そうして殺した相手がおそらくラクスを守ろうとしていた兵士だというのが切ない・・・



○ポット回収

久しぶりの同胞との再会という側面もあるのかな、と。
キラの意志(=ポットを持って帰る)という行動によってなされた出会い~

次回両澤さんの単独脚本の回だったかな・・・・