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種々

世界の片隅でキラへの愛をこっそりと囁くブログ

種リマスタ28話―閃光の刻

2012-07-01 17:08:50 | SEED DESTINY
26話キラがある意味前半最終回なら、前回と今回は転機な感じがするなぁ。
キラが一度アスランに殺される回。

(ここの管理人はザラ隊に思い入れがない人ですので。個々のキャラはそれなりに好きなのですが、このあたりの流れをザラ隊に共感的にみてる方は避けた方がよいかと思います)

ストライクの動き、むしろ引こうとするストライクにブリッツが突っ込んだような演出になっている感じなのかな。
ここでキラがむしろソード振り切って両断しちゃっていたらニコルの苦しみは短かかったかもしれない。
ここで、キラとアスランの浮かべている表情がほとんど同じなのが・・・
いわば殺した側と殺された側になるんだけど、意味合いはほとんど同じだったという。
以下アスランに厳しいです。ニコル絡みではキラがあまりに一方的に悪者にされているので、イラついてるので容赦ないです。
茫然自失のアスランに、キラにはアークエンジェルが、アスランにはディアッカとイザークが加勢。
ディアッカが終始冷静。おそらく一貫してこうなんだろうな、とも思う。
ムウが今回、俺たちは軍人だ、人殺しじゃない、とキラを窘めていたけれど、
おそらくこの視点も内在化しつつ、アスランやイザークの怒りに同調しているようでもある。
捕虜になったあとも、ニコルに対しての怒りをキラやAAにぶつけようという発想もなかったし。捕虜になるという選択そのものね。
アスランやイザークは、Jr杯みたいな、同年代の子供集団の中でトップ、というのが、
大人の社会でもそのまま通用すると思っていた粋がったガキ、の部分が残っていた気がする。
それでも、ラスティやミゲルの戦死に対しては、もうすこし割り切っていたから、
アカデミーで身に着けてきたはずの軍人としての意識みたいなものが、
トップだったアスランの不調(キラのことを割り切れなかったこと)からくる不協和音で、
ザラ隊の面々はその意識が空中分解されちゃってた感じがする。まだしも軍意識にコミットしてたニコルやディアッカも、
現状の隊のまずさみたいなものに対して危機感が足りてなかったわけだし。その皺が寄りに寄って今回部隊最年少者を死に追いやった印象なんだ。キラには殺意はなかったわけだし。
ザラ隊のロッカーでの様子、もっとも先に着替え終わっていたアスラン、着替え中のディアッカ、着替えようともせずに、ニコルのロッカーを蹴り飛ばしているイザーク。
情感を呼ぶ演出だけど・・・私もちょっときたし。
ただ、素人が軽い気持ちで軍人であることに対して手を出したヘリオポリスと対比させる意味合いからも、
たとえば、悲しみや怒りを押し殺しながら、ストライクを撃つための作戦会議とかでもよかった気がするんだけどな、
アスランの、今までキラを撃てなかった俺の甘さがニコルを殺した。
っていうのにも、今までアスランがとりえた手段(アスランは二度プラントに戻っているし、トップ(シーゲルやパトリック)に直結する立場であり、ましてはキラはラクスの恩人で、ラクスはキラに好意と感謝を感じていたのだから、その辺で相談交渉するとか、あるいは隊の仲間に素直に打ち明けて、たとえばあくまで救助とするか、それとも撃破とするかいずれにせよ協力体制を作るとか、先の戦場にせよ、あのパイロット勢の中で(キラも含めて)自分自身と仲間の身の振りを決定・指揮することができるのはアスランだけだったんだから。敗戦とみなした時点で撤退するべきという判断もある。アスランが個人的で稚拙な意地で戦場に固執したわけだし、隊の仲間の動きも把握してなかった。
全体の状況を見ても、ヘリオポリス崩壊以降、自分達の日常を壊され、一緒に巻き込まれた友人たちの命を背負わされた。キラが抱えていたものをまともに検討もせず、さもわがままを許容してやってきたみたいなのは正直どうなのか、と。アスランがとりえた手段、すこし考えればわかったはずのキラの立場や想い。こういった一連を、「キラを殺せなかった自分の甘さ」にのみ集約というのは、
私の価値観からすればかなりしっくりこないんだけど。何様?自分にはキラを殺す権利があると?自分を疑わない人だなと正直思う。
可哀想とばかりは思えない。痛ましいと思う、たしかに気の毒なんだけど。同胞を守るために軍に入り、アカデミートップという結果もだした。その結果、本来は肯定・賞賛してくれるはずの「家族」であるところのキラやラクスと対立することになったんだから、ただもう少しでいいから考えて欲しかったと思えて仕方ない。相手の立場とか、いろいろな可能性とか。
聞かぬなら撃つしかないと、そういうシーンなんだろうなと思いつつ・・・
多分、ここでのアスランを、制作サイドは肯定的なものとして描いていなくて、だからこそ、カガリとラクスに糾弾されていく展開になっているのだとも思うけれど。
ものすごい正直に言えば、自分の指揮下で部下を死なせた原因を、敵が敵であること、なんかに求めてどうするんだと思ってる。

ここでアスランが思い出すのが、トリィを渡す場面のコペルニクスでの別れと。
友達がいるんだ、の場面のキラ。
アスランが振り返って、キラが友達で言われて場面がここなんだろう。
これはのちのキラの回想が、同コペルニクスの場面と、キラの場合は、オーブでのフェンス越しの再会。
キラにとっては、アスランがまだ友達だと、「君の?」このトリィは君のものだという意志と、「また」「まだ」「受け取ってくれる?」というアスランの思い、アスランの想いを確認できたからこそ、前回迷いなく戦えた。殺さなように退けながら、アラスカというゴールは近く、両親とカガリと、すこしその内情に触れられたオーブという国と、帰ってくる場所を思えたから。
だけど、逆に、あのやり取りで、アスランに迷いを生じさせてしまって(昔、友達に~)
それによって生じた迷いから、アスランの刃から鋭さを奪い、結果、アスランの友人を殺してしまった、

アークエンジェルに戻った時のキラの表情が印象的(まだストライクに乗っている時の)
悲しい、悲痛な。だけどどこか苛立ったような、諦めたような。
殺しちゃったどうしよう、ではなんだよな、と。
それでストライク収艦後。
整備士たちが、集まってキラを賞賛。
キラは切れるわけで「やめてください、人を殺してきたのに、よくやったなんて」
なんだよ、今まで散々やってきたくせに。と。
整備士も、ヘリオポリスからアークエンジェルに乗ってきた面々だとすると、
G開発に関わってきた人達かもしれない。
自分達が仲間のために作ってきたものが奪われた挙句、自分達を脅かすものになっている。
撃破されたのは嬉しいけれど、そこにやりきれなさもあって、それを昇華するために、いつもより過剰にキラを歓迎したのかもしれない。
キラの心情もわかる。ついにアスランの友達(こう思っていたのはのちのキラとアスランとの会話から明白)を殺してしまった。
自他への苛立ち。「今までと違う」「今までと同じ」自分が「誰と」戦ってきたか知らない整備士たち。知らない人と、友人の友人という相手と命に区別をつけていた自分に気づかされてきたこと。ナチュラルとコーディネイターという違いを、都合よく解釈する周囲。結果それに乗っている自分。
整備士が鼻白むのも分かる。
今回は、ムウがいち早くキラを庇っていたのも印象的。「キラ」のときからそうだけど。今から思うと、キラとフレイの泥沼になぜ放置したんだと思いつつ・・・パイロットとしてのキラには干渉するけれど、キラ個人の人間関係の「大人の理屈」「軍人の理屈」で干渉しない方がいいという判断かな。
キラの「適応ぶり」の方こそ心配なのかもしれない。
「大丈夫だな?キラ」
と出撃前に、キラに聞いていたのが印象的。
大丈夫じゃないといっても、替えのパイロットなんていない。
結果、多分大丈夫じゃなかった。前回のキレがなかったし。
ザラ隊の気概も違う。今まではただ落されて終わりだったイザークも、執念でストライクに一矢報いているし。
今回アークエンジェルが守られたのは、ムウの奮戦によるかなと。
キラの失調に気づいていた彼の奮戦が、一角のバスターを落とすことに。

今回さりげに大きかったのは、フレイかな。
フレイ、本編での扱いはほんと丁寧。
キラとフレイ、事実上の今生の別れ。お互いの姿を見たり、声を聴いたりはあったけれど、会話はこれで最後。
「また」後で、と言った時の、フレイのはっとした感じがね。
実のところ、フレイの言いたい言葉はなんだったのか、というのはフレイ本人にもわからないんじゃなかな、というか。
キラに言いたい言葉は多分もうなかったと思う。
ただ、自分に言いたいことは全部聞かせて欲しかったとは思っている感じ。
今回、行く場所を失くした二人の要素が。
アークエンジェル内を彷徨うフレイ。
自室に戻らず、ストライクの前に蹲っていたキラ。
フレイはサイ達が話しているところに入っていけなかった。
今更戻れないという部分もあると思うけれど、
彼らの様子に違和感を感じた部分もあったんじゃないかな、とか。
キラはあんなに苦しんできたのに、的な。キラと一緒にいたフレイもまた、ヘリオ組とは断絶していたわけだし。
フレイ自身、私が本当に好きなのはサイってところがあったんじゃないかな、とか。
フレイが縋ってでもキラのところにとどまらなかったのは、そう私の本当に好きなのは、
というのがあったからじゃなかなとか・・・
「なんであんたなんかに同情されなきゃいけないの」という部分もたぶん、本当にあって。
私は本当にサイの所に戻りたいか。キラをどう思っているのか。
そういう過渡期にいる感じで、むしろ「可愛そうなキラ、一人ぼっちのキラ~」の自分の言葉の意味を、彼女自身内在化しきっていなくて、
アスランに対峙したカガリのように、自分の言葉に引きずられていくことになる理解というか・・・
まともに話した最後の言葉、その言葉を追認するように、自身の境遇がキラと重なっていき、
それが最後の最後で、「私の本当の想い」という言葉に収集されていくのではないかな、とも。
キラはもう自分の居場所はアークエンジェルですらなく、ストライクという場所。この時のキラの心情の悲痛は、
(フレイから逃げる形で)ストライクに籠って寝ていた時より多分ひどい。
フレイはフレイで行ける場所もいたい場所がなくて、
戦闘が始まったら、「キラのいないキラの部屋」にしか居場所がなくて。
でもここで、キラの部屋に行けた、のは。
キラがまた話を聞くと、フレイを許してくれたから、というのもあったんじゃないかな、とか。
今回フレイ、「キラ」と「私」としか言葉を発せられてない気がする。
キラと私、やり直そう、それは自分自身の想いとか立場も込みで、そんな意志の先で、キラはもう戻ってこなかった。
フレイが、ザラ隊の強襲前に声をかけていたら、短い間でも話ができていたら、キラフレになっていた気もする・・・。

キラ対アスラン。
キラを殺す、それのみを見るアスラン。その先なんて考えていない。
「僕は君の敵?」
「そうだね、アスラン」
それは、けしてアスランに殺される、なんて覚悟じゃないけれど。
そのキラを迷いを断ち切ったのが、トールの死で。
フレイとトールの死については、その死に際を、盾に体を潰され首が飛ぶ様子や、シャトルの中で体を炎に飲まれていく様子を、
キラは直に見ている可能性があるんだよな・・・
キラの短い嗚咽が保志さん上手いと思う。
ここのミリィの「え?」が・・・
ここはもう、がしがし動くストライクとイージスに感激というかですね(をい)
アスランの場合の種割れは、目的が定まった故にそれに向けて力を集中させる為な雰囲気で、
キラもそうなんだけど、キラの場合、場面場面では、自分の思考や感情の一部を麻痺させているイメージも。

第二話でジンが相手側の機体に絡まり自爆。同じパターン。
あの時を体験することよって、キラは「この行動の意味」が理解できた。
機体ごと自分を殺そうとする。その壮絶な意思を感じたまま、それも避けたコクピットから、直にアスランが離脱する様相を見てるわけで。
機体が爆発するまでに、静止画のままで数秒。キラを映していないのが逆に凄いかもしれない。
その心境を、しかし次に発するのが「僕は死んだ はず」というのが切ないなぁ、と・・・

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