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種々

世界の片隅でキラへの愛をこっそりと囁くブログ

SEED PARTY 星空の集い PHASE-3 名台詞ランキングメモ

2012-12-02 15:09:38 | SEED DESTINY
というわけで(どういうわけだ)昨日の種パーティーの覚書メモを。


はじめ、どことなく切なげなBGMがかかり、しかもなかなか始まらず、
監督のお台場いっちゃった情報と合わせて、監督遅れてるんじゃね?の不安を煽りましたが、
まずは豊口さんが、次いで、キラ・ヤマト役、保志さんが、次いで、アスラン役石田さんが、
最後に監督が登場しました。
監督間違えてお台場いっちゃったって話になりまして、バイクで飛ばしてきたみたいです。
クラクション2回鳴らされたとかで、危ないですよと共演者の心配のもと、
まずは、保志さんと石田さんの現状の思いが語られます。
以下ツイッタに端折りながらメモったのをまるうつし。


「SEED今年から、いや去年からやってて、アフレコはないけれど、今やっている新番組的な得した気分。
コメンタリ―等で、ガンダムの仕事に関わらせてもらってるぞ再認識できたのと、
石田さんと同じ舞台にかけたのが感慨深い」
「仕事では先週あったし、会ってはいる」
「SEEDでは10年ぶり」
「いや、間にあったでしょ、SEEDのイベント」
等さっそくいじられる保志さん。

「前回のイベントでは保志くん語りをしていた。いかに保志さんが愛らしいか」
「僕もあまり話題がないので、困ったときの保志君頼み」
「僕もよく石田さんのことを持ちだしてお客さんに喜んでもらう」
「僕そんなに話題ないでしょう」
「いや、名前を出すだけで、僕は食っていけます。今日で話題を拾わないと」
「お前そういうこというからいじられるんだよ」

等々の脱線やり取りを行いつつ、
声優としては
「SEEDイベントとして、キラを語れる場所は、他にはない」
(石田さん)「十年たって見返すと、自分が色々迷ってたんだな。自分が自分でお芝居を俯瞰でみる視点、必要だよね」
「当時の精いっぱいの記録が残っていて。また新たに残される。石田彰が演じるアスランザラというわけではなくて、
SEEDという作品をよろしくお願い致します(カメラ目線)」

(保志さん)「今見かえると、キラ大人だなぁ」と。豊口さんあたりはピンとしてなかったかな。「若いのに、大人びてちゃんとした人だなぁと思う」「今やると、その時のキラを演じてしまうから、今だと頑張っちゃう」「今は客観的に見える」
「ただ芝居はもっとこうみたいなのがある」「役者としてはどうしてもそう思っちゃうよね」
保志さんと石田さんの会話。
わりと保志さんはキラと自分、石田さんは、役者としての自分に、
この10年の振りかえりがありそうかな。
平井さんが、10年前の絵柄で今書けない以上に、
声優さんもそれ以上に、当時の演技はいまできないだろうな、というのは前から思っていたけれど・・・。


ついで、席について
豊口さん-保志さんー石田さんー監督 の順番だったかな。
以下台詞読み上げは、6位まで発表された後にまとめてですが。各所で書いてます。

10位「あのミサイルを落とせーープラントをやらせるなー」
イザーク人気ですからね、というのが保志さん談。
恒例の、誰が読むか。
豊口さんは保志さん指名。場内の拍手数で募って、保志さんに。
僕をイザークですませとこうってつもりじゃないと言いつつ、読むかけるも。
「自分のイメージと違うものがでてきました」「キラでもイザークでもなかったよね」
もう一度読み上げ。
(後ろの画面みながらなので、振りかえりつつなので不自然な姿勢になっているのはあるかもです」
「けして関くんがこうやっているわけじゃないんです」
「似てたんじゃないか」って監督言ってたかな。

9位「僕達は・・・どうして・・・こんなところに・・・きてしまったのだろう」
保志さんはこれは僕だから僕が読んでも面白くないということで、
監督に振りましたが、監督上手かった。
「だって僕さっきこれ言ったんだもん。お台場で、どうしてこんなところにきちったんだろうって」
というわけで、保志さんが読んでくれましたv
以下メンバー談義。
これめっちゃいいシーンじゃないですか。「トリィ」今の私の声です。いいシーンです、と言い合っています。
石田さんいわく。「こうして見ると、トリィがこの作品で一番いいメカですね。無傷だし、一番目立った」

8位「撃て―ーーーマリュー・ラミアス!」
これは石田さんに振られますが、はじめは俺はこのシーン好きなんだよ、と、
好きだからこそ渋ります。
「アスランがやったらこうなるんだよ、という感じでいいよ、じゃあ、格好良くいってよ、無理にアスランにしなくていいから」
と監督よりオーダー。
石田さんの「撃てっ、マリュー・ラミアス!!」
さすがの迫力と声量でした。
状況を変えてしまいました。とのこと。
延ばさず、切る感じでやってたね、との周囲のコメント。

7位「泣いていいのですよ・・・だから人は・・・泣けるのですから」
これ、発表時から、石田さんちゃかしまくり。
「泣いていいのですよ」許しをえました。女王様ありがとうございます。泣かせてもらいます。
この読み上げは、安定の豊口さん。
「俺、間トリィはさんでいいから、俺ラクスがこれ言ったあと、保志に泣いてもらいたい」
監督から追加オーダー。
普通に上手い。「好きなんですよ、ラクスの物真似」
保志さん、顔を隠しつつ、泣いていました。

6位「これが人の夢、人の望み、人の業!!」
これいいですよね~と豊口さん。ムウさんのふざけるなもカッコよかったと。
石田さんが読んだ後、保志さんがすかさず「ふざけるな!」と言ってました。
いやそこキラじゃないからと突っ込まれつつ、
最終話での、ムウ対ラウ、キラ対ラウは似てますよね。
「貴様の理屈だ」「そんな貴方の理屈」「それしか知らない貴方が!」
彼女(マリュー・ラクス)がいるかいないかの差・・・すみませんなんでもないです
ある意味では、ムウ・キラの為に生み出された存在であるところのラウ。

5位「やったーーーーーー」
画像がでた瞬間から会場から笑い声が。
「え?なんで笑ってるの?」
「わかってるんだよなにがおこっているか。俺はどうかと思うけれどな」
「皆真面目に投票した?」
1回目の時のキラの「やめてよね」と同様にネタ台詞認定だけど、
まぁ、アズラエルの核を手に入れた時の心境とか、
並べたくはないが、キラの置かれていた状況から見るに、ネタ台詞とばかりに言えない部分はあるかなと。
ただ、監督が煽った結果も若干なりともあるのではと・・・・
以下この台詞はイベント中いじられまくりことに・・・・


4位「君は俺が守る」
豊口さん席を立ち、 机を挟んで石田さんに向かい合います。
「え?なにお客さんになっているの?」
「これ肩掴んで言ってもらいたいでしょ?」
ということで、
豊口さんとちょっと後ろに石田さん立って。
「めぐみにあえてよかった」「君は俺が守る」と言ってました。
全国のめぐみさん、ラッキーでしたねと豊口さん。
場面は全部新規できてました。

3位「生きる方が、戦いだ」
これはまともにいいセリフだと。豊口さんいわく、カガリはほんとに女の子らしい可愛らしさと男の子らしいカッコよさを持ってますよね。
豊口さんはアスカガ好きみたいですね~1回目の時も好きなんですよ、この2人っていってたし。
保志さん、自分だったらこの台詞投票したなとも言ってましたけれど、
確認とられると断言はしきれない感じかな。

2位「やっぱ俺って、不可能を可能に・・・」
あらあらこれはねぇ、BDように直したんだけど、そっちの映像使ってないね。
「皆、BD買ったらこのシーンリプレイね」

1位「それでも、守りたい世界があるんだ」
保志さん喜びの「やったー」
これは、映像と合わせて読み上げることに。
「ゲームとかでも何度もやってますから、僕これ得意です」
意気揚々と立ち上がるも、「得意って、本役じゃないですか、物真似じゃないんだから」
と突っ込まれます。
映像つきの方がやりやすいです、といいつつ、スクリーン見てた保志さんですが、
けっこう大変かも、とすこし弱音。
イベント用にはしょって編集されてたりしますね。
BGMも消されて、保志さん生で「それでも、守りたい世界があるんだ」
イベント中一番耳が幸せな場面でございました(_人_)

以下続く

種リマスター48話 終わらない明日へ2

2012-11-24 03:57:06 | SEED DESTINY
続き。祝日だってのもあって、今日は金曜日だってことを忘れていたかも。配信(生コメンタリ)もみなかったしな。
運命始まる前に、現時点での運命所感も今後書いてみようかな、と思いつつ。
こんなブログに価値なんてないことはわかってるんですが(・・;)


「核を撃たれ、その痛みと悲しみを知る私達が今また同じことをしようとするのですか?」
「撃てば癒されるのですか?」

これだけで根拠にするのは弱いですが、
ラクスの「危機感」がどこにあったかという部分なんですが、

わりと、ついこの間、たまたま検索で見たブログで、ラクスはラジオ放送をしてる時はよかったのに、
という意見で、
はあ?なに暢気なこと言ってんの?本編みてないの?
と思ったわけで、なんでそう自分で思ったのかなーと思ったんですが、
ようは、ラクスは「プラントに 民間人に対して 核を撃たせたくなかった」んではなかろうかと。
「今まさにプラントが核による大虐殺を行おうとしている」(=ジェネシス)ことに対する危機感と現状認識が決定的に欠けてるんだろうなと
ラクスは話を聞いてほしかったわけでもないし、歌を聴いてほしかったわけでもない。
殴ってでもとめたかった。
じゃあ、ピンポイントでパトリック以下、首脳部を実力で排除すればよかった、とそれですむか。
ラクスは、プラント総意でもって、自らの誓いを守ってほしかったのではなかろうかと。

ラクスがなぜ動いたか、「なぜそんなものを、プラントはすべての核を放棄すると」
というあたりが、案外あったんではなかろうかと前々から思っているんですが。

キラ+ラクス、とアスランが、戦うというとこに対して、真逆とも価値観を持っていて。
アスランは31話「ピアノが好きで、まだ15で、それでもプラントを守るために戦っていたあいつを」
というように、プラントを守って戦う者達=(ここではピアノだの15歳だの付加価値がついてはいるものの)
褒められるべき、肯定されるべき、報われるべきという感覚が窺える。
自分達が軍人だという自覚と覚悟がない。当然、同胞たるキラに殺されたという部分は大幅に差し引かなければならないが。


「撃たれるいわれなき人々の上に、その光の刃が突き刺されば、それはまた果てない涙と憎しみを呼ぶでしょう」
「核にもあの光にも絶対にお互いをうたせちゃダメだ」
「地は焼かれ、涙と悲鳴は新たなる戦いの狼煙になる」
「誰かが泣いてる・・・また」
「だって、戦いのない世界を作るためだからってこんなにも多くの血を流さなきゃならないなんてどうしても僕には正しいと思えないから」
「戦いによって勝ち取られた世界は、また新しい戦いを呼んでしまうんだ」


キラとラクスサイドは、戦いの連鎖を止める。相手に撃たせないと同時に、
「撃たれてもしょうがない人間」とも言うべきものを想定してる。
それこそが、
「守るためとはいえ、もう銃を撃ってしまった僕だから」

自らの意思で銃を持った人間、戦場にいる人間、すなわち自分達ということになる。

「たとえキラが戻らなくても、私達は戦わなければならないのです」


キラとラクスの立ち位置としては
①民間人への虐殺を止める
②どんな理由であれ、銃を持った人間は、撃たれるべきでない人間ではない。


という二点を最低限抑えておくべきかな、とは思った。

血のバレンタインという同じ事象において、ラクスとアスラン(というか大方のプラントの人間)はある意味で対立している。
アスランがプラントが撃たれることに恐怖を感じ、
ラクスは、プラントが「撃つ」ことを恐れていた。
シーゲルの「そんなものかね我々は」ラクスの「同じことをしようとするのですか?」「同じように罪なき人々や子供を」
クライン親子をそこまで追い詰める理由のひとつは、プラントに未来がないことも関係してるかな、と。
「婚姻統制を引いても出生率はさがる一方なのだぞ」「われわれは進化したわけではないぞ、パトリック」
「婚姻統制をひいてもなお生まれてこない子供達。すでに未来を作れない私達のどこが進化した種だというのでしょう」

結局プラントの人間がラクスの言葉を聞くようになるのは、同胞がブレイクザワールドという蛮行を起こし、
自らが虐殺の加害者になってからで、ラクスとしては「それじゃ遅かった」ということになるまいかと。

加害者の自覚を持ちながら、なおそれを背負い、現状を変える為に報われずとも個人として立ちあがれる、
それがラクスがキラをパートナーとして選んだ部分かな、と。

ラクスにとって最も問題としていた意識、プラントの被害者意識と、自らの加害と武器持つことの自覚の欠如。アスランもまたその負の担い手だったからこそ、厳しかったからのかもな、と。それこそが、プラントを蝕むものであるからこそ。


戦わなければならない。それはあくまで苦しみながら。
キラが泣いているのに、それでも戻ると言ったので。

フレイは平和の中にいて、それが普通だった。だから貴方は泣かないでといった。
ラクスは、常に、戦い(戦争ではなくとも)の最前線にいた。(シーゲルと共にプラントを築いてきた)
だからこそ、「戦わなければならないことを知っていた」からこそ、泣いていいのですよ、と言った。
貴方はもう戦わなくていい=泣かなくていい
戦わなければならない、でないと得ることも守ることもできない、だけどそれは苦しいことだから、泣いていいのだと。

差異はこんな感じに感じるかも・・・

種リマスター48話―終わらない明日へ

2012-11-18 16:07:54 | SEED DESTINY
ついに最終回~。

キラとフレイ。
どっちがよかったんだろう、という印象が定まらない部分。
フレイの言葉がキラに聞こえていた方がよかったのか、そうでないのか。
私は、以前から(とっても当時からってほどではないけれど、ごく最近)
聞こえなくてよかったと思っていて。
というのも、聞こえていたら、キラは立ち直れなかったんじゃないか、と思うから。
フレイの最後は美しすぎて、逆にキラには重すぎやしないかと。
フレイは人間くさいといわれるキャラだけど、むしろこの場面だけだとラクス以上に女神になっている気も・・・
最後の想いだからかな。
キラへの愛というよりは、キラへの理解かもしれないな、と。

聞こえていれば、キラへの救いになったのはちょっと思えなくて。
あの言葉がキラに聞こえていて、キラが「報われた」「嬉しい」とは思えないだろう。とても。
僕が守ってあげなくちゃならない人。そこにあるのは、相手の幸せとか自分の幸せを度外視しか、自責の念で。
フレイの愛というのは、キラが望んだものではない。だから、たとえフレイが愛してくれていたとしても、キラの救いにはならないだろう、自分を憎みながらでも、あるいは自分が死んででも、フレイに生きて欲しかっただろうから。だから、聞こえることが、知ることが、キラの「救い」になるとは思えない。

だけど、キラは知るべきだったのではないか、という観点から見れば、聞こえていた方がよかったかもしれない。
その重さを背負えるならば、聞こえていた方が、キラの為になったかもしれない。

ただ、キラがまるきりわかっていなかったわけじゃなんだよね。自分を利用したひどい女、として、キラにとってのフレイは亡くなったわけではない。
その姿を認めた時、守れた、と思った時に、自然とお互いに笑みが浮かぶほど、大切な存在であることに間違いはなく。
愛とか恋とかいうのではなく、どんな形であれ、築きお互いを想ってきたからこその絆としかいいようのないもの。

フレイが、キラを利用することに傷ついていたことも知ってる。だからもうやめようって言ったわけだし。
フレイの苦しみとか、悲しさとか、苦しんでしまう優しさも知ってると思うんだよね。
「ずっと苦しかった」「怖くて」「私なにも知らなかったから」
この部分までは、届かずとも、キラは知っていたと思う。
「とても自由だわ」「とても素直に貴方が見える」「貴方はもう泣かないで」
はやはり届いてないし、届かなければわかならない。
届いた方がよかったのか、よくなかったのか。
それはフレイにとっても。聞かせたかったのか、キラは知らずとも、自分の想いは自分がわかっていればいいと思っていたのか。
なんとなく、フレイもキラは知らなくてもかまわないと思ってそうな・・・
むしろ、自分の想いは知らず、自分のことは忘れてくれても構わないと思っていそうな気もね。
運命3期のEDの絵にも影響されてるかもだけど。
キラの「なぜ君が」「君に何も」というのも凄いよな、と思う。
キラもフレイに受けた仕打ちは消して妥当なものでないのに、「僕が傷つけた」と合わせて、
そこまで大切に思えるんだっていうか、その誠実さが。

フレイの想いは、愛とか母性というよりは、もっと童心に近いものだった気もしたり。
ステラの「シン、好き」に近いというか。
序盤の、なりふり構わず父親を(ラクスを人質にとって)助けようとしたり、
サイを庇うために、キラを連合に(事実上)差し出した時の心情と、それほど違いがあるかな、と思うし。
「とても素直に「貴方」が見える」
フレイは成長したから、コーディネイターへの偏見がなくなった、とかではなくて、
それにやっぱり、みな大切とかいうのは嘘、だろうし、
コーディネイターならコーディネイター同士、ナチュラルならナチュラル同士、
同じ国の人間か、血がつながっているかどうか、恋をしてる相手とそれ以外か、
そういう観点で、優先順位がつくのは当然だし。
フレイはただ「キラ・ヤマト」という人間を「素直に見れるようになった」
その見方、捉え方、それに伴う、自分の気持ち、こそが「自由」で
成長、というのとはまた違うかもしれない。

この作品のメインキャラ、キラにせよアスランにせよ、カガリにせよ、フレイにせよ、サイにせよ、
元々、平時においては、十分以上に、優秀で人柄的にも優しい人達だけど、
戦時という異常事態だからこそ、それぞれ荒れなり問題を見せたわけで。
そういう意味では、それぞれ課題として、戦争 によって突きつけられたものを受け入れるまでの物語かな、と。
あまり人としての成長って意図は少ない気がするんだよね。よくも悪くも大人になるという面はあるけれど。
キラだったら、銃を撃った自分、人を殺した自分、自分の歪な出生の事実を受け入れ、
守れなかった人と、その後悔を抱えながらも、自分自身の未来を望むことかな、と。
ある意味汚れた自分を受けれるという面があるんじゃないかなと・・・
アスラン、シン、フレイは、家族を殺された痛みを受け入れることというか・・・そういうと軽くなるけれど、
このままにはしない、こんなのはおかしい、という観点で、
”力”を望んだのは、無力な自分を否定する為。世界にコミットするため。
ただ、自分の悲しさに向き合うを超えて、誰かを傷つけ、世界を変えるという代償行為。
その中で、フレイが望んだ力がキラだったからこそ、相手もまた人間だということに直面せざるをえず、
アスランやシンは、軍という組織と、自分という個人の、
望みの一致や隔離に一喜一憂するのかなーとも。


なんだか脱線したけれど、現状ではフレイの言葉がキラに届かなくてよかった、と思いながらも、
キラはそれも背負えるほどに強かったんじゃないかな、という感じもするかな、と。

しかしながら、フレイの言葉が届いていないから、というのみならず、
このラストにおいて、キラとフレイの物語というのは断絶してるな、と。
キラは後半、クルーゼに立ち向かっているわけだけれども、
思った以上に、そこのフレイというモチベーションの比重は大きくないかもしれない、と思った。
「人はそんなものじゃない」「守りたい世界があるんだ」
という言葉からは、「希望」が窺える。
「アスラン」「カガリ」
と、キラが、アスランとカガリに気付いて声をかける様子を見るに、
フレイを殺された恨みで盲目的に、クルーゼに向かっていたわけでもないことが感じられる。
「人はそんなものじゃない」とキラの言葉にかかる絵が、カガリとアスラン(ヤキン・ドューエ潜入時)
だったり、あとラスト。
そういう意味では、前半、キラと深い関わりのあったフレイの死という局面がありながら、
後半の戦いと、その中では、あくまでキラの希望として、アスランとカガリを主軸にした、希望を求める戦いに、
わりとシフトしてるかな。それでも、守りたい世界があるんだ、というのは、恨みからでる言葉ではないし。
最後、希望の光のように、アスランと、カガリが迎えに来てくれる。
キラにとっては、家族といってもいい2人。
(幼少時から一緒だったアスランと、血のつながりもあるカガリ)
キラのヘルメットの中に浮かんでいる指環も、
恋人(ないし結婚=新しい家族)のベタなイメージが全くないってこともないんじゃないかとも。
監督が、物質的な形に否定的とはいえ、トリィを使った演出等への言及みるに、丸ごと否定ってわけでもなさそうだし。
今までと、これからの、キラの人生に対する、希望としての、アスランとカガリとラクス。
それは、他のメンバーにとっての、キラも同様だけど。





種リマスタ47話―終末の光

2012-11-10 19:03:12 | SEED DESTINY
今回はナタルさんにもってかれる回(T_T)うぅ、ナタルさんナタルさん・・・なにもあそこまでしなくてもorz


AA首脳部三人、マリュー、ムウ、ナタルという三人が、
ナタルのいる艦がムウを撃ち、アークエンジェルがナタルのいる艦を撃つという、
初期からアークエンジェルという艦を守ってきた三人の帰結。
そして事実、この帰結により、アークエンジェルは守られたという事実。

今回は、ナタルのマリュー回想が印象的。
フレイの「皆やっつけて」「でないと戦争は終わらないもの」→自らの手に(それを知らず)皆やっつける手段=核を掌中にしてしまう。
ナタルの「軍の為、艦の為」「上官の意志を速やかに実行する兵士」「自分達が生き残るために」という論。
それが、グロテスクなまでに、極端な形で、眼前に突きつけられた その結果。
ナタルの言葉が間違っているわけではない。彼女自身も、自分が間違っていたとは思ってないとは思う。
ただ、「これは違う」と思う心。人として、これは違うと。

キラとアスランもそうだけど、恋愛とはまた違う、
同性に対する、認め合いと、反発。そういった要素の強い作品だな、とは思う。
マリューとナタル。あるいは、ミーアとラクス。

誰かを信じ託す想い(→マリュー) 誰かの望みを汲んで背中を押してやる想い(→フレイ)
そんな場面で、苦痛の中で微笑めるのが、ナタル・バジルールという人だったんだな、と。



そしてムウ。
わりと最初の方の感想で書いたけれど、
ムウほど、ルールや道義を超えて、まずは自分(達)が生きるということを認識していた男はいなくて、
そんな彼だけが、愛する女の引き換えに命を落とした(生きてるけれど)
キラにせよ、アスランにせよ、シンにせよ、守りたいものの為にならば死んでもいい、という意識はどこかあったと思うんだけど、
そんな彼らは、守りたいものを守れないまま、自分は生き残ってる印象もあり、
そこは、まずは自分の為だけに生きることを知る男こそが、真に誰かのために死ねるという、
作品自身の矜持もあるかもなとも(生きてるけど)

実のところ、空白の二年間、ムウかトールが生きていれば、という仮定は気になる。
同性同士、キラ側の事情(AAに乗ってからのキラの置かれていた状況を知っていたトールや、出生の事や、キラが戦うことになっていた経過を知っていたムウ)を知りつつ、キラと接せられる唯一の2人が戦死してしまったイメージがあったりする。
サイやアスランは、キラと心情的に距離があったり(なんだかんだで想い入れていた婚約者がキラにいっちゃったわけで、プライド的なところもあるし)アスランも、キラを気にかけていたのは事実だけど、どうしても庇護対象としての扱いになるようになるし(逆に、そうやって傷ついたキラ、という理解で、わだかまり(敵対やニコルやラクスのこと)を棚上げにしていた部分もあるかなと)

わりとキラって、相手との時間の積み重ねや経験、相手の立場や価値観によって、
分け合う部分や見せる部分を考えてるイメージもあって、
アスランには見せるけれど、他には見せない面とか、
ラクスには見せるけれど、他の人には見せない面とか、
ほんとにちょっとずつだけど、そういった部分がある気がして、
キラって、ムウさんには一番遠慮がないので、そのあたり今後(運命後)どうなるかなーとは思ってる。
あとマリューさんね。それに近い意味では、やっぱAA大人組って、キラにとってちょっと距離が違うかな、と。
上役でもあるし、仲間でもあるし。
運命でのキラマリュの会話も、お互い(ナチュラルとかコーディネイターとかの種族の違い以上に)
艦長とパイロット、女性と男性、大人と子供な感じで、お互い恋愛対象とか同等だとか意識した時は一瞬もなさそうな反面、
誰かこそ見せられる面とかありそうかもなーとも。
マリューがここでムウを眼前で亡くし、キラもフレイを眼前で亡くし(トールも)
お互いそういう部分承知しつつ、マリューの方に、一貫して自分の方が(年齢的にも経験的も)上だという自覚がある気もしつつ・・・
・・・だんだんなに書いてるかわかんなくなってきたorz
このあたりの経過は、元々のアークエンジェルクルーの中で背負いあっているものあるかもなーと思ったという感じ。

核の撃ちあいについて、なぜそんなことを平然とできるっていうキラの台詞、
ステラの時も言っていたと思っていたけれど、記憶違いだったorz
個人で背負えるものかどうか。
それが国とか大義とかが背景にあると思えばできてしまうことではあるんだと思う。
種が個人を強調するのは、自分で背負える以上のものはしないというのが倫理的なストッパーになるからかなとも。
そのつもりがなくとも、主観的には善意ないし必死だったとしても、
背負いきれないものに関わってしまったキャラは退場してるイメージも(フレイやミーアやステラ)

ラクスの独白。
可能性の話。このあたりは、僕達はそれを知っている。わかっていけることも、変わっていけることも、
に繋がる部分かもしんないな。
争わなくてもよかった。争わない道もあった。
ここに至ったならば。促すものは 自責 そのものかもしれない。
そうでない世界を信じること。そうである今を疑うこと。
本当に?
血のバレンタインで始まり、ストライク起動からのキラの戦い。
ラクスの言葉に連なる回想が、アスランとカガリの嘆きと、キラの嘆きに寄りそうラクスの手で収束するならば。
後悔するならば。改めることができるなら。
でも、キラが泣いているのにそれでも戻るといったので。
だから、彼女もここにいると。

種リマスタ―45・46話 悪夢は再び・怒りの日

2012-11-03 17:14:48 | SEED DESTINY
運命34話ででも悪夢というタイトルが使われているけれど、
核とか遺伝子調整という、人の夢、ひいては人の技術の悪しき出現をこういっているんあろうか(運命の方はレイ視点。ただ、クルーゼもレイも別にキラのことを嫌いとか憎いとかではない気もする(ある意味では認めている部分もあるのかも)人の夢そのものへの否定であって、キラ・ヤマトという個人へのこだわりではないかもな、とも。

早々から脱線したorz
46話あたりまで、キラとアスランと個人的な部分にフォーカスが当たっていたのが、
今回は極限状態まで悪化した世相を描く。

気になったのはNジャマーキャンセラーの認識、個々の台詞を見ると。

プラント上層部(クルーゼの誘導もあり)クライン派が渡したと思ってる。
エターナル(虎さん)Nジャマーキャンセラーは双方が持っていると思っている。プラントにもNジャマーはあるという言葉だけみれば、連合は連合で独自に作ったと思ってる気配あり。
ムウさん、クルーゼの言葉とフレイの言葉を鑑みて、クルーゼがフレイにNジャマーの情報を持たせて、
自体がどう転ぶか高みの見物をしていた。フレイが撃墜されるか第三勢力(というかキラ)に保護されていたら、核情報は連合の手には渡らない。
クルーゼとしても、フレイが連合側に保護される確率をそれほど高く見積もってなかったかもしれない。
ナタルがいなければ、果たして保護したか。ナタルがおらず、そしてあるいはフレイが戦争を終わらせる鍵という言葉を口にしなければ。
作品的には、この役割をフレイにやらせた時点で、フレイを生き残らせるつもりはなかった気もな。
背負える重さじゃない気がする・・・。

しかし結論としては、なにをやってたんだムウさん・・・orz
(その情報(=クルーゼが黒幕)をプラントに渡せなかったのかなー?とも。まあそれやると話が終わるしな)

そのフレイ(とナタル)
キラが生きていた。皆とも話がしたい。なにも知らなかったから。
知らずに済むなら知らない方がいい(見ない方がいい)
ツイッタみるに、監督見ると、監督自身はわりと後者の考え方っぽい。
(監督自身も自分は上側の人間だって意識あるかもだが)
極めて純粋な気持ちでキラに会いたいとも思っているんだろうけれど、
感触的には、愛とか恋とかいうよりは、もっと今を生きる、今と向き合う為の「縁(よすが)」なイメージかな・・・
キラとの未来に具体的なビジョンがあるようにも見えないというか・・・
それはキラもだけれども。
よく、キラとフレイがもう一度、話ができていたら話ができていたら、と言われるけれど、
果たして、伝えたい言葉や想いがあったかな、という印象もあるんだよね・・・
再会できたとしたら、「ごめん」「ごめんなさい」「ありがとう」
以上の言葉やその先があるかな、というと、それはそれでイメージできなくて。
よく監督に、キラとフレイの可能性についてリプ飛ばす人が(というか、偏執的なまでにキララク(キラ→ラクス)は恋愛じゃないという解釈をぶつける人が度々でてくる気も)
キラとフレイは、お互いの心情については、概ねわかっていたと思うんだよね。
自分に対する愛情や執着や罪悪感。全部とは言わないけれど、なにか誤解や思い違いがあったといえば、それはないと思うかなというイメージなので、
話ができていれば再会できていればというのが、明らかにそうすればキララクにはならなかったのに(それはアスラクに対してもそうだけど)というメッセージが滲んでいると、盛大にもにょるというか・・・。
以下ちょっと愚痴なので
ところでナタルとフレイだけれども、彼女達だけじゃないけれど、
ここにきて、あまりいい人、いい子にされるのもんー?と思う。
フレイの嘘っぱちの演説と、それに便乗する形で、ヘリオポリス組の志願を受けたのはナタルだし・・・
どうもキラに戦わせたというのはイメージとしてはマリューやムウが強いけれど、
11話以降は、フレイと(俺も考えていたことだと浅はかに便乗した)サイ、そして大人の分別ではなく、軍人としての打算(元々キラの両親を人質にとってキラを戦わせようって提案してた人だし。フレイは自分ともどもキラの友人を人質にとることで、キラをAAに残そうとしたわけだし。色仕掛けに屈したと思ってる人多そうだけど、元々の意図は悪質さが過小評価されてるというか・・・
。たしかにフレイは成長キャラだけど、逆にこんなに成長したんだからと綺麗な展開にしようと製作サイドがしすぎた印象も。フレイやナタルが元々気質的には極めて善良で優しい人だということはわかる。ナタルは成長ってよりは、AAでは自分の立ち位置はこれだと決めていた印象もあるしね、ドミニオンでの彼女の方が本来の彼女に近いかもとも)
ただ、読者の読解力がなくてフレイの成長や想いが伝わってなかったのか?とも思う部分がね、前々からキラファンはもっとフレイを支持してもいいんじゃあいかと思いつつ、キラファンの支持はラクスが圧倒的なイメージがあるんで(同人ではそうでもないけど)なんでかな?と。伝わってないからだけなのかな?とも思いながら。逆にフレイ絡みじゃキラがあまりに責められる立ち位置に立っちゃっているからそれもあるのかなとも。リマスタ見てると凄い丁寧に描かれているし、ナタルとフレイ(正直マリューやラクスより丁寧な気がする)そのあたり、逆なのかな?と。運命のキラもそうだけど、丁寧に描かれてるキャラの方が人気伸びないの?と。
からそれを受けたのは、マリューに無断で(というか彼女を飛び越えて上と話をつけた)ナタルであり、
そのあたりの責任が棚上げにされた状態での後半での魅力的な描写は、製作側の意図が露骨っていうか、キラやマリューとの対比のさせ方がね・・・
キャラを聖化してないかな?という部分もあるかもと(サイやアスランやイザークあたりにもある気がするが、前半の都合の悪い部分は無視されがちというか)
なんだか、ネット上やスタッフ間では熱心な支持を受ける割に、
一般的な人気投票ではいまいち票が伸びないキャラってそういうキャラに多いかも?ともこっそり思ったりも。
製作者に叩かせたくない「逃げ」を感じるキャラっていうか・・・
キラみたいに、もともと他人を利用したり侮ったりという視点のないキャラ(キラって人間的には実のところあまり成長幅のないキャラだと思うんだよね)の方が(カガリもそうだけど、どちらかといえば現状を受け入れるまでの葛藤や揺らぎはあるけれど、本来的な気質にそれほど変化はない感じ)いまいちインパクト薄くなるのか?とも。



連合が核再使用。そして今度はザフトがジェネシス使用。
ボアズが撃たれるまで核使用を想定してなかったプラント側っぽいので、
一方的に連合をなぎ払う為にジェネシスをザフトは用意したという見方でいいんだろうか。

キラ達が愕然とする端で、ザフトはパトリックの演説に「ザフトの為に」の大コール。
相手が軍人ってのもあるだろうけれどもさ。
パトリックを支持した人間、まさに眼前で目撃した「自分達」の虐殺を、
一心に支持するその姿に対して、
(青き正常なる世界の為にっていってた連合の兵士は末端だろうけれど、
あそこで大喜びしてたザフト兵は、まじで中枢メンバーだろうしな・・)
運命ではなんの反省もなく、パトリック一人を悪役にして切り捨てて、
今度の議長は大丈夫だろう、とばかりに同じ間違いを犯した(評議会承認なしの議長の行動をさして問題視しなかった)
プラントは救いようがないと思うが、(アスランもそうだが、その時々で検討せずに、変えた先は今度は上手くいくという根本的な見込みの甘さがね)
作品的にミーアの件は失敗だった気がするんだよね、プラントはいかにバカで無責任っていう演出にしかなってない気がね。
結局、自分の中にある、攻撃衝動、他者に対する優越感、復讐心を個々が向き合わずに、
他人を排除しようとする心はパトリックのもの、そして逆に、良心のエビデンスをラクスにして、
こうであってくれないと困るとばかりに、他者に理想を押し付け、自分達がどうであるべきかではなく、他者がどうであるべきかを優先し、
他人を攻撃したい時はパトリックを掲げ、その時が過ぎると、用済みのパトリックという「戦犯」は切り捨て、
今度は平和の歌姫とラクスを持ちあげてたのが運命のプラントだったかなーと、

と、そろそろ各人恋愛模様に。

新規できたアスカガキスシーン。
ここからアスランの「おまえ守ってねえじゃねえか」「どう見ても頭の中身はカガリよりキラだろうが」
という突っ込まれ人生の幕開けです。
早くも最終戦は、カガリを守ったのはイーザクという状況に!!
とまぁ、冗談はこのくらいにしておいて。
アスラン→カガリが強くなってたというか・・・
カガリは姫だから恋愛にはシビア的な感じで、もっと切ない感じになるのかなーと思っていたら(アスランの片思いちっくな)
そうでもなかったというか、
どうしよう萌えと(アスランの積極的な所にね)と動揺と入り混じったこの複雑な感情。
どうも、女の子の腕ひっぱって寄せてキスするのはどうよ、男ならそこは自分から行け!!
という変更だったようで・・・それだけなんだ・・・わりとストレートにアスカガ好きさんにサービスなんじゃね?ともちょっと思った。
ただ、キラフレの最初のキスシーンに似てるという意見もあって、なるほどな、と。
守る。だしね。
個人的な心象としては、むしろアスランの心情は、この時のラクスに近いんじゃなかろうかとも思ってる。
ラクス→キラが、キラの心情への心配なら、
アスラン→カガリは、出撃するというカガリへの心配というか。
カガリが出撃するって聞かなきゃキスしなかった感じなので、
俺が守るということ、絶対に死なないでくれという思い。
これは必ずしも未来への誓いじゃなかったかもと。
カガリが危険に身をさらすというところで、感じていた 慕わしさ が一気に形になった、というか、形にしたいという感じかな。
クライン邸の時は、ラクスを安全な場所に置いて、自分は戦場に行くという自己イメージだったのが、
今度は、同じ戦場へ、というのが大きいかもしんない。
意外にアスランってこういうところ(恋愛面ね)言われるほど不器用でもないし、積極的なところありそうでもありつつ、
カガリへの感情が恋に近いものであることは確かかな、とも。
キラフレパターン(傷の舐めあいと居場所)もあるかもだが、ただ、ならアスラン、フレイを見習え(フレイはキラを守ってるぞ)と思う。
個人的に、アスカガ好きなわけではないけれど、アスカガ破局に抵抗あるのは、
守るって言葉が大きいなーここが好きだ、とかだったら、ああそう勘違いだったのねーで済むが。
キラやシンにとって、戦う理由であり生涯の傷であり、生きる理由であること言葉だからね・・・


(この時の)アスランにとって、カガリが最初の女性なら、キラにとってラクスは最後の女性、な雰囲気ある気もね。
このキラの行動って案外評価分かれそうっていうか、
ラクスに対して(キラを想う)ラクスほどの想いがなかったから、と見るか、
この時のキラに帰ってくる気がないから(生まれてきちゃいけなかったのかな、が本編でないからキラがそこまで思いつめてるとは当初わかりにくいし、私は両澤さんの、キラは帰ってくる気ないというインタを根拠にしてるが)
あの表情なのか・・・。
ラクスの願いを受けつつも、「言葉では」返せず、行動(肩を抱き寄せる、頬にキスをする)
というのは、「自分自身に許した」(本当はラクスの想いを受ける気がないなら)触れるという行為とみれば、
キラってこの時点でラクスのことめちゃめちゃ好きなんじゃないか?とも思うしな。

ラクスの想いは、指環という一般的イメージではなく、
「貴方は世界のもので、世界は貴方のもの」「あなたにここに居て欲しい」
という言葉を委ねた感じでもあるかな。
貴方は世界にとって異端ではない、貴方が死ねば、世界は貴方を失うのだということを。
そういう思想的な部分で託すとともに、
私のもとに帰ってきて、はあえてエゴを押し出してる感じでもあるかも・・
貴方が世界を信じられないならば、世界が貴方を信じられないならば、
私と貴方だけの世界。わりとこの2人の映像に多いイメージな、海辺に2人だけ。
田中さんは、これはもし戦死しても魂だけは私の元に帰ってきてほしいって言ってたけれど、
監督夫妻どちらかの言葉なんだろうか??

アスランとラクス、キラとフレイの関係がこの段階でどうなってるんだ?というところもあるかもだが、
キラにとっては、フレイとは28話で、アスランとラクスは42話で終わってる感じっぽいな、とも。
このあたり、フレイが戦場にいることを知っている視聴者との認識の差があって、
この時のキラの頭にフレイのことはなかっただろうな、と思う。

ラクスだが、意外に、ラクスが泣きついたとか、膝枕といったことよりも、
ジェネシス以降、戻ったキラとアスランで、ラクスがキラにのみ視線を向けているって感じの方が、
ラクス→キラを感じつつも。
なんとなく、ラクスは、アスランは、キラやラクスがいなければ、今のザフトの人間であることは承知してるだろうな、ともちょっと思った。一緒になってコールはしないだろうけれど、じゃあ、今のザフトに独りでたちむかえたかっていえば無理だろうな、と知っていて、だからこそキラを選んだ面もなかろうかと。
ただ、キラの出生を知るラクスは、
人と人との争いが、どちらかが滅びるまでという最悪の局面を迎えたことで、
それをキラがどう見るか、というのはあったかもなー打ちのめされてないかと・・・
とにかく撃たせない、と 決められる(感傷はおいて)キラを信頼してるかもな、とも・・・
父が正気だったら→父は撃った。その衝撃を労るよりは(それはカガリがやっているかなと)
アスランも、キラとの敵対というイレギュラーがなければ、今あちらにいる人間だという、そしてプラントのほとんどの人間が、自らの傷みを撃って癒そうとする不毛の道を喜んで進んでいることを直面せざるをえなかったというか・・・
ジェネシス直後はハロを見つめていたラクスが、キラを送り出した後は、指環を外した後の自分の手の重なってみている演出も、ラクスの覚悟の演出なのかな?とも・・・

種リマスタ44話-たましいの場所

2012-10-20 23:48:56 | SEED DESTINY
キラキラいうアスランがなんだか癒しの回←

なにはともあれスペエディ移植あってよかった!!
実のところわりと楽観してたんだけれど(今までの監督のキララクの扱いから)新規もあるし、
ブルーレイにさらに新規追加で嬉しいな。
今後のキラ的に重要な場面は元々平井さんだし、変更点的な部分での気になる点はあまりないけれど、
見落としているのも多そうだしな
といいつつ、なにも考えずに見てた当時の解釈の方がもしかしたらあっているかもしれない。

キラ
フレイがでてくるまでの、戦闘状態、けっして自失していたりするわけじゃなく、意識もここにあるのに、
ただ追い詰められる状況が可哀想で・・・
(といいつつ、ヘルメットの前面あけて汗を飛ばす様子にヤラれているわけなんですが)
フレイを認識した時、というか、助けようとした時段階で種割れが解けているのが印象的だった。
なんていうか、生まれたの点と、今ここにいる点、その間の16年が崩れかけていて、失くしかけいて、
それを、自責、という観点で自分を取り戻したというか・・・
もしかしたら、フレイがこの場にいなければ、キラは飲み込まれていたんじゃないかと、そんな風にもおもった。
この虚空の戦場に。
そういう意味では、フレイという存在は、恋の対象とかそういうものではなく、
生々しい本能的な感情をキラから引きずりだす媒体的な役割を果たしてる部分もあるのかと。
根源的な生きたい、憎い、殺したい。キラとフレイの夜のシーンをわりと挟んでくるのも、そういう生々しさを演出したいのか?
とも思った。
ほんと棒立ちで、攻撃を受けても頓着しない。ここまで戦場のパイロットであることを放棄した場面というのはキラはほかにないだろうから、守る、という行動それに伴うはずの戦うすら目に入らないほどの要求。
守りたいという本能。
状況的に、キラ自身もムウの「彼女はドミニオンが保護した(=ナタルに任せよう)」という判断をした感じなので、
(アスランを振り払ったりお願いだから話してくれ的な懇願して再度行こうとまではしていないので)
フレイを求めてというよりは、守りたい、という意識が強そうなイメージでもあるんだけど。

守りたいという行動と、エターナルに戻った後、二度ラクスをフレイと間違えているけれど、
一度は(キラと心配げに呼びかけるフレイの幻)ごめんと言いながら気を失い、二度目は(砂漠のシーンの一間ですよね)
避けつつな感じで。
そのあたり、なぜラクスをフレイと間違えたか?に理由があるのかな。
若い女性ってだけなのか。それとも表情なんだろうか?
なにげに、二度目の幻でフレイが優しくも穏やかな顔してるのが、(キラファンとして)ほっとしつつも、不自然なのか自然なのか判断できないというか・・・。
わりとフレイって最初の方から、キラに惹かれている部分あったんではなかろうか、とも思ったりもしつつ(賭けに勝った、あとでさらに積極的に肉体関係持つようにしむける必要あるかな、と。力としてのキラには、執着もありそうだけど。
キラの傷つき、に怯え戸惑い、癒したいという女性的な部分あったのかな?と思いつつ、
15歳の女の子がけして愛してるわけでもない相手との行為に、演技であれ労りであれあんな風にできるかな?とは思うんだけど・・・どうなんだろ)相手(キラ)の精神状態もまともじゃないわけで・・いくら覚悟きめても限度ありそうなものなんだけど・・・ただ、監督わりと自分の感覚と10代の少年少女の感覚混在してるイメージもあるからな・・・

ところで回想シーンの中に、私がキラフレ!と思った場面がなかった。
砂漠編でサイに追いかけられていたフレイが、キラ見つけて腕くんだ時に、微笑みあった絵ね。
なにげに、体重ねてからちゃんと顔合わせた最初の場面であの表情なら、
お互い体だけじゃなくて重なったものがあったんだろうか?と思えてくるんだけど、どうなんだろ。

ただ、キラとフレイの場面を、こうして一連を回想シーンでやったのちに、
キラとラクスのシーンに繋がると、やはり回収っていっちゃうと言葉が悪いけれど、
平和の中で憧れていた少女、戦争で関係ができ距離が縮まりあい(悪い方向に)関係が交わり、その後の別離と、直接出会えた最後と、総括してるイメージなので、やはりフレイとのことは「過去」「哀しい夢」的な演出で、
哀しい夢を持つキラと、それを望み支えるラクスってのが たましいの場所 とうタイトルの帰結な気がする。
フレイの回想から、キラを泣かせるラクス(抱き寄せて膝を貸しつつ)
EDの手を取り合うキラとラクス
スペエディ移植の、生まれからくるキラの自己否定を受け止めキラを望むラクス
と3重でキララクと強調してるイメージだな。

ところでスペエディ移植の貴方を見つけて。
実はここ、私重大な思い違いをしていて、実は、膝枕から起きた続きのシーンだと思い込んでいたので、
けっこう慌てて解釈考えなおさないとと思っている所なんですが・・・
なんていうか、ラクスがキラの事情を知ったのは、
ある程度のところで不可抗力的な部分があったと思っていたんですよね、ムウなりマリューからなり報告受けて、少しだけなりとも事情を知っていたと。
泣いていいのですよ、だから人は泣けるのですから、というのは大きかったと思いつつ、
その後キラの精神的に、その言葉と感情を吐けたとはいえ、秘密を抱えた状態で、ある程度の日数過ごしたのかな?という部分。
あと、もう少しラクスの言葉というのは、なんの前情報もない状態で、とっさに投げた細い糸(それとも目の前を川に流されてく人見たから、とりあえず強度不足だとわかっていても藁にもすがる思いで投げた手元にあった命綱で、
やはりそれは細かったからこその、(ラクスもそれをわかっていたからこその)戻ってきてくださいね、とそれを聞いたときのキラの表情だったと思っていた部分があって。
確かに、キラも資料調べなおしたりして、もう少し事情を理解してからというのはわかる気もするけれど、
ある意味一番意外なのは、キラが秘密の分け合い手として、あえてラクスを選んだという部分ですかね。
私は元々キララクファンではなかったのもあって、三隻同盟時代の2人というのは、お互い意識しつつも、
基本的には指揮官とパイロットの意識でいると思っていたので、
プライベートを部屋で2人で過ごしてるのがちと意外だったというか。
(どちらかといえば、わりと進展してたんだひゃっほい的な部分もあるんですが←)
「あえて」「改めて」ラクスだけとその話をする場面を設けたと。
(アスランやカガリでもなく、すでに事情を知ってるマリューやムウでもなく)
指揮官たるラクスに相談って感じなら、軍服上まで着るだろうし、
キラが上着脱いでたってのが、あれですね。そのまま膝枕と直結シーンだとおもった理由もありまして。
キラAAにいる時は、たとえベッドに寝転んでいる時ですら、上着は着てた感じだったので。
妙齢の(育ちのいい)女性かつ、現状自分達のトップであるラクスと、上着脱いで部屋で二人きり、
というのがこう、予想してたイメージより距離感がずっと近くてそのあたりが意外だったんですよ・・・
(クライン邸ではパジャマだったんで今更ってだけだったかもしれないけれど)
(ただ、私の認識がコズミック・イラと盛大にずれてるかもですが。わりとフレイがAA合流後、キラとフレイがあっと言う間に呼び捨てで呼び合う感じになっていたのも意外だったので)
(絵的な演出的に、キラに「地球連合軍服」を着せておきたくなったというのもあるんでしょうが)
ただ、落ち着いて、冷静に話せるようになって、自分でラクスに打ち明けることを選んで、
ラクスがお父さん亡くしたこと、プラントにももう戻れないかもしれないこと、ラクスが自分に好意を持っていることを気付いたさらにその上に、キラが自分の意思で、自分の出自をラクスに打ち明けた上で、
最後、帰ってこないつもりだったかもしれない、というのが、キラ酷くない???というところで、
ちょっと思ってた推移と違ったかな、と。
キララク的に解釈変わるってわけでもなくて、あくまで推移が思ってたのと違ったという感じで。

ところでラクス。
今回、一人の女性としてのラクスではなく、指揮官としたのラクスのテンションがちょっとわからなかったかも。
今回何気に、ラクスが明確にザフト艦を落とす指示をだした回であり、
(ホワイトシンフォニーですでに同胞の血で手を汚してはいるんですが)(それに、かつて婚約者がいた艦であり、彼女も一時的とはいえいたことがある艦ですし(多分))
あと、フレイの声に表情を動かさなかったことと、戦争を終わらせる鍵、という言葉には反応していること。
父を殺されたことを受け入れていたこと(キラの胸で泣いた以外は)
そして例えキラ達が戻らなくても~という言葉や、戦力はさけない、とアスランを面と向かって戦力として表現したこと。
等々、ものすごい張り詰めている感じがして、
昨日は、カガリ・フレイの少女の弱さに比べての強さかな、と思ったんですが、
むしろ、ラクスもまた硬直した信念、みたいなものに縛られていたかな、と。
ラクスは運命の方が女の子女の子してる印象もあって
(無印は、前半の明らかに演じている天然と、後半の毅然とした指揮官と極端に分かれてる感じがするかな)
運命のラクスは普通に女性らしい女性かな、と思うんだけど、
無印では「厳しくする人」が「他にいない」というのがあるかもな、と。
それはプラント市民だったり、アスランだったり、療養中のキラも。
キラも、AAからの当初からの意識は自分しかいない、僕がやるしかない、という部分があると思うけれど、
ラクスも強さとかではなく、厳しい、身内に厳しく する人間が他にいないというのがあったかも。
運命では、身内に厳しくは、キラが引き受けている印象(対アスラン、対カガリに対して、キラが厳しく、ラクスがフォローといった感じになってた部分もあったので)
そういう意味でも、キラはラクスを守り庇っているかもしれないと思った。
あと、ラクスも二年で成長して、余裕ができたのかもとか。そういう意味では現状ラクスもまた無理をしてる子供かな、と。
銃を撃ったものの責任、キラとラクスのその責任の感じ方は似ていて、
どこか自分の「振る舞い」を律してる印象もあるかもなーと。

今回、アスランとラクスがそろってキラの心配してる場面がいくつか。
キラが守るという思いに縛られているなら、
アスランもまた、キラという人間への、保護意識は刷り込まれていそうかな、と。
ラクスもまたキラを心配するものとして連帯意識ありそうで、
そのあたりの長年の刷り込み的な部分は大きいな、と。
逆にキラもそのあたりわかっているから、
諍いや対立あっても、なんだかよくわからないけれど キラが苦しんでいる と思えば必死に助けてくれる人だから、
というのはわかってて、
でもそれは必ずしもキラを理解、尊重してるわけでもないから(親的な独善性なもので)
ジレンマ的な部分あったかも、負い目でもあって。
それが悪い方の面が重なったが「なぜ君はそれがわからない」とカガリに自分を被せての、そんな表明になった気もするが。
アスランって実のところ、難しい問題を難しいまま考えられない人じゃなかろかとも思ってて、
自分の理解と周囲の状況が概ね表面的にでも一致してればうまく振舞える人だろうな、とも思った。
なのでキラが苦しんでるか、と思うから、カガリを引き離したりと、そういうキラの立場にたった行動がとれた・・んだけど。

さてカガリ。実は今日はわりとカガリのことを考えてた。
キラに対して写真のことを聞こうとするカガリは、無神経に見えて、正直昨日はいらっとしたんだけど、
平たくいえば、カガリが 場違い に見えたんだよね。
だけど、考えるでもなく、カガリもまたその写真に写っている「当事者」なんだよね。
事象を知っているこっちから見れば、キラ「側の」事情の重さをわかっているから、
カガリが恵まれてるようにも、行動が無神経なようにも見えるけれど。
キラ側の事情のエグさに霞がちになるけれど、
自分の親が本当の親じゃなかったかもしれないというのは、
アイデンティティロストとしては軽くない。
彼女はその身分からオーブ国家元首という重責が控えているという意味では、キラ以上に切実な問題も抱えている。
そのアイデンティティロストのケアを、カガリはだれにもしてもらえなかったイメージも。
カガリの事情を全部わかった上で接する人間はいなかった。
「想いを継ぐものなくばすべて終わりぞ」「そんな顔をするな、オーブの獅子の娘が」「兄弟もおる」
「今は考えてもしょうがない」「カガリのお父さんはウズミさんだよ」
「今はまってやれよ」「あいつ、なんだかボロボロだ」
わりとカガリはその全てを馬鹿正直に受け入れた気がする。
想いを継ぐ、オーブを継ぐ。私は獅子の娘。
初めはキラに期待したけれど、ラクスの登場でキラを取られた気持ちはあったかもしれない。
出自に関わる疑惑から締め出された。まってやれ、あいつはボロボロ。
私が守る、弟かもしれないから。
出自のこととか、全部棚上げにして、キラを守ってくれる対象から、守る対象にして、
そして獅子の娘として立つと。カガリは実の両親の名前も知らないかもしれない。
カガリが宇宙にあがってから、ずっと軍服ではなく作業服でクサナギで指揮官席に座ってないのが気になっていたけれど、
逃げ、もあったかなと。
ただ、自分自身で納得してというよりは、まわりの言葉を(それぞれの意味で真摯な言葉なんだけど)
かき集めた上に乗っていた上なので、運命でそのもろさがでたかな。
キラにしても、カガリの獅子の娘という自己イメージを損なわせたくない、メンデルに関わるものを背負わせたくはないというのがあったんではなかろうかと。


フレイ。
嘘の反転があったかな。お父さんが死んだ事実に「嘘」キラが生きていたことに対する歓喜の「嘘」
鍵を持っているわ、死にたくない助けて、という意識と、戦争を終わらせるため、これを失わせるわけにはいかないという使命感両方あったんだろうけれど。
「私ここ」「フレイです、フレイ・アルスター」「アークエンジェル」「マリューさん、サイ」国際救難チャンネル
「鍵を持っているわ」「だから」
パニくりながらも、すこしずつ「伝わる言葉」を選んでいっている印象も。
父親が亡くなった直後、砲撃に無反応だったところから、ここまで感情を戻したのは、
キラとの関わりと、撃った銃をそらしたミリアリア。
人との関わりの中でこそ癒され、それゆえに償おうとする感じなんだろうかとも・・・。

ナタル。
フレイに対して優しさを見せる。本来の気質なんだろうな。優しさと厳しさを両立させることが上手い人なのかもしれない。
わりとアズラエルに従いつつ、心情的には従っていない所を隠さなかったり、意見・反論するところ、
・・・実は気質的にキラと重なる個人的に。「卑怯だ、貴方方は」と言いながらストライクを受け入れたキラと。
意外と気があうとは違うけれど、相性よさそうっていうか、
実のところ、キラともっと絡んでほしかった人ベスト3に入る人なんだよね。


ラスト。
「間もなく最後の扉が開く。私が開く」
「そんなことは俺がさせない」
「僕が傷つけた。僕が守ってあげなくちゃならない人なんだ」
メンデルで立ち会った3人の「自分」のすること、その決意がなにげに印象的だった。受けての立ち位置というか。

種リマスタ―42・43話 螺旋の邂逅・開く扉

2012-10-13 20:58:27 | SEED DESTINY
キラの出自判明回。


フリーダム搭乗以降のキラの いわばテンションについて、意外と細かく変容してるかな?という印象も。
わりと大雑把に、ストライク時、フリーダム時、運命時くらいでくくってたんだけど、
そうでもないかな、と。
フリーダムを受け取った時は、どちらかというと、開放感が強い印象、ちょっと言葉は悪いけれど、選択に自由度ができたことへの躁状態的なとこもあったけれど。
(アスランはわりと無印合流後は一貫してこの段階にいる気がする。父のことが懸念といえば懸念だけど、逆に父親の言動にあそこまで極端だと、間違っているのは相手だという部分では揺らがないだろうし。まさかあんな死に方をするとはおもってなかっただろうし、現状、キラやラクスと敵対せずに済んだことに対する安堵感が強い部分もあるかな、と。キラやラクスとの距離に対する戸惑いや寂しさはあっても、気を許せるカガリやディアッカもいたわけだし)
「命令のままに」戦わない道もある。AAの危機が「僕は戻る」というきっかけになり、実際フリーダム搭乗後AAに戻っていいて、
ストライク時とそれほど自分の役割みたいなのを変えてないかな、と。心情ベースは違うんだけど。
具体的な道を定めたわけではない。
それが見えたと思ったのは、オーブかな、と。
「正しいと思うよ」「一番大変だと思うけれど」
オーブとウズミを見届けた段階で、キラは ウズミに倣う 気持ちがあったんじゃないかな、と。
憶測ですが・・・。
なんだか、宇宙に上がってからのキラを見てると、悟っているというよりはなんか儚い感じがしまして。
「僕達はまだ死ねない」
この時の心情というか、「まだ」「死ねない」キラとアスランの比重がそれぞれどっちが重かったのかわからないけれど、
この心情、フリーダムを受け取った(ないしはストライクで戦っている時から)あったかもしれないけれど、
「まだ死ねない」裏返せば時がくれば死ぬべきともでもいうような。
それがより具体的になったのは、オーブに理念に理想を見たからというのもあるかな、と。
空白の二年間、どうもキラとラクスが隠棲していたのは非難されがちだけど、
傷つきすぎて頑張りたくても頑張れないというよりは、先の戦争を一度やめさせる所まで持っていたったら退くことは決めていた気がしている。
カガリに兄弟ということを教えられて、揺らぐ部分もあったけれど。
基本的なところは変わらず、というか。

「キラ」の回で、アスランとの再会や、フレイとの関係にとりあえず決着がついたこと、両親との再会を経て、
自分の足場(立場や気持ち)の確認をできたら、キラは割り切ってというか受け入れて、
前に進めるというか・・・
逆に、自分の根底の気持ちに確信が持てたら(自信というか、それとはちょっと違うと思うけれど)
そこから先は、ある程度、自分自身を「使う」ことができる子なんじゃないかな、と思ってて。
(剣ないし、ツールとして。このあたりアスランの方がプライド高くて割り切れない気がすし、正直、アスランよりキラの方が軍人としては適正あるんじゃないかと思う部分もあったり)
「キラ」のフェンス越し再会、あれ意外とアスランとキラで齎したものは逆で、
キラには決意を(自体がなにか変わったというわけではないけれど、自分のベース的な部分の確信はとれた)
アスランは逆に迷いを齎したんじゃないかな、と。
オーブ出港時、抱きついてくるカガリに、僕はもう大丈夫っていったのも、そういう意味じゃほんとで。
アスランは、言葉は悪いけれど、逆に迷い、「惜しくなった」部分があるんじゃないかな、とか。
それが次の戦闘、キラの対4人に対する圧倒と、アスランの不要な敗戦した戦場への固執、その結果としてのニコルの死を齎したというか。


「僕達はまだ死ねない」この時の心情は、さらに明確に
「この戦争を終わらせる(明確になってきた、両陣営の問題)」
「ひとつの可能性としてのオーブの理念=他国の争いに介入しないという対戦争姿勢と、法と理念を信じる者はオーブ国籍=生まれにやらず、自らの意識で所属と決めていいというあり方」
「そこに至るまでの剣としての自分」
というところで、ビジョンがだいぶ定まってきていて。
そこに懸念がないわけじゃないけれど。
キラが描くビジョンのキーパーソンたる、カガリ。そのカガリと兄弟だということ。
プラントでの全てを捨ててきたラクスのことも。
(運命見るに、この2人がキラの最大のベースにはなっているかなと)
ちなみにラクスも再三、撃たれるわけにはいかない、(キラが戻らなくても)戦わなければならない、というあたり、
かなりキラに近いモチベーションかな、と。
自分自身や大切な人(父でもキラでも)失う覚悟、自身も死ぬ覚悟を持ちつつ、
キラのようには、いずれけじめと、という負の決意はないだろうけれど。


ただ基本的には、「気持ちの整理はついている」「自分は剣だと割り切っている」
が根底から崩れたのが、今回かな、と。

海編でのキラとカガリの会話を見るに、キラはコーディネイターないし、人の夢が結実していくことには、
基本的には肯定的で、ナチュラル側の気持ち(劣等感のみならず倫理的な面でも)もわからないわけではなくとも、
「ナチュラルの夢だったんじゃないかな」というのが基本的な考え方で。
そういう信念的な部分も、クルーゼの暴露でそうとう揺らいだのではないかと。
この暴露を受けての「夢を見る、未来を望む。それはすべての生命に与えられた生きていくための力です」にうなずき、
デュランダル議長に「変わらない世界は嫌なんだ」
というところまで再構築するのに、キラの心情的水面下でそうとうの思慮と葛藤があると思うんだけど・・・。


今回、クルーゼ暴露にムウとキラとクルーゼと当事者がそろっていたこと。
ムウが怪我をしていたこと。

茫然とクルーゼの話を聞いているキラを、あんな奴のいうことを聞くなと言っていたムウ。
ただ、それがクルーゼ自身の正体に及んだ段階で、ムウは第三者から当事者になった。
後半は、むしろキラが無うを庇っている。
キラが正気に戻ったのは「私にはあるのだよ、世界中でただ一人、この世界を裁く権利が」
という場面でまさに、だったので、
今までは、あたかも超越者、断罪者として立ち現われていた彼が、
彼自身が世界への(悪意や害意として)意志を示したことで、キラにとって「見える」存在になったというか・・・
今までのキラにとっては、神官的な「この場そのものの」メッセンジャーだったものが、
ひとりの人間に。
ムウとキラとクルーゼ。全員が当事者であり被害者であり、加害者(の子供)
そのバランスが、とりあえずムウとキラについては、お互いを気遣う(特に”大人”のムウが負傷していたことが)
一時的に立ち直らせたかな、と。
キラ→クルーゼは、敵軍将兵であり、アスランに連なる者、過去の告げ手、自分の生まれに対する被害者
(キラが胎児の標本を見てる、という演出が、自分と彼も、またあれに連なる可能性があり、またあれを犠牲にして今ここに生きてることを理解せざるをえなかっただろうし)
キラにとっては、どう考えてみたらわからない相手。
ただ憎むわけにも否定するわけにもいかない、誰よりもキラにその資格はなく。
ただ、フレイを殺されたことで、キラは彼を憎むことができたという側面があったかもしれない。

ところで、キラ→ムウは、今回にせよ、運命の時にせよ、マリューさんの為にムウをというモチベーションが強いイメージ。
男に厳しく女性に優しくの表れでもあるんだろうけれど、
カガリはいま泣いてるんだ、の込みで、
守るべき女性を、守ってないということには厳しいかもな、とも。ある意味では自分の価値観をかぶせてるんだけど。

この数回は、アスラン、カガリの物語に比重がより気味だったのが、
ここにきて、キラに戻ってるかな、と。フレイとキラがもう一度出会い、そしてある意味1クール時の時の模倣のように、
ラクスもまたそこに絡んでくる。
キラとラクスは、まさしく恋人同士、お互いの理性と感情双方で選んだ相手なら、
キラとフレイは、母子的かな、とおもった、自分が相手を守るし、相手も自分を守ってくれる。
(子供はむしろ幼いければ、母は自分がいなければだめだと思うというし、守ろうとする意志はあるかな、と。実際なにができるかとは関係なく。親と子の役割もってる感じで)自分の意思で選んだわけではなく、選択肢はなかったに等しく、その中で、何度か重なった瞬間があるイメージ。
(砂漠編、サイから逃げてきたフレイが、キラに寄りそって微笑み会った瞬間とか、あと、ラスト、守れたと思ったキラと、守られたフレイの笑顔。次の瞬間、どちらも外因的な要因で崩れてしまうんだけど)
46話は、どちらかといえば、フレイはキラの 傷(出自と合わせての)としての楔を打ち込むイメージで、
むしろそれを意志と理性で支えるラクスがメインかな、という印象ではある・・・(フライング感想)


そのフレイ。優しい女性として、ただ苦しんでいる男性に同調する母性的な優しさは、
キラ、サイ、クルーゼ(イザークにもそうかも)全員に共通な気がする。
そういう意味では、ラクスはわりと父性的かな。
アスランよりキラを選んだのも、傷つきながらも自分の意思で決めたキラに、(MSの腕ではない)強さに惹かれたんだろうし、
それは女性としての違いというよりも、
小さい頃から守られてきたフレイと、守り手として尽くしてきて、ゆえにプレンとやコーディネイターへの迫害にも向き合ってきたラクス(戦わなければならない)の違いかもしれないけれど。

戦争を終わらせる鍵。
フレイが、理不尽な世界にコミットするため、ただの無力な人間でいるのに耐えられなくて、
キラに近づいたのはあったと思う。
モチベーション的には、復讐とかよりも、軍に入ったアスランやシンに近い気がする。
ただ、その手段だと示されたそれが、
かつて自棄気味な怨嗟とともに吐き出した
「やっつけてね、あいつら全部」「でないと戦争は終わらないもの」
のまさにその為の手段なのだということを知るよしもなく。因果の応酬とでもいうように。
死んでいった父の、「キラの」為に、
私になにかできることはないか。
「なにかしたいと思った時に、なにもできなかったら、それが一番辛くない?」
まさにその心情が、キラやサイやクルーゼやイザークの苦しみに触れたがゆえに、
信じた想いが、彼女の最初の罪を具現化する因果の連鎖として繋がっているのかなと。

種リマスタ41話―立ちはだかるもの

2012-10-05 00:19:25 | SEED DESTINY
ナタルさんカッコいいよナタルさんな回!
といいつつ、いつもながら、つらつらと。



アークエンジェルでの会話は、オーブでの会話とおさらいな感じな部分もあるんだろうか、
オーブ―アークエンジェル、
アークエンジェル―エターナルと、3隻の想いが同一であることあることを重ねつつ、
オーブ時には、ナチュラル主導での話だったものが、今回はどちらかというとコーディネイターの言い分といった感じかな。
ただ、青き正常なる世界のためにという象徴的なものに、ナチュラル側の動機をおいたのは、
エイプリルフールクライシスで億単位死んでるということを前提にすると違和感しかないわけで、
どうも、プラント・コーディネイター側を善玉として書きたいという感じは作品に一貫している気がするけれど、
設定と一致してないというか、画面にでてきているものとあまりに違うのがな。
ブレイクザワールドの扱いも小さかったし、(あっという間に連合の対応の問題にすり替わった)
加害者側としてのプラント・コーディネイターをもちっと前面にだしてもよかったと思うんだけど・・・
それでもこの頃は、プラントや同胞を守り、独立をはたすというプラント側のひりひりした緊張感があったけれど、
運命ではもはや、為政者が人気取りのために、戦争を利用する末期状態になってた気も・・独立数年でこれかよ的な部分あったかもなー運命以降プラントが個人的にじわじわ嫌いになってきてるんだけど。
と脱線した。

ここでカガリが離脱、いないアスランを探しに。
2人のやりとりはなかなか印象深いというか、
「わかった気になっているほうがおかしい」というカガリの言葉はわりと素直に名言だと思うし、
ここでアスランがカガリが父親を亡くしている(もう話ができない)ことを思い出しているのは、
「彼女だって父親も友達も亡くしている」にもあるあたり、アスランとしてはずっと意識しているんだろうけれど、
ここで重なった気遣いを、そのまま未来への2人への切符にしてしまえる、と思ってしまった部分もあったかな・・・

ちょっと意地の悪い想像だけど、ここでのアスランとカガリの急接近は、
ふたりがこの同盟においての主流にいなかった者同士というのもあるかもな・・と。
アークエンジェルの主流は、マリューとムウとキラ、クルーの大半は、キラよりも、マリューやムウについてきている人間が多いとおもう、キラも首脳部以外には話をしてないしね、当然、キラを信じられない人間はオーブで降りているとは思うけれど、
思想心情的にキラを頼りにしてる面々はそう多くないのではないかと。
それでも、キラは、歪な状態からAAを守り抜いてきた圧倒的実績がある。
コーディネイター達のリーダーはラクス、そもそも”クライン派”だし。
これで、兄弟としてキラとカガリ、元婚約者として、アスランとラクスがそれぞれの陣営のリーダーとして組めば、
カガリとアスランにもっと確固たる立場ができてんだろうけれど、
ラクスは自分のパートナーとして、キラを選んだわけだし。
カガリは、まだオーブ勢のトップとして立つだけの覚悟ができてない部分があったかな、と。
オーブ勢の中に居ると、父の不在に向き合わなければならなくなるし、
オーブの継ぎ手として、カガリはキラに期待してた部分が当初は多かった気がするけれど、
どっかラクスに取られた的な部分もあったかな、とか。性格的に嫉みとかはなくても、
コンプレックスを刺激される部分はあったかな、コンプレックスというよりは、負い目かもしれない、
女性らしさと、指導者としての毅然とした姿、ひとりの少女として人間としてのカガリも魅力があったとはいえ(実質彼女はキラやアスランを救ってきたわけだし)彼女が今からでも必要とされる資質を、ラクスはすでに備えてたわけで、
アスランは、立ち位置と経過的に、カガリは心情的に、居場所を作りきれなかったというか、
作品的には4人でセットだけれども、
見る分には、キラとラクス、マリュー、フラガ、バルトフェルドあたりが、この同盟の中心だった部分があって、
アスランは単独戦力的にはNo.2 肩書的にはオーブの時期国家元首として一番高い処にいたカガリだけれども、
この一連の動きの中では、中心にはなれなかった。この時の焦りが、停戦後も結果をだしたくて焦ってくことになるのだろうかとも。このあたりのもどかしさも2人は共有してた気もするし、
元首になった後、アスランの気持ちを酌みきれなかったカガリと、
オーブの理念とはなにか、もっといえば、この時のキラやラクスはなんのために戦っていたかを理解できなかったアスランと、
通じる部分と(お互いへの好意や、理想への使命感)ずれてた部分(相手の立場や価値観の相違への理解)が
もつれあっちゃった感じかな、運命は・・・

先週分で散々行ったが、しかしここの「止められなかった」というアスランは、やはりわかってないのだと思う。
運命で「彼らはなにかを知らないのかもしれない、間違えているのかもしれない」と言ったいてけれど、
アスランの側で、自分と意見が合わないのは、相手が間違えているからあるいは馬鹿だからという思い上がりがどうも根本にある気がするんだよね、自分と同じ選択をするのが正解だと、ある意味で、剣かコーランか、服従か死かの極端な選択を求めがちというか(なら仕方ない~俺が撃つ)主観的には真実を与えようとしているつもりでも、傍から見てれば心象的侵略者でしかない場合だってある。
なぜ対立しているのか、相手がそれを選ぶのはなぜかという想像がない。
すくなくとも、前回の時は、アスランは自分が核情報を持ち逃げした脱走兵だということに自覚的であるべきだっと。
アラスカの情報を流したのは誰か、今後連合の手に核を渡したのは誰か、
パトリックがクルーゼを傍に置き続けたのならパトリックは、それがクルーゼの手によるとは知らない。
ならそれは、クライン派(=シーゲル、ラクス、そしてアスラン達)によってなされたと思っても決して突飛ではないはずで。
同胞のため苦楽を共にし続けた盟友と、その娘(それも将来の義理の娘になるはずだった)
そしてたったひとりの息子であり、無残に殺された妻の忘れ形見。
見ようによっては、パトリックの最後の狂心をナチュナル憎悪だけに理由を求めるのが無理がある・・・
何かを守るとする気持ちを「認める」こと、それが自分の意に反しても、そこまで至れたのがアスランでの運命での迷走か。
アスランは迷走”させてもらっている”イメージもあるんだよな、
前回シャトルをあっさり貸してもらったことも、クルーゼにキラと話す機会与えられることも、運命で、プラントに行くというアスランにカガリがすぐに便宜をはかったのも、タリアに話をするための機械を与えられることも・・・
ただ、いつも、アスラン側の見込みが甘くて(自分のいうことを聞いてくれるはず)失敗してる気が・・・
アスランって考えすぎて動けなくなるというよりも、考えなしに動いて失敗してるイメージもな・・・・


さて、ラクスサイド。
ふわふわとブリッジをただよっていたラクスが、わりとキラの肩に手をおいているのは、無意識なのか意識的なのか。
父のことがあるから、アスランを気にしつつ、も自分は声をかけれない、という感じもないし(ならでてくカガリを気にする場面があってもよい気もするし・・・正直関心自体が薄い気がする)
わりと無意識にやっている可能性もあるけれど、
もし、コーディネイターにとってけっして慈悲深い場所ではない所に、キラを独りで置いてきたことをずっと気にしていて、
今度はここで自分がキラを守るという意識もあるのか(貴方は一人じゃない的なの込みで)
もっと単純に、好きな人に触れていたいというだけなのか、
あるいは、心配は心配でも、AAクルーにではなく(過去のことではありますし)
キラ自身の身の遇し方、「僕達はまだ死ねない」
現状、難しい立場に居るのはアスランといえでも、それでもラクスが心配しているのはキラの方というのもあるかも・・・
それはキラの方が好きだからとかそういうわけじゃなくて、思考回路っていうか、
キラの方が自罰的だからな場面で・・・。自分に厳しいって意味ではアスランだろうけれど、責任の帰属のさせ方っていうか、思考の癖みたいなのというべきか・・・
個人的感触だけど、アスランは割合一貫して「他人の罪や間違い」を憂いている印象もあって、
(あくまで自分は罪を、止めたり裁いたりする立場だと)
その攻撃性が自分に向くよりは、その他人に向く傾向がある、
キラはじゃあ、全部自分のせいかっていうと、そんなことはないけれど、
自分のしたことに対しては、自分で引き受けるだろうし
(同胞と敵対してでもアークエンジェルにとどまった選択、
ここでただ見ていることも「もう」できない。)
自分の立場がもう違うことがわかっている。
そのあたり、キラが、ラクスの望まない形で落し前をつけようとするのではないかというのは、
フリーダムを渡した時から感じていたのかもしれない(根拠はないですが)
「つくりたいと思いますわね」
「うん」
ラクスはキラを引き留めようとする意志がもうあるのかもしれないし、キラはつくりたいという部分には、全力で同意したのかもしれない。


前のと合わせて、無印戦後のキララクと、アスカガの最大の違いは、
性格とか思考と言うよりも、この段階における「スパン」と「ビジョン」の違いかな、と。
世界の為に働きたいアスカガと、静かに暮らしたいキララクという対比をされがちだけど、
キラとラクスは「この戦争」をとりあえず終戦ないし停戦にもっていく、
最悪の経過をたどりつつある現状を止めること。
それは、マイナスをゼロにする意識に近い。
中立を貫こうとしたオーブは滅ぼされ、プラントでは主戦派のパトリックが議長に選ばれ支持を得てる。
すでに正攻法ではこの流れは止められないという前提にいて、
自分達のやり方や立場がイレギュラーであることを理解しているからこそ、
世界をスタートラインに戻した段階で、表舞台から退くことを決めていたと思う、
キラの場合、自分が生き残る気すらなかったかもしれないけれど。
アスランとカガリは、ゼロをプラスにしたかった意識があったのかな、と。
それはこの戦背負うで、キラやラクスほどには、明確に自分の意志を持てなかった反動もあるかもだし、
もともと、より大きなものを、よりよい世界をと、上を上を目指すことに疑いを持たないタイプなのもあるかな、と。
キラとラクスは、ゼロをプラスにすることへの力に否定的な気がする・・・対処の手段としての力には、アスランなカガリ以上に肯定的だけど。


以下脱線。
ダイバーシティーの肯定。たとえ、戦争をなくす、というタームだとしても、ひとつの価値観の価値を突出させてはならない。
戦争をなくすため、という至上命題を掲げた時に、戦争をなくすためなら、何万人何億人殺してもいいという逆説を生み出しかねない。
価値は、人ひとりの分量を超えず、それが人の数だけ存在し、それを侵された時のみ武器を取る。
っていえ、私の感触でしかないですが・・・



ナタルとの戦い。
マリューとナタルの言葉のやり取りについては、
どちらが正しいとかは思わなかったな・・・世界には、どちらも必要という感触。
マリューのような人間も、ナタルのような人間も。


「キラ君、ムウ」「ナタルさん」
かつて軍籍で結ばれていた関係が、個人になっているこの演出は印象深いかもな、と。


あと、何気に今回一番印象深かったかもしれないこと。
「アズラエル理事」のナタルの声が、キラの表情に被る演出と、キラが即座に反応した様子から、キラがその名前を知っていたことがわりと印象的だった・・

最後はしょりましたが・・・戦闘シーン見ごたえあったなーと


自分とは違うもの

2012-09-26 22:03:03 | SEED DESTINY
最近あんましブログ更新してなかったのでたまには(変な動機)

今回の新規がけっこう印象深かったので、もちっと触れようかと・・・
キラの表情の変化のうち「理解」があった気がして。
初めは、言葉は悪いけれど、ある意味でぎょっとして(抱きつかれたこと自体に対しての驚き)
次が、理解かな、と。
次いで、茫然と眼を見開いて、視線を落としている感じで、
最後は悲しげに視線を落としている感じかな、と。(個人の印象)

ラクスがキラの胸で泣いて、キラがラクスの膝で泣いて、
ここでラクスが抗わずに泣いたのは、ラクス自身の「泣いていいのですよ、だから人は泣けるのですから」
というのもあったかと思うけれど(ただ、表情の変化の中に笑おうとしている部分もあったから、ラクス自身も安心させようと微笑みかけようとしたのかもな、と(僕はもう泣かないって決めたから、な感じかもなーとも)

なんとなく、この2人がお互いをいわばパートナーとして、意識するようになったのは、
この泣く場面からかな?というか。
それまで、惹かれる自分も自覚しつつも、現実的に未来を共に歩むとは考えてなかったんじゃないかな、というか・・・
相手には相手の立場があると。特にキラ→ラクスは、アスランの婚約者ってのが大きかったんだし。

自分の知らない相手の人生への尊敬、ある意味で遠慮。

最初のラクス返却、次の「僕は行くよ」という宣言、そして「気をつけてね」「行ってらっしゃいませ」
「再会の約束」をせずの別れを繰り返してきてる。
それは、相手は自分とは違う未来を歩く人だ、という意識があったからではないかな、と。

相手の前で涙を流す。それだけではないのは、
今相手の置かれている状況は、相手の人生で積み上げてきたものが一度リセットされたといっても過言ではないような、
その重みを含んでいることを理解したのではないかな、と。

なぜ自分だったのか。泣いたこと自体以上に、そのことが、キラにとっては大きかったのではないかな、と。
自分をフリーダムを渡したことから始まった彼女と戦いの途中で、父親が殺されただろうこと(先週のアスランとの会話から)その殺した相手が、アスランの父であること。そのあたりの因果を理解してしまったというのもあるけれど、
キラ以外にいなかった、というところで、キラは、彼女が16歳になるまで住み育ってきた場所、そして信頼できる人間、
居場所のリソースというものを全部かけてきてしまってきたと、あるいは捨ててきてしまったと、
それを理解したのではないかと。
「私はラクス・クラインですわ、キラ・ヤマト」
キラもこの言葉を全てその時に理解していたわけではないかもしれない。
彼女の個人的に人間関係「アスランの婚約者だ」とかはまだ持っていたわけだし。
キラが思ったいた以上に大きなくくりで、ラクスは、個人として立つという意志でもあるし、
個人として立つということの重さ、というもの。
なんていうか、力があるかないかとか、影響力があるかないかという、その人個人の属性を超えて、
群衆から離れて立つこと、個人の名前を掲げること、
それ自体の重さ。

今回のエザリアの演説もそうだし、運命での偽物のラクスもそう。
時の為政者は「ラクス・クライン」というものを、自分達にとって都合のいいものとして回収しようと必死だった。
裏では殺して消し去ろうとしつつ、
表では、あるいは「彼女は利用されている」「彼女を利用するナチュラル共」「彼女を愛する人々よ、情報を」
対ナチュラル感情の憎悪を煽り、市民の団結、そして議会への協力・忠義心を高めるために、
ラクスの言葉や想いを無効化しようという策をうってきている。
そして運命、議長は、自分に都合のいいラクスそのものを用意するにあたった。

「ラクス・クラインってなんだったんだろう?」

自分と立場や意見が違えば、人は戸惑う。それが自分と親しい者、あるいは思いは同じだと思いこんでいたものが。
ラクスの言葉は、プラント市民に向けられていた、とまどったはずだし、否定したくもなる。
ラクスに肯定するにせよ、ラクスを否定するにせよ、自分の考えと言葉で、それをするならいい。
ただ、第3の道、相手を理解するのではなく、相手を自分の都合のいいものに作り替えてしまうこと。
ミーアは極端な例だけと、
「相手の自己意思を否定する」のは、この作品にもたくさんある。

「利用されているんだ」「あの女に誑かされたか」「騙されているんだ、お前は」「彼らは何かを知らないのかもしれません、間違えているのかも知れません」
相手を大切に思えばこその言葉。

大切な人と意見が対立する、自分と同じことに憤り、同じことに悲しんでくれると思っていた相手が別の意見を持ったら。
自分を肯定してくれると思っていた相手が、自分を否定したら。
その相手自体を否定する行為、キラとアスランの殺し合いもこれにあたるかもしれない。

ラクスは、ラクス・クラインという個人として立ったがゆえに、彼女自身が語りかけている当の相手から、厭まれ、言葉や意図をすげかけられ、否定される可能性を考えていたのかもしれない。
ただ自分は自分だと宣言するだけでは弱い。
お前はこうだ、お前はこうするべきだという要求、
お前はなになにであるゆえに、こうされなければならない。

ラクスと文脈は違うけれど、キラも一貫して、そんな文脈の中にいる。

コーディネイターなのに、なんでナチュラルと一緒にいるんだ?
お前はコーディネイターだ、俺達の仲間だ。
あってはならない存在だというのに。
だからお前も消えなくてはならない。俺達と一緒に。

力があるということ。たとえ力がなくとも、群れ から離れて個人であること。
一人で世界と対面すること。
そこに消そう、回収しよう、という力はまとわりつく。集団の意志そのものとして。

ラクスが、キラの胸でしか泣けなかったことは、ラクスが信頼できる相手が現状ではキラしかいなかったということだとして、
キラもまた、今まで生きてきた中で、信じてきたことへのベースを失った。
親が本当の親ではなかった。普通の生まれ方をしていなかった。多くの犠牲と引き換えに生まれてきた。

今まで、どこか相手の人生に踏み込むことに遠慮があった2人が、
このあたりの展開で、相手の人生の一部にあるいは、ベースにすらなること(それは相手への好意から、そうなりたい、という望みがあるわけだけれども)を決意を考えだしたのは(キラはこの戦争中ではまだだけど)このあたりの展開なのかな、と。

「貴方にここにいてほしい」「帰ってきてくださいね私の元へ」「帰るためにいくのです、私も、貴方のもとへ」
「こうして君がここにいる、それが本当に嬉しい」「待ってて。すぐに戻るから。そして帰ろう、皆のところへ」

ラクスの願いも誠実だけど、キラが最後「皆のところへ」と言っているのが、凄いと思うんだ。
上手く言えないけれど。

家族を失ってひとりぼっちになった、自分とはなにかという最もベースの自己認識の土台を失った。
その相手にとっての自分、自分にとっての相手を想いながら、
キラとラクスは、「それぞれが」個人として戦う者ゆえに、
周囲の、視線、おまえはこうするべきだという要求、
お前はこうあるべきだという決めつけ、それらの外圧とも戦わなければならなかった。

一見すると、キラは悪意的な意図(いてはいけない)
ラクスは好意的な意図(無邪気ともいえる期待)
を向けられていて、だけど、ラクスの扱いは、向ける側に悪意がない分、悪質だったかもしれない。
自分達を導いて欲しい、肯定して欲しい、正しくあってほしい、間違えないでほしい、期待にはすべて応えて欲しい。
民衆は、本当に”ミーア”を信じたのか。
信じたふりをしていただけなのじゃないか?
信じた結果がなにを齎そうと、たったひとつ背負わなくていいものがある。
それが、誰かを信じた故に、齎されたものならば。
「自分のせいではないと」うそぶくことはできる。そのたったひとつの安寧の為に、自分の自尊心も大切な人の命すらも、差し出したのではないか。自分は悪くなければ、それでいいのか?



「ラクスはこうだって決めつけられるのは困る」

「違う。命はなんにだってひとつだ。だからその命は君だ。彼じゃない」

「僕はただの一人の人間だ。どこも皆と変わらない。ラクスも」

他者から、お前はこうだという決めつけにも、抗わなければならない。
それは一人ではできないことも知っている。だから相手が必要だと。そんな感じがあるのかなーとか。

種リマスタ40話―ラクス出撃

2012-09-23 14:18:29 | SEED DESTINY
もう毎度のことで注意書きをつける意味が今さらないと思いますが、ここの管理人はアスランに厳しいので、
どのキャラも客観的に扱ってほしいという方は回避願います。


アスランのザフト一時帰還と、ラクス出撃。
ラクス出撃は、アスランとのことがリンクしている印象だったんだけど、
どちらかとエザリアの演説が契機になって、たまたまアスランの行動と一致したっぽいな。
すでにプラント脱出の準備を進めていて、そこにアスランのことがあったから合わせた、というか。
エザリアの演説は、内容的には悪質だな。
ラクス・クラインの言葉の無効化。あれは彼女の言葉じゃない、彼女は騙されているだけ。
自分に「こうであってほしい者」が、自分のと思い通りの行動や言動をとってくれない時に、
あれは当人の意思じゃないんだ、誰かに言わされているんだ、騙されているんだ、という感覚は、
実のところ、アスランも、キラ相手にやっていて、
「友達とかいって、あいつはいいように利用されているんだ。あいつの両親はナチュラルだから、だから」
すごい個人的な見解をいえば、ラクスがアスランに冷めたのはこの台詞だとけっこう思っていた。
監督のツイッターでは、その後の、労りを込めて伸ばしたラクスの手をアスランが拒絶したから、ということだし、
関係なかったみたいだけれども、
この台詞、(アスランがアークエンジェル内のキラのおかれている状況を知らない以上)
この利用している主体が、アークエンジェル首脳部にあるのか、キラのいう友人にあるのかは不明瞭だけど、
前者だとしたら、「キラの友達の命を軽視」していることになるし、後者だとしたら、「キラを利用してる」と「キラの友達を侮辱」していることになる。
これは百年の恋だって冷めるだろう・・・ってか婚約者がこんなこと言ってれば普通に逃げるだろう、自分の大切なものを大切に思ってくれない相手と誰が人生を共にできるものか、と個人的には思うんだけど。
このあたりは、アスランの幼さなんだろうな、と。
アスランにそんな意図はないことはわかっている、けれど、現実を直視する力がない。
同胞に敵対するなんて道を、キラが選ぶわけがない、と「思ってあげる」ことは、「アスランなりのキラに対する優しさ」なんだろう。
ただ、そこにキラの意思や、アスランと重ならないキラ固有の人間関係に対する想像や尊重はない。
このあたりが、ラクスの評価
キラは「強い」「優しい」アスランの「優しい」「誠実」
自らの意思と選択の為に、近しい者との敵対すら選べるキラの強さと、
多少独善的であっても、相手の立場を許してやろうとするアスランの誠実さ、にわかれる部分かな?とも思うけれど、
ここだけじゃ判断できないか。

ラクスが、プラント政府が自分の演説の無効化にかかってきていることを察して、このやり方での限界を認識し、
次の段階に進むことを決意。

ここで、シーゲルの名前もでて、先の、「シーゲル様が」「え?」と、共に、
父親の死に対して、明確な態度を見せていないラクスというのは、今回ラストの、ラクスの涙へ繋がっている。
そのあたりの心情については、けっこう解釈分かれるかもしれない。
監督に言わせれば、「信頼があるから泣ける」「誰がラクスの父を殺した?なにを言えたというのか?」
と、キラであることの理由と、アスランではダメ(ってことはないんだけど、本当は。ラクスにアスランと共にいきるつもりがあるなら、ここでアスラン(に痛みを強いる)ことから逃げるわけにはいかないし)なことの理由両方いっているけれど、
監督の信頼って言葉の意味はちょっとわからないが、
通常使われる以上の重みがあるのは事実だと思う、
恋は一人と、信頼は多くの人と結べるから、恋の方が重くみられるのが通例だけど、
監督の使い方見てると、対象は一人じゃなくても(少数ではあるけれど)信頼という言葉(関係性)の方が重そうなニュアンス感じるんだよね。
比重的にどちらが上かというなら、アスランがダメだからキラって消去法でもないだろうし、
ラクスの涙の描写、一瞬笑おうとして失敗する感じでもあるから、キラの前でも泣くつもりはなかったんだろうな、とは思うけれど。
ここはブルレイで新規になるみたいだから、表情ちと変わるかもな。
ところで、当時、AMCの水の証買ってなくて、今回初めてみたんだけれども、
まさに最近やってる部分のエディションで、ラスト、このラクスの抱きつきで〆てた(正確には、find the wayのラストイラストで、貴方の手に取りでかかってる感じで安心したけれど)んだな、と。

話が前後しちゃったけれど、アスラン。
アスラン、キラ、ディアッカがお見送り。
反対するカガリ、戻って来いとお前の変わりは誰にも勤まらないと激励するディアッカ、
そしてまだ死ねないというキラ。
三人とも、説得できるとはあまり思ってない気がする。それはアスランもそうなんだけど、
アスランはまだ自覚のないレベルで、父子なんだから、たった一人お互いの家族なんだから、という感覚ありそうとも。

今回は、正直、アスランよりもパトリックに同情したんだ、ほんと正直にいえば。
それは、パトリックの立場が、今までや、あるいはダーダネルスでのキラに被る部分もあるんだけど。
それは、アスランの一時帰還の報告を受ける前の、クルーゼとの通信でのパトリックの声音には、
アスランへの信頼と愛情が窺えたから、余計に。

「ジャスティスとフリーダムはどうした?」
なぜ、その質問に応えなかったのか。そこにある、魂を凍らせるほどの恐怖に気付けなかったのか。
「お前といえども許さんぞ」
「もしあれに手をかけてるものがあれば、利用するものが、あれば、僕が撃つ」
と。
アスランにだって、その機体の意味がわからなかったはずがない。自分が元々受けていた任務がなんだったのか(奪還ないし、破壊。そして関わった人、施設全ての破壊)
アスランからすれば、そんなわけはないと思うだろう。わかってくれないはずがない。
自分がプラントを、同胞を再び核の恐怖に晒すような真似をするわけがない。
「わかってくれないはずがない」
だけど、もし・・・
「友達とかいって、いいように利用されてるんだ」「あの女に誑かされたか!」
アスランの意思をいいように利用されていたら。
もし。
「ラクス・クラインは利用されているだけなのです、その平和を願う心を。そのことを私たちは知っています。だから私達は、彼女を救いたい。彼女までも騙し、利用しようとするナチュラル共の手から。その為にも、情報を、手掛かりを、
どうか、彼女を愛する人々よ」

「なら仕方ない、次会う時は、俺がお前を撃つ」「返答によっては、お前とて許さんぞ」

大切なキラに同胞を手に掛けさせるくらいならば。
自分の息子が、同胞を再び核の恐怖に晒すくらいなれば。

自分の手を汚してでも。止めなければならない。
そんなことになるくらいなら、死んだ方がマシだと、自分も、そして相手も。


アスランは、しかも地球軍のシャトルで着ている。
「ジャスティスとフリーダムは安全なところにある」
「以前報告したはずです。ストライクのパイロット、僕の友人で、コーディネイターです」
「共にある仲間は、連合の脱走兵と、オーブの残像兵です。
皆現状に疑問を持つものであり、連合でもなく、ザフトに敵対するものでもありません」
「フリーダムのパイロットは、その機体の意味を理解し、共に戦ってきた仲間達からすらも、その機体を守る覚悟を決めています」
「母を失った痛みを、プラントを守るためにザフトに入り、父上の力になりたかった意志は、今もなにも変わっておりません」

もしアスランが、これらの「情報を」伝えられていたらな、と思えて仕方無いわけですよ。


アスラン・ザラという人間の恐ろしいところは、身内に対する暴力的なまでの甘えだと思う。
「わかってくれるはず」「選んでくれるはず」

「父であるパトリックは、自分のプラントへの想いをわかってくれる」
「婚約者であるラクスは、自分を選び生涯愛してくれるはず」
「幼馴染であるキラは、母を失った自分の傷みをわかってくれるはず」

相手の抱えている立場、想いへの頓着がない。
アスラン側に、気遣いや努力がなかったとはいわない。むしろ、平時において相手との関係性に心を配っていたのはアスランの方だろう。だけど、自分自身の存在意義すら関わる局面で、価値観や、優先順位が対立した時に。


「貴方と私は違う人間です。だからこそ出会えるのでしょう?人と、そして自分に」
同じ姿をしていても、血で繋がれていようと。婚約者、同胞、恋人、友人、どんな肩書で表されていようとも。
違う人間だと。

「キラだって守りたいものの為に戦っただけだ。なのになんで殺されないとならないんだよ、それも友達のお前に」
「敵だというならば、私を撃ちますか?」
「仕方がないって、皆カガリとオーブのせいだって、そう言って君は撃つのか!?今カガリが守ろうとしているものを」

問うているのは、「アスランの状況ではない」 「アスランの思考回路、考え方、現状への認識の仕方」

「敵なんだ今のあいつはもう。なら撃つしかないじゃないか」「その後の混乱は地球軍が悪い」「終わるまでは仕方ない」「仕掛けているのは地球軍だ」

「悪いのは、ロゴス、彼ら。貴方ではないのだという、言葉の罠にどうか陥らないでください」


「どうして君は・・・」「なぜ君はそれがわからない!!?」「なら僕は、君を撃つ!」

アスランには、大切な人の大切なものを危険にさらしている自覚すらなかった。
だって自分は正しいから、相手「の方がより」間違っているから。間違いを認めるわけにはいかないから。相手の為に。

キラも、パトリックも、これはもう、アスランを撃つしかないだろう、と。
いってもわからない。「守りたい人が、友達がいる」「ジャスティスはどうした?」「どうして本当のラクスが殺されそうになるの?」「あのラクスはなに?」「君はこれからどうするの?」「この間みたいにオーブとも?」

通じない。ただただお前は間違っていると言われるだけで。
間違っているから、大切な人を、守りたいものを、諦めろというのか?


私が、アスランはアスカガしかあり得ないだろうな、と思うのは、
「守りたかったんだろう、オーブを」と、自分と対立してまで守ろうという気持ちを、
運命後半になってようやく認められるようにあったかな、と。
だから、ここからやり直して欲しいんだな、と。
「ラクスを守るんだ、絶対に」「ありがとう、アスラン」
アスラン自身の気持ちも当然あるだろう、ラクスとオーブ、特にラクスは。
キラが嬉しそうなのは、自分の背中を押してくれたってだけじゃなくて、
やっとわかってくれた、というところがあった気がする。(もしかしたら、錯覚かもしれないけれど(彼女を失えば全て終わりという部分がどう関わってくるかもあるし)
だからこそ、アスランの「なにかしたいと思った時の為に」ジャスティスをアスランに渡してほしいとラクスに頼んだ部分もあるんじゃないかな、と。

今回、確かに、パトリック・ザラの言動は狂っている。
だけど、けしてこの世界の傷ついた人間として、特殊なものではない、その感覚は。
キラのナチュラルの友人というものを軽視し続けたアスランにしても、
「あいつら皆やっつけて」「コーディネイターなんてみんなしんじゃえばいいのよ」フレイにしても。
それほど遠い処にいたわけでもない。
それは、必ずしも、思想や信念ではない。
「大切な人を亡くして辛い」「大切な人がいなくて悲しい」「怖い」「怖い」「怖い」理不尽な暴力が。一方的な否定が。
みんな死んじゃえ、それは売り言葉に買い言葉に過ぎないかもしれない。
ただ、恐怖に委縮した魂の命がけの抵抗なのかもしれない。
「死ぬのはだめ」「やっつけなきゃ、怖いものは全部」「もう誰も死なせない・・・死なせるもんか」「僕がいってやっつける」
「撃たなくてはならないのだ、撃たれる前に。なぜそれがわからない!?」
それをほぐすには、誰かの温もりでしかない、のかもしれない。
大丈夫だと、キラを抱きしめたカガリとフレイ。
お互いの欺瞞に気付きながらも、フレイと一緒にいて、彼女を大切に優しくし続けたキラ。
フレイを止めたミリアリア、私と一緒でしょう?と言われて、違うと首を振ったミリアリア。
キラの胸で泣いたラクス。
カガリを抱きしめたアスランにしても。
アスランは、ここでパトリックの傷に気付くことができなかった。
彼を止めるにせよ、ユウキが、銃でもって撃ち殺すまで、誰もすることができなかった。
作品的な落し所はともかく、パトリック一人の狂気のせいでおらわせてはダメなんだろうなと。

個人の私怨は克服しても、その重すぎる立場に呑まれるキャラもいる。
カガリとラクスは、父を失った痛みを(キラの助力もありつつ)乗り越えたけれど、
運命では、公的に大きなものを背負うことになる。
ラクスにはキラが、カガリにはアスランが、というのは、崩さないだろうな、と。
アスラン自身、できなかったことの昇華には。
個人的な解釈と好みの問題ではあるけれど。


ラクスとキラは、なんとなくアスランとパトリックの顛末を予想してた雰囲気もあるな・・・
正直、パトリックの精神状態を想えば、アスランプラントにとどまった方が結果的にはよかった気もするんだが。

合流後、ラクスがアスランの元に飛んで行って、肩に触れる様子は、
まだ物理的・心情的な距離が近いというか、元婚約者((あくまで元だけど)結婚を見据えて(お互いの意思が固まっていたわけでも約束があったわけでもないけれど)としての状況を踏まえていた者同士の距離間かな、
ラクス、婚約期間中にキラを好きになった、という部分のインパクトが強いけれど、
アスランからラクスよりも、よほどアスランのことを気にかけているよな、と思う。ホワイトシンフォニーでのことも込みで。
運命のラクスは、アスランの体には理由がない限り触れないイメージなんで、
より大人になったというのも、そのあたりの男女関係の立ち位置がキラの恋人、というものが、本人達の中でなっているのもあるかな?お互いを認めるという意味合いでは、運命の方なんだけど、他者として尊重するからこそ、物理的な距離は広がったのかも。
アスラン、戦艦を指揮する姿、毅然とした演説もそうだけど、指揮官席から飛び出しそうになったラクスを抱きとめた時の
「ありがとう」に距離を感じたところあるかも。
アスランは、典型的な、身内にありがとうやごめんなさいが言えないタイプだし。(だから現状のメイリンには言える、今後どうなるかはわからないけれど)
もしかしたらここで距離を感じたかも。
キラとラクスが、転機転機で、「ありがとう」を重ねていることに気づけばちょっと戸惑うかもな。
ただ、どっちがどうって話じゃなくて、この関係はこうなんだろうな。
運命でのインジャス、蟠り解消部分で、無言の微笑み合いだから。それぞれはそれぞれ。
キラとラクスは、キラが天空のキラで決意を固めた段階で、ラクスはまだ迷いと罪悪感の中にいて、
同じ回、キラの戦闘の最中に決意を固めて、顔をあげて、それでもラストキラと(戦艦とMS内で(多分お互い見えてない状態で)向き合う場面、それでもラクスはまだ悲しげで、
アスランの時は、心情は一致していたけれど、キラのアスランへの想いも汲み背負っている部分もあったかな、と。
天空のキラから、「私にももう迷いはありません」まで段階的にラクスは決意を固めて、
ミーアの死が、最後の扉を閉めた感じかな。

ここは、不十分だろうと、説得力には一見乏しかろうが
「願い未来の違いから、私達はザラ議長と敵対する者になってしまいましたが、私は貴方方との戦闘を望みません」
と、自分の立場や望み、現状の条件を伝える意図のある言葉選びが、今回アスランにできなかったことな気が・・・
アスランは軍を抜けてから、行動のひとつひとつに、キラとラクスとカガリの回想がはいるので、
逆に言えば、アスラン自身ではまだ言葉を持てていない状況かなとも。
今回見るに、まだ正しい正しくないの文脈にとらわれているので、
キラの「何と戦わなくちゃ」というのは、腑に落ちていないと思う。
キラとアスラン、似た言葉を使っているけれど、考えてることはだいぶ違うと思う


キラ合流~~~フリーダムカッコイイよフリーダム!(お約束)
ラクスとの再会はキラにとっては意外だったかな。

そして、バルトフェルドとキラ再会(っておい、今回虎さんに初めて触れたぞ)
ここも、短いながら憎しみの連鎖を断ち切るシーンかな。
戦争だから、軍人だから、このあたりは、カテゴリや状況を肯定してる感じもあるかな?
キラも誠実だなと、ここで憎しみに撃たれるわけにはいかないことをわかっているけれど、
聞かずにはいられなかった感じなんだろうか。
「ありがとう」は、許してくれてではなくて、その意志を持ち示してくれたことにかも。

地味に、ラクスの立ち位置が気になった。艦から降りて、バルトフェルドとキラが話している段階で、
すでにキラの後ろにいるあたり、
早々にその位置に移動したか、あるいは、キラないしマリューと挨拶をした後、
虎に向かっていったキラが、ラクスを後ろにおくことになったか。


アスランとカガリ、キラとラクス。
あの様子だと、ラクスの様子がどの程度、アスランとカガリに伝わってたかはわからないな、
アスランとカガリは、それぞれの喪失を感じたんだろうけれど。
アスランは異性として、カガリは兄弟として、自分と近しい(はず)のものが遠くなってしまった印象なんだろうか。
あるいは変わってしまったなにか。


ラクスがキラに抱きついた心情はひとつの感情ではないのだろうな、と。
それは理屈的な部分もあるかも
泣かないようにしようとする意志と、こういう涙を我慢してはいけないという双方がありそうだけど
(そのあたり、キラへの泣いていいのですよ と裏表なシーンかも)
単純にキラが好きだから、というだけではないなろうけれど。

当初のキラは、茫然とされるがままという感じだけど、動きとか表情も。
今回は、ラクスの傷みや悲しみにもっと自覚的な気がする、
一緒に悲しんでいるというか・・・
横顔の新規じっくり見たくてたまらないんだけど、今回初めてバンダイチャンネル登録真面目に考えてるかも・・・
比較的違和感のない横顔新規というのもある・・・
パソの調子悪いし、もう少しだしな、と思うと・・・・