種々

世界の片隅でキラへの愛をこっそりと囁くブログ

未来への転写

2015-08-08 01:34:27 | SEED DESTINY
初見時に、私はキララクがあまり恋人っぽくないな、と思ったんだけど、
そこが自分の中からどっからくるのかなと。

ただ、キラとラクスそれぞれの中に別の相手がいるとかそういう感じはまるで受けなくて
(当時はCPとかに関してほっとんど興味がなく、公式の扱いからキララクでアスカガなんだろうなという感じ)

あのふたりの躊躇っていうのはどこからくるんだろうと・・・
多分、そのあたりは、キラのトラウマとラクスの罪悪感なんだと思う。

キラのトラウマは深いってのと、ラクスが感じてる罪悪感とか責任とかは監督が言及してる部分でもあるし、
言われてみればストレートな心証。
(ただ、そっちにひきずられすぎなのも否定するように、愛とか恋愛とかも肯定しているけれど)


キラとラクスは、未来への希望で結びついているカップルというよりも、
今まで生きてきた、考えてきた道筋とか生き筋が重なって、そこがお互いへの信頼に結びついてる部分があるかなと。


そこが色濃くでたのが、スペエディ補完された「昔母に言われました」
キラの葛藤を受けてのラクスのこの言葉、この”文脈”の中で、そう切り出すラクスの意図も合わせて考えると、ここからは

かつてラクスも同じ問いを持ったことがある=僕はなんだったんだろう、生まれてきちゃ、いけなかったのかな
そしてそれに応えてくれた人がいた=昔母に言われました
そのかつてそういって”私”を肯定してくれた人(=ラクスの母)と同じ想いを貴方に託します、というメッセージがある。

ここで行われているのは、肯定の連鎖ともいうべきもので、ラクスの母からラクスへ、ラクスからキラへ。

すこし穿ちすぎ、かもしれないこと前提でいえば、
ここで、ラクスとキラの会話の中に、ラクスの母、という存在を入れ込むことで、
キラがラクスの想い=自分を肯定し、この世界に立つ根拠=世界はあなたのもので、あなたもまた世界のもの その根拠を否定することになる。
その工程の連鎖を、キラが断ち切ることになる。

キラの肩に手を置きながらの創りたいと思いますわね、そんな世界を
あなたにここにいてほしいという想い、
指輪を託して、私のもとに帰ってきてほしい、という想い

ラクスがキラを繋ぎ止めようとするその理由には、キラはもともと、未来の希望の為に戦ってきたのではなく、
ただ、身近な人間の為、目の前の人の為。

それはナチュラルの艦を、そこにいる(決してコーディネイターの自分には慈悲深くない)友人を守る、
そして人質にされたラクスを逃がす、という行為に表れていて、
遠くの大きな目的の為、というわけではく・・
個人的な身近な理由。

ラクスが歌うことも、もともとは身近な人の、目の前の人の為だった気がする。

目の前の”責任”を果たしているうちに、自分の力や影響力や、自分の行動の結果起こってきたその結果の蓄積。
大きくなっていた部分があるのではないかと。


自分の存在への疑問(自分を疑うことへの信頼)
人として目の前の行動を選択できることへの信頼
価値観を共有できることへの信頼。

目の前の仕事を果たしたあとのその先は。
戦争がおわった後の世界を夢みて戦う者たちのなかで、
その終わった後の世界に、必ずしも自分の居場所を求めていない人間がいて、

自分をただ闇雲に罰したいわけでもなく、自分をただ闇雲に否定するつまりもなく。
自負もある。望みもある。

だけど、どこか、自分を、今となっては自分達、をえいっと、未来に送り出すことにすこし躊躇がある、
無印中から運命中までのキララクはそんなイメージかなと。

過去と、今まで。
2人の過去や、たどった思考(自己否定と他者肯定)それが寄り合わさりきったその先に、天空のキラの、
今の肯定と、すこし先の未来への約束かなと。














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