新しき 年の始めの 初春の けふ敷る雪の 伊夜しけ餘事 大伴家持
新しい年が始まる初春の今日、ふりつづく雪のように佳い事が続くといい。
新しい雪のように清らかで、ただ美しい佳いものが、余りあるほど残されていくように。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/d6/6cbeee9b3424ff53d0bd9d5ef1999f8c.jpg)
新春の歌ですが『万葉集』の最終巻=巻第二十のいちばん最後に載っています。
ラスト締める絶筆歌でありながら「始」「餘事」に歌集を編纂したあたり、籠められる祈りが謳われています。
原文は「新 年乃始乃 波都波流能 家布敷流由伎能 伊夜之家餘其騰」
結句の「餘」という字は「引き続いて後に残る」「余るほど残る」という意味になります。
この「よごと」は「吉事」と翻刻してしまうことが多いのですが、この文字の意味そのまま現代語訳してあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/ee/a98844015ed36f8c22ab3da638750a75.jpg)
雪が降るたび溶けず残り、積もるほど降り続く。
そんな雪国の厳寒にも初春の希望を祈る歌です、これは作者の心情×状況を映しています。
詠まれた時は作者・大伴家持が因幡国=現在の鳥取県東部に配流されて最初に迎える正月で、西暦759年にあたります。
この左遷はいわゆるトバッチリで、橘氏と藤原氏の抗争に大伴家持が巻きこまれた果の処分でした。
それ以前の家持は権力ある軍部の名門、伴氏の長として文武とも知られていました。
↑
こうした状況下は凹んでいて不思議はない時です。
そんな背景を含んで訳すことも出来ますけど「始」&「餘」の二文字は希望です。
明るい迎春と新年の言祝ぎ歌、より明るいカンジに訳してみました。
迎えた2021年、慶事ふりつもる佳き年になりますように。
にほんブログ村
純文学ランキング
![PVアクセスランキング にほんブログ村](https://blogparts.blogmura.com/parts_image/user/pv10423136.gif)
あたらしき としのはじめの はつはるの けふふるゆきの いやしけよごと
新しい年が始まる初春の今日、ふりつづく雪のように佳い事が続くといい。
新しい雪のように清らかで、ただ美しい佳いものが、余りあるほど残されていくように。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/d6/6cbeee9b3424ff53d0bd9d5ef1999f8c.jpg)
新春の歌ですが『万葉集』の最終巻=巻第二十のいちばん最後に載っています。
ラスト締める絶筆歌でありながら「始」「餘事」に歌集を編纂したあたり、籠められる祈りが謳われています。
原文は「新 年乃始乃 波都波流能 家布敷流由伎能 伊夜之家餘其騰」
結句の「餘」という字は「引き続いて後に残る」「余るほど残る」という意味になります。
この「よごと」は「吉事」と翻刻してしまうことが多いのですが、この文字の意味そのまま現代語訳してあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/ee/a98844015ed36f8c22ab3da638750a75.jpg)
雪が降るたび溶けず残り、積もるほど降り続く。
そんな雪国の厳寒にも初春の希望を祈る歌です、これは作者の心情×状況を映しています。
詠まれた時は作者・大伴家持が因幡国=現在の鳥取県東部に配流されて最初に迎える正月で、西暦759年にあたります。
この左遷はいわゆるトバッチリで、橘氏と藤原氏の抗争に大伴家持が巻きこまれた果の処分でした。
それ以前の家持は権力ある軍部の名門、伴氏の長として文武とも知られていました。
↑
こうした状況下は凹んでいて不思議はない時です。
そんな背景を含んで訳すことも出来ますけど「始」&「餘」の二文字は希望です。
明るい迎春と新年の言祝ぎ歌、より明るいカンジに訳してみました。
迎えた2021年、慶事ふりつもる佳き年になりますように。
【撮影地:山梨県2013.12.31】
![純文学ランキング](https://blog.with2.net/img/banner/c/banner_1/br_c_1671_1.gif)
![PVアクセスランキング にほんブログ村](https://blogparts.blogmura.com/parts_image/user/pv10423136.gif)
著作権法より無断利用転載ほか禁じます