萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

雑談寓話:或るフィクション&ノンフィクション@御曹司譚376

2016-05-21 07:41:35 | 雑談寓話
酒はさんだ深夜、御曹司クンは記憶に笑っていた。

「そりゃさーあいつとのXXXすげー幸せで好きだったけどさーそれは好きだから幸せで、好きだったんじゃんか?」

好き×幸せを連発してくれる、
その相手は花サンじゃない、過去になった幸せの相手だ。
そして本来こんなに笑える御曹司クン眺めてるうちにラストオーダーがきた。

「え…もうそんな時間かよ?速いなあ…」

なんて御曹司クンはガッカリ顔になり、
これも懐かしい風景だな思いながら笑ってやった、

「ラスト一杯飲まないなら帰るよ?笑」
「飲むよ!おまえ何にする?」

なんて会話にオーダーして最後の一杯、御曹司クンはタメ息吐いた。

「あーホントおまえとは時間すぐ過ぎちゃうなあ…気分はのんびりするのにさ、」

コイツまだコンナコト言うんだ?
また相変わらずな発言に訊いてやった。

「おまえさ、そういうコト花さんには思える?笑」

思えるならいい、でも御曹司クンは言った。

「それなりには思うけど、これほどじゃないよな、」
「だったらなんで付き合うんだよ?」

つい聞き返して、ちょっと失敗したと思った。
だって話また長引かせるかもしれない、抱えた心配に言われた。

「俺なりには楽なんだよ、彼女もそれで付いてきてんだから良いじゃんか?」

楽なんだよ、

って言葉は便利だ、いくらでも変えられる。
何がどう楽なのか?その解釈いくらでも都合次第だ。

「ふうん、おまえが楽なら花サンが泣いても良いんだ?」

あいづち訊き返して途切れだす、やっぱり無理だ。
きっと返答次第で心が絶える、けれど言われた。

「泣かせたいわけじゃ無いけど、さー…それでも一緒にいたがるなら良いじゃんか、」

拗ねた顔が拗ねた声で言ってくる、
そんなどっか甘えた空気に訊いてみた、

「この年齢から一緒にいるって結婚だろが、おまえ家族をやる覚悟あんの?」

コイツに「家族」なんて、言ったところで解らない。
そういう生い立ちの男はやっぱり首かしげこんだ。

「覚悟なんて解らねーよ、家族って俺よく解んないし、」

こんな答えだろうな、って予想はしていた。
そんなテーブルに最後の一杯は来て、口つけて言った。

「これ飲んだら終わりな、笑」

ホントに最後にしよう、そのほうがお互いのためだ。
そうしないと真面目になれない、特に御曹司クンは甘えてダメになる。

そう思って飲んだ最後が何だったか覚えていない、多分いつもと同じヤツだろう。
ただ目の前の顔が泣きそうだったことは覚えている。
男女の違いってブログトーナメント

ちょっと書いたのでUPします、
移動中の車内ですけど取急ぎトリアエズ、笑



で、帰宅しましたが短文なので写真も貼っておきます、冬の文章なので年末に撮ったやつで、笑

にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へにほんブログ村

blogramランキング参加中! 人気ブログランキングへ

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 山岳点景:朝霧の初夏 | トップ | 花木点景:夏紅の木 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

雑談寓話」カテゴリの最新記事