ある『物語』の断片

『物語たち』は語り始める。

うた

2008-01-20 02:12:47 | ある『物語』の断片
いつも少女は
同じ場所に座っていた

空のネオンサインを眺めながら
お気に入りの曲を流しながら

「どんな辛い時だって」
「この曲を流すと」
「楽しくなるのよ」
「不思議ね」

と少女は笑っていた


今になって

君が何を伝えたかったのかが
分かってきたんだよ


ラララララ...
ラララララ...


そんな戻らない日々
一人で電車に乗り続ける日々

この曲の入ったMDも
いつの間にか古くなって
再生することができなくなった

それでもあの曲は
今でも口ずさむことができるんだ

今になって
何を伝えるべきだったのかが

ようやく分かってきたんだよ


ラララララ...
ラララララ...


やがて僕も古くなって
壊れてしまう時が来る

思い出も全部
地上から消え去ってしまって

ただ、許してもらえるなら
このフレーズだけは
君のところまで
持って行くつもりなんだよ

口ずさむために
声を合わせるために


ラララララ...
ラララララ...

ラララララ...
ラララララ...