ある『物語』の断片

『物語たち』は語り始める。

薄味

2008-02-18 01:01:18 | ある『物語』の断片
喫茶店を出た後は
並んで歩くこともないんだね

アイスコーヒーの氷が
ぶつかり合いながら
少しずつ小さくなるのを
眺め続けるのは

もう疲れちゃったんだね


主のいなくなった
客席を見つめながら
薄まった残液をすすり続ける

そんな生き物でいるのは
終わりにしたかったのにね


あぁ、そうさ

何事もなかったかのように

また、演じ続けるだけさ

永遠

2008-02-01 00:02:48 | ある『物語』の断片
視線が絡まった
その瞬間から
鼓動を始める永遠

手と手を繋いだ
その瞬間から
ビートを刻む永遠


何かを始めることは
難しいようで簡単で
何かを続けることは
簡単なようで難しい

それならば
一秒でも長く。


少しずつ
変わりながらも
少しずつ
壊れながらも


呼吸を続ける永遠