共作 2008-02-26 19:49:03 | ある『物語』の断片 始まりの理由なんて、 覚えちゃいない それでも 一つ一つ積み重ねていって 分かったことが 一つだけあるんだ それだけで 充分じゃないのか?
薄味 2008-02-18 01:01:18 | ある『物語』の断片 喫茶店を出た後は 並んで歩くこともないんだね アイスコーヒーの氷が ぶつかり合いながら 少しずつ小さくなるのを 眺め続けるのは もう疲れちゃったんだね 主のいなくなった 客席を見つめながら 薄まった残液をすすり続ける そんな生き物でいるのは 終わりにしたかったのにね あぁ、そうさ 何事もなかったかのように また、演じ続けるだけさ
隠者 2008-02-17 00:06:59 | ある『物語』の断片 今宵は 新しい月と 新しい客人のために 酒と言葉を交そうぞ 久々に思い出した言葉を 仙人はとても愛おしそうに 何度も何度も繰り返した
月光 2008-02-16 14:42:38 | ある『物語』の断片 白い光を受けて輝いた 君の黒い瞳は くすんだ僕の心も 胸の奥に沈めた夢も 全て呼び覚ました 小さくて透き通る目 その視線の先 小さな瞳の奥の闇 その中の光 もっとよく見せて 手を伸ばしたら 届きそうな そんな、月
僕の街 2008-02-12 00:49:01 | ある『物語』の断片 どこまでも 拡がっていく水平線 昨日の涙も 今日の言葉も 明日の憂いも 全部溶け出した どこまでも青く どこまでも白く 君が染めあげた街
若者たち 2008-02-10 00:14:21 | ある『物語』の断片 最後に光っていたのは いつだったかな 与えながら 認められながら 奪われながら 奪いながら 少しずつ 少しずつ 失われていく 少しずつ 少しずつ 忘れられていく 白い花びら
永遠 2008-02-01 00:02:48 | ある『物語』の断片 視線が絡まった その瞬間から 鼓動を始める永遠 手と手を繋いだ その瞬間から ビートを刻む永遠 何かを始めることは 難しいようで簡単で 何かを続けることは 簡単なようで難しい それならば 一秒でも長く。 少しずつ 変わりながらも 少しずつ 壊れながらも 呼吸を続ける永遠