ある『物語』の断片

『物語たち』は語り始める。

手帳

2008-01-24 02:18:17 | ある『物語』の断片
空白に自分の予定が
次々と描かれていく

誰かと過ごす未来が
次々と描かれていく

その中でも
特別な一日に
大きく赤丸をして

その時までの
時を数えて

急に嬉しくなったり
急に不安になったりする

そんな普通な日々を
憧れていた日々


いつしか
予定は消えていって
日々の手順を
踏むだけになって

日常に埋もれていく

机の中にある
ついに使わなくなった
ボールペンと
古くなった手帳を

持て余し続ける日々


一昔前の自分と
憧れていた日々を

持て余し続ける日々