ある『物語』の断片

『物語たち』は語り始める。

ディナー

2008-01-15 00:01:05 | ある『物語』の断片
二人のささやき合う声と
フォークの擦れる音は
誰にも気づかれないまま
夜の街に溶けていく

キャンドルに照らされた
甘酸っぱいワインも
とろけるようなケーキも

もう、君のものだよ

もう、僕のものだよ


経つのを忘れる時間も
酔ってしまう空間も
とろけるような温度も

もう、二人のものだよ