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ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

ぶらんど

2008-11-10 20:42:06 | 着物・古布
写真は私の手持ちの帯締めで「房」でないもの。
よくよく見れば、自分で買ったのは左上の色の濃い小田巻だけ、
あとはバサマや友人知人からのもらいもの…。

さて、小物のお話しは、結局たいして参考にもならへん、
自分の好みのお話しになってしまいましてすみません。
上の写真の小田巻帯締め、京都で買いました。
これが、あまりにも昔のことで、どちらのお店だったかわすれてしまったのですが
ゑり正」さんか、もう一軒は「井澤屋」さん、のどちらかです。
たぶん「ゑり正」さんだと…思うんですが、なんでこぅ記憶力がわるいかなぁ。。
私この二軒のお店の色柄が好きでしてねぇ、HPはいつも覗いているのですが、
「覗くだけぇ」…だってお高い…今、ヨダレたらして見ているのは
「ゑり正」さんの「ニンジンうさぎ」のバッグ、39900円…
レーヨンの柄半衿が何枚買えるんだっ!
そして「井澤屋さん」ではこちら、「陶印」、ただこちらは「お問い合わせ」なんです。
価格がわからない~、怖くて聞けない~。

どちらのお店も、京都にいけたときはできるだけお店に、
立ち寄るようにしています。そんなわけで、私の小物は京都で買ったか、
横浜のデパートでの「京都展」で買ったかのどちらかばかり…。
横浜アタリにも呉服屋さんはありますが、やっぱり色柄とか品数が違うんですね。

さて、相変わらず「枕」の長いとんぼのお話「ブランド」について。
和小物のことから、ふと「ブランド」についてちょっと考えてみました。
小物ではなく大物、いや「着物」についてです。

私は外国のいわゆる「ブランド品」というものには、全くうといです。
元々は「焼印」のこと、つまり「ウチのもんだよー」という印です。
それがある特定のものについて、それを表すマークとか形のこと、になったわけで
ファッションのブランドといえば、えーとシャネル?セリーヌ?ヴィトン?
そういうものは、もう創立した人はすでに故人のことも多いですよね。
つまりそのお店の技術やコンセプト、デザインの特徴とか…よぅわかりませんが、
そういうものを弟子や雇ったデザイナー、プランナーなどが受け継いでいる、
ということなのではないかと思っています。

では着物業界はどうでしょう。よく「作家モノ」といいますね。
それは単純に、ブランドになるのでしょうか。
京友禅と加賀友禅は、見た目では「京は刺繍や箔を使って豪華で華やか、
加賀は絵のみではあるが、絵そのものが緻密で雅」というふうに言われます。
実は、技術でいえば基本的に大きな違いがあります。
京友禅は分業、加賀友禅は全部一人で…です。もちろん、この多様化の時代、
そうでない人もそれぞれにいるのかもしれませんが、
基本的には、そのことが二つの友禅の特徴を分けています。

京友禅を染めるかたは、あとで自分で刺繍をしたりはしません。
できあがったものに刺繍や箔がふんだんに使われていたら、
それで完成品なのですから、作家は描いた人、刺繍した人、箔を置いた人…、
みんな連名での作家もの?
でも、今「京友禅作家○○」と呼ばれる人がいる…ふしぎだな…。
逆に加賀友禅は、一人で全部最後までやりますから、
その種の協会だったと思いますが「落款」を登録するんだったと思います。
でもそうなると、そのブランドはその人一人のことです。
今のグッチ、セリーヌとは同じじゃありませんねぇ。
外国のファッションブランドは、本人は既に故人でも、
そのマークにかけて品質の維持と、デザインの基本を受け継ぐ、そういう
プランナーがいて、デザイナーやパタンナーやお針子さんがいて…と、
そういうことが確立しています。では日本のブランドってなんだと思いますか?

そういう意味でいうなら、私は染物のブランドなら「京友禅」「加賀友禅」
「江戸小紋」「有松鳴海絞」などそれぞれがブランドではないかと思っています。
織物なら「大島紬」「結城紬」「黄八丈」「宮古上布」「越後上布」…。
それぞれの土地で、名もない人たちが先人の残した技やデザインを、
伝統として受け継ぎ、更に新しい作品をつくりあげていく。
外国のブランドにしても、セリーヌの革製品はデザイナーが、
自分で縫い上げているわけじゃありません。セリーヌ専門のかばん職人、
靴職人が、名を知られることもなく縫い上げているはずです。
日本の場合は、分業が一つの場所で一人のプランナーのもとに
全部作られているわけではないことがほとんどです。
だから地域のブランド、というふうに考えれば、
日本の中で、京都という土地には京友禅、というブランドがあって、
その技術や図案などの伝統を守っている人が、あちこちにいて、
京友禅というブランドを支え、守っている、ということではないかと思うのです。
そういうことに、特に秀でた才能の持ち主は「人間国宝」になったりしますが、
ではその人が作ったものだけがブランドになるのでしょうか。
名前は知られなくても、すばらしい染物をする方はたくさんいます。
呉服屋さんで衣桁にかけられている美しい着物のほとんどが、
名前をきいても知らない人が染めたものじゃないんでしょうか。

逆に外国のブランドと似た課程を持つものもあります。
以前お話いたしましたが「越後上布」には
「総合プロデューサー」がいます。そのひとが、どの人が糸を取って、
その糸は誰がくくって染めて、誰のデザインをどの人に織らせるか、
それを総合的に決めてゆきます。この人を「麻匠(あさしょう)」と言いますが、
越後上布で桐箱に入るような上質のものの箱書きには、
この「麻匠」の名前が入ります。糸を取った人も織った人も無名です。
(最近テレビなどで紹介されたりしてますが)
つまり、日本のブランドというのは、今カンタンに比べている
外国のブランドとは、それぞれの染物や織物によっても、地域によっても、
成り立ちや、しくみからしていろいろ違うところがあり、
一口で「これがブランド」というのは難しいのではないかと思うのです。
だから、だれそれの…ということに惑わされないでほしいと思うのです。

もちろん着物や帯にしても和小物にしても、
秀でた技術を持つものが名を知られる、ということはあります。
そして、それが長く続いているということは、
それだけすばらしいものであるという証明です。
でも、だからと言って名前がついてなくても、
技術を受け継ぐ人はたくさんいて、良いものはたくさんあると思います。

今のファッションの世界で「ブランド」という言葉は、
ただの商標というだけでなく「固有名詞をさすもの」という感覚です。
カルチェとかヴィトンとか…。
その感覚をそのまま日本の「作家もの」といわれるものに当てはめるのは、
ちっとちがうのではないかなーと、私はいつも思っています。


えー、外国のぶらんどもの、オットが仕事でよく香港に行きまして、
おみやげにナンタラいうポーチを買ってきてくれました。
「えーとこれは…び、びとん?」
「…のコピー」
「今、なんてイイマシタ?」
「あっ、これ子とんぼに、Gジャンね」
「あっミッキーだ、よかったねー子とんぼー」
「…のパクリもの」
「今、なんてイイマシタ?」
ジャンパーの背中には「MICKEY」ではなく「MACKEY」
まっきーかいっ!
数年後、使わない財布やキーケースの入った箱をあけると、
「かるちぇ・まがい」の黒い皮の二つ折りサイフが…。
新品でしたが、むき出しで入れてありましたから既にキズだらけ。
それを見たオットが「あーきずだらけじゃん、もう使えないなー」
「どうせコピーでしょ」
「これホンモノ」
「今、なんてイイマシタ?」…。













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8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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こんばんわです^^ (えみこ)
2008-11-10 21:03:10
諸事情で押し入れを整理していたら
今は亡き身内の形見のプラダのバッグが…。
ところが~^^;自分は黒色はもたないし
形も小さくておばさん荷物の世代にはつらいし
友人からも、こんなにショボくてもプラダなんて
イヤ!ともらってもらえない。
ブランドってなんなんでしょうね。
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Unknown (とんぼ)
2008-11-10 21:09:28
えみこ様
私も、これ「ナントカ」のよっ、って
もらったけど、ちいさいわ使いにくいわ、
名前だけのために持つなんて…。
で、更に友人にあげようとしたら、
私このブランド使わないから…。
ほんとにブランドってなんなんでしょうねぇ。
返信する
Unknown (陽花)
2008-11-10 22:42:04
ブランド品には元々あまり興味がないもので、
唯一重宝に使っている物は、娘が買ってくれた
フェンディとかいう腕時計だけ・・・
グッチなるバッグをラスベガスに行った折
記念に買ってきましたが、殆ど使う事なく
押入れに鎮座しております。
ブランド品も持つ人が持ったら値打ちがあるのかもしれませんが、私が持ってもコピーに
見えるだけ・・・やっぱり無名の商品でも使い勝手のいいのが一番です。
皮でもないバッグがン十万なんていうブランドって本当になんなんでしょうね~
返信する
Unknown (とんぼ)
2008-11-11 03:46:30
陽花様
バッグとか靴とかは、やっぱり見た目や
名前より、機能とか性能ですよね。
名前代、輸入代なのでしょうか、
ほんっとに高いですね。
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Unknown (ゆん)
2008-11-11 07:45:55
おはようございます

 ブランドもののお財布なんて買ったら、中に入れるお金がない!です。
 合皮のブランドより、無名の皮製を選びます!

 でも、「あ、これいいな!」が、たまたまブランドものだった・・・は
  やっぱり、ポイントは身の丈にあった中での、時々背伸び・かな~~

 あ、一度は、いいとこの足袋のお誂えしてみたい!です。
返信する
ブランド (うんちく)
2008-11-11 16:06:44
フランスの著名ブランドのネクタイは大半がイ
タリアのコモ湖で染められています。中には縫
製までイタリアのものがあります。ですからコ
モ湖に行けばフランスブランドのネクタイが安
く買えます。カルティエの皮製品は、なんとも
言えないワインレッドが特徴ですが、これまた
殆どがメキシコ製です。ブランドって一体何な
んでしょうね?
香港で本物を買うことは諦めるしかありませ
ん。一流ホテルのアーケイドの中の宝飾店で金
の鎖を見つけ、からかい半分であれこれ質問し
ていたら、最後に店員が曰く、20金と刻印が
押してある、つなぎの部分だけが20金で、残
りの鎖はせいぜい18金ですと。面白かったけ
ど、複雑な気持ちでした。

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ブランド考いろいろ (otyukun)
2008-11-11 18:08:33
京都の作家さんの大半がお弟子さんがやった仕事に落款を押すだけという事実もあります。
監修しているのだからと言われればそれまでですが、何となくしっくりきません。
ある人間国宝の作品が作り過ぎてビックリする様な価格で売られている事も事実。
伝統工芸士にろくなもの居ないという職人が多いのも事実。
つまり、権威と言うものが全く当てにならないという事だと思います。
自分の目の感性を信じて手に入れるのが肝要。

イタリアの職人達が仕事が無くなったと騒いでいるそうです。
中国でほぼ完成された物をイタリアに戻して仕上げするから。
これでもイタリア製。
うんちくさんの仰る通り、世界中で偽物が横行している様です。
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Unknown (とんぼ)
2008-11-11 23:48:16
ゆん様
ほんとになんであんなに高いんでしょう。
私は関心ないので、買いませんでしたが、
ハマった友人は、ボーナスつぎ込んでました。
そのあとどうしたのかなー。
足袋のお誂え、私もしたいですー。


うんちく様
どうもそのようですね。
メキシコやいたりあのお話しは
知りませんでしたが、オットもホンモノと
言われているものは買ってきませんでした。
カルチェ・まがいはどうやら
日本の空港だかで買ったようです。
そんなもんですねぇ。


otyukun様
やっぱりそういうお話もあるのですね。
展示会商法…へ行くと必ず
「作家ものコーナー」に連れて行かれます。
一度も買ったことはありませんが、
有名な先生で…といわれるたびに、
どこの世界で…と思ってました。
肩書きに弱い日本人、着物のことは
和憂そうよりわからないから、
よけいに引っかかるのでしょうね。
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