
これも実家から持ち帰ったもの。
まだ未使用です。あぁこんな柄の昔あったわぁって思う方は、私と同年代。
布団にはカバーというのは、近年になってからのことですね。
今は布団も中身そのものも違っていますし、敷き布団も掛布団もきれいな生地でできていても、
その上からシーツやカバーでくるんで使います。それを外して洗濯する…。
昔は、シーツなんてありませんでしたから、布団の側がそのままシーツ、掛布団も同じです。
今とは衛生状況も、衛生観念も違いますから、それで暮らしていたわけです。
そのかわり、お天気のいい日は日に当てる、そして何年か使えば、綿の打ち直しをするわけです。
それも自宅でやってました。おぼろげな記憶ですが、母もやっていました。
あ、シーツもカバーも使ってましたけどね。布団の打ち直しは頼むとお金がかかりますから。
二間しかない狭い家でしたから、その日は縁側を開け放ち、
私は入ってくるな、外で遊べと追いやられ…。
手拭いをマスク代わりに口に巻いて、アタマも姉さんかぶりで割烹着の母の姿がおもしろく、
つい近づいては「綿ボコリがつくて、言うてるやろが!」と、叱られて。
この布団カバーは、周りに白い生地が使われ、これの中に掛布団をすっぽり入れると、
ちょうど布団に白いカバーをかけたように見えるわけですね。
最近は、布団カバーも全体柄が多くなって、中は逆に「ヌードタイプ」と言われる、
ただの白生地だったりします。それどころか、柄の布団でも、そのまま「洗えます」なんてのも…。
変われば変わるものです。
昔の木綿わたの布団は、重たいものでしたが、父などは「重さが暖かさ」という基準で、
いまどきの軽い布団はあったかくないような気がする…といいます。
去年、息子用に久しぶりにウール100パーセントのハーフサイズ毛布を買ったのですが、
たしかにあたたかい…のだけれど、なんというか、しなやかさに欠けるというか、
化繊のふわんふわん毛布に慣れた身には、なんか「かたさ」が気になったりして。
人間ってゼータクですよね。
こういう柄、言葉では言い表しにくいですが、いわゆる「布団柄」…。
部分アップしてみました。一応「絞り」っぽくみせた柄。
母はよく、ちょっと野暮ったい大柄な着物や、色合いがいまひとつハズれてる格子柄などを見ると、
「ありゃ布団柄や、味がないわ」と言いました。
これも、未使用ですから、柄部分だけとれば「りっぱな和柄」ですが、
だからといって、子供の着物にもちょっと…です。
布団にしか使えない…と言ってしまったらかわいそう…逆に布団だからこそ使える華やかさ、
独特のあざとさ?ってヘンな言い方ですかしら。
最近は、和風の布団も側の柄は洋風が多くて、なんともいえないこんな感じの
コテコテした色柄は、今は少なくなってますね。
ところで…先日書きました「実家に置きっぱなしの私の婚礼布団」…。
実は夫婦座布団だけは、ずっと使っていました。
今はこんな憐れな状態に…なんて汚いんでしょ…。かわり毘沙門組亀甲柄。
よくよく見れば、中が立湧で埋まってるし…けっこう凝ってました。
いい具合にヘタった座布団が好きな私は、カバーをとっかえひっかえで来ましたので、
こんなに汚れているのもすっかり忘れていました。ちなみに主人用は薄いブルーです。
先日、まだそのままの婚礼布団を30年ぶりに見て「あら、ほんとはこんなにきれいだったんだわ」…。
あれは、いずれ綿を出して、何かに使えそうです。
さて、持ち帰ったけれどこの布団カバー、どうしましょうか。
レトロな雰囲気を楽しんで、使いますかね、もちろんオットのふとんに…??
打ち直しなどちゃんと習っていたのでしょうか。
母も部屋を閉め切って、とんぼ様のお母様と同じで
手ぬぐいマスクに姉さんかぶりできれいに綿を
並べて四隅を折ってくるっとひっくり返していました。
私は真綿を引っ張るのを手伝っていました。
婚礼布団、私のは赤地に鶴と花柄だったような記憶
です。緞子は丈夫じゃなくて早くに仕立てかえました。
考えてみると布団もすっかり様変わりですね。
しばらく前までは母も布団は重いほうが暖かくかんじる、などと言っていましたが今はすっかり羽毛がお気に入りです。
なんでもかんでも「主婦の仕事」…だったんでしょうね。
私は遅く生まれてよかったですわ。
以前いただきものの「花嫁座布団生地」。
真っ赤と紫で、いいツヤだったのですが、
髪飾りの大きなリボンにしたら、
あっというまにヤケてしまいました。
使い方も難しいですわ。
ほんとに変わりましたね。
私も一時期ベッド生活でしたので、
マットだのパッドだので、暮らしてきました。
腰のためにはせんべい布団がいいと言われまので
これまた一時期「板」みたいなマットで寝ていました。
せんべい布団がいいってことですよねぇ。