ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

缶詰のお話し…

2009-03-27 17:24:02 | 昔の道具・暮らし
写真はどんどん咲き始めた花ニラ、トリテリアというそうです。
この角度で見るとちょっと違って見えますね、そぉです「虫さん目線」です。
こちらも虫さん目線で、ムスカリとトリテリアの井戸端会議?


   


こちらはフランネル草、まだはっぱだけ…冬の間はぺしゃんこでシナシナで、
心配してましたが、急に元気になりました。
このはっぱ、フランネルとはよく言ったものですね。
花は特別ハデさもなく可憐、ちっちゃい撫子みたい、と思ったら、
やっぱり「眷属」だそうです。日本名「酔仙翁(すいせんのう)」。


   


さて、本日のテーマ、ゆんさまのところで「缶詰」のお話しが出まして、
たまたま記事を拝読する直前に「缶詰」あけてたもんで…という安易な理由?!

冷蔵庫もまだ今ほど普及していなかった時代は、
とりあえず食材で使う「日持ちのしないもの」は毎日買いに行く、でした。
多少保存のきくものは、何日で使い切る…と計算して買い、
長期保存できるものは、虫がわいたりしないように、とか
高温多湿になるところに置かないように、とか、いろいろ考えて、
保管場所を決めたりしていました。
傷んだかどうかは「消費期限」や「賞味期限」なんてついてませんから、
自分の鼻と舌が頼り…母はよく煮物なんかはクンクン嗅いで「だいじょぶ」なんて
もう一度火を通して出したりしていました。

缶詰なんてのは、便利食品、今の冷凍食品くらい利用価値あった気がします。
もっとも母は「何を食べてもかなッけ(金属ッ気)がしていやだ」と、
自分はほとんどたべませんでしたが…。
サバの味噌煮とかサケの水煮とか、サンマの蒲焼、いわしの油付け…。
コンビーフに桃缶、みかん缶…。いつもいくお店の棚には
缶詰がきれいに並べてあって、特に大きいパイン缶は、いくらねだっても
買ってもらえませんでした。「ミカンにしとき」でチョン。

時代とともに使う缶詰も変わってきて、料理の素材としてコーンとか、
ホールトマトとか…あっシーチキンはおかずもう一品のときは助かりますね。
最近は「オイル」じゃないヤツです。ちょっと物足りないけど。
変わったのは中身だけでなく、あけかたもです。
いまやたいがい「パッカン」ですよね。缶切りなんて使うことは少ないです。
昔なんかで読んだ、ちょっとした物語で、ある状況で食べ物がなくなり、
たった一個みつけた缶詰の争奪戦になる…やっと一人が手に入れて、
やったやったと大騒ぎするのですが「缶切り」がない…。
結局缶切りを持っていた人に取り上げられて、みんなでひとつを分けて食べた…
今じゃ通用しない話ですねぇ。

ゆんさまのところで「自動缶切り」があった…というお話しがあったのですが、
私はみたことがありません。我が家はあのオーソドックスな「キコキコ」型。
「自動缶切り」で検索しまして見つけました。
今でもあるんだーと思ったら、使用画像がみんな「ペットフード」…。
あぁそういう時代なのねぇと思いました。
でも便利そうですよこれ、動画もついてます。おもちゃみたいですね。
縦型の大きいのもありました。ラクそうだなーと思ったのですが、
使うことが…ありませんわ。キコキコがひとつあれば、ですね。
ペットフードもパッカンだけだと思っていましたが、
そうじゃないのもあるんですね。

ただ、缶切りで切るのと違って、外側を切るんですね。
私実はこれ怖いです。というのもこういうふうにあけた缶詰の縁で
ザックリ切ったことがあるから…そそっかしいだけなんですけどね。
母のいつもの「耳タコ話」の中に、缶詰は開けるのも嫌いだ、
という話があります。
それは、母の母、つまり祖母がなくなったとき、
京都から「ハハシス ソウギ○ニチ」という電報がついて、
父の食事の支度をしてから、私をつれて急ぎ里帰りをすることになった…。
そのために泣きながら缶詰をあけたところ、涙でよく見えなくて、
手をザックリと切ったのだそうで、血はダラダラながれるわ、痛いわ、
したくはせにゃならんわ…もぉたまらんかったんや、とのこと。
お金も、ついでに新幹線もありませんでしたから、3歳の私を連れて
13時間かけて鈍行で京都までかえったわけですが、
ずーっと手はズキズキと痛み、それなのに私を抱いて寝かさなきゃならない、
で「缶詰は嫌いやねん」…わかるよーなわからんよーな。

こちらは我が家の缶切り、緑色のはすでに引退させたもの(でも捨てられない)、
実家から持ってきましたから、30年以上まえですね。


  


さすがにサビて不衛生になったので、白いほうに替えたのですが、
私としては、緑の形の方が、断然使いやすいです。
この白いほうのお尻に「プルタブ起こし」というのがついてます。
実は最近まできがつかなかったんですけどね。
その形を見ていて思い出したのですが、
昔の缶ジュースって全部「穴あけ」がついてました。
プルタブがアタリマエになったのは、いつごろだったでしょうか。
最初はあの丸い引っ張る部分が取れましたね、あれをずらっとつなげて、
くさりのようにしたものを「デコトラ」のフロントガラスのなかに
よく見たものです。今でもあるのかな。

こうしてみると、缶も進化したんですね。
同時に「栓抜き」もあまり使わなくなりました。
ビールを飲まれるお宅では…といったら、友人が「今は缶ビールよ」と。
そーかそーか、お店ぐらいでしょうかねぇ栓抜き使うのも。
最近は瓶モノはみんなペットボトルだし。
でもねぇ「めんどくさいこと」って、少しは必要じゃないかと思うんですよ。
私は今でもコンビーフの缶詰を開けるのが好き、
きれいにピッタリ揃えて巻き巻きして、最後にガキッとやってふたつに分けて、
中身出した後、あの巻き巻きしたのを中に入れてぴっちりフタする…ははは。

ハサミは先が丸くなり、肥後守は危ないからと姿を消し、
かみそりは「切れてなーい」になり、安全になった分、
危機感も薄れたんじゃないかと…。
子供のころから親がついて、少々ケガしながらも、
刃物はこわい、ということを教えたほうがいいんじゃないかと思ったりします。
姪っ子は切れる包丁が怖いといいます。切れないほうがこわいんですよ、
きれないから思いっきりひいたりしちゃって。

おばーちゃんの知恵みたいなことですが、先日トマトの皮をするりとむくのに、
冷凍庫で凍らせる、とテレビでやっていました。出して水に入れると
温度差で亀裂が入り、何水が入ってするりとむける…
確かにみていたらそのとおりでしたが、凍らせてすぐ使えるのかな。
湯ムキのほうがカンタンじゃありませんか?
パンを切るときは包丁をちっと火であぶるとか、卵を落として割ったら、
塩をヤマほどかけてほっとくとか、重なってとれなくなった湯飲み茶碗は
冷凍庫で一晩寝かせるとか…そういうことって、伝わってるのかなー。
いつおそわったということは覚えてないけど、いつの間にか知ってた…、
結婚して何一つ困らない、ということは便利なことですけれどねぇ。
いろいろ世の中かわったことで、新しい「知恵」もあります。
その番組では、へぇぇぇなんてこともありました。
そういうことをいろいろ知っておくって、なんか得した気分、なんですが、
最近は「ペーパータオルを使って」とか「ここでティッシュをつめて」とか
そういうのを見ると、それがもったいない…と思ってしまう私って…。









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12 コメント

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面倒くさいこと (茶ノ葉)
2009-03-27 18:44:33
「面倒くさいことって少しは必要」にはげしく同意です。
それから、理不尽なこととか厳しいことも少しは必要ですね。
そういう経験があって、自分なりの工夫とか知恵とかが育っていく気がします。
何もかもが、安全で便利で自由で優しい、というのは、逆に何かとても怖い気がします。

ところで、凍らせて剥くトマトについてですが・・・。
凍ったままで結構色々と使えますよ。
トマトは凍っていても包丁の刃が通りますので、細かく刻んで煮込みものに入れるのはもちろん大丈夫ですし、凍ったままサラダに入れて食べるのも夏場は美味しいです。

家庭菜園のプチトマトなどは、皮が固くて食べづらい時がありますから、たくさんできて食べきれないときなどに凍らせておけば、好きなときに使えるのも良いです。
返信する
刃の縦横 (うまこ)
2009-03-27 19:19:46
現在はこの刃が横になっていて、
上の縁までキレてしまうのが
主流なんですね。
だから、トンボさんの記事のように
けがをするんですね。

私の持っている手動式のも、
実家の電動、手動式、ともに
古いアメリカンタイプの物で
上のURLを見てください。

手動式も原理は同じ
面白い図を見つけました。
下に書きます。
これの壁掛け型が大好きでしたが
夫が壁に付けるのを許してくれなくて
(格好悪いって・・・・・)残念。
これも下に図を載せます。

どれも缶をちゃんと持っていないと
切り終わった時に蓋は
磁石でくっついているのですが
本体が落下・・・・・という事態も。

缶の縁はちゃんと残っているので
怪我はしないし、
蓋もきれいにはずれるので
中に落ちたり、
蓋を取る時の怪我もなし。
切りあとのギザギザも無しで、
ギコギコ型の缶切りより好きです。
返信する
手動式 (うまこ)
2009-03-27 19:20:04
手動式の缶切りの図です。
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壁掛け式 (うまこ)
2009-03-27 19:20:14
URLは壁掛け式の缶切りです。
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Unknown (陽花)
2009-03-27 20:29:57
缶詰は時々フルーツポンチをする時の
果物缶、オイルサーデン、ドックフードを
買うぐらいでしょうか。
パカッて開けられる缶詰以外は私もキコキコ
式の缶切使っています。
結構コツがいりますね。ところで、瓶の蓋が
堅くて困る事があります。瓶開けを使っても
堅い!これって歳いって力の無いものは
本当に困りますけどね。
返信する
便利そう! (えみこ)
2009-03-28 07:43:00
年々末端の筋力が落ちていってるので
いずれは使う事になりそうです^^自動缶切り。
外国の缶詰を購入していて、できるうちは手動です。
きっといつまでもクラシックなんだろうなぁと
ある意味この頑固さがいいと思ってます。
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Unknown (とんぼ)
2009-03-28 20:10:16
茶ノ葉様
>何もかもが、安全で便利で自由で優しい、というのは、逆に何かとても怖い…

それなんですよ。結局おおげさにいうと、
何もないときどうするの?なんですね。
サバイバルに暮らせないだろうと…。
精神的にもっていう意味で。

凍ったトマト、なるほど、そういうふうな
使い方があるのですね。
実は我が家でトマト好きはバサマだけ。
私は料理の中にはいれたりしますが、
どちらかというと苦手です。
昔畑のトマトにかぶりついた味がいいのかも。
いちど夏のサラダに使ってみます。
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Unknown (とんぼ)
2009-03-28 20:14:54
うまこ様
いろいろ楽しい資料、ありがとうございます。
電動はけっこう大がかりなものなのですね。
壁下記式の「ハンドル」を見ていて
思い出したのですが、丸いカッターで、
それを缶詰のフタの部分にはめ込み、
ねじを巻くようにつまみを回すと切れる、
というのが我が家にありましたわ。
確かにギザもなくきれいなのですが、
缶の大きさによってうまくはまらず、
やってるときに何度もコケるので、
使わなくなってしまいました。
私はやっぱりフタがとれるタイプがいいですね。
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Unknown (とんぼ)
2009-03-28 20:19:44
陽花様
なんかキコキコするのが、
一番めんどくさいかもしれないけれど、
慣れていて便利だと思えちゃってますね。
瓶のふたは、ほんとに最近「あれっ」と
思うことがあります。力なくなりましたわ。
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Unknown (とんぼ)
2009-03-28 20:20:54
えみこ様
クラシックでいられたら、いいと思います。
なんでも電動…で、停電になったら
何もできない…は困りますー。
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