昨日今日と、お天気よくて湿気がなくて、風がとても気持ちいい~~。
夏中こんなだったら、気温高くてもいいんだけどなぁ…。
というわけで、昨日今日と、しばらくやってなかった伸子張りをしました。
トップ写真は昨日やったポリ。毎度ご説明ですが、横のワンコは「こうた」、
樹脂製です。動きません、吼えません、散歩不要、それでも愛嬌たっぷりです。
ポリはラクでして、ちゃっちゃとすみましたが、今日はちりめん。
もぉ~~腰がいたいですー。
今日の分、先日の「ぜんまい羽織」です。
結構よごれ箇所がありましたし、全体にもなんとなく薄汚れた感じ。
このままでは着られないし、丸洗いしてもとれるかなーだったので、
思い切って解いて洗おうと…。解くのはホコリになりますので、
外でやろうと持って出て、よくよく見たら…なんか薄汚れがひどい…。
ところどころ細かく黄色いし…あぁぁぁぁ、ダメだこりゃ。
でもまぁ、どっちにしても一度洗いましょ、とやってみました。
みた目は白いのに、洗ったら水がまたたくまに「カフェオレ」みたいな色に…
あっ、今カフェオレのんでらっしゃるかた、ごめんなさいっ。
とりあえず、さっぱりしたんですが、やっぱり落ちなかったこの汚れ。
ここが一番ひどい感じのところ。
柄のまわのりだけでなく、あちこちけっこうあるんです。
パッと見ただけでは、あまりわからないんですけどねぇ。
ところで、伸子張りをするとどうなるか…、
これがほんっとにパリッとみごとによみがえるんです。シミ残っててもです。
左が伸子張りしたもの、右は解いただけ。
まぁ写真ではシワがあるかないか位ではっきりしませんが、
手触りからして違いますし、なにより一皮むけたサッパリ感があります。
ここで、伸子張りすると違うもうひとつの点、それは「幅」です。
元々伸子張りは「幅だし」の役目も果たします。
ちりめんん系は必ず縮みますから、そのまま干すと幅が狭くなります。
それを伸ばして乾かすわけですね。
ところがですねぇ、これもやたらやりゃいいってもんでもないわけで…。
まずは幅の違いです。
見づらいですが、上は伸子したもの、35センチちょっとですね。
下が解いた状態、できるだけ折りあとも伸ばしました。33センチちょっと。
この羽織、保存中にちょっと縮んだ可能性があります。
裏地がたるんでたんですよ。
解いた状態でこれですから、水に入れるともっと縮みます。
それを伸子でピンと引き伸ばして乾かすわけですね。
最近は、平均的な身長体重も大きくなっていますから、
裄を十分出すためにも、女性用でも反幅は34センチ以上ありますので、
これくらい伸びてもいいのですが、昔のって、けっこう反幅狭いものがあります。
それをあんまり伸ばすと、柄がひろがったり薄くなっちゃったりします。
この羽織は、もう細工用にするしかないので、広く伸ばしましたが、
これは調整することができます。つまり「伸子」の長さと細さですね。
こちらが長さと細さの違いです。
私は母から伸子張り一式をもらったとき、そこまで教えてもらいませんでした。
のちにオークションで落札したものなど見ていて、
あれっ違うんだ…と気がついたんです。素人の悲しさですねぇ。
また、半幅用の伸子がほしくて、ツテをたよってみつけた
「伸子」を作っているところ、そこに頼んだときに
「何センチのを何本」と注文してくれれば…といわれました。
プロの方は、おそらくその生地の厚さとか織りとか、
それがなんであるか(着物とかじゅばんとか…)によって、
伸子も使い分けているのだと思います。
単純に考えても、太くて長いものは「張る」チカラが強いですから、
広がりも大きくなりますよね。
また、ちりめんなどは縮みが大きいですから、伸子の間隔をせばめないと、
反物の端の伸子と伸子の間が、)( こんな形に、なってしまいます。
それで2センチおきくらいに打つわけです。
こちらは昨日のポリ、伸び縮みがありませんから、
あくまでしわ伸ばし程度の間隔です。
今日のちりめんはこんな感じ…。
プロに聞いたわけではないので、これはあくまでも私の実体験からのことですが、
たくさん打てば、当然広がるチカラも強くなります。
ですから細くて短いものをたくさん打つ、ポリや紬など縮む心配のないものは
数打たないから、そのぶん太くても大丈夫…という感じなんです。
元々我が家の伸子張りは、着物に再生するためのものではなく、
全部が材料用ですから、きれいになってシワがなくなればいいわけです。
それであまり気にせずやってますが、実はあまり古くて幅の狭いちりめんなどは、
せっかくのしぼが少し平らになってしまったりします。
まぁ何でもそうですが、いろいろやってみないとわからないものですね。
今日やったのは「衿と袖」を端縫いしたものです。
身頃は羽織の場合、まちなどなが~く端縫いしなければならないので、
またこれからです。どっちにしても、これは帯かなんかがいいですかね。
半幅にするにしても、柄がきれいに出るように、真ん中から折るのではなく、
少しずらして…そうするとこんな感じ…。
けっこうかわいくていいですね。
このさわやかなお天気は続くなんぞといっていたのに、
台風接近で、またまたわからなくなりました。
はやいとこいろいろやっとかないと…。
伸子をはずしているときに通りかかったご婦人が、
「珍しい…」と足を止めて声を掛けてくださいました。
最後に「なんだか母を思い出しました、ありがとう」と言ってくださって…。
私のほうこそ、ほめていただいて嬉しかったし、なにより
その母がまだ生きていて、これを教えてくれたことに感謝、
そして「先人の知恵」に感謝、です。
[羽織]
夏中こんなだったら、気温高くてもいいんだけどなぁ…。
というわけで、昨日今日と、しばらくやってなかった伸子張りをしました。
トップ写真は昨日やったポリ。毎度ご説明ですが、横のワンコは「こうた」、
樹脂製です。動きません、吼えません、散歩不要、それでも愛嬌たっぷりです。
ポリはラクでして、ちゃっちゃとすみましたが、今日はちりめん。
もぉ~~腰がいたいですー。
今日の分、先日の「ぜんまい羽織」です。
結構よごれ箇所がありましたし、全体にもなんとなく薄汚れた感じ。
このままでは着られないし、丸洗いしてもとれるかなーだったので、
思い切って解いて洗おうと…。解くのはホコリになりますので、
外でやろうと持って出て、よくよく見たら…なんか薄汚れがひどい…。
ところどころ細かく黄色いし…あぁぁぁぁ、ダメだこりゃ。
でもまぁ、どっちにしても一度洗いましょ、とやってみました。
みた目は白いのに、洗ったら水がまたたくまに「カフェオレ」みたいな色に…
あっ、今カフェオレのんでらっしゃるかた、ごめんなさいっ。
とりあえず、さっぱりしたんですが、やっぱり落ちなかったこの汚れ。
ここが一番ひどい感じのところ。
柄のまわのりだけでなく、あちこちけっこうあるんです。
パッと見ただけでは、あまりわからないんですけどねぇ。
ところで、伸子張りをするとどうなるか…、
これがほんっとにパリッとみごとによみがえるんです。シミ残っててもです。
左が伸子張りしたもの、右は解いただけ。
まぁ写真ではシワがあるかないか位ではっきりしませんが、
手触りからして違いますし、なにより一皮むけたサッパリ感があります。
ここで、伸子張りすると違うもうひとつの点、それは「幅」です。
元々伸子張りは「幅だし」の役目も果たします。
ちりめんん系は必ず縮みますから、そのまま干すと幅が狭くなります。
それを伸ばして乾かすわけですね。
ところがですねぇ、これもやたらやりゃいいってもんでもないわけで…。
まずは幅の違いです。
見づらいですが、上は伸子したもの、35センチちょっとですね。
下が解いた状態、できるだけ折りあとも伸ばしました。33センチちょっと。
この羽織、保存中にちょっと縮んだ可能性があります。
裏地がたるんでたんですよ。
解いた状態でこれですから、水に入れるともっと縮みます。
それを伸子でピンと引き伸ばして乾かすわけですね。
最近は、平均的な身長体重も大きくなっていますから、
裄を十分出すためにも、女性用でも反幅は34センチ以上ありますので、
これくらい伸びてもいいのですが、昔のって、けっこう反幅狭いものがあります。
それをあんまり伸ばすと、柄がひろがったり薄くなっちゃったりします。
この羽織は、もう細工用にするしかないので、広く伸ばしましたが、
これは調整することができます。つまり「伸子」の長さと細さですね。
こちらが長さと細さの違いです。
私は母から伸子張り一式をもらったとき、そこまで教えてもらいませんでした。
のちにオークションで落札したものなど見ていて、
あれっ違うんだ…と気がついたんです。素人の悲しさですねぇ。
また、半幅用の伸子がほしくて、ツテをたよってみつけた
「伸子」を作っているところ、そこに頼んだときに
「何センチのを何本」と注文してくれれば…といわれました。
プロの方は、おそらくその生地の厚さとか織りとか、
それがなんであるか(着物とかじゅばんとか…)によって、
伸子も使い分けているのだと思います。
単純に考えても、太くて長いものは「張る」チカラが強いですから、
広がりも大きくなりますよね。
また、ちりめんなどは縮みが大きいですから、伸子の間隔をせばめないと、
反物の端の伸子と伸子の間が、)( こんな形に、なってしまいます。
それで2センチおきくらいに打つわけです。
こちらは昨日のポリ、伸び縮みがありませんから、
あくまでしわ伸ばし程度の間隔です。
今日のちりめんはこんな感じ…。
プロに聞いたわけではないので、これはあくまでも私の実体験からのことですが、
たくさん打てば、当然広がるチカラも強くなります。
ですから細くて短いものをたくさん打つ、ポリや紬など縮む心配のないものは
数打たないから、そのぶん太くても大丈夫…という感じなんです。
元々我が家の伸子張りは、着物に再生するためのものではなく、
全部が材料用ですから、きれいになってシワがなくなればいいわけです。
それであまり気にせずやってますが、実はあまり古くて幅の狭いちりめんなどは、
せっかくのしぼが少し平らになってしまったりします。
まぁ何でもそうですが、いろいろやってみないとわからないものですね。
今日やったのは「衿と袖」を端縫いしたものです。
身頃は羽織の場合、まちなどなが~く端縫いしなければならないので、
またこれからです。どっちにしても、これは帯かなんかがいいですかね。
半幅にするにしても、柄がきれいに出るように、真ん中から折るのではなく、
少しずらして…そうするとこんな感じ…。
けっこうかわいくていいですね。
このさわやかなお天気は続くなんぞといっていたのに、
台風接近で、またまたわからなくなりました。
はやいとこいろいろやっとかないと…。
伸子をはずしているときに通りかかったご婦人が、
「珍しい…」と足を止めて声を掛けてくださいました。
最後に「なんだか母を思い出しました、ありがとう」と言ってくださって…。
私のほうこそ、ほめていただいて嬉しかったし、なにより
その母がまだ生きていて、これを教えてくれたことに感謝、
そして「先人の知恵」に感謝、です。
[羽織]
首にバンダナ巻いてカッコイイじゃないですか♪
“伸子張り”を何のためにやるのかも知らないくらい
着物のことは無知な私ですが、着物のことを
知りたくなった(着てみたくなった)今日この頃です。
なにから始めるのがいいですか?
のも随分と見ていませんが、いい景色だと思っ
ています。
マロウさんがとんぼさんにアドバイスを求めて
いますが、運の良い人ですね。いい先生に巡り
会えているんですから。
見せて頂くくらいで、実際には何十年も
見ていません。
何度もお友達に聞いているはずなのに
伸子張りを打つのは左から、のりは右から
でしたっけ・・・
その後「無双羽織」で伺って、今では日参です~。
生地によって伸子の張り方を変える、またそれができるシステムになっているというのが、なんとも利口なやり方で日本っぽいなぁと思いました。
本来、日本というのはこういう国なんですよねぇ。
何度拝見してもこのぜんまい、良い柄ですね。
こーたのバンダナ「金魚柄」なんですー。
そろそろ取り替えてやらないと…。
着物、着てください。
よく最初はゆかたからって言います。
まず「羽織って・前をあわせて・腰紐しめて
おはしょり・伊達締め」ここまでなら
ゆかたで十分です。
要するにコツとか感覚を覚えるわけですから。
できれば、最初から「じゅばん」に
慣れたほうがいい、という場合は
木綿かウールの着物にまずはうそつきでOK。
本当は最初からお誂えが一番ですが、
お金かかりますから、古着でもなんでも、
まずはおはしょりのために「身丈」優先で
選んでください。
着付け教室に行かれるのが手っ取り早いですが
今は動画もありますし、それでも十分
着られるようになると思います。
小物をそろえるとか、細かいこと、
どうぞご遠慮なく、メールください。
うんちく様
「風景」といっていただいて嬉しいです。
張り板を使っていた母の姿も思い出します。
乾いたのをまっすぐはがすのは、
私の仕事でした。
先生だなんてお恥ずかしい…穴掘ってますがな
陽花様
私もちゃんと覚えてないのです。
母は左利きのケがあって左から打ってたと
そんなきがするのですが、
私は右から打つほうが早くできるんですよ。
糊付けは…母はなんかそのたびに
違ってた気がしますねぇ。
場所がせまかったからかなぁ。
ぜひお友達に聞いてみてください。
私もちゃんと知りたいです。
りら様
そうでしたねぇ。
日参していただいて、嬉しいです。
手間隙かける、とか、手塩にかけるとか、
そういう時間を惜しまなかったんですよね。
なんでもスイッチポンになってしまって、
ちょっと手間のかかることは面倒…、
これって便利さの追求で、人間がアホになる
と、そんな気がしています。
ぜんまい…しみがぁ!と泣いております。
目立ちませんが、やっぱりあるんですー。
着物の教本以外で初めて見ました!
興味津々。
とんぼさん、すごいっ!!
洗うって、普通に水洗いするのですか?
とんぼさんは悉皆などには出さないのですか?
ぜんまいの絵、とてもステキですね。
ぜんまい、大好評ですね。別に、私のものでもないのに、「山のもん」が褒められるとすごくうれしい(笑)!
伸子張り、外国の方が見たら何と思われるでしょうね~?ほんとにきれい!!用の美!!
小さい時、隣のお婆ちゃんが小さい体で長~~い板並べて洗い張りしてるのを見たことを思い出しました。ウールも洗ってましたよ!(かゆい生地で苦手だったから、子供でもわかりました。)
伸子張りもありましたが、板に糊付して張り熨斗をしていた事の方が多かった様に憶えています。
工房に持ち込まれる古着も水洗いだけでは皺は取れません。
張り熨斗屋さんのお世話になっています。
伸子には沢山の種類があります。
針の部分が折れ曲がって竹の部分が直接生地に当たらない物や、グラスファイバー製など。
長さも一メーターを越す物も。
本数がまとまれば別注も受け付けるはずです。
染屋に取っては消耗品です。
うちの場合は材料用なので、あまり汚いときは
オシャレ着用洗剤かシャンプーで。
おしえてもらったんです、絹も髪と同じ
たんぱく質だからって。
それか水洗いですむものはそれだけ。
私の場合は、そんなわけで
「ふのり」も持ってますが、糊付けはナシ。
大事なものは悉皆やさんですよぉ!
ゆん様
ぜんまいさんは、帯にするといいみたい、
と、ずっと思ってるんです。
張り板、もあります実は…。
でも小さいのと古いのとで、
あまり使い勝手よくないんですよ。
懐かしい風景ですねぇ。
otyukun様
母が張ったものを、私がはがして…、
そんな思いでもあります。
伸子は京都でみつけたお店に、短いのを
頼みました。今のところ、手持ちのもので
ナントカなると思っていたのですが、
古くて針がまがっているものなど、
整理しなきゃなりません。
もう弱っていて、折れるものもあるんです。
一度じっくり本物を全部見てみたいものです。