ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

もったいない男の着物

2008-09-11 15:31:52 | 着物・古布
なぜもったいないか…サイズが小さいうえ、部分傷みが…。
これを着ておられたのは「呉服屋のご主人」、
ずっと着物でこられたのですが、元々ちょっとご不自由だった足を更に悪くされ、
ひざをまげて座ることが難しくなってしまわれたのです。
家の中でも、着物ではちと危ないということで洋装になられました。
その結果、いらなくなっちゃったの、と、私のところへ来たわけです。
もちろん、お仕事がら、どうしても和服の場合もあるわけで、
私のところに来たのはもう着古した普段用のものです。
というわけで、解いて工作用にしようと思っているのですが、
これだけ解いて水洗いもたいへんかな~~~。

背の低い方ですので、対丈で私ちょうど…なんです。130センチ。
物によっては、揚げが10センチくらい縫いこんであるものもありますから、
生地量は繰り回しに十分だと思います。
写真は長着ですが、これは紬でもお召しでもなく「ちりめん」ではないかと。
いい柄です。


  


最近着物をお召しになる男性でも、だいたいは紬が多いですよね。
でも、こういうものも着ていただきたいですねぇ、テレンとしてしなやかです。

こちらはちょっと珍しいアンサンブル。
着物みたいに見えますが、矢印のところ、わかりますか?上着の裾位置です。


        


アンサンブルといえば着物と羽織なんですが、
さすがに呉服屋のご主人、羽織は紐がじゃまだし動きづらいから、と
いわゆる「ひっぱり」の形にしてあります。裏はこんなです。


   


こうしてみるときれいなんですが、さんっざんお召しになったらしく、
上は衿が擦り切れてます。裏はいわゆる「花色もめん」の通し胴裏です。
こんな色の着物もあります。


   


呉服屋さんだから贅沢しているかというと…確かに品物はいいものばかりです。
でも、何度も洗い張りして縫い直してきていらっしゃる…。
さすがだなぁとおもいます。奥様は、締めまくって傷んだ帯はバッグにしたり、
着物の古いものを羽織になさったり、やっぱり繰り回しがお上手です。
息子さんが体が大きいので、ご主人の古着は着られないとか。
せっかく譲っていただいたのですから、しっかり傷みを調べて、
使える部分を販売したいと思っています。

それにしても…男の方~紬ばっかじゃなくて「いろもの」もきてくださーい。   

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9 コメント

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こんにちわ (えみこ)
2008-09-11 15:55:40
お召しになってらした方の雰囲気が伝わるお品ですね。
そこはかとなく艶感じがします。
たしかに、殿方に着ていただきたいなぁ~などと
思ってしまいました。

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いいなぁ。 (ぼん吉)
2008-09-11 18:24:57
どれも普通に無い物ばかりで、とても魅力的です。それにとても上品だし。
ぼん吉も大柄な方ではありませんが(身長はね)、130cmはさすがに無理です。

いずれぼん吉も、こんなの作ってみたいなぁ。
いろもの、ですか。。。 もっと沢山の着物に触れなきゃ
感性は磨かれそうにありません。けど、がんばらなきゃ。
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Unknown (てまりばな)
2008-09-11 19:29:42
ここまで使い込まれて
最後はとんぼさんに端切れにしてもらえたら
着物冥利に尽きますね。

夫もいろものが着られるようになったらいいのですが・・・。
落語家さんと間違えられそうです(笑)。
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Unknown (陽花)
2008-09-11 19:52:42
最近は男の方の着物姿はお正月か
呉服屋さんぐらいしか見かけませんね。

愛着ある着物を手放すのは寂しいでしょうが、
また、何かに生まれ変われば素敵な事ですものね。
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男の着物 (うんちく)
2008-09-11 22:30:54
一番目の着物と三番目の着物。良い色合いですね。こういう着物を着てみたい。
年がら年中紺色中心で、紬もウールも模様は亀甲ではいやになります。
一番目の着物のところでとんぼさんが”紬でもお召しでもなくちりめんかと”とおっしゃってるのが気になりました。以前このブログでお召しについて議論があったような気がしてますが、お召しの定義って何でしたっけ。
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男の着物 (りら)
2008-09-12 00:52:57
良いですねぇ・・・・

紬じゃない柔らか物(?)は、きっと相当着慣れた方でないと難しいのかもしれませんね。
私の東京での長唄の師匠は男でして、毎日着物を着てらしたんですけど、どんな物を着ていたのか・・・思い出そうとしたのですが記憶に無い!
お稽古に必死でお師匠さんの着物どころじゃなかった?なぁんて殊勝な心がけだったら良かったのですが。

最後の茶が一番好きです~。
こういうのを女物に仕立て直して着てみたいですねぇ。
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Unknown (ゆん)
2008-09-12 13:22:00
こんにちは

 いいですね~、殿方の着物姿。
 1番目の着物。こんなのをさらっと着て歩いてる方に逢ったら、後をつけてしまいそうです

 「枯れ専」じゃないけど、きもの姿の、若造にはない「背中」の男はんがもっと増えてほしいです。「着物男」って言ったら、毎月訪れるお寺さんと、週一の娘のお三味の先生だけ!さびしいです~
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Unknown (とんぼ)
2008-09-12 22:00:25
えみこ様
ご本人、とてもしぶーいロマンスグレーさま、
いいものをさりげなく着るって、
カッコいいですねぇ。


ぼん吉様
ちょっとちいさいですよねぇ。
私だと、横が少し広いんです。
どっちにしても、仕立て直しですね。
男の方はどうしてもつむぎの無地とか
細かい絣や亀甲柄が多いですが、
無地感覚のごくほそーい縞とか、いいですよぉ
ぜひ、お召しください。


てまりばな様
掛け衿はずせばなんとかならないかとか、
あれこれクビひねってます。
もったいないですものねぇ。
二枚で一枚にするっていうテもありますね。
いろいろ楽しく悩んでみます。


陽花様
ほんとに、男の人の着物姿って
京都でもそうそう見ませんものね。
ご本人は、ヒザが曲がればまだまだ着たいと
おっしゃってたんですが…。
イスじゃない暮らしだとムリですねぇ。
なんとかムダにしないように
がんばって考えようと思います。


うんちく様
紺の亀甲は一番多い柄ですものね。
次は違うものを!
お召しは「経糸に強撚糸」を使った
先染めの織の着物です。
強撚糸を使ってるということでは、
ちりめんに入ります。
これは女性用の反物だったかもしれませんね。


りら様
着慣れてないと、着物に負けますね。
てれんとしたきもので、前をパッパと
八掛見せながら、歩いてもらいたいものです。
長唄のおっしょさんなら、紬もちりめんも
きれいに着こなされていたでしょうね。

最後の茶、女がきてもいいですよね。
帯あわせがすごく楽しみですよ。


ゆん様
私もストーカーしちゃうかも?
顔は二の次だったりして。
ほんとに男性にもっと来てほしいと思います。
オットは普段着ジャージどころか
パジャマだもんねぇ…。
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反省 (かたばみ)
2008-09-13 02:10:40
これは珍しいですね・・・自分に当て嵌めて着姿を想像してみるとアンサンブルと言うよりハーフコートみたいな感じがします。
着物って奥が深いですね。


私も小柄ですが、さすがに身丈130cmではどうにもなりません・・・残念です。

本や雑誌で男着物の入門編を紹介すると必ず紬ですからねぇ・・・

私は普段には木綿が主ですが、紬では牛首紬を着る機会が多いです。
縮緬やお召し、小紋も持っていますが着る機会があまり無くて出番が少ないです。
勿体ないですね、もっと着てあげようと思います。(反省)
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