
汚れも多いと書いてあって、写真で見た限りでは確かに「使えないかなー」の感じの方が強かったのです。
元々「抽象」は弱くて、絵画などもあまり心惹かれるというものがありません。
いえいえ「抽象画」ってなによ、といわれても、専門的なことはなんもわからないのですが…。
単純ニンゲンですからして、具象ではっきりわかるもの、
人は人、リンゴはリンゴとわかるほうがスッキリするわけで…。
その中でも美人とはっきりわかる美人ががいいとか…ホント単純なんです。
ただ、絵って感覚的なものですから、抽象といわれる絵でも色や形に惹かれることはあります。
なんだか言い訳をたくさん書いたみたいですが、この帯の絵を見たとき、
地の薄い青色がきれいで、柄もおもしろいな…と思ったわけです。風車のような、ヨットの帆みたいな…。
お太鼓にするとこんな感じ。地中海沿岸の、小さいけど清潔な村…っていうイメージを持ったんですが…。
それと、タイトルに「Nambata」とあったので、もしかしたら「難波田」ではないかと…。
私は画家さんの名前は、ほんとに有名な人しか知らない…抽象なんてよけいにわかりません。
つまり一般的な入り口程度の知識しかないのですが、以前「難波田」と言う画家さんの絵をどこかで見た…。
たしかそれも青を使っていたと思いますが、抽象画って、割と多色だったり濁った色遣いだったり、
と言うのが私の印象、というかこりゃ偏見ともいえるのですが、そのなかで「すっきりした色だな」と感じました。
実際にあとで調べてみたら、この方は割りとシャープな感じの絵をお描きでした。
もし帯として使えなくても、この絵の部分を額に入れてもいいかなと。
で、シミはないかわりに、なにしろあちこち黒ずみがあり、地色がこういう色は、
ヤケとか薄汚れが多いのがお約束…なんですよね。でも絵のところはきれいそうだから…で買いました。
そんな帯ですから安い安い…。3000エーンです。
購入手続きが終ってから「難波田」で検索。買う前にすればいいのにねぇ…。
ありました「難波田龍起(たつおき)」、そうそう「たつおき」という読み方に記憶がありましたわ。
でもどんな人かも知らず、今回お写真拝見しました。次男さんが同じ抽象画家でした。
お二人の絵をいろいろ見ましたが、この帯の原画はたぶんお父さんの「龍起」氏の方の絵だと思います。
次男の「史男」氏は、32歳で事故死なさったとか。夭折の画家…ですね。
写真で見ると書いてあるように見えますが「織り」です。実はタイトルには「爪綴れ」とありました。
言っちゃなんですが、時々説明に大ポカのあるお店です。ほんまかいな…で届くのを待ちました。
ハツリと呼ばれる、独特のスキマが…ちいさいきがするんだけど…でも、確かに綴れでした。
ちょっと本綴れのような気もする…かがり帯ですから、
折り返しのお太鼓部分をせっせせっせと、柄のところまで解いてみました。
綴れやがな…だったら裏表、同じですから、ひっくり返して使えます。
なにしろ胴に回る部分など、さすがに折り目がこの汚れです。
写真は光ったせいか、まだ薄い…実際はもっと濃いです。まぁこのままでも折ってしまえばわかりませんけどねぇ。
あーだこーだと、お太鼓にしてみたり前を広げてみたり…たしかに小さいしみとかあるんですが、
おもっていたよりキレイです。なんかひっくり返さんでもこのまま締められそうじゃん…なーんて欲かいて、
さっきみた中の色を思い出しました。
表だけ見てるときれいな薄青に見えましたが、裏を見たら「もっときれいだった」…。
こうなるとねぇ、あぁやっぱよごれてるわ…。
とりあえず、残りの部分も解いて、これまた呉服屋さんに相談です。
綴れが3000円…やめられまへん。
見た事があります。
爪をギザギザにして織られるのを
見て、ついお値段を聞いてみたら
1千万ぐらいって言われたと思います。
あの爪をず~っと維持していくのと
気が遠くなるほどの月日を掛けて
織りあげるんですからそれぐらい
掛かるんでしょうね。
それにしても3000円でオークションに
出された方ご存じだったのでしょうか。
やめられないの分かります。
よかったですね。
お目が高い
ずっと拝見するだけでしたが、今回は思わずなつかしくなって書き込みをしてしまいました。以前、この帯の原画を書いた画家である難波田龍起氏(龍の字はこちらのようです)、史男氏の作品を多く収蔵している美術館で仕事をしていたことがあり、在職中はずいぶんたくさんの作品を間近に見ておりました。
これはおそらく、お父さんの龍起さんの描いたものですね。
帯の下絵もなさっていたとは知りませんでしたが、もしかしたら画業だけでは生活が厳しかった頃になさったお仕事かもしれないですね。フォルムも独特ですが色彩が本当に個性的で、見るものに強い印象を残します。
こんな帯をしてでかけたら素敵ですね。きれいになったらぜひ、見せてください!
今後とも記事を楽しみにしています。お体お大切に…
あの爪は独特ですねぇ。
あれで何か毛糸モノなど触ったら、さぞかし引っかかるだろう…なんて、
つまんない想像をしていましたが、ああやって織られるものは、
そりゃあ手間のかかり放題ですね。
ほんとにいいものが手に入ったと思っています。
なんか申し訳ないですわ。3000円では…。
おかげさまで…と言いたいところですが、
まぐれ当たり…でーす。
コメント、ありがとうございます。
まぁなんていいお話を伺えたのでしょう。
そうですか、美術館にお勤めだったのですか。
「竜」ではなく「龍」なのですね。
早速訂正します。
やはりお父上の方の作品なのですね。
なんともいえない色遣いと、シャープなラインが
見ていてスカッとします。
画家さんが、着物や帯の絵を書かれたり下絵をかかれるのは、
珍しいことではありませんが、
おっしゃるようなご事情もあったのかもですね。
裏がえすと、絵は左右が逆になってしまうのですが、
まずみてもらって…とにかく締めたい…と思っています。
いろいろお知らせくださってありがとうございました。
またよろしくお願いします。
うちでも100万近いかも・・・です
色と色の境に出来るハツリに
ハツリが大きく開いてしまわないよう
所々糸を渡して とても良い仕事してます^^
地色の水色と白のぼかし具合も凄い。
画家さんの作品は
下絵として描かれなくても
絵としての作品から柄にすることもあります。
ゴッホの向日葵の綴れとか。
著作権無法地帯なので・・・
なにしろ3000円でしたので、いくら汚れていても、
それなりに画家さんの絵らしいし、綴れ?ホンマ?と、疑うばかりで。
ハツリの小さいのも、まさかソレらしく織ってあるんじゃないだろね…なんて。
ルーペでのぞいてようやく納得しました。
汚れもヤケもなかったら、0が違ったと思います。
裏返しても元のきれいな色ではないようなのですが、
締められる限度なので使います。
私、いつも「画家さん」の著作権っての、思ってました。
着物の柄にするなら「絵の偽物」にはならないからOKなんですかねぇ。