恐ろしい勢いで消費されていく物資、それによって生じる慢性的資金難、ベルウィックサーガの初心者にとっては、立ちはだかるラーズ帝国兵よりも、むしろこっちの方が、はるかに高い障壁と思えるかもしれません。
新品の「武器」を用意しても、運が悪ければ、すぐにポッキ~ン!
魔法の剣だろうが、伝説の斧だろうが、壊れる時は壊れてしまう。
盾も壊れる、騎馬は死ぬ、魔法は底を突く、ポーションだって補充したい!
これら際限なく消費されていく戦争物資の補給のため、シノン騎士団は常に倹約を余儀なくされてしまいます。
それでも、激しさを増していくラーズ帝国との戦いを生き延びて行くには、ここぞという時に武器の出し惜しみなんかはしていられません。
「くっそ~! こうなったら「聖剣ロードグラム」で決着をつけてやる! たぁ~っ!!」
リース公子の渾身の力を込めて振り下ろされた「ロードグラム」の光沢を放つ刃が、凶悪な光軸を描いてラーズ帝国の将軍に襲いかかった。
ポッキ~ン!!
「あっ、私の大事な「ロードグラム」が折れちゃった!」
・・・その晩、リース公子は人目を忍んで泣いた。
稀少武器が壊れてしまった時の、あの何とも言えないやりきれなさ。
「ああ、もっと大事にすれば良かった・・・」
「何であんな無茶な使い方をしたんだろう」
そんな、切ない思いに胸を詰まらせた、無数のベルサガプレーヤーの苦しい財政状況に光明をもたらしたのが、今回のアーサー青年なのです。
彼の持つ「当て身」スキルは、敵を捕縛するのにもってこいのスキルです。
このスキルを使って、次から次へと敵兵をとっ捕まえて、身ぐるみを剥いでいけば、かなり資金の消費を抑える事が出来るはずです。
戦時における、物資の現地調達。
何か、どっかで聞いた事のあるような作戦で、何とか戦線を維持していくシノン騎士団。
「戦争はいつだって汚いモンさ」 と誰かが言った。
自らは努めて清廉潔白な騎士であろうとしたアーサー青年だったけど、戦争に荷担する限り、その志を貫徹するのは難しいのだった。
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