快読日記

日々の読書記録

「老化で遊ぼう」東海林さだお 赤瀬川原平

2011年10月15日 | その他
《10/14読了 新潮文庫 2008年刊 【鼎談 対談】 しょうじ・さだお(1937~) あかせがわ・げんぺい(1937~)》

雑誌「小説新潮」に連載された10回の対談(うち3回は鼎談)。
テーマは老化・お金・性・芸術など。

おもしろい会話って、昼休みの屋上のバレーボールみたいなもので、相手が返しやすいボールをあげて上手くつないだり、たまにはキレのいいアタックをしかけたりして、傍から見てても楽しいですね。
この本も、そんなかんじ。
とくに第1回から3回までの、ゲストを交えての鼎談(藤森照信、阿川佐和子、藤原正彦)がおもしろかった。
アガワさんは女子の老化について赤裸々に語りすぎです。
なんだか好きになってしまった。
藤原正彦の数学の話には、いつもうっとりしてしまう。全然理解できないけど。

わたしは東海林&赤瀬川のファン、というわけでもないので、第4回からの対談は、居酒屋で隣のテーブルのおやじの話を聞いてるみたいなかんじで読みました。
芸術について語る回もなんだか野性的でよかった。

昭和12年生まれの2人は、小学校に石盤と蝋石を持って通った最後の世代のようです。
それ「おしん」で見たことあるよー!
ついこの前まで、日本人ってそういう暮らしをしてたんだなあ、と改めて思いました。

あ! 東海林氏の、“仕事がなくなったら冬の青木ヶ原に行く”発言は冗談としても、
わざわざ訪れる自殺者がどんだけ迷惑かってことは富士北麓の住民として言っておかねばなりますまい。

/「老化で遊ぼう」東海林さだお 赤瀬川原平
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