快読日記

日々の読書記録

「眠れない夜には星を数えて」吉野朔実

2008年07月03日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
《最高のデザート》



本を読んでると時々、頭が飽和っていうか、熱を持ってモワァっと膨らんだ感じになることがあります。
そうなると、もう活字が入ってこないの。

でもデザートは別腹。
吉野朔実のエッセイなら入っちゃいます。

たとえば「背負い牡蠣」の話。
ず~っと大好きだったものがある日突然ダメになることありませんか。
わたしはまさに「牡蠣」がそれです。
自分の分だけでは飽きたらず、人からもらってまでもりもり食べていた好物の牡蠣が、7・8年前、胃に収まって2時間ほどたったころに全部出て行ってしまって(口から)、
でもそのときは本当に心底苦手な人が同席してたからかなと思って(そういうことがたまにある)、
気を取り直してそのあとも2回チャレンジしたのですがダメでした。
これは「背負い牡蠣」と言って、生まれるときに背負って来た一生分の牡蠣を食べ尽くした結果なのだそうです。
「背負いウニ」とか「背負い蜜柑」とか、バリエーションも豊富な模様。


こんな話につきあっているとなんだか頭が活気づくようなリフレッシュ効果があります。

■7/1読了 大和書房 1996年刊 【日本のエッセイ】 吉野朔実(1959~)