快読日記

日々の読書記録

「日本の聖域 シークレット」「選択」編集部 編

2020年05月01日 | ノンフィクション・社会・事件・評伝
5月1日(金)

「日本の聖域」の最新、「日本の聖域 シークレット」「選択」編集部 編(新潮文庫)を読了。

今、多くの国民がこんなに苦しんでいるのに政治が助けてくれない理由がよくわかった気がします。

そもそも、そういう仕組みになっていないんだということが。

「戦没者遺骨収集事業」の項では国がいかに人の心を踏みにじったか、
「予備自衛官」「診療報酬支払基金」では彼らには国民を守る気もないしそのシステムも破綻している(もしくはない)ことが。
「首相補佐官・和泉洋人」「安部首相「私邸」」「外務省「在外公館」」では、ダニのように血税を吸い上げる日本の貴族たちの行状が。

たとえば戦後の復興や、度重なる災害からいかに立ち直るかという話になると、
元来日本には「政府」や「国家」ではない「お上」という言葉があって、
それはなんだか我々庶民にはうかがい知れぬもの、
お上はお上、俺たちは俺たち、という感覚があったと思うんです。
そういう能天気さやしぶとさが日本人の強さに直結していたはずですが、
このコロナ禍への日本政府の対応で、そういう気力は吸い取られ、もはや虫の息です。

この「日本の聖域」シリーズのような本で思い知らされるのは、
何かことが起きたときに、こうなることはとっくにわかっていた。
とっくに警告は出ていたんだと。
われわれもそれを見ないふりでやりすごしていたんだということ。

というわけで、絶望の連休スタートとなったのでした。