快読日記

日々の読書記録

「人はなぜ恐怖するのか?」五味弘文

2010年02月19日 | その他
《2/17読了 メディアファクトリー(ナレッジエンタ読本19) 2009年刊 【おばけ屋敷 恐怖】 ごみ・ひろふみ(1957~)》

後楽園ゆうえんち時代から、さまざまなおばけ屋敷を作り上げ、成功を収めてきた著者の恐怖論。

客を怖がらす技のあれこれと、そもそも人は何を怖がるのかが、
学者とも表現者とも違う「仕掛人目線」で語られるのが新鮮です。
客にリアルな赤ちゃんの人形を抱かせるとか、手錠をはめるとか、かなり楽しそう。

でも、全般的には若干物足りないかんじです。

それはこの"ナレッジエンタ読本"が、そのジャンルに関心を持たせる入門編、みたいなコンセプトらしいってのと、
表紙の日野日出志の絵が良過ぎて、期待値がグイグイっと上がってしまったせいと、
あとはタイトルと内容のズレですかね。
(人は「何に」恐怖するかはよく分かったけど、「なぜ」は不十分でした。
よく考えたら、「なぜ」はこの人の領域ではないんでした。)

もっと詳しく、みっちり書いてくれるか、「恐怖」をテーマに別の視点を持つ人との対談にするかだったらまた読みたいなと思います。