快読日記

日々の読書記録

「背筋の凍る話」桜 金造

2009年08月24日 | その他
《7/31読了 リイド文庫(リイド社) 1999年刊 【雑書 怪談】 さくら・きんぞう》

この夏「怪談師」と名乗る人たちをテレビで見て、苦笑いしつつ、
怪談師!というならこの人だなあ、と引っ張り出してきたのがこれです おやまゆ~えんちー♪

もうすでに表紙から「恐怖と笑いは表裏一体」なのだと教えてくれる名作。
10数年ぶりの再読でも充分怖いです。

桜怪談(そんなジャンルはありませんが)は、稲○淳○など他の人たちと比べて何が違うのか。
答えは、その伏線の巧みさにあると思います。
例えば小さい女の子の話、といってひとつふたつと短い話が続き、
三つめのオチのとき、ひとつめに張られていた伏線と重なる快感が味わえるので、怖さ倍増です。
「伏線」という種が知らぬ間に自分のどこかに植え付けられていた!と気付く恐怖、「ゾクッ」の味が違います。
ショックよりも、「にじむ」恐怖かな。

しかしこれは、1分ネタがもてはやされる昨今では、だいぶ分が悪い。
でも寄席的な場所(ライブ)や活字だったら圧倒的におもしろいんじゃないかと思うんです。

桜金造、深夜でいいからもっとテレビに出て欲しいです。
それが結論(笑)