快読日記

日々の読書記録

「そして、みんなバカになった」橋本治

2020年05月18日 | その他
5月18日(月)

2004年以降の、雑誌に掲載されたインタビューをまとめた「そして、みんなバカになった」橋本治(河出新書)を読了。

根底には日本に対する愛着(日本人に対する、ではなく)があって、それがなんで今こうなっちゃってるのかというと……、という話です。

橋本治は、“教える人”で、それこそ噛んでふくめるように書いてくれたものを読めたけど、
インタビューは、目の前の聞き手の力量や関係によって説明の仕方が変わるから、意外と読みにくいものがありました。
とくに、ちょっと見当違いな合いの手が入ると、わたしなどはとたんに混乱する、その点では書いたものの方がわかりやすい気がします。


このコロナ禍が、日本人のバカ化に歯止めをかけるのか、やっぱり拍車をかけてしまうのか、橋本治はもう教えてくれないけど……。


「問題は、個人の自由か、社会のあり方か、どちらを優先させるかということ以前に、「社会が崩壊してしまったら個人の自由もへったくれもないかもしれないぞ」というところに、今、来つつあることなんです」(124p)

「情報は「煮詰める火」でもあるということを、忘れない方がいいですね」(125p)