鬱の最大の敵は睡眠不足だろう。
いかに薬を用いても、寝不足では全然効用がない。
まず第一に帰ったらまもなく寝ることだ。
まず自分を大切に。
自分の仕事を大切に。
ことばは少なく、心身の損耗をふせぐ。
最近、会社を舞台としたドラマらしきものを少しみたが、そもそも会社が終ったらのみにいこうというのが、地獄である。
本田宗一郎は、会社でのつきあいもなにもしなかったらしいが、確かに会社の付き合いというものは、悪夢でもある。何歳になっても説教される不安におびえ、そういえば、かつては、若いものからからかわれるというような悪質な人物もおり、ひとりで寝ていることがずっと幸せである。
そうやって私をからかっていたかつての若者の今は、頭をみるかぎりいつ出家したの、といわなんばかりの状態で、しかし、なぜか派手な服を着ている。
私の趣味のひとつは読書で、そういえば、最近、ドストエフスキー生誕・・・年ということでカラマーゾフの兄弟をもう一度古本で買ってみたが、この小説は、一度昔読んでいたらどこでも読めるという小説だと言うことに気づいた。
この小説は、ロシアの農村魂みたいなものが基盤にあり、農奴解放のなかで金銭万能の時代に村社会まで、おびやかされ、都市の貴族から農村の農奴までそれぞれ金銭のことで苦しむ、という亀山郁夫氏が指摘するようなものであるが、ロシアの農村魂にほんとに感動する。
おそらく、そのようななかで信仰はどこいったのといったあたりと、当時の帝政ロシアのツアーリズムが土台から崩れていく過程こそが、この物語の背景にある。
信仰とお金の問題は現代日本の根深い問題でもある。