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エソバイツブ大きく育て

2019-08-24 05:00:00 | 投稿

 

 

 

エソバイツブ大きく育て

育成の卵塊52キロ広尾漁協が放流

 【広尾】高級食材として全国に出荷されているエソバイツブの資源確保のため、広尾漁協エソバイツブかご漁業部会(関下啓史郎部会長)は19日、中間育成した卵塊52キロ(約900万粒)を十勝沖に放流した。
 同日午前8時半ごろ、網に入れた卵塊を積んだ漁船1隻が十勝港を出港し、沖合約4キロの海中に沈めた。
 卵塊は、7月20日から操業中に採取し、町音調津の漁協施設内で育成してきた。9月下旬までにふ化し、3年後には3センチほどのツブ貝に成長するという。
 エソバイツブの中間育成は11年目で、ここ数年は年間100トン前後の水揚げを記録している。関下部会長は「資源管理はこれからが本番。安定した漁獲量の維持につなげたい」と話している。

北海道新聞 2019年8月20日


 

育て!エゾバイツブ ~エゾバイ増殖にかけた漁師~

 

エゾバイツブ篭漁業の歴史は浅く本格的な操業は平成元年に始まった。それまで未利用資源だったこともあり初期の頃には年間 200~300 トン台も獲れたが、乱獲で資源は減少し9年以降の漁獲量は 100 トン未満にまで落ち込んだ。部会では漁期短縮やノルマ設定などで漁獲を制限してきたが資源の減少に歯止めがかからず、20 年にはついにエゾバイが1篭に数個しか入らない状況に追い込まれた

 エゾバイは大規模な人工種苗生産技術が確立されていないため、平成 21 年から卵塊放流による増殖活動を開始した。卵塊の採取は母貝を陸上水槽に収容して飼育・産卵させる方法と天然海域で採取する方法を並行した。

 増殖活動と資源管理の取組みを並行して実施した結果、平成 21 年に 36 トンまで落ち込んだ漁獲量は年々増加し、26 年には 129 トンにまで回復した。また漁獲サイズを大型化してきたことや漁獲物の洗浄を徹底したことが仲買に評価・信頼され、以前は漁獲量の増減に左右されていた単価が、最近では漁獲量の増加にもかかわらず高くなっている 

活動を開始してから資源は順調に回復し経営状況も改善してきているが、近年の異常気象に伴う資源急変の可能性は否定しきれない。このため現在の活動の継続はもちろんのこと、漁獲共済への加入も継続し不測の事態に備えていきたい。 

広尾漁業協同組合エゾバイツブ篭漁業部会
関下 啓史郎

( 出典:北海道水産経営課のページ)

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