トカラ列島トカラうま!

鹿児島県のトカラ列島にある中之島に県の天然記念物「トカラ馬」が飼育されています。馬好き島民による現状レポートです。

医療事情

2007-04-01 10:06:19 | Weblog
いままでどこで眠っていたのか、ヤモリさんたちがぼつぼつ家に出現し始めました。
やもりんは糞はイヤだけどかわいいから許すのですが、さすがにゴキブリがはばをきかす前には引っ越ししたいなあ。
新しい家はまだ引渡しまでには時間がかかるようで、実際入居できるようになるのは4月の半ばごろかもとのこと。

[tuu]さんのコメントによせて

蹄の傷の件:傷はない方がよいのですが、蹄の末端の傷はさほど心配する必要はないと知り合いからききました。安心しました。
それよりも上から割れていたりひびが入っていたり、横にひびが入っていたりするのが要注意だそうです。
いまのところそのような様子はないようです。

こんど新任される獣医の先生ですが、島に住むというのではないのです。
基本的には鹿児島市内の役場勤務で、7島の有人島すべてを受け持つという形です。
常駐してくださればそれに越したことはないのですが、地理的事情が事情だけにこれはしょうがないところです。
それは人間のお医者さんが各島に常駐していないのと同じことで、一番心配なのは緊急の時にどうするかということです。今日何かがあって、明日あさって来てくれるという保証はありません。
船便の日程もありますし、先生の勤務もありますし。人間なら緊急要請を出して内地からヘリコプターを呼んでもらうことができますが、家畜はそうもいきません。
また、島で飼われているトカラ馬の医療事情でもっとも基本的問題は、どんなに優秀な獣医でもかれらに積極的な治療ができないということです。人が馴らしていないので治療中馬体を安全におさえることができないのです。
私はしみない軟膏くらいはだましだまし塗ることができる自信はありますが、注射や検温(肛門から温度計を挿入して測る)などはやはり乗馬クラブの馬が装着しているような「頭絡」をつけて引綱ができるようになるまで馴らさないと難しいと思うのです。
つまりいまの島の馬の現実は、緊急時は「死」に限りなく近いということです。
だからふだん島にいる人間たちが目を配らなければならないなと思うのです。

過去ブログにたびたび載せましたラッキーを思い出します。
亡くなったときの状態を今でも鮮明に思い出すことができます。教育委員会からはその死因を公表するなと言われているのでたぶん県や村の公式の記録には載らないのだと思いますが、そのぶん私の心の中は在りつづけると思います。
「死」に敏感すぎるのでは?という意見もいただいたことがあります。人間が予防できる死ならば死なせたくないと思っているだけです。

もう8頭です、この子たちを大切にしてほしいです。