とどちゃんの縁側でひとり言・・・。

日々の生活の中で見たこと感じたことを記録していきます。

命日

2007-09-09 13:30:19 | 家族
昨日、庭先にこちらで言う「神様トンボ」(糸トンボとも言う)が一匹やってきた。
今日は祖母の命日。
あの日も今日の様に蒸し暑い日曜日だった・・・。
日中から容態が悪かった祖母。
当時、私は中学1年生。
母や、大人たちが気を使ってか?最後の日は私は面会できなかった。
少し年上のいとこが面会に行ったとき、
「ばあちゃん」と呼ぶと
「todoか?」と私と間違えたそうだ。
正直、今でもあの日何故周りから怒られても面会に行かなかったのかと悔やんでいる。
そして、この仕事についてもうすぐ20年目になるが、今でも病院を選んでいれば助かったかもしれない・・・という思いがしょっちゅう頭を過ぎる。
今となってはどうしようもない事、だから助かる命は助けたい。余命を宣告されている命は悔いの無い時間をすごして欲しい。
祖母の病名は当時「心肥大」と言われていた。
祖父が半身不随でその介護をしていた祖母の心臓はオーバーワークになり、心臓に水が溜まり心肥大を起こしていた。心臓の機能も相当弱っていたのだ。
本来なら、尿量チェックをして、飲水量も制限される。塩分も勿論制限される。
当然、もう祖父の介護などできるわけもないのだが・・・。
水分は全く制限されていなかったようだ。水を欲しがる祖母に付き添っていた母達は何の抵抗もなく水を与えていた。
結局、それが祖母の命を縮めるとも知らずに・・・。

あと5年、祖母の病があと5年遅かったら私が祖父母の介護をすることができたのに・・・。

そんな思いをずっと抱きながらこの仕事をしてきた。

亡くなったのは夜。
当時、「家族揃って歌合戦」がテレビで放送されていた。
他の病室では音量も高くテレビを見ている患者さんもいた。
あまりの音量に、父がその部屋のドアをしめると・・・。
「何だべ!!誰だいドア閉めだの!!」と怒られたそうだ。
子供たちに見守られ、遠のく意識の中、おばちゃんが
「ほら、母ちゃん!!お茶飲むんだから起きっせよ!!」
その声に応えるように祖母は微笑んだ・・・。
それが祖母の死に顔だった・・・。

私が会ったのは、家に戻ってきてから。
寝かせれている祖母の顔があまりにも優しく微笑んでいて「死」を実感できなかったのか?
不思議と涙は流れなかった。

私は小さい頃から「いつか祖父母は死ぬ」というのを覚悟していたおかしな子供だった。
大好きゆえに、その様に思っていたのか?
大好きな人の死は辛い。耐え難いものがある。だからこそ、死を自覚していなければ、本当に死んだとき、どうにかなってしまいそうな気がしていたのかもしれない。

形見分けの時、着物などを奪い合う叔母達に対して、私が欲しがったのは、私がお小遣いを貯めて誕生日にプレゼントして、祖母が気に入ってよく着てくれていた前掛けと、買い物に行くとき持ち歩いてた巾着。冬によく巻いていたスカーフ、そして「入れ歯」
どれも祖母が一番身に着けていたもので、誰も欲しがらないものだった。
そして、どれも祖母の匂いがした。

祖母が亡くなって、祖父は子供達の家を転々とする日々が続いた。
そして、祖母が亡くなった翌年の4月。
再度脳梗塞の発作を起こし、意識不明に・・・。
当時は長男のいる埼玉にいた為、私達家族も駆け付けた。
誰もいない病室で、止められていたが、母はどうにも我慢ができず、祖父に声をかけたそうだ。
「父ちゃん、目あけな!!todo達も来たんだから!!一緒に二本松に帰ろう!!」
すると、意識が無く、昏睡状態の祖父が涙を流したそうだ・・・。
昏睡状態のまま、とりあえず容態は安定ということで、私達は一旦家に帰った。
母は洗濯を毎日しないと気がすまない人。
それを知っていた祖父。
家に着いて、洗濯が終わった時だった。
電話が鳴り、祖父が亡くなった事を知らされた。
4月29日。
祖父の命日。

祖母が亡くなり、翌年の春には祖父が亡くなり・・・。

祖父が亡くなった年の夏。
何故かペアの神様トンボが私達家族の周りを飛ぶ様になる。
一番最初は、私が学校の花壇の辺りで遭遇。
ペアの神様トンボは私の胸元に止まり、そのまま家に帰ってきた。
母に「神様トンボが離れないの」と言うとその時は「珍しいね」位の返事だったが、その後から家の中に神様トンボが入ってくる様になった。
母の車の中に入っても、信号待ちの時は車から出て行くのに、青に変わるとまた戻ってきたり、不思議な事が相次いだが、何となく「祖父母ではないか」と私も母も思っていた。

その後、人は亡くなってお釈迦様の所に行くときにトンボに姿を変えて旅立つと言う話をラジオで聞いた。

やっぱりね。私と母は納得。
その後から、私達の周りには神様トンボがよく飛び交う様になった。

昨日は家の様子を見に来たらしい・・・。
私は元気でやってます。
失敗は沢山あるけど、大丈夫。心配しないでね。
じいちゃん、ばあちゃん、ありがとう。

あっ!!だけど、じいちゃん!!
オカンに告げ口するのはもう止めてね。
私だってもういい大人なんだから自分で何とかできるよ。

ああ・・・いつまでも小さい頃で止まってんだなぁ・・・。
コメント
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