カニ家族物語

出産を機にオーガニックに出会いました。
体に良いもの・ていねいで豊かな暮らしを目指しています(´▽`)

出産レポ3~いよいよ本陣痛~

2009-09-09 | ★出産レポ
夜中も1人陣痛をこらえ迎えた朝。
『じゃぁ、何かあったら連絡してな。頑張ってな。』
仕事に行くため不穏な空気そのままに病院を後にしたカニ君。

はぁやれやれ、、もう一眠りしようとまた眠った。

8時、朝ご飯を食べているとお母さんが来た。
昨日カニ君がビールを飲んだ事をグチると、お母さんもお父さんから聞いていたようで、
’こんな状況なのに不謹慎!’とビールをすすめたお父さんに怒ったらしい。
それを聞いて少しスッした。

朝ご飯を食べ終わると、陣痛促進剤の点滴を打たれた。
注射嫌いなはずなのに陣痛を経験してるせいか、全然痛みを感じなかった。
私、強くなってるな~と少し成長した自分がおかしかった。

お昼、高校野球の決勝戦を見ようとしていると昨日より強い陣痛を感じ始めた。
顔が歪むほどの痛み。

内診をしてもらうと子宮口が3cm開いているという。
点滴をしたままLDR室に移され、NST装置を付けられた。

’この痛み、こりゃ今日産まれる!’

痛みを紛らわすため、ワンセグで高校野球を見ようとした。

が、見れるほど余裕がなくなる陣痛の痛さ。

NSTを見ると45ほどの数値なのに顔が歪む。
持っている安産お守りも握り潰してしまいそうな位。

内診をしてもらうと、5cmまで開いている。

ここからが痛み地獄だった。
あの痛みを何て表現したらいいのか。。

体の中が燃えるような熱い痛み?
麻酔なしで骨をハンマーで砕かれるような痛み?

NSTを見ると12と表示されている。
12なのに・・!イターーイ!!

分娩台の上で、歯を食いしばり、声を押し殺して痛みを耐えている私を
見かねた母が、助産婦さんを呼んでくれた。
内診をしてもらうと、子宮口は既に全開になっていた。

そのあまりの痛さに私は獣化していた。
痛い×2と言わないようにしようと思っていたのに、何のその。
うめき倒した。

手を握ってくれる母の手が唯一安心できた。

陣痛には波があり、波が過ぎると正気に戻れた。
そこが唯一の休憩ポイント。

でも何も考えてなかった気がする。
ホントの無我夢中ってこういう時の事かな。

何度もイキむと、助産婦さんが『頭が出てきたよ』と言う。
『触れますか?』と言うと手をとって、少し出てきてる赤ちゃんの頭に触らせてくれた。

濡れたテニスボールみたいな感触が伝わり、しっかり産まなきゃと思った。

陣痛に合わせてイキみ続ける。

先生が来て、会陰をマッサージしてくれ
『切らずにいけそうだね』の言葉にホッした。

助産婦さんの『息吐いて、ふ~ぅ、ふ~ぅ』の言葉に息を吐こうと思うが、
息を吐くという事に意識がいかない位、痛い。
でも何とか『ふ~ぅ。ふ~ぅ』と口に出して言う事で息を吐いた。

みんなが『そぅそぅ上手、上手』と言ってくれ、
後少しだよ~の言葉を信じイキむ。

先生が、『ハイ、もうイギないで。短くハッハッハッと息吐いて~』と言った瞬間、
この呼吸法が最後だと知っていたので、終わったと思った。

その次の瞬間に、先生の手に取り上げられた赤ちゃんが宙に見えた。

思わず拍手をした私。
するとLDR室にいた全ての人も拍手してくれ、誕生を祝ってくれた。

そしてカンガルーケアのため先生が赤ちゃんを私の胸の上へと乗せようとした。

赤ちゃんは細くて小さくて、目をつむったまま掌を大きく広げ、
手足を不器用にばたつかせながら私の胸へと乗せられた。

小さく軽いはずなのに、乗せられた瞬間はずっしりと
命の重みを実感した。

’うわ~ぁ、うわ~ぁ、私の赤ちゃん!’
そぅ思った瞬間に涙が滲んだ。

お母さんは、すぐにデジカメで写真を撮っている。

看護士さんが、私と赤ちゃんとお母さんの写真を撮ってくれ、
第一声の産声もボイスレコーダーに録音してあるから、
後でDVDにしてプレゼントしてくれると言った。

どの位の時間だろう。
多分2時間くらい私の胸の上にいた赤ちゃん。

顔はガッツ石松だった。

いったん体重や諸々計測するために看護士さんに連れて行かれた。
キレイになって戻ってきた赤ちゃん。

お母さんが抱っこする。

’ふぇ~~、ふぇ~’とヤギのように泣く赤ちゃんを見て感動し、
涙ぐんだ。

名前はまだ決まっておらず、候補の2つの名前を呼んでみた。
そしたらニコ~と笑ったの。

その表情を見てまた涙ぐんだ。

何があってもこの子を守ろうと心の底から思った。

ぴのちゃん、産まれてきてくれてありがとう

~終わり~



出産はね、終わり
今は育児の大変さを実感中(;´Д`A ```

出産レポ2~長引く微弱陣痛~

2009-09-07 | ★出産レポ

再度NSTの装置を付けられしばらく計測。
NSTの数値は、別室で先生・看護士・助産婦さんが常時見ていてくれるという。
それなら安心だとホッとした。

NSTの機械には、赤ちゃんの心拍数と陣痛が’0~MAX99’で表示される。

赤ちゃんが動くと、心拍音とは別にザザザッと砂嵐のような音が出る。
それと共にお腹がキュ~~ンと張ると、陣痛の数値が上がる。

分娩台に横になって動けない私はその数値をずっと見ていた。

お腹が張る度に、陣痛数値が0から徐々に上がっていく。
MAX99ってどんな痛みなんだろう・・と不安に感じてると、
イテテ・・と生理痛位の痛みが来た時に、99が表示された。

’えぇ? 陣痛ってこんなもんなの? まさかねぇ~’

と思っていると看護士さんがやってきて、
『tmさん、お腹よく張ってるのに平気な顔してるわねぇ』
と言われた。

えぇ?!ラッキー!
私の体ってもしかして、赤ちゃんを産むのに超適してるんじゃないかと思った。


陣痛は10分間隔で来ているのだが、子宮口が開かないので
いったん病室に移され、陣痛促進剤(錠剤)を飲む事になった。

お母さんが病室に来て、2人で高校野球を見たりゆっくり過ごした。

 お昼ご飯


その後、1時間ごとに陣痛促進剤を1錠ずつ飲んだが、
子宮口が開く事はなく、1日に飲める容量6錠を飲んだので
そのまま病室で過ごす事となった。

夕方になりお母さんはいったん家に帰った。


子宮口が開いていなくても、軽い陣痛&グググッと痛みを堪える位の陣痛は
不定期に来ていて、ただひたすら耐えた。

今日産まれないとなると、明日は錠剤よりも強い点滴の陣痛促進剤を
打たなければならない。
そして今感じている陣痛の痛みはリセットされ、明日また最初からとなる。

どんどん痛みが強くなってきた。
カニ母からもらった安産お守りを握り締め、痛みを逃した。
自分なりに、陣痛が来る間隔をメモした。


『調子はどんな~?』
仕事を終えたカニ君がやってきた。

今までの経緯を話し、まだいつ産まれるか分からないと言うと、
『明日も仕事だけど、今日は病院に泊まってもいいしどっちがいい?』と聞くので、
泊まってもらって一晩、側についてもらうことにした。

たわいも無い話をしていても、
やっぱり側にいてくれると安心するな~と思った。


21時には出入り口が閉まってしまうので、カニ君は晩御飯を食べに外に出た。

入れ違いのようにカニ母とカニ弟が来てくれた。

色んな話をしていると、カニ君とお父さんが帰ってきた。

’アレ? カニ君の顔がほんのり赤い・・・’

私  『カニ君、何か顔赤くない?』
カニ弟 『オレもそう思った。』

カニ君 『・・・。』

’コイツ、ビール飲んできたっ!’(`ロ´;)
信じられない。。嫁が陣痛で苦しんでるというのに・・!

そこから私はカニ君の酔っ払った顔を見るのがイヤで目を見ずに話をした。
少し前までは、側に居てくれると安心する存在だったはずなのに、
今は側にいるだけで、イライラさせる存在へと変わった。

子宮口は開かないし、リセットされてしまう陣痛は苦痛だし、
旦那はお酒を飲んで病室に来るし、ただ我慢の1日となった。


~出産レポ3へ 続く~


出産レポ1~突然の破水~

2009-09-02 | ★出産レポ

8月21日 友達と夜お茶をしていた。しくしくとお腹に痛みアリ
8月22日 痛みは消えたが、夜の8時半なのに物凄い睡魔に襲われ就寝

 運命の朝

8月23日の朝5時半過ぎ、チョロチョロと何かおもらしした感覚で目が覚めた。
トイレに行こうとベッドから降りると、ジョワ~と水が足をつたった。
止めようと思って力を入れても止まらない。

’コレ、破水だ!’

自分の意志とは関係なく水が漏れ、水浸しになっていく床を暫し眺めながら

’うわ~ぁぁ、いよいよ来た’と思った。

側に置いてあったバスタオルをあてながらお母さんの寝室へ。
タオルケット1枚かけグーグー寝てる母。

『お母さん、破水したみたい』

『ぇええっ?!』 ガバッと起き上がると、

『えっ?!ホントに?! すぐ病院に電話してみなさい』
『お父さん、お姉ちゃん破水したって!起きて!』

『ん?・・おぉぉ!?』
早朝から母の緊迫した声に若干驚きながらも、かろうじて状況を把握し
返事をしたっぽい父。

そんなやりとりの声を聞きながら1階に降り、病院に電話した。
すぐ入院の準備をして来て下さいと言われた。

『なんて?』
『入院の準備してすぐ来て下さいって』

モモをサークルに入れて、パジャマにストールだけはおり病院へ。

外は少し肌寒く、秋晴れのキレイな朝だった。

破水したところで痛みもなく、出産は予定日より早めなんじゃないかと
予想していた私は冷静だった。


病院に着きインターフォンで名を名乗り、ドアを開けてもらった。

LDR室に通されると、すぐに入院用のパジャマに着替えさせられ、
血栓・むくみ防止用の靴下を履かされた。
そして熱を測り、赤ちゃんの心拍を計る装置と
お腹の張り具合を計る装置を付けられた。

内診の結果、子宮口はまだ1cmしか開いていないらしく、
分娩は先になりそうなので、両親はいったん家に帰った。
お母さんに、カニ君に今の状況を連絡してもらうようお願いした。

そして残された私は1人、病院の朝ご飯を頂いた。

運動した方が陣痛が早まると聞いたので、マタニティーヨーガをしたり
階段を上り下りしたり、今更ながらスクワットをしたり体を動かした。

バースデープランに無痛分娩について話を聞きたいと書いて提出したけど、
まだ話はできていなかった。

でもここまできたし諦めたというか、赤ちゃんの心拍数を聞いてると、
自然に任せて産もうと思った。

眠たくなったので、分娩台で横になった。

 

ここから陣痛というものを初めて経験する事となった。

~出産レポ2へ 続く~