Team Land Cruiser TOYOTA AUTO BODYのブログ

ラリー参戦活動の模様や、その他関連情報をお届けします。

TLCを支えるパートナー企業の皆さま

2020-05-29 18:30:00 | その他

皆さんこんにちは!TLC監督の角谷です。

 

天気が良いと、日射しの強さを感じる様になってきましたね。

いつもなら今頃、モロッコテストの最中で、チームメンバーが毎日砂まみれ、

汗まみれになって試行錯誤してる頃ですね。

 

今日のブログは、そんなチーム活動を支えてくださっているパートナー企業の皆さま

について、お話したいと思います。

 

ダカールラリーは競技だけでなく、クルマの整備や人の生活と、全てを上手く運営

しなければいけません。クルマ以外にもラリーに必要なものはたくさんあります。

 

今回は、パートナー企業の皆さまよりご提供いただいている、チームに欠かせない

様々なツールを紹介します。

 

①日本ミシュランタイヤ(BFGoodrich)

 ここ数年、砂路面の対策をする上で、タイヤの性能はとても重要な存在でした。

 ダカールラリーでは、1つのステージの中でも、様々な路面を走行するので、

    オールラウンドな性能を求められますが、特に砂路面での性能のは、近年の大会

 でラリーを優位に進めるためには非常に大事です。

 今回、我々は日本ミシュランタイヤさんのマッドテレンKM-2からKM-3へ変更したこと

    により、砂路面の走行性能が今まで以上に向上し、手応えを感じることができました。

    日本ミシュランタイヤさん、ありがとうございます。

 

②エンケイ

 クルマの走行に大きな影響を与えるホイール!さらに荒れた路面からくる衝撃は、

    とてもハードなもの!それをしっかりと受け止めてくれて、デザインもカッコイイ

 エンケイさんのホイール!

 マグネシウム製でとっても軽く、チームの走りにかかせいない製品です!

 さらに、砂路面で超低圧にしたタイヤでも走行が可能になるよう、特殊なセッティング

 にも細やかに対応してくれます!いつもありがとうございますエンケイさん!

 

③エンドレスアドバンス

 競技車両は、軽量化が必須!しかし、市販車をベースに安全装置(ロールバー)などの

 装着も義務づけられていて、なかなか車重が落ちない・・・。

 TLCの車両も約3tあり、四輪部門では重いほうになります。そんな車両をしっかり止めて

 くれるのが、エンドレスアドバンスさんのブレーキパッド!

 実はブレーキには、止まる以外にも重要な役割があります。

 ダカールラリーでは、舗装路がほとんどなく、グリップしにくい路面ばかりなので、

 ハンドルを切っても簡単に曲がりません。

 そんなときドライバーはクルマのフロントに荷重をかけて曲がりのに、ブレーキングを

 使います。

 いつもコントロールしやすいブレーキパッドをありがとうございます!エンドレスアドバンスさん!

 

④モチュール・オブ・ジャパン(MOTUL)

 毎日、過酷なステージを走破するラリー車両!特にダカールラリーでは、気温の高い場所が多く、

 更に砂丘の様にエンジンへの負荷も高いところを何百kmも走行します。

 ドラ・ナビへの負担やクルマへのダメージも相当なもの、そんなクルマを守ってくれている

 油脂類はすべてMOTUL製!

 大会中でも使用済みのオイルを分析してくれたり、大会終了後には分析結果から車両への

 ダメージを推測してくれるなど、ラリー車の改良に一役買っていただいてます!

 いつもありがとうございますモチュール・オブ・ジャパンさん!

 

⑤ブリッド(BRIDE)

 オンロードのレースほど横Gはかからないけど、上下の動きは激しく、何より長時間運転して

 いるので、座っていても非常に体力を消耗します。

 そんなドラ・ナビの疲れを低減してくるブリッドさんのシート。見た目もかっこよくて、

 いつかは自分のクルマにも!って思っちゃいますね。

 今回ラリー車がMT→AT仕様になり、シートポジションも変わってより運転しやすく、より疲れ

 にくくなったと三浦DRは喜んでいました。

 クルマだけでなく、オフィスや家庭でも使えるマルチキャスターもあって、そちらもかっこいい!

 ブリッドさん、ありがとうございます。

 

⑥野口装美

 ドラ・ナビの長時間の運転をサポートするために、ブリッドさんのシートは最適!更に集中力を高める

 ため、野口装美さんに依頼して、選手の好みに合わせたクッション材をカスタマイズしていただいて

 ます!代表取締役の野口さん自身もモータースポーツをされているので、随所に選手目線の

 カスタマイズが入ってドラ・ナビは、長時間高い集中力で運転できます!

 いつもありがとうございます野口装美さん!

 

⑦カシオ計算機(G-shock)

 ダカールラリーでは、複数の国で開催されることが多く(最近は1か国開催ですが)、時差を把握

 することはとても重要。

 うっかり、時計の時間を変更してなくて、集合時間に来なかったり・・・ってこともありました笑

 また、装着したまま競技や作業することもあり、非日常的な使われ方が多いので、タフでなければ

 いけません。そんなカッコよさとタフさを兼ね備えているのが、カシオさんのG-Shock!

 このG-Shock、我々と同じく「シルクウェイラリー」「モロッコラリー」「ダカールラリー」の3つ

 のラリーを完走(フロントグリルに装着)してるんです。

 メンバーは毎回、この時計を装着することをとっても楽しみしています!

 いつもありがとうございます、カシオ計算機さん!

 

⑧ミズノ

 ビバークでの安全強化のため、3年前からメンバー全員の足元を守ってくれているミズノさんの

 セーフティーシューズ!軽くてかっこ良くて、動きやすいので安全に作業できます!

 社員DR三浦のフィジカルトレーニングでも、ウエアやシューズなどのサポートもいただき、

 毎回集中してトレーニングに励むことができています!本当にありがとうございますミズノさん!

 

⑨モンベル

 ラリー中は、いつもテント暮らし!更に私たちが生活するところは過酷な場所ばかり!

 そんなハードな日々を過ごす中で、メンバーの体調管理や体力維持するのは非常に大変です。

 そこで大事になるのが、睡眠!日々不規則な就寝時間と睡眠時間、寝ずに作業している日も

 あるため、寝れるときの睡眠の「質」はとても重要になります。

 そんなメンバーの睡眠を確保してくれているのが、モンベルさんのテントや寝袋!

 テントに入って、ベッドに横になるのが至福の時!しかも、このテントやベッドは、

 毎晩組み立てて、毎朝片づけるので、簡単にできるモンベルさんの製品は最高です!

 いつもありがとうございますモンベルさん!

 

⑩アライヘルメット

 ドラ・ナビの頭部を保護するヘルメット、長時間(長いと6時間以上)装着しっぱなしで、

 運転だけでなくタイヤ交換などの作業もやるため、強度だけでなく軽いことや着け心地も重要!

 そんな高いニーズにもしっかり応えてくれるアライヘルメットさん、いつもありがとうございます。

 

⑪PEF

 チームのオリジナルウエアを扱ってくれるPEFさん!レーシングウエアやチームTシャツ、

 キャップ、メカウエアなどをサポートしてくれています。   

 大会中、よく他のチームの人からTシャツやキャップを交換して欲しいと言われます!

 いつもありがとうございますPEFさん!

 

⑫TBユニファッション

 チームのオフィシャルな場面で必ず着用するピットシャツとフランス人メンバーが大好きな

 ポロシャツを提供してくれているのが、TBユニファッションさん!生地がしっかりしていて、

 シワになりにくく、大事な場面で着用するのでとても重宝しています!

 いつもありがとうございますTBユニファッションさん!

 

⑬MINEZAWA

 チームのメカニック陣が使う電動工具や照明など、ラリーを戦い抜くために欠かせない製品や、

 国内のイベントで使用する送風機や収納ケースといった必需品まで、TLC活動を縁の下から

 サポートしてくれているMINEZAWAさん!国内外での活動を快適にしていただいて、

 チームメンバー全員助かってます!いつもありがとうございますMINEZAWAさん!  

 

⑭シマツ

 ラリー中は、毎朝修理したクルマが、正常に作動することやクルマの形状が変わっていない

 ことが、スタートできる条件となります!この条件を満たすことが非常に重要で、特にバンパー

 やフェンダーなどは、数に限りがあるので可能な限り修復します。(簡単に交換しません!)

 その時のマストアイテムが「タイラップ」と「ガムテープ」です。

 そして、こういった備品を提供してくれているのが、シマツさん!

 他にも、アルミテープやクッション材、筆記用具や作業グローブ、更には非常食(アルファ米、

 みそ汁)までも!いろいろな商品でチームをサポートしてくれているシマツさん、ありがとう

 ございます!

 

⑮中央発條

 市販車部門で、改造できる数少ない部位の1つが足回り!チームのラリー車もショックアブソーバーは、

 競技用のスペシャル品!そして、そのショックアブソーバーと組み合わさるのが、中央発條さんの

 コイルスプリング!ダカールラリーでは、ジャンプや凹凸路面が多く、非常に負荷がかかるパーツ!

 そんなパーツを提供してくれている中央発條さん、いつもありがとうございます!

 

⑯トピア

 荒れた路面からくる衝撃を吸収する競技用のサスペンション!このサスペンションとボデーを取り付ける

 部分は、強度と精密さが求められます。

 その両方を成立させる高い技術力で作られたアッパーサポートを提供してくれているのが、トピアさん!

 一般走行には無い強い衝撃を、いつもしっかりと受け止めてくれるアッパーサポートはラリー車にとって

 無くてはならいない部品です!ありがとうございますトピアさん!

 

⑰大塚ウエルネスベンディング

 ドラ・ナビが集中して運転するために、ラリー中はこまめに水分補給することが重要!ただ、水だけでは、

 不充分で、ミネラル分もしっかり摂取しなければいけません。

 TLCのドラ・ナビは全員、走行中ポカリスウェットを飲んでます!そして、そのポカリスウェットを提供して

 くれているのが、大塚ウエルネスベンディングさん!また、ビバークでの食事だけでは、栄養バランスが

 崩れがちなので、補助食としてカロリーメイトやソイジョイを食べて栄養分を補ってます!

 スティック状で、食べやすく!クルーはリエゾン走行中に、メカニックは作業の最中に、いつでもどこでも

 手軽に食べれるのでとても重宝しています。いつもありがとうございます大塚ウエルネスベンディングさん!

 

 

このように、たくさんのパートナー企業の皆さまに支えていただき、私たちはモータースポーツ活動に

取り組むことが出来ています!

 

技術や製品は各企業さまで異なりますが、共通していることは、すべての担当者さんがいつも真剣に

私たちの悩みや課題について考えてくれて、一緒になって勝利を目指してくれること!

 

現場に入るTLCメンバーは20名ほどですが、ラリーを通して関わってくださる皆さまもまた、

TLCのメンバーだと思って戦っています!

 

パートナー企業の皆さまとTLCとのチームワークこそが、私たちの強さの1つであり、最後まで

諦めずに戦うことができます!

 

次回ダカールラリー2021の勝利に向けて、今後ともよろしくお願いします!

 

最後まで観ていただき、ありがとうございます!

 

引き続き、チームメンバーへの質問や応援メッセージをお待ちしておりますので、そちらも是非!

ご投稿はこちらから↓

https://www.toyota-body.co.jp/dakar/message/

 

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ダカールラリー7連覇の振り返り ~ウェア編~

2020-05-22 18:00:00 | その他

皆さん、こんにちは。

TLC事務局の内山です。

 

角谷監督によるブログ「ダカールラリー7連覇の振り返り」はいかがでしたか?

 

壮大な大地に挑むラリーの過酷さと、監督のチームへの思いが

詰まった内容になっています。

まだご覧になっていない方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

▽「ダカールラリー7連覇の振り返り」

【Part1 2015-2016】

  https://blog.goo.ne.jp/tlc_tab/e/0cb8ce400951ff16a5c6d308f9518b42

【Part2 2017-2018】

  https://blog.goo.ne.jp/tlc_tab/e/d19990cd2b377d738d6114e69e4c0b53

【Part3 2019-2020】

  https://blog.goo.ne.jp/tlc_tab/e/042e70207d005332b6caabf0f0ac4085

 

 

…さて、角谷監督のブログに触発され、

私も振り返りブログをご用意させていただきました。笑

 

そこで、今回は「7連覇の振り返り~ウェア編~」をテーマにお送りします。

 

それでは、早速『三浦ドライバーのレーシングスーツ』編です。

◆2015年

2016

◆2017年

2015年のデザインは、三浦ドライバーも「懐かしいー^^」と

笑っていました。少しレトロな雰囲気でかわいいですね。

 

次は、『三浦ドライバーのヘルメット』編。

2016

◆2017年

2019-2020

◆プライベートヘルメット

 

そして、ここからは更にニッチな世界。

日常で使えない知識ですが、極めてください。笑

 

 

『チームTシャツ』編。

-2010

2015

2017

◆2018年

◆2019年

◆2020年

 

 

7連覇以前のものも見つかったため、載せてみました。

事務局の加藤さんは、2017年のものが好きだそうです。^^

 

 

 

『チームキャップ』編。

左から古い順に並べています。

 

私は右から3つ目がお気に入りです。^^

 

 

振り返りは以上です。

ウェアにも、歴史の積み重ねを感じますね。

角谷監督のブログのエピソードと合わせて楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

皆さんはどのデザインがお好きでしたか?

今後の参考に、ぜひ教えてくださいね。

(宜しければコメント欄にお願いします^^)

 

ご覧いただきありがとうございました。

 

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社員のお仕事

2020-05-20 12:00:00 | その他

みなさん、こんにちは。TLCの三浦です。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、私は契約ドライバー(いわゆるプロドライバー)ではなく

普段はチームの母体であるトヨタ車体ではたらく会社員の社員ドライバーです。

↑社員ドライバーを表現しようとしてお蔵入りになった昔の写真(2018年撮影)

 

ですが、皆さんの前でお話する機会はドライバーの立場に立つことがほとんどですので、

今回のブログではあえて会社員の立場で自己紹介??近況報告??してみようと思います!

 

私はトヨタ車体の総務部広報室ダカールラリー推進グループに所属しており、

現在はグループマネージャーを務めさせてもらっています。

グループメンバーは3名で、私を入れて4名の組織です。

 

私たちの職場の業務を大まかに説明すると、

チームスタッフとの契約、ラリー車両の製作に向けた契約~部品手配、ラリーのエントリーやテストの企画・運営などの①チーム活動の運営業務。

↑データの記録など職場のスタッフもテスト等に参加しています(2019年撮影)

 

そして、TLCを応援していただくパートナー企業の皆さんを募集し、パートナーの皆さまの広告・宣伝・広報

活動の素材を提供する②スポンサーシップの企画・管理業務。

↑TLCを支えてくださる多くのパートナー企業の皆さまにプロモーションのご提案なども

させていただきます。(2019年撮影)

 

さらには、ファンの皆さまにWEBツールやイベント、報道関係者の皆さまを通してラリー活動・企業活動を

知ってもらうための③広報・PR業務。

↑映像編集業務に当たる角谷監督(角谷監督もトヨタ車体の社員です)(2019年撮影)

 

大きくこの3つに分類されます。

 

会社の一組織として運営していかねばなりませんので、当然決められた予算や、働き方の改善も

進めていかなければなりません。

これらを4名で分担して進めていくのはなかなか大変(とくに海外テストやラリーの時は私と角谷監督は

不在になるので職場には2名のみ!)ですが、社内の他職場の方々、パートナー企業の皆さま、

各業務ごとに関わっていただく取引先の皆さまの協力のおかげでなんとか

1年サイクルのダカールラリープロジェクトを回すことができています。

 

なかなか活動PRの中で表には出てきませんが、日本に残り、職場を支えてくれているグループメンバーの

2名のおかげでTLCはラリーに参戦できています。ダカールラリーは過酷と言われますが、

ラリー期間中は事務局も忙しくなり過酷です(笑)

現場の選手・スタッフだけでなく、職場も含めたチームワークがTLCの強みなんですよ!

↑Gメンバーの職場での打合せの様子

 

さて、普段はこの時期になると、年度初の海外テストが始まるタイミングで自分自身はドライバーとしての

準備業務と、会社員業務を並行して進めなければならない忙しい時期ですが、今年度は何よりもコロナウイルスの

感染拡大防止が世界共通の課題なので現在はチーム活動を自粛しており、いつもの5月より会社員の業務に

しっかりと携われる機会にもなっています。

↑ここが僕のデスクです。(数年前??若いでしょ??笑)

 

ここまでのお話をすると、ドライバーと会社員の2足の草鞋(わらじ)で大変ですね・・・なんて言われますが、

実は共通項も多く存在するんです。というよりも両者をそれぞれ普通にやっていたら、

人の2倍以上の能力がない限りとてもこなせません(汗)

ですから、ドライバー経験を会社員業務に活かし、会社員業務の経験をドライビングのスキルアップに活かす方法を

見つけて双方のレベルアップを図ることを考えながら過ごしています。

 

とはいっても、日常業務で競技相当のドライビングをする機会なんて当然ないですし、デスクワークも多いので大した

運動量もありません。なので、国内でも最低月1回は国内競技または競技相当のドライビングの機会を持たせてもらったり、

週1回はインストラクターの指示によるフィジカルトレーニングに充てる時間をもらっているので、この部分は通常の会社員の

生活サイクルとは少し違うかもしれません。

↑田口勝彦ラリードライバーによるドライビングレッスン中(2017年撮影)

↑Best Condition Work Out Gym山本トレーナー指導によるトレーニング中(2019年撮影)

 

では、共通項とは何か??

それは世界一を目指すこと(市販車部門で勝ち続ける)と、新たな付加価値を生み続けること

(前例のない仕事にチャレンジし、成果を出し続けること)は全く同じプロセスを踏むということです。

 

ドライビングの例の方が皆さんにはイメージしやすいかもしれません。

確かに私はドライバーとしての経験はわずか5年、ドライバーとしての心構えやスキルなど学ぶべきことは

たくさんあるので誰かに教えてもらう機会はたくさんあります。

しかし、その最終目的が教えてもらう誰かのコピーだけだとすると、仮に全てを完璧にコピーしたとしても

その方と同じ速さまでしかいけません。もっと簡単に言うと、その人に並ぶだけで、勝つことはできません。

 

ですから、誰かに教えてもらうにしても、こういうスキルを持ち、こういうクルマで、こういう走りをすれば

自分は勝利を信じて走れるんだ!というイメージをまずは作ることが大切なんです。

 

そして、その次にその理想像と現在の自分のスキルや経験を重ねてみて、足りないものを見出します。

最後に足りないものを補うための方法を探します。これが練習になるわけです。この段階で初めて一つの

手段として誰かから学ぶというステップが出てきます。

 

一方、モータースポーツは練習するにもコストがかかりますし、私は日常業務もあるので毎日練習だけに

全ての時間を費やすことは不可能です。では諦めるのか??そうではありません。寝る時間を削って

練習に充てるという方法もあるかもしれません。自身の会社での仕事を誰かに代わってもらうという

方法もあります。いろいろな方法がありますが、私が最も大切にしているのは練習の質をあげることと

時間の使い方です。

 

もし1時間かかって習得するスキルを30分で習得できたら・・・。

10回走って定着するスキルを3回で定着できたら・・・。練習する前にそんなことを考えながら

過ごしています。そして、日常生活の中でトレーニングに置き換えられるものがないかを考えます。

例えば電車で出張する際には車窓から線路上の目印を読みながら動体視力を鍛えることもできますし、

クルマの出張ならタイヤの空気圧などセッティングを変えながら移動してみることでクルマのことを

学ぶこともできます。(競技のような極端なセッティングは安全上できませんが・・・)

探してみると使える時間は意外にあるものです。

 

でも最初からこのように考えることができたわけでもないです。

こういうプロセスで考えることって、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、

仕事と全く同じとあるとき気づきました。仕事で温かいご指導を頂いたこれまでの上司の方々、

社内外の先輩の方々に感謝ですね(笑)

 

ドライビングの理想のイメージをつくるプロセスは、新たな企画アイディアを考えるプロセスと同じ。

足りないものを見出すプロセスは仕事で課題を具体化するプロセスと同じ。

トレーニング効率を上げる思考プロセスは、仕事で真因を考えたり、実行計画を立てたり、

関係者の協力(ビジネスとしての協力ももちろん含めて)を仰ぐプロセスと同じです。

↑職場でのミーティング(数年前撮影・・・いつか忘れました)

 

すなわち、ドライビングも仕事も分からないものを分かるようにして、それを実現するという

共通の思考があると思っています。

だからこそ、会社員業務はTLCのドライバーとしての仕事に生きていると信じていますし、

ドライバーの経験も仕事に生きると信じていて、僕にとっては2足の草鞋ではなく、

僕に任せてもらった表裏一体の一つのものと感じています。

 

正直、会社での仕事は厳しい目で見られる仕事があったり、めんどくさくて嫌いな

仕事だってゼロではありません。笑

ドライバーとしてやりたいこと、やるべきと思うことが会社員の立場では矛盾し、

苦しむことも時々あります。

それはクルマが好きで、クルマが乗ることが好きという気持ちが一番なので許してください。

しかし、ちょっと嫌な仕事だとしても全ては繋がっている僕自身に任せてもらえたことで、

何にも代えられない今の経験を生み出してくれる源です。

だから大切な仕事ですし、ネガティブな気持ちは全くないですよ!

 

早くクルマに乗りたくて仕方のない最近の日常ですが、

今会社員としての時間を充実させられる今が、さらに強いドライバーに僕自身を育ててくれると

思って、この時間を有効に使いながら過ごしていきたいと思います!!

 


ダカールラリー7連覇の振り返り Part3

2020-05-18 18:00:00 | 活動情報

皆さんこんにちは、監督の角谷です。

 

在宅勤務にも慣れ、家族と過ごす時間も増えました、

おそらく今年度はチームメンバーといる時間より、家族と過ごす時間の方が長くなりそうなので、

しっかり家族孝行したいと思います。

 

さて、今回は市販車部門7連覇の振り返り、第3弾最終回(6~7連覇)です。

就任5年目のダカールラリー2019 ペルー大会は、初めての1か国開催となり、走行距離・大会期間とも

例年に比べ短くなりましたが、競技区間の70%が砂丘エリアと、競技難易度の非常に高い大会となりました。

 

大会初日から砂路面が中心となり、砂丘も登場するなどいつもと違う雰囲気、そんな中349号車

(三浦DR/ローランNV)はステージ途中にスタック。

 

スタック自体は珍しいことではないのですが、その時使用した脱出板を見失うというビックリする

ようなことが起きました。

 

なぜなら、長さ100cm×幅40cmの蛍光オレンジに塗装されたとても目立つ脱出板・・・どうやったら見失うんだ?

と思うと同時に、それだけ砂がフカフカなんだと理解しました。

 

普段、砂路面での作業では、取り外したタイヤのナットですら、必ず室内へ置くというのが鉄則。

小さな部品は砂に埋もれやすく、現場で見失わないようにするため。

 

脱出板のような大きなものが簡単に埋もれてしまうということが、この大会の難しさを物語る出来事であり、

初日から嫌な予感しかなかったです。

 

しかし、その後は前回大会から力を入れてきた砂路面対策の効果もあり、難しいながらも大きなトラブルなく、

前半戦を乗り切ることができました。

 

ここで、砂路面の対策の1つを簡単にご紹介。

軽量化や高性能パーツなども、もちろん重要ですが、我々がエントリーしている市販車部門では、

制約が厳しく簡単に改造することができません。なので、日本語でいうと、「改造」というよりは「工夫 」

という言葉の方が近いです。

 

前回大会から力を入れてきたのが、熱マネージメント。

「空気で冷やす」ということと「熱を逃がす」という、この2つを重点的に工夫してきました。

 

砂丘や砂路面では、車速が伸びません。(場合によってはローギアでアクセル全開なのに時速20km)

なので、空気(風)がクルマに当たり難いのです。

 

そこで、まずは風量が少なくても効率的にラジエターを冷やせるように導風板の取り付け位置や角度を工夫。

更に、空気を当てるだけではなく、熱せられた空気を逃がすことも工夫しました。

何度もトライ&エラーでデータを取り、試行錯誤して今のラリー車は作り込まれています。

←モロッコテストの走り込んだタイヤ

←テスト後のヒヤリング

←夕方、テストから戻っての表情

 

話を戻して、後半戦は更に競技難易度が上がり、2台のクルマは苦しめられました。

今大会、走行距離が短くなった分、ナビゲーションの難易度が上げられていて、何度もリルートする場面も。

 

そのような状況で350号車(ラヴィエルDR/ギャルサンNV)が、前回大会でリタイアとなった地点のすぐ近くで、

またしても冷却系のトラブル。こちらもリタイアの教訓から、対策として交換部品を積載していて、

トラブル対応ができビバークに戻って来ました。

トラブルが起きたことは、もちろん原因究明が必要ですが、去年の「借り」を返せたような気持ちになりました。

最後まで気の抜けないステージが続きましたが、2台は協力し合いながら、ワンツーフィニッシュで市販車部門6連覇を達成。

 

今回は砂路面が多く、クルマへの負担が非常に大きかったですが、毎日毎日完璧に修理してくれたてメカニック陣

の頑張りと、対策としてやってきたことが、しっかりと結果に繋がった手応えのあった大会でした。

 

続いて、就任6年目のダカールラリー2020 サウジアラビア大会

毎年「もっといいクルマづくり」を念頭に、いろいろなチャレンジに取り組んで来ましたが、今回私が就任してから

最大のチャレンジと言えるほど、非常に難しいAT仕様でのダカール参戦でした。

 

3年前のモロッコテストから開発がスタートし、最初はだれもがその性能に対して半信半疑でした。

 

しかし、いきなりのテストでAT特有のギアの繋がり方(MTの様にシフトチェンジの際のクラッチが切れる状態がない)や、

操作性(2ペダル)の高さから、ラリー車としての可能性を見出すことができました。

 

もちろん全てが良い情報ばかりではなかったです。

ラリー走行=一般想定外の走行となるため、高負荷での走行が続くとフェールセーフモード機能がはたらき、

車両を保護する目的で出力が自動的に制限されるなど、結局みんなで朝から晩までトライアンドエラーを繰り返し、

1つ1つトラブルを潰し込みながら、AT仕様のラリー車を仕上げていきました。

 

また主催者から大会情報がリリースされ、初の中東サウジアラビアでの開催と知り、初のAT仕様でのチャレンジに加え、

開催地も初ということで、未知の領域が拡がるばかりでした。

 

正直、今回の大会は「満を持して」というよりは「今やれることはすべてやった」という気持ちの方が強かったです。

それくらいギリギリまでやることも多く、最後まで諦めずに準備を進めてきました。

 

大会結果はご存知の通り、ダカールラリー史上初めて四輪の市販車部門で7連覇を獲ったチームとなり、

またTLCとしても初めての7連覇という最高の結果となりましたが、現場では成績ほど順調では無かったです。

 

大会初日から2台ともパンクが多く、その他交換部品(部位)も南米時代とは明らかに違っていました。

そして、大会4日目にはチーフメカのフィフィから「このままのペースでは持って来たパーツが無くなる」と。

 

急遽、チームミーティングを実施し、2台とも走行ペースを再考するよう指示しました。

そうなんです。南米時代のペースで走ってはいけなかったのです。

 

特に前半ステージは、岩盤の上に砂路面や砂丘がある状態のため、競技車両が何台も同じところを走行すると砂が掘り起こされ、

その下に隠れている岩とタイヤがヒットしてパンクするパターンが多く、競技車両はペースを落として回避する必要がありました。

 

そう言ったサウジの洗礼を浴びながらも、なんとか2台は協力して前半を乗り越えました。

前半を終えて、市販車部門のクルマは我々の2台になり、ライバルはいなくなりました。

 

あとは、このまま最後まで行けばいいだけ!と思う方も多かったと思いますが、私は逆のプレッシャーを感じていました。

ライバルがいないのだから、当然2台とも完走してワンツーフィニッシュで7連覇しなければならないと。

 

幸いチームメンバー全員が、ダカールラリーは最後までなにがあるかわからないことを知っているので、

後半も気を緩めることなくやってくれました。

 

ここで、ビバークでのお話。

今回もビバークにいると連日、いろんな人が我々のクルマを観に来てくれます。

サウジアラビアは、世界で一番ランドクルーザーが売られている国、観に来る人もランクル所有者やランクル好きな方ばかり!

皆さん、真剣な眼差しで興味津々!

 

南米時代と大きく違ったのは、その質問。

南米では、ご本人が趣味でラリーをやられている方が多く、その質問の多くはクルマの性能であったり、パーツに対する質問。

一方、サウジでは主に以下3つ

 ①このクルマを売って欲しい!誰に言えば買える?

 ②私のクルマをコレ(ラリー車)と同じにしてくれ!

 ③日本で同じモノが売っているのか?

その都度、通訳の方を介して、TLCの活動を説明してもらい対応してました。

 ※ただ、誰一人として「このラリー車はいくらするの?」と値段を聞く方が居なかったです。お金持ちだから?かな?

 

ラリーの話に戻り、後半はサウジアラビアの南部(ルブアルハリ砂漠)が主戦場、より難易度は上がりました。

特に、後半戦最初の3ステージ(ステージ7,8,9)は、SSで400km以上トータルでも700kmを超えるロングステージの連続。

 

路面状況からも、燃料切れを起こさないよう燃料のマネージメントをしながらの走行が必要で、非常に神経質になりました。

そして、次のステージ10、11は、メカニックのサポートができないマラソンステージ。

大会終盤にきてからのマラソンステージは、ラリー車にもクルーにも非常に過酷。

 

なんとか往路はペースを落として、よりセーフティに走行するプランでしたが、競技中突然338号車から衛星電話が入り、

電話に出たチーフメカニックのフィフィは仏語で放送禁止用語を連発。ビバークで待機していた我々の雰囲気は一変。

一気に緊張感に包まれました。(当然、DVDではカットされました(笑))

 

あとでわかったことですが、そこまで深刻なダメージでは無かったものの、マラソンステージの往路でのアクシデントだったことや、

電話でしか情報が掴めないことから、うまく状況が伝わらず非常に焦ったことを今でも覚えてます。

 

そんなこともありながら、復路も2台助け合って無事に難関だったマラソンステージをクリア!

 

最終日は160kmのSS、過去にも最終日にリタイアした選手が何人もいるので、SSをゴールして戻って車検に合格するまでは気が抜けません。

(不正が無かったことが確認されなければいけないため、車検を受けます)

 

ほとんどの関係者や、うちのメンバーも皆、SSゴールした時点で大喜びしている中、最終確認まで喜べない自分との

ギャップで毎回モヤモヤしています。

(更に会社に報告したり、SNS上げたり、祝勝会の準備とやることも多く喜ぶタイミングを逃してます)

 

いろいろなことが大会ごとに必ず起き、その時は大変で辛い思いもたくさんしますが、こうやって振り返ると全てが思い出になっていて、

一緒に戦ってくれた仲間と、応援してくださった皆様に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 

これで7連覇の振り返りが終了です。

これからも、TLCはさまざまなことに挑戦しながら、勝ち進んで行きますので今後とも応援よろしくお願いいたします。

最後まで観ていただきありがとうございました。

                                              以上

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TLCの歩き方~フランス~

2020-05-15 12:00:00 | その他

皆さん、こんにちは。
TLC事務局の加藤です。

 


昨今のコロナ禍で外出を自粛されていらっしゃるかと思います。


私たちTLCも例年であれば5月度はモロッコでの海外テストを実施していますが、
今年は自粛し国内(愛知県内)で密にならずに準備ができることから随時進めています。


そこで今回は皆さんが少しでも外出した気分を味わっていただけるように
TLCの歩き方と題し、チームの海外拠点であるフランスについて紹介させていただきます^^


監督の振り返りブログが皆さんから大変好評なので、このような内容で恐縮ですが、
ぜひご覧ください!

 


さて、フランスの紹介といっても首都パリを紹介させていただくのでは
ありません!


今回はチームのガレージがある「フレジュス」という街をご紹介します!


フレジュスはフランスの首都パリから約870km南下した場所に位置し、

 

 

夏のバカンスの観光地として有名なニースや国際映画祭が開催されるカンヌと同じ
プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏にあります!

 

 

地中海に面し、夏は暑くてカラっとし、冬は温暖で湿潤な、
とても過ごしやすい海辺のリゾート地です。

 

 

とっても美しい景色!!!!!!


TLCのラリー車はこの海辺から車で約15分ほどのところにある
SMGというガレージで作られています!

 

 

 


では少しフレジュスの街を歩いてみましょう!

 


ここはビーチですね^^
雲一つない青い空と青い海!

 

こんなきれいな海を見ながら散歩がしたい、、、

 

このように旅行が好きな私はよく行きたいところをGoogleマップの
ストリートビューを使い、街並みを見て行った気持ちにさせています。

 

次は少し市街地を散策してみましょう!


てくてく

 

てくてく


!?!?!?!?!?



何か見えてきました!!!!!!!

もっと近づいてみましょう!


てくてく


!!!!!!!!!


これは!!!!!!



これは何でしょうか???


何かよくわからないけどなんとなく遺跡っぽい、、、

 


そう!これはローマ時代に作られた水道橋です!
フレジュスはローマ時代にカエサルによって築かれたため、
街のいたるところにローマ時代の建造物があるのです!!



こちらは円形闘技場です!
円形闘技場といえば、イタリアのローマに有名なコロッセオがありますよね!
こちらは現在はコンサートなどで使われるようです。
なので少し近代的な雰囲気なのかも。


ではまた少し歩いてみましょう!


てくてく


 

カラフルで可愛らしい街並みですね^^


てくてく


 

こちらはフレジュスの旧市街地の中心にかまえる大聖堂。
隣接する回廊が見どころのようです!


ぜひ内部も見てみたい、、、!!!

 


きれいなビーチや古代ローマの建造物、可愛らしい街並みなど、
いろんな表情を見せてくれるフレジュス!


パリからフレジュスまで約870kmなので、三浦ドライバーいわく、
ラリーのコースだったら10時間くらいで着くそうです(笑)


コロナが収束し、フランスへお出かけの際は
ぜひフレジュスへお立ち寄りくださいね^^


ご覧いただきありがとうございました!

 


※のついた画像はGoogleマップよりお借りしました

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