みなさんこんにちは、TLCの角谷です。
気候も温かくなって来ましたが、いかがお過ごしでしょうか。
外出時などは、引き続き充分気を付けてお出かけください。
さて今回のブログでは、前回に続きコマ図について紹介したいと思います。
前回は、ビバークから競技スタート地点まで短い距離だったので全てナビゲーションしましたが、今回は競技区間(SS)ということで、ページ数も多くゴールまで全てご紹介するのは難しいので、いくつかコマ図を選んでご紹介していきたいと思います。
まずは記号一覧を掲載します。(全然覚えられないので、コレがないと始まらない・・・。)
それではSSスタート!
・スタートはDSSと表示され、フランス語で「Depart Secteur Selectif」を略したモノ、英語だと「Start of selective section」となり、ここから競技が始まる!という意味になります。記号一覧にあるほとんどのアルファベットはフランス語を略したモノが多いため、フランス語も覚えないといけないですね(T_T)
・1.19km走ると、QtPPとありますが、こちらもフランス語でQtは「Quitter」で「去る」、PPは「Piste Principale」で「メインとなるピスト(未舗装路のワダチがある道)」という意味、二つ合わせて「メインのピストを去る(離れる)」ということになります。
・その後、分岐と十字路を通過し、3.09kmで「波のマーク」 これは「Ondulation bossele」と言い、フランス語で「デコボコの波紋」と訳されますが、波の様にうねった道のことで、うまくクルマをコントロールして、リズムよく走行しないとクルマにダメージを与えることになります。
ページの最後の欄外に危険をあらわす「Danger」があるときは、次のページの最初のコマに「Danger」があるということを意味し、ページをめくることも考慮されてコマ図は作られています。
次のページ、
・3.30~5.54kmまである、直線と半円がくっついた記号は「cuvette」といい、フランス語で直訳すると「丼鉢」これは路面に凹み(穴)があるということを意味していて、穴の大きさや深さによっては、車両に大きなダメージを与えるので、注意して走行しなければなりません。
以前に、三浦ドライバーがナビゲーターだったときに聞いた話ですが、ときにはコマ図に書かれている情報をそのままドライバーに伝えず、少し変えて伝えることもあるそうです。例えば、より慎重に走行しなければいけないときや、ドライバーが興奮して熱くなっているときなどは、「Danger1」とコマ図に記載されていても、「Danger2」とコールしたり、コールするタイミングを早めに言って、対処が遅れないようにするなど、単純にコマ図を順序通り読むだけではなく、ドライバーと共にクルマをゴールまで導くことが、本当の意味でのナビゲーターの仕事です!と言ってました。
少し進んで、
・19.96km地点では、ふたたびQtPPがあり、メインのピスト(ワダチのある未舗装路)から離れ、その後HPとなります。HPはフランス語で「Hors Piste」といい、英語では「Off track」、すなわちワダチ(走行跡)がない未舗装路となります。ワダチがないので、方位角度を表す数字「240」が表示されます。表記のやじるしも実線から破線に変わります。
・その後、更に進んで21.48km地点にはRP Pとあり、「Reprise(再開)」と「Piste(ピスト)」を意味し、ワダチの無い未舗装路からワダチがある未舗装路に戻るということを意味します。
また少し進んで、
・51,82km地点ではG/D SERとあり、G/Dは「Gueche(左)/Droite(右)」という意味で、SERは「Serre」、英語でいう「Tight(タイト)」となり、左→右にタイトなカーブがあるということになります。
さらにさらにだいぶ進んで、
・120.66km地点、前にも出たRP Pは、ピストが無い未舗装路からピストが再開され、-√の記号は「tres peu visible(ほとんど見えない)」と轍が薄かったり視覚的にルートが見にくいことを意味します。その後は「Follow small RIO」ということで、小さな川沿いを走行する様に指示されています。
もうこの辺になると・・・記号の説明が難しく情報量も多いので、うまく伝えれない・・・
ただ、実はコマ図にいろいろ書かれている方が、情報量が多いので慣れたナビゲーターにとっては逆にわかりやすいそうです。
シンプルで情報量が少ない方が、現場で周辺のいろいろなもの確認しながらナビゲーションしなければならないので、難しく間違えやすいとのこと。
たいぶ(疲れたので)飛ばして、最後のページ(笑)
・175.32からは、「Portail Barriere(ゲート・門)」や「Cloture(フェンス)」を抜けて。176.73kmでASS!
「Arrivee secteur selectif(SS着)」の略で、競技区間の終了を意味し、終わった車両から順にメカニックが待つビバークへ戻ります。
大会やステージによって異なりますが、競技終了後にリエゾンで500km移動などもあるので、ほんと大変だと思います。
ビバークに戻っても、直ぐには休めずチーフメカのフィフィにその日の状況を説明し、クルマのダメージや消耗部品、交換部品なども細かく報告してからやっと食事が摂れることになります。
今回、私はコマ図に書かれていることを記号一覧から時間をかけて理解しただけで、実際にはクルマを正しいルートに誘導しなければならないし、間違えることもあるし、長時間クルマに揺られながら、コマ図を見て瞬時に判断しなければいけないし・・・改めてナビゲーターの偉大さを認識することができました。
いつもチームのために献身的なメンバーに、改めて感謝したいと思います。
これで少しは、コマ図の説明ができるようになったかも知れません・・・。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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