tokyoonsen(件の映画と日々のこと)

主に映画鑑賞の記録を書いています。

『オブリビオン』

2013-06-04 22:39:38 | 映画-あ行

 oblivionとは、忘却とか、忘れられている状態という意味らしいです。
 そうなんだ。

 迫力あった。

 ジュリア役のオルガ・キュリレンコのインタヴューによると、CGが使われているのは、バトルシップのチェイスシーンだけらしい。見てて何となく分かるので、懐かしい感じがした。
 チェイスシーンは、スター・ウォーズにも似ている。空と砂漠が広がっていて、生活感のない空中住居(?)には、残された監視員、トム・クルーズとその妻の通信士が暮らしている。二人は「あなた、行ってらっしゃい」、という感じとはどうも違うのだけれど、この妻だって、心を抜かれた人形ではないようなのだ。ほかの人類と一緒にタイタンへ行きたいという願いが、ただ彼女を動かしている。ただしトム君演ずるジャックと自分が、運命共同体だということに、気づいてなかったようだけど。
 SF映画で描かれる未来は色々あるけど、こういう景色は結構好きだ。シンプルで、記憶の空白が表されているんだろうか。
 ここまでが前半。後半になると少しスピード感がアップして、はらはらどきどき。

 個人的に今回、トム・クルーズが一番かっこよかった瞬間は、コックピットの真横に来た敵を、銃で撃ち落とすところ。 

 隣にがくがくしている妻を乗せ、ビュンビュン攻撃してくる敵に撃たれて、今にも墜落しそうなバトルシップ。がたがた揺れる中でドアも吹き飛び、そこへ敵が追いついて併走する形に。絶対絶命!撃たれる!と、そんな状況で、ですよ。「あなた~」と叫ぶ(違ったかも)妻を横に、体を上下に揺られながら、ふっと横を向き、左手の上に銃を持った右手。狙いを定め、一発で仕留める。顔色一つ変えない。
 決して自信満々のキャラクターではないし、どちらかと言えば、他人のいないところで淡々と自分の仕事をこなすマイペース風だけど、いきなりプロの冷静さを見せるのであった。非人間的とも思える静かな顔は、トム様、美しい。ぱちぱち。揺さぶられ続ける、今回の受け身の役柄においてはわりと異例で、やっぱりこういう瞬間もなくっちゃね。

 最後の方で、ちょっと筋が分からなくなったけども。(個人的にSFでありがち)

 ジョセフ・コジンスキー監督、2013年、アメリカ。

  

『ザ・シークレットサービス』

2013-06-01 21:06:32 | 映画-さ行
 クリント・イーストウッドを見ていたら、ジョン・マルコヴィッチが気になってしかたがなくなる。

 クリント・イーストウッドは公開当時、63歳、ジョン・マルコヴィッチは、40歳。撮影してた時は、お二人とももうちょっと若いんだろうけど。

 親子ほども年齢の違う人にからまれるって、どんな気分なんだろう。

 役柄の歳の設定は分からないけど、まあ、それくらい? 見た目から言って多分、俳優さんの実年齢とそう変わらないはずだ。目的は大統領暗殺だけど、完全に!ジョンがクリントにからんで行く映画だった。しかも素晴らしく、からみ切っている。からみにからむ。全然見劣りしない。互角のからみ。ブラボー、ジョン・マルコヴィッチ。

 ジョン・マルコヴィッチの出ている映画では、スピルバーグ監督の『太陽の帝国』(1987年)が結構好きだった。こちらも怪しい役柄だったけど。ジョン・マルコヴィッチはがりがりに痩せていた。

 『ザ・シークレットサービス』は、ウォルフガング・ペーターゼン監督、1993年、アメリカ。ちなみに原題は『In the Line of Fire』だそうで、全然違うのだった。


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