tokyoonsen(件の映画と日々のこと)

主に映画鑑賞の記録を書いています。

『白夜』 ブレッソン

2013-04-02 20:30:13 | 映画-は行
 美しい映画だなあ。
 言ってみれば、若い男女の揺れる心が描かれてるわけなんだけど(多分)、それを包み込む夜のパリの街や、真っ黒なセーヌ川、きらきらと宝石のように動く遊覧船、唄う人、橋、信号、グラス、黒いポンチョ、そんなものが美しい。

 やっぱり夜は長い方がいいな。この夜には、どれだけのものが含まれているんだろうと思う。「明日があるから」と思ったりしない。このまま拾って歩けば、すべての瞬間がこの夜につながっている。ロマンティックだ。あと、街は小さい方がいい。「終電逃すとアレだから」と思わないし、「こっから電車で30分」と思ったりもしない。みな適度な距離で、その街の住人であってほしい。それで、その夜の住人であってほしい。
 ロベール・ブレッソン監督、1971年、フランス。

『砂漠でサーモン・フィッシング』

2013-04-01 21:32:19 | 映画-さ行
 自分自身は釣りをしたことないのに、釣りって泣けるなあ。実際に泣くわけじゃないけど。
 これはラブコメなの?原作では、それぞれのカップルについて、もっとたくさん描写してあるんじゃないかと。面白かったので、もっとダム建設とか、河建設(?)とか、豪華な城とか、サーモン問題とか、アイルランド(スコットランドだっけ?)の景色とか、そういう細部を見たかった。要するに「人の心」以外のスケールの大きさを、もっと押し出してもらいたかったなあ。映画なんだし。でも面白かったけど。
 主演のユアン・マクレガーが、『ゴースト・ライター』の役と、かぶり過ぎでした。ラッセ・ハルストレム監督、2011年、イギリス。

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