わたしが思うわたしらしく生きよう

旧題名は、Tinian MagicⅢ改め 「何だって何とかしようと思えば何とかなるもんだぁ~」です。

テニアンとの出合い

2005年07月15日 | テニアンと私
「Tinian Magic」 を移したはずのCDが壊れていたので、新たな気持ちで思い出しながら書きます。
一度読んでくださった方も、初めての方も、私とテニアンの不思議な出会いをどうぞ読んでみてください。

あれは、1999年8月でした。
知る人ぞ知る9時55分くらいからやる視聴者からの投稿をミニドラマで再現する、あのちょっとふざけた番組を私は見ていました。
あの日は、夏場になるとよくやる怖い体験特集でした。
不思議な話が大好きな私は、遅い朝食を食べながらぼーっと見ていました。
何話かの後、題名が「テニアン」と出ました。
その響きから、私はきっと化け猫の話だろうと勝手に思いました。
「テニアン」・・・なんとなく、猫っぽい名前じゃないですか?(笑)

テニアンという南の島に遊びに行って不思議な体験をした主婦の方からの投稿でした。
家族で昼間、ビーチで楽しく遊び、夜、子供たちを寝かしつけ自分も寝ようとしたら、
少年兵たちが枕元に立ち「お母さん、この島で戦争があって僕達が死んだということを忘れないでください」と訴えたそうです。
その方は、怖いというより可哀想になって「忘れないわ、決して忘れないわ」と言ったそうです。
その言葉を聞いて安心したように少年兵たちは敬礼をして消えていったそうです。

あとから調べて分かったことですが、アメリカ軍が上陸する前、引き揚げ船で多くの女性、子供、お年寄りが島を後にしましたが、
16歳からの少年たちは、戦力として強制的に島に残されたそうです。
16歳・・・まだまだ母親が恋しい年頃だったでしょうに。。。

私は、その再現フィルムを見て涙が出るのを我慢しながら、通りかかった母親に「ねぇ、テニアンって島知ってる?」と聞きました。
「あぁ、兵隊さんが亡くなった島よ」
・・・。
身内に兵隊さんが居たことは知ってました。小さい頃、育ててくれた(世話をしてくれた)大好きなばあちゃんの一番下の弟!
私が小学生の時、ばあちゃんが「○○チャンの結婚式に出たいけど、そのときまで生きられないからね~。これはねぇ、兵隊さんが死んでもらえた年金なんだよ、これで好きなものを買いなね」
そう、私がばあちゃんから遺族年金をもらっていた、あの兵隊さん!

これは、私、呼ばれているんじゃないか?!
勝手にそう思いました。
その2ヵ月後の10月、私は兵隊さんが死んだ同い年でテニアンの地にひとり立ちました。

初めての海外ひとり旅。
そりゃもう家族の(特に父親)の反対を受けました。親戚会議?にもなったそうです(笑)
でも、戦後50年以上経っていたのに、誰も慰霊に行ってませんでした。
父親は、一度言い出したら引かない私の性格を知っています。
カメラマンになりたいと言った時も、色々言いましたが結局は好きなようにさせてくれました。

今もですが、その当時は全く、えぇ、そりゃまったく英語が話せませんでした。
どうなる?私??
行きの飛行機の中でも、英語で話しかけられたらどうしよう・・・とドキドキしっぱなしだったのを覚えています。
飛行機の窓から、兵隊さん=徳三の写真に海を見せました。
見せてどうなるもんじゃないけど、その時はまだ海上で死んだ可能性もあったので、来たよ~って知らせたかったんです。
サイパンに着陸するのに、テニアンの上を通るんですよね~。
風向きで変わるそうなんですが、その時は、あぁ、これがテニアンかぁ。と感慨深いものがありました。

飛行機を降りて、体中にまとわり着く南国っていう感じの、もわっとした空気。そしてあの匂い。
空港を出たら、旅行会社のスタッフの元気な雰囲気がすごく怖くて、すぐ駆け抜けました(笑)
右に抜けて、テニアン行きのカウンターは何処だろう?とゴロゴロスーツケースを転がしながら不安になっていったら、
クラクションの音が!そうとう通り過ぎていたらしく、私の様子を見ていたバスの運転手が、手で場所の説明をしてくれました。
その親切な現地人の方にえらく感動し、「ここは、いいところだっ!」って思いました。
あぁ~その会社に、5年後に入ることになろうとは(笑)運命は交錯してるんですよね~。

やっと、フリーダムのカウンターに行き着いて、周りを見渡す余裕ができたら、目が点になりました。
ひぇぇ~、皆でかい。(横に)
地元が下町なんで、おすもうさんは普通に見てるのに、その比較にならないほどでかいんです(横に)
わぁ~私、ここに来たら痩せてる部類?なぁ~んて自分で笑う余裕もでき無事手続きができました。
待ち時間は覚えてないんだけど、とにかく初フライトのことは覚えています。
助手席でした。
出発間際まで開けているドア。パイロットの操縦とともに一緒に動く自分の目の前の操縦桿。
どんどん遠ざかるサイパンの緑。蒼いインクをこぼしたような海の青。そして先に見えるテニアンの緑。
お天気なのに、薄い雲に入ると雨粒がフロントガラスに当たって両側に流れる、その綺麗さ。
そして過ぎるとまた総天然色の世界。
あまりの美しさに感動しながらも、たった50数年前に、ここで戦争があったことを思うと悲しくなりました。

到着してから、名鉄さんのお迎えが来るまでの間、アメリカ人のパイロットさんと色々話しました。
えぇ、ジェスチャーで(笑)
大叔父が、ここで死んだこと。アメリカ人は好き。戦争がきらい。だれも恨んでない。このまま平和であってほしい。
そのときに、言われた言葉「次に来たらたぶんそんなに感動しなくなると思う。でも、落胆しないでほしい」
その言葉、当たってませんでしたよ~!毎回毎回、感動してます!!

で、問題の名鉄に着いた。たぶん出るのはここだろうとふんでいた。部屋に入って驚いた。
・・・電話がない。聞けば外に公衆電話が一台あるだけらしい。
あぁぁ、、、そうでしたか。。。
例の再現フィルムでは、その後、お母さんはお部屋にある電話から実家のお父さんに電話をしている。そしてテニアンが激戦地だったことを知ったのだった。
残念。今回の目的は、徳ちゃんに会うこと。もしくは出た霊に、この人を知りませんか?と写真を見せることだったのに。
それでも、出るかもしれないと思って、夜眠れなかった。
なぜか、このテニアンという島は、夜なか中ずっと飛行機が飛んでいる、しかもプロペラ機のような爆音。カーテンから覗くと、遠くの方まで、大型船の明かりが続いてる・・・もうこんなうるさくちゃ寝られないって思いながら、ウトウトっとしたその瞬間。朝だった。
もう寝られなかった。と思い顔を洗っていたら、ドアをノックする音が。
きゃ~観光のお迎えのスタッフだった!!まさかっ、目覚ましはっ?止まってる!
ぎゃ~と思い、すぐ仕度をして駆け下りた。
それからの観光2時間。起きてから水分1滴も飲まずに、死ぬかと思った2時間でした。。。

で、後から聞いた話では、夜中は飛行機は飛ばないそう。しかもサン・ホセの上はぜったい飛ばないそう。そして、港には大型船は1艘だけだったらしい。・・・あれらは、いったい・・・。

初めてのテニアンでハマって以来、渡島21回目が私のテニアンへの引越しの日になりました。
その間、一度も幽霊というものに会ったことはありません。
実際会ったらどうしよう。そう思いますが、私ももし今死んだら、次の瞬間から幽霊です。
そんな私に会ったら、やっぱり怖いって思われちゃうのかな?
幽霊も皆、ちょっと前まで生きてた人間です。

テニアンへ来て、空は青いということを知りました。
芝生は立ち入り禁止ではなく、歩くとフワフワしています。
海の水は限りなく水に近い透明です。
砂浜は白いです。
貝には、ヤドカリが住んでいます。
星は星座が分からないほどの数です。
一人で歩いていると、ローカルがビールをくれます。
言葉が通じないのに、片言の日本語を並べます。
とびっきりの笑顔を見ていると、こっちまで笑顔になります。
ここでは、誰かと争うことがありません。
肩がぶつかることもありません。
深呼吸すると、緑のむせかえる匂いがします。
本来の自分を取り戻せる、そんな場所です。
・・・一度テニアンへ来てみてください。
なぁ~んにもない、という贅沢が味わえます。



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7 コメント

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お久しぶりです。 (えみねえ)
2005-07-15 22:48:56
お元気ですか?



ちずさんのところで見つけて来ちゃいました。

先日、テニアンに行くんですってと聞いたばかりだったので思わず。

私もテニアンは大好きです。最近サイパン止まりだったので次回は是非行きますので遊んでくださいね。
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Unknown ()
2005-07-16 00:02:59
運命は交錯している・・・

フムフム。

今日は、チャットじゃないよねぇ?(笑)



テニアンの魅力って何なんだろう?

日本では下を向いて歩いていることが多い。

でも、ちょっぴりテニアンでは前を向いて歩いている。

それでもって、もうちょと顔を上げて歩いたら、ビールやBBQにあるつけるのかもしれない。 

(いや、でもこれは女の子の特権なのかも)



『何がそんなにいいの?』と訊かれても、ナンテ答えたらいいのかわからない。

でもナニカがいいのである。

ステキな人々がいることも、魅力のひとつであることは間違いないのだけれど、それだけじゃぁない。



テニアンがこんなに大好きになっちゃったのは、運命の交錯の成せる業あってほしい・・・。
返信する
えみねえさん! (テニアン・マジック)
2005-07-16 10:03:29
ご無沙汰しています

そうなんですよ~呼ばれて来ちゃいました

次回、テニアンにぜったい来てくださいね。

今のところ、お休みは、金・土です。

合わせて日帰りでも来ていただけたら、島内ディープにご案内します。

お待ちしてますネ
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荘さん (テニアン・マジック)
2005-07-16 10:06:39
いや、たぶん物欲しそうにしてるだけだと思うよ

ほんと、荘さんは、本来の仕事でこっちに来られたら一番いいよね
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Unknown (五郎)
2005-07-17 16:23:40
心が痛んだよ!

大きくなるんだよ。
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あ、あれ~? (テニアン・マジック)
2005-07-17 18:42:07
五郎さん?????

多くないですか???
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不思議島テニアン (バンダナおやじ)
2005-07-17 23:33:51
21年前にこの島の魅力にはまって、まだ抜け出せずにいる。で、結局2度も仕事に来ることになった。そして今、不本意ながらこの島を去る時が近づいてきている。この島を去った後も、まだまだこの島にハマったまま生きていくのだろうな。
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