行動の日 その３

さて、助手席に暴れるキャリーを置いてシートベルトをし、出発。
「にゃーちゃん、今日から家族だよ。お家へ行こうね。その前に怪我を診てもらわないと。大丈夫大丈夫」
こんな感じで、ずーっと話しかけ、か弱く不安そうに「にゃー」と鳴く声に「はいはい」と答え、
ふたたび、家からよりも少し近く感じる動物病院へ。

「捕まりましたか！」受付のお姉さんが笑顔で迎えてくれた（笑）


さきほどホームセンターついでの１００均で購入した洗濯ネットを手に、呼ばれるまで待機。
勢いで受け取ってきちゃったけど、ケージもないのにどうしよう？
とりあえず、また１００均で自作するしかないなぁ～。
それよりも、ジョー大丈夫かなぁ？　タラは大丈夫だと思うけど・・・。
捕まった安堵感よりも、これから起こる騒動のほうが、心を占める。
猫を連れて帰るこんなお母さんを許してくれよ～ふたりとも。


先生に呼ばれる。先生もとっても嬉しそう。
やっぱり、獣医になる人って、動物好きなんだなぁ～と、改めて思った。
急な保護だったのでネットに入れられなかったことを説明。でも、ネットがいらないくらい大人しい。
「けっこうひどくやりましたね～」やはりケンカ傷らしい。
傷がむき出しなので、バスタオルで押さえる。白いバスタオルが血と体液で色が変わる。
申し訳ないなぁ～と、もうすでに保護者の気分（笑）
熱は無し。口内の状態は悪く歯も欠け、先生曰く
「これじゃケンカに勝てないですね～」
体中にある傷跡のハゲに、先生も同情。
前足の肉球がジクジクしていて、暑いところにいたやけどのあとか、難しい病名（覚えられなかった）の治らない病気か、
まだ分からないらしい。
そして、肝心の怪我は、筋肉は無事だそうで、治療していけば治るとのこと。
それにしても、それ以外の身体はキレイですね～と感心されていた。
体重は、４、７５キロ。
痩せてると思ったけど、こんなものらしいですね。
ほかの野良猫の健康状態が良いだけだったのかな？？

耳が黒かったので、耳の洗浄と、傷の洗浄、ノミダニ駆除と虫下しが一緒になったブロードライン、
２週間有効の抗生物質の注射を打ってもらって、コミコミ１万円。
見積もりを大幅に下回る診療明細書を渡されて、一瞬、きょとんとしてしまった。
ありがたや～。

支払いを済ませ、日が落ちた道を急いで自宅へ。
倉庫に入れていたワンコ用のケージを急いで出す。荷物がいっぱい入ってたので、暗くなる中、なんとか引っ張り出し、
掃除して組み立て。なかなか組み立てられず焦る。
上部に、ジョーがサイパンから帰ったときの書類のシールがまだ貼ってあって懐かし～い。
ジョーは、異変を察知したのか、匂いチェック。タラは遠巻きに興味津々。



そして、お借りしたキャリーを家に入れた途端、ジョーが吠える吠える。
にゃーちゃんも、シャーシャー反撃。
動くキャリーとジョーの対決が始まってしまったのだった。

先生が言うには、「逃げたら帰ってこないですよ。事故やケンカを考えると気をつけてください」
なんとか組み立てたケージを家の中に入れて、にゃーちゃんを移動。
傷を見たジョーは、驚いたみたい。静かになったけど、ケージに入ったらまた吠える吠える。
ここで、お母さんのカミナリが落ちる。
しばらくして、ジョーも落ち着いた。
ゴメンよ、ジョー。でも、もう家族だからね。



この日、にゃーちゃんは、お水を４杯もおかわりした。
環境の変化でのどがカラカラだったのか、注射の影響か。
猫の水の飲み方ってカワイイですね～。

そして、１００均で一目惚れしたこの容器。今日からにゃーちゃんのご飯用です。



にゃーちゃんにとって、こう思ってもらえる日がくればいいなぁ～。



つづく