わたしが思うわたしらしく生きよう

旧題名は、Tinian MagicⅢ改め 「何だって何とかしようと思えば何とかなるもんだぁ~」です。

「この世界の片隅に」原作漫画購入

2016年12月13日 | airstream生活
昨日、旦那ちゃんがタイに戻りました。
でも、さっき連絡があって、スケジュールが白紙になったって。
安定した生活になるのはいつ頃なんでしょうな(笑)


旦那ちゃんが戻る前。隣町の本屋さんへ連れて行ってもらいました。
「この世界の片隅に」の原作漫画が欲しかったんです。
漫画、実家が引越しをする時に、全て姉にあげてしまって、1冊も持って出られなかった。
なので、わたしが所有できるあれから初めての漫画になります。

わたし達が成田HUMAXで観たのは、先週の水曜日。もう明日で1週間になるんですね。
3割ほどしか埋まってなかった。新宿では立ち見がでるくらいなのにね。
さすが千葉!と思った(笑)
ポップコーンを持って入るお客さんがいて、左に座った旦那ちゃんの左後ろに座ったお客さんがポップコーンを噛む音が響いて、
最初の「悲しくてやりきれない」もその音がリズミカルに響いて、イラっとした。
旦那ちゃんは、その音に気付かなくて、最初の歌で泣いたら終わりだと思って我慢してたらしい(笑)
わたしの右の列の端に座っていたのは、小学4、5年生くらいの男の子と若いお祖母さんらしい女性。
同じくポップコーンを持って入ってきたのに、食べられなかったんじゃないかな?
音が一切しなかった。
わたしが初めて観た映画が「八甲田山」。8歳の時。
旦那ちゃんが始めて観た映画は「ビルマの竪琴」。調べたら、旦那ちゃん11歳の時だった。
しかも、両方、戦争(に関した)映画(笑)
大人に連れてきてもらうという環境にいられただけ、わたしたちも、あの男の子も幸運なのかもしれない。
生きていることが決して当たり前のことではなく、幸運だということがトラウマのように身体に染み込んでいくのだから。


旦那ちゃんは、トイレに行きたかったらしく、エンドロールで退席しようとした。
「我慢できないの?」
少し離れた男の子のことが気にかかり、席に留まらせて、旦那ちゃんには可哀想なことしたけれど、
この映画は、最後の最後まで観てほしい。
最後まで、こだわりのある仕事をされているから。

暗転になり、拍手が起こる会場もあるみたいだけど、
わたしたちの回は、えらいものを観てしまった、という、なんとも言えない雰囲気が満ち溢れ、
だれも言葉を発さず、いや、発せず、わたしも旦那ちゃんと一緒じゃなければ、
係員に促されるまで、席を立てなかったかもしれない。

小学低学年のとき、たぶん2年生くらいだったと思うけど、
母の田舎の島根に行く途中で、初めて広島に行き、平和記念資料館に行った。
衝撃につぐ衝撃。
あの当時は、最近撤去されたらしい蝋人形があり、うらめしや~のポーズをとりながら、
手から皮膚が剥がれて垂れ下がっている人形を見た。
左を向くその何体かの姿は今でも目に浮かぶ。
子供の頃にトラウマとなる衝撃体験を受けさせることに反対する人も多いけれど、
わたしは、後悔はせず、あの年齢で見せてくれた母に感謝したいと思う。
祖母が入りたがらない理由もよく分かったし、
帰り際、車の後部座席の左側の窓から「水をください。水をください」という、あたまに響き渡るたくさんの声も、
今思えば、生きることに思い上がらないという源を教えてもらったのだと思う。


この千葉の田舎なら、手に入らない原作漫画もあると確信し、本屋へ連れて行ってもらった。
入り口近くの話題の本コーナーには「君の名は。」の本。
奥の「映像化、アニメ化されたコーナー」2つには、無し。
きっと、重版が間に合わなくて、売り切れなんだろうと、田舎に似つかわしい広い店内をさ迷うこと30分。
見つけました!
端の端、平置きにはなっていたものの、きっと、店員さんたちも、この本がどれだけ話題なのか気付かないのだろう。
こんなときに、銀座で働いていたときの、情報の速さを懐かしく思う。
けど、わたしは、こんな千葉が好き(笑)
きっと、開戦しても、千葉は千葉、なんだと思う。


原作者、こうの史代さんの、広島を舞台とした先の作品「夕凪の街 桜の国」を先に読む。
薄い本で、864円。
高いなぁ~と思いつつ、どさくさで旦那ちゃんに了解をとる。
第9回手塚治虫文化賞新生賞と第8回文化庁メディア芸術祭大賞を受賞したらしい。
全98ページ。
こんな短くて、映画化、舞台化されたらしい。
始めの34ページの「夕凪の街」。
先に読んだ衝撃が凄かったせいか、「この世界の片隅に」では意外にも泣くことはなかった。

でも、原作をほぼ忠実に映像化したことが分かって、本当に驚いた。
よく漫画をアニメ化したとき、勝手な解釈や大人の事情で、原作漫画を踏みにじることが多々あるけれど、
今回は、リスペクトにリスペクトを重ねたのが、よーく理解できた。
映画がヒットして、映像化できなくて泣く泣くカットしたリンさんとのお話が入った完全版を観たいと切に願う。

思えば、原爆を落とされた国に生まれたのに、その出来事を事実としか知らず、
その原爆が飛び立ったテニアンで旦那ちゃんと出会い、ジョーを連れ帰ったのにも関わらず、
その被害や、体験談を俯瞰でしか知らなかったことを不思議に思う。
「夕凪の街」の主人公のような、ひとりの人間の体験は、後世に語り継がなければいけないのではないのだろうか?
戦争は、いいことなんてひとつもない。
過去に学ぶことはできないのだろうか。

まぁ、攻めてくるなら、わたしは戦いますけど(笑)

最近思うのは、結局、守るものがあるか、ないか、の問題だと思う。
人間は愚かだけれど、一生懸命生きて、結果、愛するものたちを守るために戦うとしたら、
誰も責められないと思う。
みんな、自分なりの正義で生きているのだから。

その折り合いをいかにつけるか、未来のひとたちに希望を託したいと思う。
「この世界の片隅に」のラストで希望があったように。


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5 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-12-13 23:07:38
ドラマでストーリーは知っていたものの、気になっていたこの映画。chiekoさんのブログ読んでやっぱり観に行こうって思い立って、そのままレイトショーで観てきました。週末ということもあってほぼ満席。

本当に丁寧に描かれていて、私はいつの間にやら祖母や祖父の姿と重さねて観ていました。

今度は私達世代が伝えていかなければですね。
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Unknown (ぷーママ)
2016-12-13 23:09:37
コメント私(笑)
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Unknown (kaya)
2016-12-14 00:45:15
こっちでも公開されるんですね。絶対に観に行きます!!
伝えていかないといけないこと・・・・本当にそうだと思います。こっちで、何も知らない小学3年生の時に、強制収容所の見学についていった私。展示されている物、写真があまりにもすごすぎて、数日高熱を出してしまいました。
今でも、こっちではテレビのドキュメントで生存者のインタビューなどが放送されています。ずっと伝えていけないといけないこと、どうして戦争に進んでしまったのか。。。考えさせられる事が多すぎます。
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オドロキ (chieko)
2016-12-14 22:26:47
ぷーママさん、ドラマ見たんですね~わたしも見たかったなぁ。
ってか、わたしのブログがぷーママさんに少しでも影響を与えることができることがあるなんて!
オドロキモモの木だわ(笑)
それにしても行動力ありますね~尊敬します。
「この世界の片隅に」は、視点を変えるといろんな感情が押し寄せてきますよね。
お祖母さんやお祖父さんの姿と重さねてっていうのも、よく分かります。
あの頃のご苦労された方々の経験をなかったことには決して出来ませんよね。

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ぜひぜひ (chieko)
2016-12-14 22:35:49
kayaさん、どこでやるかは分からないんですが><
観られる場所だといいですね~。
強制収容所かぁ~それもかなりトラウマになりそうですねぇ。。。
ドイツは、ほんとうに歴史教育がしっかりしてますよね。
日本は、わざと飛ばしてるみたい。少なくともわたしの時代は、「時間がなくなったので各自読んでおくように」でした。
今の世界の状況が戦前と似ているみたいで、心配です。
平和ボケしてる日本人はすぐに捕虜にされちゃうんだろうなぁ。。。
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