「厳寒の逃避行」
薊州館駅。劉秀の首を狙って兵と乗り込んで来た劉接に「お前も劉氏の子孫だろ。陛下の特使に攻撃を?」と言う劉秀。劉接は「劉玄は傍系にすぎぬ。劉子與こそ正統だ。いかさま王朝の特使が、我らを丸め込めるとでも?」と言う。邯鄲の兵は涿軍まで来ている、お前たちは袋の鼠、首を寄越せば他の者は見逃すと。
劉秀は劉接を殺し、馬に乗って皆で城門を目指す。途中、兵の攻撃から馮異をかばった劉秀は、怪我を負ってしまう。
馬に乗った麗華が劉秀を自分の後ろに乗せ城外へ。
「劉秀は薊を出て西南へ向かったようです」と王郎に報告する劉林。王郎は「救援を求めに洛陽へ?」と聞く。劉林は「ならば最初から大軍を率いてくるはず。ご安心を。劉秀は必ず捕まえます。それより豪族たちの懐柔を。河北で即位されたのなら劉玄は潰すべきかと」と言う。河北を掌握した次は天下です、と。「同族の真定王・劉揚は数十万の兵を持っている。私に従うだろうか」と言う王郎。劉林はふっと笑うと「私は劉揚をよく知っています。あの者は時勢に応じて判断ができる。劉秀より優勢な我らに逆らうわけがありません」と答える。
真定王府。駆けてきた過珊彤に母・過主が「ここは伯父上の家よ、名門の令嬢らしく振る舞いなさい」と注意する。「劉秀が河北に来ているそうですよ」と嬉しそうに言う過珊彤。盗賊から劉秀が救ってくれた頃よりきれいか聞く過珊彤に、過主は「河北でお前より美しい女子はいない。でも劉秀はこの美をめでるとができぬやも」と言う。邯鄲の劉子輿が天子となり劉秀の首に報奨を懸けていると。過珊彤は「母上も仰ったでしょう。“劉秀は英傑で、将来、大事を成し遂げる”と」と言う。「生き延びればね」と返す過主。
過珊彤は「受けた恩は返せと私は教えられました。命の恩人の劉秀を助けてください。伯父上に頼んでは?」と言う。過主は「劉秀が河北の宣撫に来たとはいえ、伯父上は邯鄲の劉林たちを怒らせたくないはず」と話す。「10万も兵馬を有していて、劉秀たった1人を救えないと?」と過珊彤が聞く。過主は「兵馬は真定が有事の時に使うの。簡単には動かせないわ。劉秀を助けたら邯鄲はもちろん、河北の劉氏一族を敵に回す」と答える。それでも「安心して。劉秀は1人で私たちを盗賊から救ってくれた。少ない配下とはいえ、百戦錬磨の将軍ばかりよ。劉秀が英傑なら、必ずや危機を脱するはず。私も見守るわ」と言う過主。
過主は劉秀が私たちをきっと忘れていると言うが、過珊彤は覚えていると信じていた。
雪の降る厳寒の地で、深手を負っていた劉秀が麗華の後ろから落ちる。2人と行動を共にしていた馮異と、麗華が急いで駆け寄る。
「馮異」とか細い声で呼び、左手を差し出す劉秀。馮異がその手を握ると、劉秀は「もし私が死んだら、親友だったよしみで頼まれてくれ。麗華を新野へ送り届けてほしい」と頼む。「嫌よ、離れないわ。死ぬ時は一緒よ」と言う麗華。劉秀は「君は生きろ。さもなくば安らかに逝けぬ」と麗華に言う。
劉秀は馮異に「内偵の件は知っている。私が死んだら、私の首を持って洛陽へ行け。お前の家族を取り戻すのだ」と話す。「監視されていたと知っていて、まだ私に手を貸すと?」と言う馮異。劉秀は「人質がいれば従わざるを得ない。気持ちは分かる。私が困難に遭うといつもお前は助けてくれた。恩返しだ」と言う。馮異は何も言わず劉秀の手を放し、馬に乗って駆けて行く。
劉秀は麗華に抱きかかえられながら、亡くなった劉元、劉縯、劉仲の幻を見る。「私を迎えに来たのかい?」と言う劉秀。麗華は「駄目よ、秀兄さん。しっかりして。私を置いて逝かないで」と泣きながら強く抱き締める。
ひと晩が過ぎ、馮異が王覇たち仲間を連れて劉秀たちの元へ戻ってくる。
馮異の呼びかけに、しばらくして麗華が目を覚ます。身動きひとつしない劉秀に薬をつける馮異。馮異は「よく聞くんだ。麗華はどこにも行かせない。皆も同じだ。ここまで生き延びたのに、王郎ごときに負けてたまるか。君は王将だ、死ぬな。皆が生きるためにも」と劉秀に話しかける。劉秀の指が動き、皆は安心して喜ぶ。
王覇が捜してきた馬車に劉秀を乗せると、馮異が「ここでお別れだ」と言い出す。「あなたを責めてないわ」と言う麗華。馮異は「だからこそ面目が立たない。文淑は優れた人物だ、将来、大成するだろう。誠に残念だが、私は洛陽に戻らねば」と言う。麗華が「今、帰ったら劉玄と朱鮪はあなたを許さないわ」と言うと「承知だ。だが君と文淑のように、私も家族と共に死にたい。すまない」と話す馮異。
「駄目よ、行かせないわ。丁さんもこう言ってた、あなたの家族の面倒を見る、心配はいらないと」と言う麗華。馮異は麗華に丁柔の指を見せ「家族が危険にさらされている。生死も不明だ。放っておけぬ」と言う。麗華は丁柔のことは兄が守ってくれる、あなたの家族も陰家が全力で守ると馮異を説得する。劉秀もつらい体で「生死を共にした仲間を信じろ」と言い、仲間たちも「俺たちもお前が頼りだ」と引き留める。馮異がいないと困ると。みんなから頼まれ、馮異は「ありがとう。では兄弟たちと生死も苦難も共にしよう」と言う。
馬武は「劉将軍は邯鄲の賊に命を狙われています。直ちに援軍を送り、王郎を討ってください」と劉玄に話す。「賊を宣撫するのは劉秀の役目だ。長安への遷都を控え、こちらも手が足りぬ。それに劉将軍の実力なら、劣勢を挽回できよう」と言う朱鮪。馬武は「挽回できる?わずか数十人の手勢で?どうやって戦うのだ」と言い返す。朱鮪は「河北は漢の天下。多くの将軍が陛下に忠実だ。情勢が分からぬのに、むやみに派兵しては憶測を呼び、事が複雑になるだけだ」と言う。馬武は「劉将軍は陛下の特使だぞ。窮地を知りながら放置を?このままでは、皆、陛下に失望しますよ」と話す。「馬武、対策は考えてある。下がれ」と言う劉玄。
馬武がいなくなり「情けは禁物です。王郎など恐れるに足りません」と朱鮪が言う。劉玄は笑い「分かっておる。劉秀は容易に屈服する男ではない。どのように王郎を倒すのか、お手並み拝見だ」と話す。
「ところで李軼を劉賜の補佐として長安へ?」と聞く劉玄。朱鮪は「さようです。陛下が李通と劉伯姫を結婚させたゆえ、傷ついた李軼が恨みを持つかと」と答える。劉玄は「あの者にそんな度胸などない。しょせんは風見鶏だ」と言う。
朱鮪が「確かに強欲な愚か者です。この際、利家もろとも長安へ移らせ、劉伯姫を陰麗華の身代わりとしましょう」と話す。野心家の李軼と違い李通や李松は忠義を重んじる、李家に諍いが起ころうと陛下に火の粉は飛びません、と。劉玄は朱鮪の肩に手を置き「さすが朕の功臣だな」と言う。
皆、空腹で馬も疲れているため、劉秀たちは屋根のない無蔞亭で休憩することにする。
馮異に「早く食べ物を捜してくれ」と言う王覇。馮異は王覇と銚期を連れて食べ物を探しに行く。
馮異は鼠の穴からわずかな豆を手に入れ、粥を作って麗華に渡す。皆の分は?と麗華が聞くと「あるから先に食え」と言う馮異。その時、馬の鳴き声が聞こえてくる。「何事?」と麗華が言うと「馬を殺す」と馮異が答える。粥がひと碗しかなかったことを知る麗華。馮異は「文淑は衰弱している、粥がいいだろう。君も馬肉は嫌いなのでは?」と話す。麗華は劉秀を起こし、粥を食べさせる。
李家。寝台に座りながら花嫁衣装を身にまとった伯姫が泣いていると、李通が「なぜ泣く」と聞く。李通が触れようとし、簪を自分の首もとにあて「離れて」と言う伯姫。思いどおりにはさせないわ、私に触れたら死んでやる、と。李通は「安心しろ。君が嫌がることはしない」と落ち着かせようとするが、伯姫は「だったら今すぐ出て行って」と言う。「今、出て行けば客人が不審に思う。私は君を託された。君は柱国将軍・輔漢侯の妻だ。身の安全は保証できる」と話す李通。それでも伯姫が「迷惑だわ」と言い、李通は「だろうな。手を下ろせ、ケガをするぞ」と言って伯姫から少し離れた場所に座る。
水を飲みにきた麗華に「肉を取っておいた。少しは食べろ」と言う馮異。麗華は「馬の肉は食べれないわ。小長安で劉玄に助けられた時、彼も馬を殺して食べていたの。あの時の悲しい出来事を思い出すから食べれない」と話す。馮異は強要せず「劉玄は頭が切れるが腹黒い。太学でも有望視されていたが、まさか皇帝になるとはな」と言う。「私の知っている劉玄はもういない。苦労を経験し、天下を案じていた優等生が縯兄さんを殺すなんて」と言う麗華。そんな中、鄧禹の「麗華」という声が聞こえる。
麗華を見つけ、倒れ込んでしまう鄧禹。麗華が駆け寄ると「やっと君を見つけた」と言って、鄧禹は意識を失ってしまう。
劉秀も支えられながら鄧禹の元へ来る。「具合は?」と心配する劉秀に、馮異は「安心しろ、疲れているだけだ。休めば回復する」と話す。麗華が「馬鹿ね、歩いてくるなんて無茶だわ」と言う。「鄧禹は身なりを気にする男だ。目につくのを恐れたのかも」と言う劉秀。麗華が「秀兄さんは休んでいて。私が看病するわ」と言い、劉秀はうなずく。
ーつづくー
劉林は自分より王郎が上の立場になっているけど、いいのかな…(*´Д`*)
鼠が集めた豆!!
ハムスターが集めたエサしか思い浮かばない。(おい)
伯姫も鄧禹が忘れられないのは分かるけど…。
泣いてばかりいたけど、李通のことも気にかけているような。
李通も辛抱強く伯姫を待って、いい人だよね。
鄧禹が麗華たちと会えてよかった(;д;)
歩いてまで来てきれるなんて…。
最初の軽い鄧禹と変わってカッコよくなったと思う。
全50話なので、折り返しですー。
これから、どんな展開になっていくのか楽しみ(*´ー`*人)
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もう、折り返し地点なのですね。想像以上に「アクション陰麗華」ドラマです。そしてライバル過珊彤が、意外に美少女風・・・・・・。袁弘は、十三皇子の時より堅い(濃い?)感じの男になってますね。