雪舞は蘭陵王の墓までたどり着くが、兵が二人いて近付く事ができない。近くに夾竹桃があることに気づいた雪舞は、枝葉に硫黄をかけ火をつける。夾竹桃は枝にも葉にも毒があり、触ると肌がかぶれ、生木を燃やした煙を吸ったり浴びたりしただけでも我慢できない刺激を感じることになる。知らずに煙に近付いた兵は、顔や手のかゆみに襲われ川まで洗いに行ってしまう。
少しずつ蘭陵王を思い出しながら墓に近付く雪舞。"蘭陵王 高孝灌の墓"と書かれた墓碑を見て「殿下。やっと会いに来られたわ」と言う。その墓碑を震える手で触りながら「この墓碑は氷のように冷たい。されど、まだ覚えてる。私の手を握ったあなたの手の温もりを。あれが最後になると分かっていたら、あの手を死んでも離さなかったわ。あの時、眠り薬を飲む事もなかったのに」と雪舞は涙を流す。もう一度、あなたが手を握って髪をすいてくれるなら、私は何を差し出してもかまわない、と。
雪舞はひざまずき「ごめんなさい、気づかずにいて。別れを選んだあなたの苦しみに、私を守るために一人で耐えていたのね。どうかもう、ゆっくり休んでちょうだい」と言う。
その頃、宇文邕たちは雪舞を必死で捜していた。必ず雪舞は生きていると信じる宇文邕。斉軍の動きを探っていた兵は、斉の禁衛軍が重罪人を追って北東に向かっていると宇文邕に報告。それを聞いた宇文邕は、北東へ向かう事にする。
雪舞は最後に蘭陵王から買ってもらった櫛を手に持つ。「あなたのくれた櫛よ。肌身離さず持っているわ。別れたあの日のあなたの言葉もみな、ちゃんと覚えてる。伝えたかったのよね。たとえあなたがいなくなっても、強く生きていくようにと」と言う雪舞。そしてお腹に手をあて「私たちの子供よ。この子が代わりに側にいてくれる。一人でも立派に育て上げてみせるわ。物心がついたら話してやるの。父親の高長恭がどれほど偉大だったかを。だからお願い。無事に大きくなれるよう、この子を見守っていて」と頭を下げる。
立ち上がった雪舞は、私たちは二度と会えなくなってしまったが、来世でまたあなたと巡り会いたい、夫婦になって生涯添い遂げましょう、と言うと墓に背を向けて歩きだす。しかし、離れ難く、振り向いてしまう雪舞。その気持ちを振り切り、再び背を向けると、目の前に鄭児や祖珽、そして兵たちが立っていた。
「名残惜しいなら去らずともよいのに」と言う鄭児。兵たちが雪舞を取り囲み「泣かせる話だこと。高長恭は命を賭してお前を逃がしたのに、会いに来ずにはいられなかった。夫婦の情けがそうさせたというわけね。罠を仕掛けたかいがあったわ」と鄭児は笑う。鄭児の言葉で、この墓に蘭陵王のなきがらがないことを雪舞は知る。「殿下はどこなの」と言う雪舞に「焼いたわ。この手で火をつけて灰になるまで焼きつくしたの」と平然とした顔で鄭児は話す。「あなただけは生かしておくべきじゃなかった。忠臣を殺め、国を滅ぼす悪魔め」と鄭児に怒鳴る雪舞。
「子を宿したおなごが取り乱してよいの」と言い、祖珽から短刀を受け取る鄭児。雪舞の前まで来た鄭児は「何ゆえお前があの方の子を。分かるかしら?どれだけこの日を待っていたか。楊雪舞。お前はこの世にいてはいけない存在だった。お前さえいなければ悲惨な人生を歩まずにすんだはず。お前が私をだまして誠の人生を奪ったのよ。これまでの苦しみはみんなお前のせい。私が受けた以上の苦痛をまとめて与えてあげる」と言い、雪舞のお腹を刺そうとする。驚いて手に持っていた櫛を落としてしまう雪舞。その時、鄭児の手に矢がかすめる。
矢に射抜かれた何人かの兵が倒れ、雪舞を囲んでいた兵の剣もゆるむ。雪舞は逃げ出し、すぐに助けに来た韓曉冬の手で宇文邕の馬に乗せられる。
鄭児は雪舞の落としていった櫛を手に持つ。
宇文邕の馬に乗っていた雪舞に追いかけてきた追っ手の矢が刺さり、雪舞は馬から落ちてしまう。すぐに韓曉冬は雪舞の元へ駆け寄るが、宇文邕は体を張って止める宇文神挙に押さえられ、雪舞の側へ行く事が出来ない。
「曉冬、逃げて」と雪舞は言うが「君を置いて行けるわけがないだろう」と韓曉冬は動かない。雪舞に追いついた鄭児の命で兵たちが次々と矢を放つ。韓曉冬は雪舞の後ろへ回ると放たれた総ての矢を自らの背で受け止める。泣き叫ぶ雪舞に「会えたこと後悔してない。幸せだった…」と言う韓曉冬。ようやく神挙を振り払い駆けてきた宇文邕に「陛下、奥方を頼む」と言い、韓曉冬は雪舞を押し出し宇文邕に託す。宇文邕は雪舞を抱き上げ、その場を離れていく。置き去りになる韓曉冬に手を延ばし「曉冬」と叫ぶ雪舞。
韓曉冬は残った力で丸太を持ち「馮小燐、死んだって奥方を守ってみせる。それが俺、韓曉冬だ」と言い、丸太を鄭児たちに投げつける。しかし短刀を手にした韓曉冬にさらなる矢が放たれ「雪舞。もう天から見守るしかない。生き抜いてくれ」と言うと倒れてしまう韓曉冬。鄭児は韓曉冬の持っていた短刀を手に持つと、動かなくなった韓曉冬の体に突き刺す。「楊雪舞にとっては、お前などただの犬なのよ」言う鄭児。
周に戻った宇文邕はすぐに雪舞を侍医に診せる。矢の傷は浅いが、蓄積した疲労と精神的な負担により、おそらくご懐妊で衰弱した体が持たぬでしょうと言う侍医。「懐妊?」と驚く宇文邕。さらに侍医は、力は尽くすが母子ともに助けるのは困難だと言う。それを聞いた雪舞は「嫌よ。どうかお願いですから、この子を助けて」と侍医に言う。そして阿怪(宇文邕)にも「殿下が私に残してくれた子供よ。諦めるなんて出来ない。この子が死んだら私も生きていけないわ」と泣きながら訴える。「総て阿怪に任せておけばよい。雪舞、約束しよう。子供もそなたも必ずや助ける」と宇文邕も涙を流す。
部屋を出た宇文邕は、万一の時は母親の命を守るよう侍医に言う。ただし、その万が一の代償は払わせると。
夢に亡霊たちが現れ、夜が来るのが恐ろしいと鄭児に話す高緯。鄭児はぐっすり眠れるよう、よい薬を探しておくと言う。そんな鄭児が腕を怪我していることに気づき高緯は驚く。そこに祖珽が来る。
雪舞を連れ去ったのは、周の皇帝・宇文邕だったと報告する祖珽。雪舞の身柄は、すでに周にあると。「この、役立たず。あの女をかくまったのが誰であろうと構わぬ。とにかく楊雪舞の首を持っておいで」と怒鳴る鄭児。しかし高緯は「もうよい」と言う。朕はもう蘭陵王や楊雪舞の話は聞きたくない、蘭陵王が夜ごと夢で会いに来る、疲れた、捨て置けと。
鄭児は包帯を巻いた腕を見せながら「この傷は楊雪舞の仕業なのです」と訴える。しかし、やめろと言っていたのに、何ゆえそうまでして首を欲しがると言い返す高緯。鄭児はそれ以上は何も言わず、涙を流す。責めているわけではなく、楊雪舞などのために二度と傷を負ってほしくないと高緯は言う。
高緯が眠った後、外に出た鄭児は「何としてでも楊雪舞の息の根を止めて」と祖珽に命じる。祖珽は躊躇するが、雪舞が蘭陵王の敵討ちを叫べば斉の民はこぞって従う、あなたもただではすまないと鄭児は脅す。
鄭児は「支度を」と紅萼に言う。「また、あの方のところへおいでに?」と聞く紅萼。鄭児は陛下を頼むと返す。
周・朝廷。斉より蘭陵王妃を連れ帰ってきた宇文邕に考えを聞きたいと言う大臣。「天女は民の宝。我が周にも必要だ」と宇文邕は言う。その宇文邕の考えに賛成の意見と反対の意見が出る。そんな中、天女の寝殿に刺客が侵入、捕らえたが自害したと宇文邕に伝えに来る宇文神挙。その刺客の持ち物から「斉の宮中の者かと」と言う。宇文邕は刺客の首を切り、斉の宮廷に届け、高緯と馮小燐に「これより後、楊雪舞は我が周の者となる。朕の妃だ」と伝えるよう命じる。そして玉座から立った宇文邕は「さらに、ここに定める。誰であろうと、楊雪舞を害せば朕に楯突いたとみなし、必ずや国をあげてその者を殲滅するものとする」と言う。斉が戦を望めば、朕は受けて立つと。
雪舞はたくさんの兵が倒れている中、韓曉冬を捜す夢を見る。ようやく霧の中から韓曉冬が現れるが、雪舞が近付こうとすると、韓曉冬は後ろへ下がってしまう。「俺はもう奥方とは別の世界の人間なんだ。この後は奥方の側にはいられない。ちゃんと飯を食って、よく眠って、しっかり生きろよ」と言う韓曉冬。そして韓曉冬は消えてしまう。
うなされる雪舞の手に宇文邕が触れると、強く握ってくる雪舞。「雪舞、聞こえるか」と宇文邕が言い、雪舞は目を覚ます。
すぐに子供を心配する雪舞に、宇文邕は「安心しろ。子供は無事だ、そなたもな」と伝える。「曉冬は?」と聞かれ、言葉に詰まり目を伏せてしまう宇文邕。雪舞は「結局、周には一緒にこられなかったのね」と涙を流す。なきがらもないと。
「人を恨んだ事なんてなかったけれど、今は鄭児と高緯を殺してやりたい。憎くて憎くてたまらないの。許せないの」と言い、雪舞は寝台を拳で何度も殴る。その腕に手をやる宇文邕。
高延宗は食事もせず酒ばかり飲んでいた。兄の蘭陵王が亡くなると屋敷の者たちは去り、残っているのは小翠だけ。金目の物を持ち、小翠にも出て行くように高延宗は言う。しかし小翠は泣きながらひざまずき「殿下、どこへも行きません。私には延宗様しかいないのです」と言う。
少しだけ回復した雪舞は、外に出ると斉の方角に向かいひざまずく。「仏様。これは楊雪舞の生まれて初めてのお願いです。私にはもう進むべき道がないのです。仏にすがるしかない。どうか、苦境に喘ぐ斉の民を見捨てないでください。斉に君臨する者たちが、民の苦しみを悟り、罪なき民を虐げぬようお導きください。私の殿下も曉冬も私を守るために逝ってしまいました。お願いです。どうか二人が早く極楽に行けますように。苦しみのない世界へ」と頭を下げる雪舞。そこに雪舞の体の寸法を測りたいという宮女が来る。「周のお妃様の衣をご用意致します」と言われ「何ですって」と雪舞は驚く。
ーつづくー
今までの中で一番悲しい回だった(;△;)
蘭陵王のお墓の前での雪舞のお話も切なくて切なくて。
大切な人がそこにいると思っている雪舞に、罠だったなんてひどすぎる。
鄭児は雪舞の櫛を手に入れたから、また何か悪巧みに使いそう(o´д`o)=3
そして…韓曉冬が(0д0∥)
こんなのこんなのこんなのあんまりあんまりあんまり!!!(TωT)
「幸せだった」って雪舞に言った時はポロポロポロポロ。
「もう天から見守るしかない。生き抜いてくれ」も切なくて。
夢の中の韓曉冬も悲しい。
すごく韓曉冬、かっこよかったよね。宇文邕に託す時も。
なのに鄭児。何で動かなくなった韓曉冬にまだひどいことをするの"(ノ_・、)"
小馬ちゃんもカッコよかった。
馬に乗った時、後ろに乗せた雪舞に手を回しているところもよかった。
周に戻ってきてからも本当に素敵だったね。
でも雪舞はずっとずっとつらそうで、可哀想…(;_;)
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録りためていた蘭陵王をようやく見て、うささんの書いてくださるあらすじに追い付きました。
昨日は、悲しい回でした。。。一番泣きました。
暁冬、最後まで雪舞のことを守りましたね。
思えば、出会いこそ雪舞を騙したのだけど、ずーっとそばにいて雪舞の幸せを誰よりも願ってた人でしたね。そして最後の最後まで雪舞の味方でした。
一緒に周に逃げて欲しかった。。。
そして暁冬の死により、雪舞の高緯鄭児への憎しみが爆発して、雪舞の天女より人間的な部分が際立ったかんじがします。
そして周パートは躍動感ありますね。神挙さまもいい仕事されてますし、子馬ちゃんの度量の広さが高緯と対照的ですね。
暁冬があんな亡くなり方を~この亡くなり方私にはもう一つの中国ドラマを思い出しました~
そうその人も何本もの矢を刺されて( ; ; )
鄭児が酷すぎる!
雪舞も言ってましたが、殺しておけば良かったよね~
子馬ちゃんが助けに来てくれて良かったけれど~
雪舞大丈夫かな?イジメられない?
貞ちゃんは喜んでくれるだろうけど~あの皇后?ちょっと怖そうよね…
鄭児、やっぱり蘭綾王を隠してる?って思いました~
ちょっと光が見えたかな~
では~追い掛け再生でこの続きみま~す
うささん、ありがとうございます(^ ^)
そう書きたくて、、、暁冬の最後、、、ある悲劇のドラマと似ています。
子馬ちゃんも必死に助けにきてくれてありがとう!と応援しました。神挙さんが必死で身体をていして引き留めたり、剣で矢を払ったり、、、神挙さま、見るだけで安心します
うささんのあらすじを読まさせて頂きました。
ありがとうございます
韓曉冬が亡くなる回があるとは聞いていたのですが
それが今日だったのですね。見たら号泣しそうで怖い。。
そのシーンになったらショック受けそうで
録画見れそうにありません(ノД`)・゜・。
せめてもの救いは宇文ヨウが救出に駆けつけてくれたことかナ
宇文ヨウ、雪舞のピンチにいつも助けに来てくれるような。。
文面を見ていると、宇文ヨウすごく活躍しているようなので
周のシーンだけは録画見たくなりますヽ(*’-^*)。
「朕の妃」なんて言葉も飛び出たようですが
前回「貴兄に雪舞を頼む」と蘭陵王に言われていたので
妃にしても、きっと大丈夫なのでしょうねd(^^*)
雪舞も蘭陵王がいないとなれば
宇文ヨウの気持ちもわかっていたので
宇文ヨウのことを受け入れてくれるかな?
その辺りはなんだか密かに期待しちゃいます
あらすじがおもしろくなくなってでも ホントに鄭児だけは…( ̄・・ ̄)
ってホントに思ったゎ
マジ泣けました
新年度で、バタバタしてるので やっとここまで観れました
まだ 山河の恋までは辿りつけてないデス(>_<)
常に、四爺と雪舞の危機を救うために
すべてを投げ出して。。。
でも、悲し過ぎます。
鄭兒はどこまで雪舞を傷つければ
気が済むのでしょう???
小馬ちゃんに救われたのが本当に救いでした。
しかもあんな形で雪舞を守って…暁冬らしいといえばらしいんですが(TT)
アリエルさんの演技が上手過ぎて哀しくて哀しくて(;△;)
雪舞も辛すぎますよね。心が壊れてしまわないか心配です。
助けに来てくれて宇文ヨウがカッコよかったのが救いでした(*^^*)
神挙もいい働きしてますね。ファンが多いのがよく分かってきました(^-^)
それと蘭陵王、うん、もしかして…
続きが気になります。
忙しくてこの回1話見るのに3日かかりました(^^;