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気儘にブログ

好きなときに 好きなことを 好きなだけ...

ビヨウヤナギ(美容柳)

2008-07-21 | 平成草木図説






「ビヨウヤナギ」は中国原産。オトギリソウ科オトギリソウ属の仲間ですが、草・木の区分では草(…ソウ)にはあらず、高さ1メートルほどの常緑低木です。昔から庭園などで花木として植栽されていましたが、最近では路側帯や公園・団地の植え込みなどでもよく見かけますね。6月から7月にかけ、大きさが5センチほどの明るい黄色の花を開きます。
この花は逆光で、背景を思い切りアンダーにして撮るとよく映えるようですね。細長い雄シベの群れが黄金色にかがやき、花びらに繊細な影を落としています。(6月中旬、左の2枚は金町駅近くの団地、右は鎌倉 成就院にて)
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アメリカフウロ(亜米利加風露)

2008-07-20 | 平成草木図説
フウロソウ科フウロソウ属の「アメリカフウロ」は北アメリカ原産の一年草。本州(関東以西)各地の日当たりのよい畦道や草原で見られます。草丈は50センチほどで、葉はカエデのように深く切れ込み、茎には細毛が生えています。薄紫色の花は小さく1センチほどで花期は4~9月ですが、ぽつぽつと咲き続けるので秋まで見られるとのこと(「夏の野草」山と渓谷社)。
呼び名の「…フウロ」は科名と属名のフウロソウ(風露草)から取っているようですが、「風露草」はゼラニウムなども含まれる数種の植物の総称だそうです(広辞苑)。学名“Geranium carolinianum”のゲラニウムは鳥のツルから来た言葉で、実の形がツルの嘴に似ているから。カロリニアヌムは米国カロライナ州のこと(「夏の野草」同前)。蛇足になりますが、「ゼラニウム」は上の“Geranium”の読みが訛ったもののようです。(3月下旬、近くの河川敷で)
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カラスノエンドウ(烏野豌豆)

2008-07-17 | 平成草木図説
「カラスノエンドウ」はマメ科ソラマメ属の2年草で、本州から沖縄までの各地に分布し、野原や田畑の土手などの日当たりのよい場所に生えています。栽培種のエンドウと同じに前年の秋に発芽して越冬。春になると葉茎の先の巻きヒゲを所かまわず巻きつけながら勢いよく成長し、条件さえ良ければ1メートルほどの草丈になります。花は大きさが1センチほどの青紫色、マメ科特有の蝶形花は花期が3月~6月。
花のあとには、これもマメ科特有の鞘に覆われた10個ほどの実が生ります。マメは同属の「スズメノエンドウ」のものよりも大きくて黒く、これが名前の頭の「カラス…」の由来です。
後半の「…ノエンドウ」は、野原で育つ食べられる豆なので「野豌豆」。〆てこの植物の呼び名は「カラスノエンドウ(烏野豌豆)」というわけです。
群馬県では別名を「シビビ」。これは、中のマメを取り出して作る鞘笛の響きを真似たものとのこと(「季節の野草・山草」日本文芸社)。
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ホトケノザ(仏の座)

2008-07-16 | 平成草木図説
前回の記事と同じシソ科オドリコソウ属の仲間の「ホトケノザ」です。葉の形が仏像の蓮華に似ていることからこの名で呼ばれますが、春の七草で言うホトケノザは、キク科の「オニタビラコ」という別の植物です(「季節の野草・山草図鑑」日本文芸社)。
ホトケノザの草丈は15~30センチほどで、3~4段の扇状の葉が茎をフリルのように囲み、3~6月にはそこから1センチほどの薄紫色の花を咲かせます。
花は雛鳥が親に餌をねだって大きく口を開いたような凝った形をしていますが、それに輪をかけて、上部のツボミのように見える部分は「閉鎖花」という、花を開かずに受粉してしまう仕掛けにもなっていています(「春の野草」山と渓谷社)。
この植物は葉が段々に付くので、別名で「サンガイグサ(三階草)」とも呼ばれています。
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ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)

2008-07-15 | 平成草木図説








シソ科オドリコ草属の「ヒメオドリコソウ」はヨーロッパ原産の帰化植物で、明治の中期に渡来しました。現在では各地の野原や畑の畦道などに生えています。草丈は15センチほど。四角い断面の茎に対生(脚注)する葉はハート形で周りにギザギザがあり、上に行くほど赤ジソのような紫色を帯びています。4~5月には、上部の葉の間から赤紫の小さな花を咲かせますが、花の形は在来種の「オドリコソウ」にそっくりのミニチュア版で、呼び名の接頭辞の「ヒメ…」もそこから出たとのことです。この植物は、アリが種子を巣に運び入れると発芽するという、珍しい方法で繁殖します(「季節の野草・山草図鑑」日本文芸社)。
在来種の「オドリコソウ」も、各地の野原や亜高山地帯などに広く分布しています。笠を被った踊り子のような姿の白い花は、抜き取って中の蜜を吸うとほのかに甘く、子供の頃にそれで遊んだ記憶があります。
3月下旬、写真左は近くの河川敷、同右は二宮吾妻山公園にて。
【注】対生:葉が茎から出るとき、茎の同じ高さから、向き合うように2枚の葉が出ること。
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